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781.転売屋は曇り止めを販売する
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「うーん、これもダメか。」
「やっぱりダメですか。」
「多少はマシにはなるがその程度だな。成分が弱いのかそもそも効果が無いのかは素人の俺には断言できん。」
早朝の畑。
ハロゲンヒーター試作品第4号を足元に置きながらアグリと二人実験を繰り返す。
呼気は白く大きく息を吐けば巨大な塊となって空へと昇っていく。
その過程で朝日を遮るサングラスは真っ白に曇ってしまった。
屋内であればまだしも、これだけ冷え込んだ外では一度曇った部分はなかなか元に戻らない。
曇りの原因は結露。
呼気に含まれる湿気がキンキンに冷えたレンズで冷やされて水分が液化してしまうと本で読んだことがある。
じゃあどうすればいいのか。
元の世界で使っていた曇り止めと同じものを作れたらと思い、原料の『界面活性剤』を再現しようとしているのだが・・・。
素人ではなかなかうまくいかないものだ。
「材料が合わないのでしょうか。」
「それもわからん。洗剤として使われているトレントの樹液ならと思ったんだが、結局曇るんだよなぁ。とはいえ他に最適なものは思いつかないし、難しいものだ。」
「窓ガラスの結露を防ぐと言われましても、正直拭くしか思いつきませんね。」
「まぁそれが一番簡単なんだが、めんどくさくないか?」
「そのままにして汚れがたまるよりかは。」
曇ったら拭けばいい。
もちろんごもっともな話だが、馬上ではそういうわけにもいかないんだよな。
そもそも曇り止めを考えているのも、元はサングラスユーザーからの相談だった。
この時期になるとアーロイの所に色々と相談が持ち込まれるらしいのだが生憎と今の素材ではどうにもならなかったらしい。
なら別の物で代用すればいいじゃないかと言う話になったのだが、いくら需要があるとわかっていても使い物にならないものを売るわけにはいかないわけで。
そこで俺に相談が来たというわけだ。
長い冬だからこそ早めに開発できればその分売れ続ける。
はてさてどうしたもんか。
「要は結露しないように何かで覆ってしまうわけですね。」
「そういう事だ。」
「風蜥蜴の被膜ではダメでしょうか。」
「視界がクリアじゃないしガサガサするだろ?」
「ではクリームでも塗りますか。」
「乾燥しないクリームでもあればいいが、乾いてカピカピになる未来しか見えない。」
「難しいですね。」
開発を始めてからこの繰り返し。
他にも色々な人間から意見を聞いているのだが中々名案が浮かんでこない。
仕方ない、一度店に戻るか。
アグリにお礼を言って寒さに耐えながら店へと急ぐ。
流石に早朝の大通りは人も疎ら、ゆっくり開店準備が出来そうだ。
「おはよう。」
「あ、おはようございます!」
「寒いなぁ。」
「寒くてベッドから出にくくて困ります。でも、あのヒーターのおかげで着替えは大分楽になりました。」
「熱くないか?」
「近づかなければ問題ありません。」
試作品5号はメルディの所で試験運用中だ。
小型化かつ省エネ化を目指してワイヤーを短く複数本つないである。
一回本数を増やし過ぎて火傷しそうになったのだが、どうやら今回のは正解だったようだ。
持続時間はまだまだ短めだが、そろそろ一時間ぐらい使えるようになってきている。
売り出しは13月になってからって所だろう。
大々的に売り出すには間に合わないので狙うとしたら次の冬だな。
「そうだ、昨日珍しい素材を買い付けたんですけど、取引履歴もなかったので買取価格の確認をしてもらえますか?」
「メルディでわからないとか珍しいな。」
「取引所には何度か出品されているんですけど、売買が成立していないみたいなんです。」
「どこにある?」
「素材置き場の手前に置いた壺の中です。」
「確認してくる。」
いくらメルディの記憶力がいいとはいえ、取引履歴がないんじゃ確認のしようがない。
が、俺の相場スキルならこの街じゃなく恐らく世界中の履歴がわかるのでさすがに一件ぐらいは取引されているだろう。
片手で収まるような小さな壺を開けると、ガソリンの様な匂いがした。
油系か。
『オイルトレントの樹液。オイルトレントの樹液は可燃性が高く、誤って火をつけるとたちまち燃えてしまう。油でありながら水との親和性が高いのが特徴で、気付かず飲んでしまいお腹を下す事があるので注意が必要。最近の平均取引価格は銅貨43枚。最安値銅貨27枚最高値銅貨70枚最終取引日は231日前と記録されています。』
オイルトレントの樹液。
同じトレント種でも初めて聞く名前だ。
名前の如く油分が多く燃えてしまうんだとか。
水と油の関係と言うぐらいだから普通は相反する存在のはずが、こいつは水に溶けやすいらしい。
うーむその水は燃えるんだろうか。
試しに手を入れてみると油なので油膜のようなものがこびりつく。
この辺はほかのトレント種と同じ感じだな。
洗剤に使ったやつも最初はこんな感じだが、あっちは少し粘度が高い。
でもこっちはサラサラしている。
メルディの買取価格は銅貨40枚、あながち外れていないのが流石だ。
「どうでした?」
「価格的には問題ない、いい線いってると思うぞ。」
「良かったです!」
「可燃性が高いらしいから取り扱いには注意が必要だが、燃料か何かに使えそうだ。」
「そう思ったんですけど、あまり需要がないってことは使えないんですかね。」
「その辺は実験してみてからだなぁ。」
燃料の代わりに入れて爆発しましたなんてことになったら大変だ。
メルディの言うように何か理由があって使われていないんだろう。
この辺は生き字引キキ様にお伺いを立てるのが一番だが、とりあえず遊んでみたいので使わせてもらおう。
店で買い取った者は俺の物ってね。
壺を預かり再び畑へ。
火事にならないよう開けた場所に陣取って小皿に樹液を垂らしていく。
揮発性が高いのかゆらゆらと何かが立ち残っているようにも見えた。
試しに火をつけるとボッと言う音と共に周りの空気を巻き込んで炎がる。
「おぉ、結構な勢いで燃えるな。」
「すごい勢いですね、ですが思ったほど熱くありません。」
「一瞬だけ燃えて終わりか。」
次は水を混ぜながら同じように燃やしていく。
鑑定結果にあったように面白いように水に溶ける。
樹液だからだろうか。
流石に水に溶けると可燃性はぐっと落ちるが、半々ぐらいまでは火が付いた。
しかしこれを扱うのはちょいと難しそうだ。
燃料にするにも可燃性が高すぎるし継続的に燃えるような要素もない。
使えるとしたら火炎瓶程度だが、すぐ火が消えるので継続的な被害を与えるのは難しいだろう。
一気に酸素を奪って窒息させるとかそんな感じか?
というかそんなことできるんだろうか。
「あれ?」
最後に残った皿に火を近づけるも全く反応しない。
それどころかフワフワと立ち上っていたモヤもなくなっていた。
アルコールのようなにおいもしない。
「なんだこれ。」
「すみません、水ではなく朝のトレントの樹液を混ぜてしまったようです。」
「樹液同士だと更に混ざりやすいみたいだな。匂いも気にならないが、燃えないのであれば意味がない。」
「そうですねぇ。」
なんだろうクリームまでは行かないが、粘度の弱い白いジェルの様な仕上がりになってしまった。
触ってみると普通の樹液と違ってベタリとしている。
ふむ。
「え、それをですか?」
「まぁ物は試しだ。」
俺はサングラスを外すと汚れをふき取り白いジェルをレンズに塗っていく。
これだけべたついていたら結露なんてできないだろう。
塗り始めはベタベタだが、伸ばしていくと面白いようになじんでいく。
すぐにべたつきが無くなり見た目には塗っているのがわからなくなったが、よく見ると油膜みたいなものが残っている。
試しに口の前に手を当て大きく息を吐いてみる。
呼気は指の隙間から上に登りサングラスを・・・曇らせなかった。
「すごい、曇りません!でも何ででしょう。」
「わからんがこの油膜みたいなものが結露を防いでいるんだろうな。しばらく使ってみないとわからないが、何となくいけそうな気がする。」
元の世界で使っていた曇り止めはムースとか液体のやつばかりだったが、そういえばジェル的なのも売っていた気がする。
それがこれと類似があるかはわからないが、結局その日は一度も曇らなかったのでかなりの効果はあるんだろう。
今回買い取った樹液をすべて混ぜて試作品を100個準備する。
小型のボトルに入れるのは結構大変だったのでこの辺はおいおい考えるとしよう。
それをもってすぐにアーロイの工房へと向かう。
「できたんっすね!」
「あぁ、一日中外で使ってみたが問題はなかった。」
「さすがシロウさんっす!」
「試しはこっちのボトル、とりあえず100本準備したから馴染みの客に声をかけてみてくれ。」
「了解っす!あ、でもいくらで売ります?」
「その辺は任せるが・・・、そうだな卸値は銀貨1枚ってところか。」
「え、そんなに安いんですか?」
今回の原価なんて100本でせいぜい銀貨1枚。
銀貨1枚で売れば驚愕の粗利益99%になる。
流石にそれ以上の値段で売るのはあれなので、後はアーロイのさじ加減ってやつだ。
馴染みの客もいるだろうし先方の懐具合を一番知っているのは本人だからな。
高値で売るもよし、安く数を売るもよし。
その辺は任せるとしよう。
「材料の兼ね合いもあるから大量注文は少し待ってくれ、ボトルの用意もあるしな。」
「了解っす!」
「はーやれやれ、何とか形になったな。」
「こんなすごい奴作るの大変だったっすよね。」
「あー、まぁな。」
そんな顔で見られたら偶然できたなんて言えないじゃないか。
何はともあれ頼まれた品は無事に納品。
これがどれだけの金を産むかは、まぁアーロイ次第ってところだな。
「やっぱりダメですか。」
「多少はマシにはなるがその程度だな。成分が弱いのかそもそも効果が無いのかは素人の俺には断言できん。」
早朝の畑。
ハロゲンヒーター試作品第4号を足元に置きながらアグリと二人実験を繰り返す。
呼気は白く大きく息を吐けば巨大な塊となって空へと昇っていく。
その過程で朝日を遮るサングラスは真っ白に曇ってしまった。
屋内であればまだしも、これだけ冷え込んだ外では一度曇った部分はなかなか元に戻らない。
曇りの原因は結露。
呼気に含まれる湿気がキンキンに冷えたレンズで冷やされて水分が液化してしまうと本で読んだことがある。
じゃあどうすればいいのか。
元の世界で使っていた曇り止めと同じものを作れたらと思い、原料の『界面活性剤』を再現しようとしているのだが・・・。
素人ではなかなかうまくいかないものだ。
「材料が合わないのでしょうか。」
「それもわからん。洗剤として使われているトレントの樹液ならと思ったんだが、結局曇るんだよなぁ。とはいえ他に最適なものは思いつかないし、難しいものだ。」
「窓ガラスの結露を防ぐと言われましても、正直拭くしか思いつきませんね。」
「まぁそれが一番簡単なんだが、めんどくさくないか?」
「そのままにして汚れがたまるよりかは。」
曇ったら拭けばいい。
もちろんごもっともな話だが、馬上ではそういうわけにもいかないんだよな。
そもそも曇り止めを考えているのも、元はサングラスユーザーからの相談だった。
この時期になるとアーロイの所に色々と相談が持ち込まれるらしいのだが生憎と今の素材ではどうにもならなかったらしい。
なら別の物で代用すればいいじゃないかと言う話になったのだが、いくら需要があるとわかっていても使い物にならないものを売るわけにはいかないわけで。
そこで俺に相談が来たというわけだ。
長い冬だからこそ早めに開発できればその分売れ続ける。
はてさてどうしたもんか。
「要は結露しないように何かで覆ってしまうわけですね。」
「そういう事だ。」
「風蜥蜴の被膜ではダメでしょうか。」
「視界がクリアじゃないしガサガサするだろ?」
「ではクリームでも塗りますか。」
「乾燥しないクリームでもあればいいが、乾いてカピカピになる未来しか見えない。」
「難しいですね。」
開発を始めてからこの繰り返し。
他にも色々な人間から意見を聞いているのだが中々名案が浮かんでこない。
仕方ない、一度店に戻るか。
アグリにお礼を言って寒さに耐えながら店へと急ぐ。
流石に早朝の大通りは人も疎ら、ゆっくり開店準備が出来そうだ。
「おはよう。」
「あ、おはようございます!」
「寒いなぁ。」
「寒くてベッドから出にくくて困ります。でも、あのヒーターのおかげで着替えは大分楽になりました。」
「熱くないか?」
「近づかなければ問題ありません。」
試作品5号はメルディの所で試験運用中だ。
小型化かつ省エネ化を目指してワイヤーを短く複数本つないである。
一回本数を増やし過ぎて火傷しそうになったのだが、どうやら今回のは正解だったようだ。
持続時間はまだまだ短めだが、そろそろ一時間ぐらい使えるようになってきている。
売り出しは13月になってからって所だろう。
大々的に売り出すには間に合わないので狙うとしたら次の冬だな。
「そうだ、昨日珍しい素材を買い付けたんですけど、取引履歴もなかったので買取価格の確認をしてもらえますか?」
「メルディでわからないとか珍しいな。」
「取引所には何度か出品されているんですけど、売買が成立していないみたいなんです。」
「どこにある?」
「素材置き場の手前に置いた壺の中です。」
「確認してくる。」
いくらメルディの記憶力がいいとはいえ、取引履歴がないんじゃ確認のしようがない。
が、俺の相場スキルならこの街じゃなく恐らく世界中の履歴がわかるのでさすがに一件ぐらいは取引されているだろう。
片手で収まるような小さな壺を開けると、ガソリンの様な匂いがした。
油系か。
『オイルトレントの樹液。オイルトレントの樹液は可燃性が高く、誤って火をつけるとたちまち燃えてしまう。油でありながら水との親和性が高いのが特徴で、気付かず飲んでしまいお腹を下す事があるので注意が必要。最近の平均取引価格は銅貨43枚。最安値銅貨27枚最高値銅貨70枚最終取引日は231日前と記録されています。』
オイルトレントの樹液。
同じトレント種でも初めて聞く名前だ。
名前の如く油分が多く燃えてしまうんだとか。
水と油の関係と言うぐらいだから普通は相反する存在のはずが、こいつは水に溶けやすいらしい。
うーむその水は燃えるんだろうか。
試しに手を入れてみると油なので油膜のようなものがこびりつく。
この辺はほかのトレント種と同じ感じだな。
洗剤に使ったやつも最初はこんな感じだが、あっちは少し粘度が高い。
でもこっちはサラサラしている。
メルディの買取価格は銅貨40枚、あながち外れていないのが流石だ。
「どうでした?」
「価格的には問題ない、いい線いってると思うぞ。」
「良かったです!」
「可燃性が高いらしいから取り扱いには注意が必要だが、燃料か何かに使えそうだ。」
「そう思ったんですけど、あまり需要がないってことは使えないんですかね。」
「その辺は実験してみてからだなぁ。」
燃料の代わりに入れて爆発しましたなんてことになったら大変だ。
メルディの言うように何か理由があって使われていないんだろう。
この辺は生き字引キキ様にお伺いを立てるのが一番だが、とりあえず遊んでみたいので使わせてもらおう。
店で買い取った者は俺の物ってね。
壺を預かり再び畑へ。
火事にならないよう開けた場所に陣取って小皿に樹液を垂らしていく。
揮発性が高いのかゆらゆらと何かが立ち残っているようにも見えた。
試しに火をつけるとボッと言う音と共に周りの空気を巻き込んで炎がる。
「おぉ、結構な勢いで燃えるな。」
「すごい勢いですね、ですが思ったほど熱くありません。」
「一瞬だけ燃えて終わりか。」
次は水を混ぜながら同じように燃やしていく。
鑑定結果にあったように面白いように水に溶ける。
樹液だからだろうか。
流石に水に溶けると可燃性はぐっと落ちるが、半々ぐらいまでは火が付いた。
しかしこれを扱うのはちょいと難しそうだ。
燃料にするにも可燃性が高すぎるし継続的に燃えるような要素もない。
使えるとしたら火炎瓶程度だが、すぐ火が消えるので継続的な被害を与えるのは難しいだろう。
一気に酸素を奪って窒息させるとかそんな感じか?
というかそんなことできるんだろうか。
「あれ?」
最後に残った皿に火を近づけるも全く反応しない。
それどころかフワフワと立ち上っていたモヤもなくなっていた。
アルコールのようなにおいもしない。
「なんだこれ。」
「すみません、水ではなく朝のトレントの樹液を混ぜてしまったようです。」
「樹液同士だと更に混ざりやすいみたいだな。匂いも気にならないが、燃えないのであれば意味がない。」
「そうですねぇ。」
なんだろうクリームまでは行かないが、粘度の弱い白いジェルの様な仕上がりになってしまった。
触ってみると普通の樹液と違ってベタリとしている。
ふむ。
「え、それをですか?」
「まぁ物は試しだ。」
俺はサングラスを外すと汚れをふき取り白いジェルをレンズに塗っていく。
これだけべたついていたら結露なんてできないだろう。
塗り始めはベタベタだが、伸ばしていくと面白いようになじんでいく。
すぐにべたつきが無くなり見た目には塗っているのがわからなくなったが、よく見ると油膜みたいなものが残っている。
試しに口の前に手を当て大きく息を吐いてみる。
呼気は指の隙間から上に登りサングラスを・・・曇らせなかった。
「すごい、曇りません!でも何ででしょう。」
「わからんがこの油膜みたいなものが結露を防いでいるんだろうな。しばらく使ってみないとわからないが、何となくいけそうな気がする。」
元の世界で使っていた曇り止めはムースとか液体のやつばかりだったが、そういえばジェル的なのも売っていた気がする。
それがこれと類似があるかはわからないが、結局その日は一度も曇らなかったのでかなりの効果はあるんだろう。
今回買い取った樹液をすべて混ぜて試作品を100個準備する。
小型のボトルに入れるのは結構大変だったのでこの辺はおいおい考えるとしよう。
それをもってすぐにアーロイの工房へと向かう。
「できたんっすね!」
「あぁ、一日中外で使ってみたが問題はなかった。」
「さすがシロウさんっす!」
「試しはこっちのボトル、とりあえず100本準備したから馴染みの客に声をかけてみてくれ。」
「了解っす!あ、でもいくらで売ります?」
「その辺は任せるが・・・、そうだな卸値は銀貨1枚ってところか。」
「え、そんなに安いんですか?」
今回の原価なんて100本でせいぜい銀貨1枚。
銀貨1枚で売れば驚愕の粗利益99%になる。
流石にそれ以上の値段で売るのはあれなので、後はアーロイのさじ加減ってやつだ。
馴染みの客もいるだろうし先方の懐具合を一番知っているのは本人だからな。
高値で売るもよし、安く数を売るもよし。
その辺は任せるとしよう。
「材料の兼ね合いもあるから大量注文は少し待ってくれ、ボトルの用意もあるしな。」
「了解っす!」
「はーやれやれ、何とか形になったな。」
「こんなすごい奴作るの大変だったっすよね。」
「あー、まぁな。」
そんな顔で見られたら偶然できたなんて言えないじゃないか。
何はともあれ頼まれた品は無事に納品。
これがどれだけの金を産むかは、まぁアーロイ次第ってところだな。
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