784 / 1,415
781.転売屋は曇り止めを販売する
しおりを挟む「うーん、これもダメか。」
「やっぱりダメですか。」
「多少はマシにはなるがその程度だな。成分が弱いのかそもそも効果が無いのかは素人の俺には断言できん。」
早朝の畑。
ハロゲンヒーター試作品第4号を足元に置きながらアグリと二人実験を繰り返す。
呼気は白く大きく息を吐けば巨大な塊となって空へと昇っていく。
その過程で朝日を遮るサングラスは真っ白に曇ってしまった。
屋内であればまだしも、これだけ冷え込んだ外では一度曇った部分はなかなか元に戻らない。
曇りの原因は結露。
呼気に含まれる湿気がキンキンに冷えたレンズで冷やされて水分が液化してしまうと本で読んだことがある。
じゃあどうすればいいのか。
元の世界で使っていた曇り止めと同じものを作れたらと思い、原料の『界面活性剤』を再現しようとしているのだが・・・。
素人ではなかなかうまくいかないものだ。
「材料が合わないのでしょうか。」
「それもわからん。洗剤として使われているトレントの樹液ならと思ったんだが、結局曇るんだよなぁ。とはいえ他に最適なものは思いつかないし、難しいものだ。」
「窓ガラスの結露を防ぐと言われましても、正直拭くしか思いつきませんね。」
「まぁそれが一番簡単なんだが、めんどくさくないか?」
「そのままにして汚れがたまるよりかは。」
曇ったら拭けばいい。
もちろんごもっともな話だが、馬上ではそういうわけにもいかないんだよな。
そもそも曇り止めを考えているのも、元はサングラスユーザーからの相談だった。
この時期になるとアーロイの所に色々と相談が持ち込まれるらしいのだが生憎と今の素材ではどうにもならなかったらしい。
なら別の物で代用すればいいじゃないかと言う話になったのだが、いくら需要があるとわかっていても使い物にならないものを売るわけにはいかないわけで。
そこで俺に相談が来たというわけだ。
長い冬だからこそ早めに開発できればその分売れ続ける。
はてさてどうしたもんか。
「要は結露しないように何かで覆ってしまうわけですね。」
「そういう事だ。」
「風蜥蜴の被膜ではダメでしょうか。」
「視界がクリアじゃないしガサガサするだろ?」
「ではクリームでも塗りますか。」
「乾燥しないクリームでもあればいいが、乾いてカピカピになる未来しか見えない。」
「難しいですね。」
開発を始めてからこの繰り返し。
他にも色々な人間から意見を聞いているのだが中々名案が浮かんでこない。
仕方ない、一度店に戻るか。
アグリにお礼を言って寒さに耐えながら店へと急ぐ。
流石に早朝の大通りは人も疎ら、ゆっくり開店準備が出来そうだ。
「おはよう。」
「あ、おはようございます!」
「寒いなぁ。」
「寒くてベッドから出にくくて困ります。でも、あのヒーターのおかげで着替えは大分楽になりました。」
「熱くないか?」
「近づかなければ問題ありません。」
試作品5号はメルディの所で試験運用中だ。
小型化かつ省エネ化を目指してワイヤーを短く複数本つないである。
一回本数を増やし過ぎて火傷しそうになったのだが、どうやら今回のは正解だったようだ。
持続時間はまだまだ短めだが、そろそろ一時間ぐらい使えるようになってきている。
売り出しは13月になってからって所だろう。
大々的に売り出すには間に合わないので狙うとしたら次の冬だな。
「そうだ、昨日珍しい素材を買い付けたんですけど、取引履歴もなかったので買取価格の確認をしてもらえますか?」
「メルディでわからないとか珍しいな。」
「取引所には何度か出品されているんですけど、売買が成立していないみたいなんです。」
「どこにある?」
「素材置き場の手前に置いた壺の中です。」
「確認してくる。」
いくらメルディの記憶力がいいとはいえ、取引履歴がないんじゃ確認のしようがない。
が、俺の相場スキルならこの街じゃなく恐らく世界中の履歴がわかるのでさすがに一件ぐらいは取引されているだろう。
片手で収まるような小さな壺を開けると、ガソリンの様な匂いがした。
油系か。
『オイルトレントの樹液。オイルトレントの樹液は可燃性が高く、誤って火をつけるとたちまち燃えてしまう。油でありながら水との親和性が高いのが特徴で、気付かず飲んでしまいお腹を下す事があるので注意が必要。最近の平均取引価格は銅貨43枚。最安値銅貨27枚最高値銅貨70枚最終取引日は231日前と記録されています。』
オイルトレントの樹液。
同じトレント種でも初めて聞く名前だ。
名前の如く油分が多く燃えてしまうんだとか。
水と油の関係と言うぐらいだから普通は相反する存在のはずが、こいつは水に溶けやすいらしい。
うーむその水は燃えるんだろうか。
試しに手を入れてみると油なので油膜のようなものがこびりつく。
この辺はほかのトレント種と同じ感じだな。
洗剤に使ったやつも最初はこんな感じだが、あっちは少し粘度が高い。
でもこっちはサラサラしている。
メルディの買取価格は銅貨40枚、あながち外れていないのが流石だ。
「どうでした?」
「価格的には問題ない、いい線いってると思うぞ。」
「良かったです!」
「可燃性が高いらしいから取り扱いには注意が必要だが、燃料か何かに使えそうだ。」
「そう思ったんですけど、あまり需要がないってことは使えないんですかね。」
「その辺は実験してみてからだなぁ。」
燃料の代わりに入れて爆発しましたなんてことになったら大変だ。
メルディの言うように何か理由があって使われていないんだろう。
この辺は生き字引キキ様にお伺いを立てるのが一番だが、とりあえず遊んでみたいので使わせてもらおう。
店で買い取った者は俺の物ってね。
壺を預かり再び畑へ。
火事にならないよう開けた場所に陣取って小皿に樹液を垂らしていく。
揮発性が高いのかゆらゆらと何かが立ち残っているようにも見えた。
試しに火をつけるとボッと言う音と共に周りの空気を巻き込んで炎がる。
「おぉ、結構な勢いで燃えるな。」
「すごい勢いですね、ですが思ったほど熱くありません。」
「一瞬だけ燃えて終わりか。」
次は水を混ぜながら同じように燃やしていく。
鑑定結果にあったように面白いように水に溶ける。
樹液だからだろうか。
流石に水に溶けると可燃性はぐっと落ちるが、半々ぐらいまでは火が付いた。
しかしこれを扱うのはちょいと難しそうだ。
燃料にするにも可燃性が高すぎるし継続的に燃えるような要素もない。
使えるとしたら火炎瓶程度だが、すぐ火が消えるので継続的な被害を与えるのは難しいだろう。
一気に酸素を奪って窒息させるとかそんな感じか?
というかそんなことできるんだろうか。
「あれ?」
最後に残った皿に火を近づけるも全く反応しない。
それどころかフワフワと立ち上っていたモヤもなくなっていた。
アルコールのようなにおいもしない。
「なんだこれ。」
「すみません、水ではなく朝のトレントの樹液を混ぜてしまったようです。」
「樹液同士だと更に混ざりやすいみたいだな。匂いも気にならないが、燃えないのであれば意味がない。」
「そうですねぇ。」
なんだろうクリームまでは行かないが、粘度の弱い白いジェルの様な仕上がりになってしまった。
触ってみると普通の樹液と違ってベタリとしている。
ふむ。
「え、それをですか?」
「まぁ物は試しだ。」
俺はサングラスを外すと汚れをふき取り白いジェルをレンズに塗っていく。
これだけべたついていたら結露なんてできないだろう。
塗り始めはベタベタだが、伸ばしていくと面白いようになじんでいく。
すぐにべたつきが無くなり見た目には塗っているのがわからなくなったが、よく見ると油膜みたいなものが残っている。
試しに口の前に手を当て大きく息を吐いてみる。
呼気は指の隙間から上に登りサングラスを・・・曇らせなかった。
「すごい、曇りません!でも何ででしょう。」
「わからんがこの油膜みたいなものが結露を防いでいるんだろうな。しばらく使ってみないとわからないが、何となくいけそうな気がする。」
元の世界で使っていた曇り止めはムースとか液体のやつばかりだったが、そういえばジェル的なのも売っていた気がする。
それがこれと類似があるかはわからないが、結局その日は一度も曇らなかったのでかなりの効果はあるんだろう。
今回買い取った樹液をすべて混ぜて試作品を100個準備する。
小型のボトルに入れるのは結構大変だったのでこの辺はおいおい考えるとしよう。
それをもってすぐにアーロイの工房へと向かう。
「できたんっすね!」
「あぁ、一日中外で使ってみたが問題はなかった。」
「さすがシロウさんっす!」
「試しはこっちのボトル、とりあえず100本準備したから馴染みの客に声をかけてみてくれ。」
「了解っす!あ、でもいくらで売ります?」
「その辺は任せるが・・・、そうだな卸値は銀貨1枚ってところか。」
「え、そんなに安いんですか?」
今回の原価なんて100本でせいぜい銀貨1枚。
銀貨1枚で売れば驚愕の粗利益99%になる。
流石にそれ以上の値段で売るのはあれなので、後はアーロイのさじ加減ってやつだ。
馴染みの客もいるだろうし先方の懐具合を一番知っているのは本人だからな。
高値で売るもよし、安く数を売るもよし。
その辺は任せるとしよう。
「材料の兼ね合いもあるから大量注文は少し待ってくれ、ボトルの用意もあるしな。」
「了解っす!」
「はーやれやれ、何とか形になったな。」
「こんなすごい奴作るの大変だったっすよね。」
「あー、まぁな。」
そんな顔で見られたら偶然できたなんて言えないじゃないか。
何はともあれ頼まれた品は無事に納品。
これがどれだけの金を産むかは、まぁアーロイ次第ってところだな。
「やっぱりダメですか。」
「多少はマシにはなるがその程度だな。成分が弱いのかそもそも効果が無いのかは素人の俺には断言できん。」
早朝の畑。
ハロゲンヒーター試作品第4号を足元に置きながらアグリと二人実験を繰り返す。
呼気は白く大きく息を吐けば巨大な塊となって空へと昇っていく。
その過程で朝日を遮るサングラスは真っ白に曇ってしまった。
屋内であればまだしも、これだけ冷え込んだ外では一度曇った部分はなかなか元に戻らない。
曇りの原因は結露。
呼気に含まれる湿気がキンキンに冷えたレンズで冷やされて水分が液化してしまうと本で読んだことがある。
じゃあどうすればいいのか。
元の世界で使っていた曇り止めと同じものを作れたらと思い、原料の『界面活性剤』を再現しようとしているのだが・・・。
素人ではなかなかうまくいかないものだ。
「材料が合わないのでしょうか。」
「それもわからん。洗剤として使われているトレントの樹液ならと思ったんだが、結局曇るんだよなぁ。とはいえ他に最適なものは思いつかないし、難しいものだ。」
「窓ガラスの結露を防ぐと言われましても、正直拭くしか思いつきませんね。」
「まぁそれが一番簡単なんだが、めんどくさくないか?」
「そのままにして汚れがたまるよりかは。」
曇ったら拭けばいい。
もちろんごもっともな話だが、馬上ではそういうわけにもいかないんだよな。
そもそも曇り止めを考えているのも、元はサングラスユーザーからの相談だった。
この時期になるとアーロイの所に色々と相談が持ち込まれるらしいのだが生憎と今の素材ではどうにもならなかったらしい。
なら別の物で代用すればいいじゃないかと言う話になったのだが、いくら需要があるとわかっていても使い物にならないものを売るわけにはいかないわけで。
そこで俺に相談が来たというわけだ。
長い冬だからこそ早めに開発できればその分売れ続ける。
はてさてどうしたもんか。
「要は結露しないように何かで覆ってしまうわけですね。」
「そういう事だ。」
「風蜥蜴の被膜ではダメでしょうか。」
「視界がクリアじゃないしガサガサするだろ?」
「ではクリームでも塗りますか。」
「乾燥しないクリームでもあればいいが、乾いてカピカピになる未来しか見えない。」
「難しいですね。」
開発を始めてからこの繰り返し。
他にも色々な人間から意見を聞いているのだが中々名案が浮かんでこない。
仕方ない、一度店に戻るか。
アグリにお礼を言って寒さに耐えながら店へと急ぐ。
流石に早朝の大通りは人も疎ら、ゆっくり開店準備が出来そうだ。
「おはよう。」
「あ、おはようございます!」
「寒いなぁ。」
「寒くてベッドから出にくくて困ります。でも、あのヒーターのおかげで着替えは大分楽になりました。」
「熱くないか?」
「近づかなければ問題ありません。」
試作品5号はメルディの所で試験運用中だ。
小型化かつ省エネ化を目指してワイヤーを短く複数本つないである。
一回本数を増やし過ぎて火傷しそうになったのだが、どうやら今回のは正解だったようだ。
持続時間はまだまだ短めだが、そろそろ一時間ぐらい使えるようになってきている。
売り出しは13月になってからって所だろう。
大々的に売り出すには間に合わないので狙うとしたら次の冬だな。
「そうだ、昨日珍しい素材を買い付けたんですけど、取引履歴もなかったので買取価格の確認をしてもらえますか?」
「メルディでわからないとか珍しいな。」
「取引所には何度か出品されているんですけど、売買が成立していないみたいなんです。」
「どこにある?」
「素材置き場の手前に置いた壺の中です。」
「確認してくる。」
いくらメルディの記憶力がいいとはいえ、取引履歴がないんじゃ確認のしようがない。
が、俺の相場スキルならこの街じゃなく恐らく世界中の履歴がわかるのでさすがに一件ぐらいは取引されているだろう。
片手で収まるような小さな壺を開けると、ガソリンの様な匂いがした。
油系か。
『オイルトレントの樹液。オイルトレントの樹液は可燃性が高く、誤って火をつけるとたちまち燃えてしまう。油でありながら水との親和性が高いのが特徴で、気付かず飲んでしまいお腹を下す事があるので注意が必要。最近の平均取引価格は銅貨43枚。最安値銅貨27枚最高値銅貨70枚最終取引日は231日前と記録されています。』
オイルトレントの樹液。
同じトレント種でも初めて聞く名前だ。
名前の如く油分が多く燃えてしまうんだとか。
水と油の関係と言うぐらいだから普通は相反する存在のはずが、こいつは水に溶けやすいらしい。
うーむその水は燃えるんだろうか。
試しに手を入れてみると油なので油膜のようなものがこびりつく。
この辺はほかのトレント種と同じ感じだな。
洗剤に使ったやつも最初はこんな感じだが、あっちは少し粘度が高い。
でもこっちはサラサラしている。
メルディの買取価格は銅貨40枚、あながち外れていないのが流石だ。
「どうでした?」
「価格的には問題ない、いい線いってると思うぞ。」
「良かったです!」
「可燃性が高いらしいから取り扱いには注意が必要だが、燃料か何かに使えそうだ。」
「そう思ったんですけど、あまり需要がないってことは使えないんですかね。」
「その辺は実験してみてからだなぁ。」
燃料の代わりに入れて爆発しましたなんてことになったら大変だ。
メルディの言うように何か理由があって使われていないんだろう。
この辺は生き字引キキ様にお伺いを立てるのが一番だが、とりあえず遊んでみたいので使わせてもらおう。
店で買い取った者は俺の物ってね。
壺を預かり再び畑へ。
火事にならないよう開けた場所に陣取って小皿に樹液を垂らしていく。
揮発性が高いのかゆらゆらと何かが立ち残っているようにも見えた。
試しに火をつけるとボッと言う音と共に周りの空気を巻き込んで炎がる。
「おぉ、結構な勢いで燃えるな。」
「すごい勢いですね、ですが思ったほど熱くありません。」
「一瞬だけ燃えて終わりか。」
次は水を混ぜながら同じように燃やしていく。
鑑定結果にあったように面白いように水に溶ける。
樹液だからだろうか。
流石に水に溶けると可燃性はぐっと落ちるが、半々ぐらいまでは火が付いた。
しかしこれを扱うのはちょいと難しそうだ。
燃料にするにも可燃性が高すぎるし継続的に燃えるような要素もない。
使えるとしたら火炎瓶程度だが、すぐ火が消えるので継続的な被害を与えるのは難しいだろう。
一気に酸素を奪って窒息させるとかそんな感じか?
というかそんなことできるんだろうか。
「あれ?」
最後に残った皿に火を近づけるも全く反応しない。
それどころかフワフワと立ち上っていたモヤもなくなっていた。
アルコールのようなにおいもしない。
「なんだこれ。」
「すみません、水ではなく朝のトレントの樹液を混ぜてしまったようです。」
「樹液同士だと更に混ざりやすいみたいだな。匂いも気にならないが、燃えないのであれば意味がない。」
「そうですねぇ。」
なんだろうクリームまでは行かないが、粘度の弱い白いジェルの様な仕上がりになってしまった。
触ってみると普通の樹液と違ってベタリとしている。
ふむ。
「え、それをですか?」
「まぁ物は試しだ。」
俺はサングラスを外すと汚れをふき取り白いジェルをレンズに塗っていく。
これだけべたついていたら結露なんてできないだろう。
塗り始めはベタベタだが、伸ばしていくと面白いようになじんでいく。
すぐにべたつきが無くなり見た目には塗っているのがわからなくなったが、よく見ると油膜みたいなものが残っている。
試しに口の前に手を当て大きく息を吐いてみる。
呼気は指の隙間から上に登りサングラスを・・・曇らせなかった。
「すごい、曇りません!でも何ででしょう。」
「わからんがこの油膜みたいなものが結露を防いでいるんだろうな。しばらく使ってみないとわからないが、何となくいけそうな気がする。」
元の世界で使っていた曇り止めはムースとか液体のやつばかりだったが、そういえばジェル的なのも売っていた気がする。
それがこれと類似があるかはわからないが、結局その日は一度も曇らなかったのでかなりの効果はあるんだろう。
今回買い取った樹液をすべて混ぜて試作品を100個準備する。
小型のボトルに入れるのは結構大変だったのでこの辺はおいおい考えるとしよう。
それをもってすぐにアーロイの工房へと向かう。
「できたんっすね!」
「あぁ、一日中外で使ってみたが問題はなかった。」
「さすがシロウさんっす!」
「試しはこっちのボトル、とりあえず100本準備したから馴染みの客に声をかけてみてくれ。」
「了解っす!あ、でもいくらで売ります?」
「その辺は任せるが・・・、そうだな卸値は銀貨1枚ってところか。」
「え、そんなに安いんですか?」
今回の原価なんて100本でせいぜい銀貨1枚。
銀貨1枚で売れば驚愕の粗利益99%になる。
流石にそれ以上の値段で売るのはあれなので、後はアーロイのさじ加減ってやつだ。
馴染みの客もいるだろうし先方の懐具合を一番知っているのは本人だからな。
高値で売るもよし、安く数を売るもよし。
その辺は任せるとしよう。
「材料の兼ね合いもあるから大量注文は少し待ってくれ、ボトルの用意もあるしな。」
「了解っす!」
「はーやれやれ、何とか形になったな。」
「こんなすごい奴作るの大変だったっすよね。」
「あー、まぁな。」
そんな顔で見られたら偶然できたなんて言えないじゃないか。
何はともあれ頼まれた品は無事に納品。
これがどれだけの金を産むかは、まぁアーロイ次第ってところだな。
26
お気に入りに追加
388
あなたにおすすめの小説

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。

鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる