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675.転売屋はスイカを割る
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「俺は芋を頼んだのに何でこんなものまで持ってくるんだあいつらは。」
北側の大型倉庫の前に並べられた大量の丸い物体。
その数は全部で30を超えている。
ボウリング玉を二周りぐらい大きくしたぐらいだろうか、重量もソレに近いものがあるかもしれない。
とりあえずでかい。
「さぁ、似てるからじゃない?」
「どこをどう見たら似ているように見えるんだ?大きさも形も中身も何もかも違うじゃないか。」
「じゃあ、ついで?」
「ついでならまぁ・・・。でもかなりの重さだぞ?」
「重いのは売れるとか思ってるんじゃない?」
それはあるかもしれない。
冒険者は重量を嫌う。
単純に動きが鈍くなるし体力も消耗するからだ。
重たくて安いものを持って帰るなら、軽くて高いものを持ち帰りたいのが本音だろう。
だが、それによって持ち帰られる数が減り結果として値段が高くなるものも存在する。
それを見極めるのもまた優れた冒険者に必要な技量とも言えるだろう。
でもなぁ、コレはどう見ても違うだろう。
『ココメロボム。緑の縞々が特徴的な果実、中には真っ赤な果肉が詰まっており水分も豊富なため水分補給にも用いられる。ただし見た目は同じでも衝撃を与えると爆発する個体も存在するため取り扱いには注意が必要。爆弾とも呼ばれている。最近の平均取引価格は銅貨40枚。最安値銅貨25枚最高値銀貨1枚最終取引日は昨日と記録されています。』
見た目はスイカ。
中身もスイカ。
元の世界に爆弾スイカなんていう名前で売られていた奴があったが、こいつはマジで爆発する。
衝撃を加えたが最後、そこら中に赤い果肉が飛び散り悲惨なことになるんだよな。
まだ爆発する現場は見ていないが、この夏もここだけでもかなりの数が爆発しているはずだ。
殺傷能力が無いのが唯一の救いだが、その後の掃除などを考えると心の殺傷能力はかなり高いといえるだろう。
「買取価格を考えれば持ち帰る方が大変だと思うがな。」
「それは本人に聞けばいいでしょ。」
「聞いたさ。」
「じゃあなんて?」
「『そこにあったから』だ、そうだ。」
「やっぱりついでじゃない。子鬼芋の近くにココメロ畑があったから一緒に持ってきただけよ、きっと。」
「それがこれだけあるんだぞ?」
「だからついでよついで、あいつらのする事にいちいち理由なんてつけてられないわよ。問題はソレをどうするかでしょ?買い取ったのはシロウなんだから自分で何とかしなさいよ。食べるなら手伝ってあげる。」
縞模様が特徴的なフォルム。
軽く叩くといい音がするのでそろそろ食べごろだろう。
が、食べるためには爆発の危険も考えなければならない。
そうなると、調理する場所は被害を最低限に抑えられる狭い個室。
もしくは広々とした空間という事になる。
それこそ、この前の畑やダンジョンの中がいいだろう。
あそこは掃除の手間もないし、放っておけばダンジョンに吸い込まれていく。
そうだよ、別に外に拘る必要ないじゃないか。
最上階なら魔物も出ないし、それなりの広さもある。
お祭り騒ぎをするにはもってこいだ。
「わかった、なんとかする。」
「え、また何か考えたの?」
「別に、使い道を思いついただけだ。このまま置いていても痛むだけだし、食べるなら安全に楽しむのが一番だろ?俺も食べたいしな。」
「どうするの?」
「とりあえず追加で30個ほど手配してくれ。」
「え!まだ集めるの!?」
「ソレぐらいないと盛り上がらないだろ。確か100個に1個ぐらいの割合だったよな、爆発するのって。」
「体感的にソレぐらいかしら。」
「じゃあ最低でも半分はいるだろう。俺はマスターの所に行って酒を手配してくる。」
お遊びをするなら酒は必須だ。
この間の芋祭りでたらふく飲んだばかりだが、彼らにとっては水みたいなものだ。
あれば飲む、なら置いておかない理由は無い。
マスターに事情を話すと二つ返事で酒の手配を買って出てくれた。
「この前の芋もそうだったが、バカ騒ぎが好きだなお前は。」
「人聞きの悪いことを言わないでくれ。俺じゃない、冒険者だ。」
「お前も同じだよ。芋の次は爆弾か、勝負事は盛り上がるし安酒でも大丈夫だろ。」
「で、ソレを高く売ると。」
「ソレこそ人聞きの悪い、適正価格だよ。」
ペットボトルのジュースがお祭りなどで倍の値段で売られているのと同じ。
高いと分かっていても飲みたかったら買う。
イヤなら買わなければいいだけの話だ。
その後も何件か声をかけ、酒と食い物の手配を済ませた。
最後にギルド協会に顔を出し、事の次第を説明する。
大騒ぎになるのは間違いないので、こういった根回しも大切な仕事だ。
「それじゃあ一緒に冒険者ギルドで買い取った分も使って貰えますよね。」
「マジか、まだあるのかよ。依頼しちまったぞ。」
「いいじゃないですか、あっても困らないわけですし。」
「そりゃまぁそうだが。」
「ココメロのジュースは美味しいんですよね、使い終わった後は婦人会に依頼してその場で振舞って貰いましょうか。」
「ここぞとばかりに乗ってきやがって。」
「だってそのためにうちに声をかけたんですよね?」
「半分はな。」
もしかすると手伝ってくれるかもしれないという甘い考えはあった。
大体八割ぐらい。
なので手を貸してもらえるのはありがたい。
ま、冒険者だけのお遊びが町全体のお遊びに変わるだけの話だ。
祭りの開催は明日の昼。
場所はダンジョン最上階。
ベッキーたちが文句を言いそうだが、肉とスイーツで買収すれば問題ないだろう。
「それじゃあルールを説明するぞ、最初に火酒を三杯飲む。一気飲みだ。で、その後コレで目隠しをして貰って、相棒から棒をもらう。その場で五回回転して、後は指示に導かれるまま移動して無事にココメロを割れたら二人の飯代も酒代もタダ、失敗したら酒代は払って貰う。ちなみに野次も聞こえるからしっかり聞き分けろよ。」
「うげ、厳しすぎません?」
「指示に従いさえすればタダだぞ?やらないのか?」
「でも爆弾ですよね?もし爆発したら?」
「今日の支払いは全部そいつ持ちな。」
「「「「まじかぁぁぁぁぁ!」」」」
もちろん全額払わせるわけではない。
いや、金持ちなら別だがここに来てるやつでそこまで余裕のある奴は・・・意外にいるみたいだ。
冒険者達の悲鳴を聞きながら、設置されたお立ち台からゆっくりと下りる。
さぁ、ココメロ割の始まりだ。
夏といえばココメロ割ならぬスイカ割り。
それを冒険者が大好きな賭け事と連動させてのお祭り騒ぎだ。
ちなみにブックメーカー的な奴も来ているが、あえて見なかったことにしている。
余り束縛すると面白くなくなるからな。
犯罪を犯さなければぶっちゃけどうでもいい。
やりすぎれば俺ではなく羊男が出てくるだろう。
本人も黙認しているようだからこの辺は問題ないようだ。
「それじゃあいくぞー!」
「っしゃぁ!任せろ!」
「はっずっせ!はっずっせ!」
「飲む前から言うな!」
野次も茶化しも無問題。
火酒を一気に飲み、目隠しをして棒をもらう。
そのまま五回回転して・・・。
「こっちだって、まえ、まえってそっちじゃねぇ!」
「どこだよ!」
「右、今度は左!バカ行き過ぎだって!」
「左だぞー、そうそうそのまままっすぐ!」
「今の違うからな!」
「どれだよ!わかんねぇよ!」
人間視界をふさがれると別の器官が敏感になる。
だがそれも酒の力でぶれていき、次第に野次と指示の聞き分けができなくなるんだ。
結局最初のペアはあらぬ所を叩いて失敗。
五組に一組の割合でココメロを割れるような感じだ。
思ったよりも数は出ないが、別の場所でガキ共が割っているので婦人会にまわす分は問題ないだろう。
あっちで爆発したらしらん。
それもいい経験だろう。
「シロウ様、ココメロジュースです。」
「お、悪いな。」
大騒ぎする冒険者を横目に出店の肉を食っていると、ミラがジュースを持ってきてくれた。
ピンクに近い淡い赤色。
あぁ、夏のにおいがする。
ためしに一口含んでみると、想像通りの味が口いっぱいに広がった。
「美味いな。」
「私も久々に飲みました、いいものですね。」
「だな。毎日ってのはアレだが、たまにはいいもんだ。ちなみに塩をかけると甘くなるんだぞ、知ってたか?」
「そうなのですか?」
「あぁ、甘みが引き立つんだそうだ。ガキ共におしえてやれ。」
「シロウ様が適任かと。」
「絡まれるのがめんどくさい。」
じゃあこれは?とか、こっちは?とか質問攻めに合うのが目に見えている。
非常にめんどくさいのでパスだ。
「このペースで行くと夜中までかかりそうだな。途中で帰ってもいいぞ。」
「この後エリザ様が来られるそうですので交代させていただきます。なんでもココメロ割をしたいのだとか。」
「げ、マジか。」
「いけませんか?」
「いやな予感しかしないんだが。」
「大丈夫ですよ、たぶん。」
何だよそのたぶんってのは。
イヤだぞ、主催者全額負担とか。
せっかくココメロの売り上げやら何やらでいい感じに儲かってたのに、大損するじゃないか。
「ちなみにベッキーさんを使った検品は不正です、シープ様からそう言付かっています。」
「くそ。」
「ダメですよ。」
「分かってるって、そんな場が白ける様なことはしないさ。」
するつもりだったけど、先を読まれているのならば仕方がない。
そのときはそのときだ。
「うぉぉぉわれたぁぁぁぁ!」
「ヨッシャァ!タダ酒!」
「よくやった!」
どうやらまた一組成功したようだ。
とはいえ、ココメロはまだまだたくさんある。
間違いなく俺達も参加することになるだろう。
あぁ、こういうときの勘は当たるんだ。
さてどっちが叩くか。
そこが問題だなぁ。
大騒ぎは夜まで続く。
俺達がどうなったかは、まぁ想像にお任せしよう。
北側の大型倉庫の前に並べられた大量の丸い物体。
その数は全部で30を超えている。
ボウリング玉を二周りぐらい大きくしたぐらいだろうか、重量もソレに近いものがあるかもしれない。
とりあえずでかい。
「さぁ、似てるからじゃない?」
「どこをどう見たら似ているように見えるんだ?大きさも形も中身も何もかも違うじゃないか。」
「じゃあ、ついで?」
「ついでならまぁ・・・。でもかなりの重さだぞ?」
「重いのは売れるとか思ってるんじゃない?」
それはあるかもしれない。
冒険者は重量を嫌う。
単純に動きが鈍くなるし体力も消耗するからだ。
重たくて安いものを持って帰るなら、軽くて高いものを持ち帰りたいのが本音だろう。
だが、それによって持ち帰られる数が減り結果として値段が高くなるものも存在する。
それを見極めるのもまた優れた冒険者に必要な技量とも言えるだろう。
でもなぁ、コレはどう見ても違うだろう。
『ココメロボム。緑の縞々が特徴的な果実、中には真っ赤な果肉が詰まっており水分も豊富なため水分補給にも用いられる。ただし見た目は同じでも衝撃を与えると爆発する個体も存在するため取り扱いには注意が必要。爆弾とも呼ばれている。最近の平均取引価格は銅貨40枚。最安値銅貨25枚最高値銀貨1枚最終取引日は昨日と記録されています。』
見た目はスイカ。
中身もスイカ。
元の世界に爆弾スイカなんていう名前で売られていた奴があったが、こいつはマジで爆発する。
衝撃を加えたが最後、そこら中に赤い果肉が飛び散り悲惨なことになるんだよな。
まだ爆発する現場は見ていないが、この夏もここだけでもかなりの数が爆発しているはずだ。
殺傷能力が無いのが唯一の救いだが、その後の掃除などを考えると心の殺傷能力はかなり高いといえるだろう。
「買取価格を考えれば持ち帰る方が大変だと思うがな。」
「それは本人に聞けばいいでしょ。」
「聞いたさ。」
「じゃあなんて?」
「『そこにあったから』だ、そうだ。」
「やっぱりついでじゃない。子鬼芋の近くにココメロ畑があったから一緒に持ってきただけよ、きっと。」
「それがこれだけあるんだぞ?」
「だからついでよついで、あいつらのする事にいちいち理由なんてつけてられないわよ。問題はソレをどうするかでしょ?買い取ったのはシロウなんだから自分で何とかしなさいよ。食べるなら手伝ってあげる。」
縞模様が特徴的なフォルム。
軽く叩くといい音がするのでそろそろ食べごろだろう。
が、食べるためには爆発の危険も考えなければならない。
そうなると、調理する場所は被害を最低限に抑えられる狭い個室。
もしくは広々とした空間という事になる。
それこそ、この前の畑やダンジョンの中がいいだろう。
あそこは掃除の手間もないし、放っておけばダンジョンに吸い込まれていく。
そうだよ、別に外に拘る必要ないじゃないか。
最上階なら魔物も出ないし、それなりの広さもある。
お祭り騒ぎをするにはもってこいだ。
「わかった、なんとかする。」
「え、また何か考えたの?」
「別に、使い道を思いついただけだ。このまま置いていても痛むだけだし、食べるなら安全に楽しむのが一番だろ?俺も食べたいしな。」
「どうするの?」
「とりあえず追加で30個ほど手配してくれ。」
「え!まだ集めるの!?」
「ソレぐらいないと盛り上がらないだろ。確か100個に1個ぐらいの割合だったよな、爆発するのって。」
「体感的にソレぐらいかしら。」
「じゃあ最低でも半分はいるだろう。俺はマスターの所に行って酒を手配してくる。」
お遊びをするなら酒は必須だ。
この間の芋祭りでたらふく飲んだばかりだが、彼らにとっては水みたいなものだ。
あれば飲む、なら置いておかない理由は無い。
マスターに事情を話すと二つ返事で酒の手配を買って出てくれた。
「この前の芋もそうだったが、バカ騒ぎが好きだなお前は。」
「人聞きの悪いことを言わないでくれ。俺じゃない、冒険者だ。」
「お前も同じだよ。芋の次は爆弾か、勝負事は盛り上がるし安酒でも大丈夫だろ。」
「で、ソレを高く売ると。」
「ソレこそ人聞きの悪い、適正価格だよ。」
ペットボトルのジュースがお祭りなどで倍の値段で売られているのと同じ。
高いと分かっていても飲みたかったら買う。
イヤなら買わなければいいだけの話だ。
その後も何件か声をかけ、酒と食い物の手配を済ませた。
最後にギルド協会に顔を出し、事の次第を説明する。
大騒ぎになるのは間違いないので、こういった根回しも大切な仕事だ。
「それじゃあ一緒に冒険者ギルドで買い取った分も使って貰えますよね。」
「マジか、まだあるのかよ。依頼しちまったぞ。」
「いいじゃないですか、あっても困らないわけですし。」
「そりゃまぁそうだが。」
「ココメロのジュースは美味しいんですよね、使い終わった後は婦人会に依頼してその場で振舞って貰いましょうか。」
「ここぞとばかりに乗ってきやがって。」
「だってそのためにうちに声をかけたんですよね?」
「半分はな。」
もしかすると手伝ってくれるかもしれないという甘い考えはあった。
大体八割ぐらい。
なので手を貸してもらえるのはありがたい。
ま、冒険者だけのお遊びが町全体のお遊びに変わるだけの話だ。
祭りの開催は明日の昼。
場所はダンジョン最上階。
ベッキーたちが文句を言いそうだが、肉とスイーツで買収すれば問題ないだろう。
「それじゃあルールを説明するぞ、最初に火酒を三杯飲む。一気飲みだ。で、その後コレで目隠しをして貰って、相棒から棒をもらう。その場で五回回転して、後は指示に導かれるまま移動して無事にココメロを割れたら二人の飯代も酒代もタダ、失敗したら酒代は払って貰う。ちなみに野次も聞こえるからしっかり聞き分けろよ。」
「うげ、厳しすぎません?」
「指示に従いさえすればタダだぞ?やらないのか?」
「でも爆弾ですよね?もし爆発したら?」
「今日の支払いは全部そいつ持ちな。」
「「「「まじかぁぁぁぁぁ!」」」」
もちろん全額払わせるわけではない。
いや、金持ちなら別だがここに来てるやつでそこまで余裕のある奴は・・・意外にいるみたいだ。
冒険者達の悲鳴を聞きながら、設置されたお立ち台からゆっくりと下りる。
さぁ、ココメロ割の始まりだ。
夏といえばココメロ割ならぬスイカ割り。
それを冒険者が大好きな賭け事と連動させてのお祭り騒ぎだ。
ちなみにブックメーカー的な奴も来ているが、あえて見なかったことにしている。
余り束縛すると面白くなくなるからな。
犯罪を犯さなければぶっちゃけどうでもいい。
やりすぎれば俺ではなく羊男が出てくるだろう。
本人も黙認しているようだからこの辺は問題ないようだ。
「それじゃあいくぞー!」
「っしゃぁ!任せろ!」
「はっずっせ!はっずっせ!」
「飲む前から言うな!」
野次も茶化しも無問題。
火酒を一気に飲み、目隠しをして棒をもらう。
そのまま五回回転して・・・。
「こっちだって、まえ、まえってそっちじゃねぇ!」
「どこだよ!」
「右、今度は左!バカ行き過ぎだって!」
「左だぞー、そうそうそのまままっすぐ!」
「今の違うからな!」
「どれだよ!わかんねぇよ!」
人間視界をふさがれると別の器官が敏感になる。
だがそれも酒の力でぶれていき、次第に野次と指示の聞き分けができなくなるんだ。
結局最初のペアはあらぬ所を叩いて失敗。
五組に一組の割合でココメロを割れるような感じだ。
思ったよりも数は出ないが、別の場所でガキ共が割っているので婦人会にまわす分は問題ないだろう。
あっちで爆発したらしらん。
それもいい経験だろう。
「シロウ様、ココメロジュースです。」
「お、悪いな。」
大騒ぎする冒険者を横目に出店の肉を食っていると、ミラがジュースを持ってきてくれた。
ピンクに近い淡い赤色。
あぁ、夏のにおいがする。
ためしに一口含んでみると、想像通りの味が口いっぱいに広がった。
「美味いな。」
「私も久々に飲みました、いいものですね。」
「だな。毎日ってのはアレだが、たまにはいいもんだ。ちなみに塩をかけると甘くなるんだぞ、知ってたか?」
「そうなのですか?」
「あぁ、甘みが引き立つんだそうだ。ガキ共におしえてやれ。」
「シロウ様が適任かと。」
「絡まれるのがめんどくさい。」
じゃあこれは?とか、こっちは?とか質問攻めに合うのが目に見えている。
非常にめんどくさいのでパスだ。
「このペースで行くと夜中までかかりそうだな。途中で帰ってもいいぞ。」
「この後エリザ様が来られるそうですので交代させていただきます。なんでもココメロ割をしたいのだとか。」
「げ、マジか。」
「いけませんか?」
「いやな予感しかしないんだが。」
「大丈夫ですよ、たぶん。」
何だよそのたぶんってのは。
イヤだぞ、主催者全額負担とか。
せっかくココメロの売り上げやら何やらでいい感じに儲かってたのに、大損するじゃないか。
「ちなみにベッキーさんを使った検品は不正です、シープ様からそう言付かっています。」
「くそ。」
「ダメですよ。」
「分かってるって、そんな場が白ける様なことはしないさ。」
するつもりだったけど、先を読まれているのならば仕方がない。
そのときはそのときだ。
「うぉぉぉわれたぁぁぁぁ!」
「ヨッシャァ!タダ酒!」
「よくやった!」
どうやらまた一組成功したようだ。
とはいえ、ココメロはまだまだたくさんある。
間違いなく俺達も参加することになるだろう。
あぁ、こういうときの勘は当たるんだ。
さてどっちが叩くか。
そこが問題だなぁ。
大騒ぎは夜まで続く。
俺達がどうなったかは、まぁ想像にお任せしよう。
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