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670.転売屋はお返しを考える
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どこに行っても祝福の言葉をかけてもらい、この一週間はもうお祭り騒ぎのようだった。
それも落ち着いたとおもったら今度は大量の品々が屋敷に届くようになった。
街の外から、主に俺と関係のある人たちからの出産祝いだ。
恐らく来週ぐらいには王都の関係者からもお祝いが届くようになるだろう。
ありがたい。
ありがたいのだが、コレだけたくさんもらうと今度はお返しに困る。
そもそもお祝いにお返しとはいかがなものかと前々から思っていたのだが、気持ちを返すのは悪いことではないだろう。
さて、何を返すべきか。
昼食後、食堂に残った俺達は全員で知恵を絞っていた。
「お菓子はどうですか?」
「この町の人ならいいかもしれないが王都や遠方になると痛む可能性がある。食べ物は避けるべきだろう。」
「でも形に残るものは後々面倒になりませんか?」
「それもわかる。頂き物って捨てにくいんだよな。」
「となると消費が出来てかつ食べられないものですか。」
「加えておれらしさも出したい。となると、この街の品となるわけだ。」
つまりダンジョン産の素材を使ったものに限定される。
もちろんそれ以外にいいものがあれば拘るつもりは無いが、むしろダンジョン産のほうが利益が出るんだよなぁ。
贈り物で利益をだす。
そもそも矛盾しているがやるからには儲けたい。
別に贈るだけが全てじゃない。
贈り物は贈り物、売り物は売り物と分けて考えればいいだけの話だ。
となると日常的にも使えるものが良いよなぁ。
「ダンジョン産の素材で贈り物ねぇ、それって相手によって変えるんでしょ?」
「ん、あぁそうだな。それでもいいぞ。」
「それでも?」
「めんどくさいから一緒にしようと思ってたんだが、やっぱりまずいよな。」
「恐らく、というか間違いなく王族や貴族からもお祝いが届くでしょう。それを同じというのは返礼品とはいえ問題があるかと。」
「そういうのがめんどくさいんだよなぁ。」
「ダメですよ、リーシャへのありがたいお祝いなんですから。」
「ういっす。」
母親がそういうのであれば父親の意見などあってないようなものだ。
とりあえず住民用と貴族王族用を分けて考えることに。
住民用はいたって簡単だった。
「ココスヌスの実か。」
「ミルクは子供達用のお菓子に使えますし、実から分離した油は洗剤になります。どちらも喜んで貰えると思うんですけど。」
「採用。」
「え、もう決まり?」
「ダンジョン産の素材かつ今後も売りに出せる商品に化けるんだ、やらない手は無い。害は無いんだよな?」
「毒性はありませんし、洗剤自体も冒険者の中では一般的に使われています。まぁ、使いすぎるとお皿がぬるぬるになって別の意味で大変ですけど。灰を混ぜた砂でこすれば取れるので問題ないと思います。排水がスライムに影響しないのは実験で確認済みなので。」
「そこまで分かっていてなんで実用化されてないんだ?」
ぶっちゃけこの世界での洗い物は結構大変だ。
食器用洗剤がないので油分が中々落ちないんだよなぁ。
しかし、それを一手に引き受けてくれるのがこの洗剤。
それなら多用されてもおかしくないと思うんだが・・・。
「めんどくさいんです。」
「何が?」
「全部よ全部。ココスヌスは森の中に生息してるんだけど、擬態がものすごく上手で見つけるのが凄く大変なの。加えて落とす実はわずか、大量生産するのは難しいわよ。」
「マジか。」
「でも便利なのは間違いないので需要は常にあります。冒険者ギルドの数少ない常設依頼の一つですね。」
うぅむ、話だけ聞いたら非常に便利だと思ったんだが。
中々思い通りに行かないなぁ。
「ちなみに買取価格は?」
「一個当たり銀貨15枚ですが、一個で洗剤が10個ほど作れます。」
「となると決して高いともいえないか。」
「え?」
「中のミルクはそれなりの量になるのか?」
「10個もあれば山盛りの焼き菓子が作れますよ、バターの代わりになるので砂糖だけでも美味しいかと。」
なら100個ほど集めれば洗剤が1000個できるわけだろ?
加工料を加算しても一個当たり銀貨2枚の原価。
それを銀貨3枚で売れば金貨十枚の儲けになる。
半分配ったとしても儲けは金貨5枚。
皆に喜んでもらったうえに俺達の持ち出しは無し、むしろちょっと増える。
加えて大量の焼き菓子を作れるわけだ。
もちろん住民にお礼として配り、残りを冒険者のおやつにでもすれば喜ばれるだろう。
「とりあえず100個集めて洗剤に加工する、ミルクは焼き菓子に流用して余った皮は何かに使えるだろ、たぶん。」
「たぶんって何よ。それに100個って、かなりの量よ?」
「エルダートレントが狩られたことで森には入りやすくなってるだろ?そこに大量の冒険者を投入してローラー作戦を決行する。人海戦術だ。」
「ローラー作戦?」
「各自が見える間隔で横に広がり、同じペースで進むんだ。そうすれば擬態していようが何しようが襲ってくるだろ?後はそいつを根こそぎ倒してしまえば良い。そこで見つかった素材をいつもより高値で買うといえば人は集まるだろう。」
森で見つかる珍しい素材はココスヌスの実だけではない。
そういった素材も纏めて手に入るまたとないチャンスだ。
やるだけで儲けが出るのは確実。
俺も儲かるし冒険者も潤うしダンジョンは一掃される。
まさにwin-win-winの関係だ。
「相変わらずやることがえげつないわね。」
「そうか?」
「金貨15枚もの買取に加えて多額の依頼料に増額分の買取金額。でも、シロウ様の事ですから決して赤字にはならないのでしょう。千個の洗剤を銀貨3枚で売ればおおよそ金貨十枚の儲けになります。半分を配っても残りの儲けで増額分は相殺、こちらの持ち出しはありませんね。」
「さすがアナタ、そこまで考えていましたか。」
「ミラには俺の頭の中がわかるのか?」
「おおよそで計算いたしましたが間違いでなくて良かったです。」
おおよそで俺の考えをドンピシャで当ててくるあたり流石としかいえない。
もう俺無しで商売できるんじゃないだろうか。
「とりあえず一般向けのお返しはコレで終わり、あとはなににするか。」
「アナスタシア様やローランド様へのお返しですね。」
「ありきたりなものじゃダメよねぇ、やっぱり。」
「そりゃなぁ。」
ありきたりはダメだとわかっていても、ソレを何にするかが思いつかない。
うぅむ。
全員が腕を組みうつむいて知恵を搾り出す。
が、出てくるわけも無く時間だけが過ぎていった。
「皆様、こんなところで難しい顔をしてどうされました?」
「グレイスか。ちょうどいいところに来た、知恵を貸してくれ。」
「私などの知恵でよければいくらでも。」
「リーシャに来たお祝いへのお礼をどうするか悩んでいるんだが、アナスタシア様やローランド様なんかの貴族へは何を返すべきだと思う?」
「そうですね。形に残るものよりも消えるもの、とはいえ中々出回らないものがよろしいでしょう。御香などはいかがですか?服の香り付けだけでなく気分を落ち着かせるために使われることもあります、確か魔物からしか手に入らない特別な御香があったと記憶していますが。」
御香か。
ソレは良い考えかもしれない。
香水などは結構好みが分かれるが、御香はそこまで嫌われないはずだ。
珍しいものなら尚の事喜ばれる。
加えて魔物からしか手に入らないとなれば、これ以上のものは無いだろう。
もちろん簡単に手に入るとは思えない。
が、とっておきの品ならその苦労も惜しくは無い。
もっとも、苦労するのは俺ではなく冒険者だがな。
「龍舌香ですね。ドラゴンの体内でのみ精製される特殊な物質です。それを加工することで天上の香りを作り出すことが出来るといわれています。」
「流石に体内になるとディーネに頼るわけにもいかないな。」
「ならドラゴンを片っ端から仕留めていくまでよ。龍の巣以外にもドラゴンはいるしディーネに怒られることも無いはずよ。」
「それと龍の種類に応じて香りも変化するそうです。」
「となると複数種のドラゴンを狩る必要があるわけか。こりゃ大騒ぎになるな。」
「でも余ったら売るんでしょ?」
「当然だろ。」
「なら元は取れるわよね?」
その特別な物質がどのぐらいの値段で取引されているかにもよるが、この前のドラゴン騒動で下がった価格が随分と戻ってきているし、これをきに素材を仕入れなおしてもいいだろう。
親方が喜ぶはずだ。
「元は取れる。」
「なら決まり。キキ、早速ギルドに行って依頼を出すわよ。シロウいいわよね?」
「あぁ、だが余りふっかけるなよ?」
「ソレぐらい分かってるわよ。でもドラゴン退治は別だからね。」
「良い仕事には良い報酬をだしてやれ。」
「ふふ、了解。」
エリザだけならともかくキキもいるんだ、流石に無茶な値段はつけないだろう。
とりあえずコレで返礼品は決まった。
後はそれを加工する算段を手配するだけだ。
「では私は婦人会に声をかけてきます、お菓子作りが好きな人を集めておきますね。」
「じゃあ私は洗剤を加工する準備をしてきます、久々に圧縮機を引っ張り出さなくっちゃ。」
「よろしく頼む。」
流石俺の女達、何も言わなくても次の動きを勝手にしてくれる。
ありがたい話だ。
「ソレでは私達はお礼のお手紙を書きましょう。」
「え、俺も書くのか?」
「娘のためですよ、頑張りましょうね。」
「ういっす。」
「では私はお茶の準備をしておきます、奥様お館様頑張ってください。」
がんばるしかないだろうさ。
これも可愛い娘のためだ。
あれ、待てよ?
今後も同じ事を繰り返すのか?
しかもそのたびに中身を替えて?
マジか。
今回はコレだけで済んだが、産まれれば産まれるほど選択肢が少なくなっていく。
ま、まぁ何とかなるだろう。
たぶん。
それも落ち着いたとおもったら今度は大量の品々が屋敷に届くようになった。
街の外から、主に俺と関係のある人たちからの出産祝いだ。
恐らく来週ぐらいには王都の関係者からもお祝いが届くようになるだろう。
ありがたい。
ありがたいのだが、コレだけたくさんもらうと今度はお返しに困る。
そもそもお祝いにお返しとはいかがなものかと前々から思っていたのだが、気持ちを返すのは悪いことではないだろう。
さて、何を返すべきか。
昼食後、食堂に残った俺達は全員で知恵を絞っていた。
「お菓子はどうですか?」
「この町の人ならいいかもしれないが王都や遠方になると痛む可能性がある。食べ物は避けるべきだろう。」
「でも形に残るものは後々面倒になりませんか?」
「それもわかる。頂き物って捨てにくいんだよな。」
「となると消費が出来てかつ食べられないものですか。」
「加えておれらしさも出したい。となると、この街の品となるわけだ。」
つまりダンジョン産の素材を使ったものに限定される。
もちろんそれ以外にいいものがあれば拘るつもりは無いが、むしろダンジョン産のほうが利益が出るんだよなぁ。
贈り物で利益をだす。
そもそも矛盾しているがやるからには儲けたい。
別に贈るだけが全てじゃない。
贈り物は贈り物、売り物は売り物と分けて考えればいいだけの話だ。
となると日常的にも使えるものが良いよなぁ。
「ダンジョン産の素材で贈り物ねぇ、それって相手によって変えるんでしょ?」
「ん、あぁそうだな。それでもいいぞ。」
「それでも?」
「めんどくさいから一緒にしようと思ってたんだが、やっぱりまずいよな。」
「恐らく、というか間違いなく王族や貴族からもお祝いが届くでしょう。それを同じというのは返礼品とはいえ問題があるかと。」
「そういうのがめんどくさいんだよなぁ。」
「ダメですよ、リーシャへのありがたいお祝いなんですから。」
「ういっす。」
母親がそういうのであれば父親の意見などあってないようなものだ。
とりあえず住民用と貴族王族用を分けて考えることに。
住民用はいたって簡単だった。
「ココスヌスの実か。」
「ミルクは子供達用のお菓子に使えますし、実から分離した油は洗剤になります。どちらも喜んで貰えると思うんですけど。」
「採用。」
「え、もう決まり?」
「ダンジョン産の素材かつ今後も売りに出せる商品に化けるんだ、やらない手は無い。害は無いんだよな?」
「毒性はありませんし、洗剤自体も冒険者の中では一般的に使われています。まぁ、使いすぎるとお皿がぬるぬるになって別の意味で大変ですけど。灰を混ぜた砂でこすれば取れるので問題ないと思います。排水がスライムに影響しないのは実験で確認済みなので。」
「そこまで分かっていてなんで実用化されてないんだ?」
ぶっちゃけこの世界での洗い物は結構大変だ。
食器用洗剤がないので油分が中々落ちないんだよなぁ。
しかし、それを一手に引き受けてくれるのがこの洗剤。
それなら多用されてもおかしくないと思うんだが・・・。
「めんどくさいんです。」
「何が?」
「全部よ全部。ココスヌスは森の中に生息してるんだけど、擬態がものすごく上手で見つけるのが凄く大変なの。加えて落とす実はわずか、大量生産するのは難しいわよ。」
「マジか。」
「でも便利なのは間違いないので需要は常にあります。冒険者ギルドの数少ない常設依頼の一つですね。」
うぅむ、話だけ聞いたら非常に便利だと思ったんだが。
中々思い通りに行かないなぁ。
「ちなみに買取価格は?」
「一個当たり銀貨15枚ですが、一個で洗剤が10個ほど作れます。」
「となると決して高いともいえないか。」
「え?」
「中のミルクはそれなりの量になるのか?」
「10個もあれば山盛りの焼き菓子が作れますよ、バターの代わりになるので砂糖だけでも美味しいかと。」
なら100個ほど集めれば洗剤が1000個できるわけだろ?
加工料を加算しても一個当たり銀貨2枚の原価。
それを銀貨3枚で売れば金貨十枚の儲けになる。
半分配ったとしても儲けは金貨5枚。
皆に喜んでもらったうえに俺達の持ち出しは無し、むしろちょっと増える。
加えて大量の焼き菓子を作れるわけだ。
もちろん住民にお礼として配り、残りを冒険者のおやつにでもすれば喜ばれるだろう。
「とりあえず100個集めて洗剤に加工する、ミルクは焼き菓子に流用して余った皮は何かに使えるだろ、たぶん。」
「たぶんって何よ。それに100個って、かなりの量よ?」
「エルダートレントが狩られたことで森には入りやすくなってるだろ?そこに大量の冒険者を投入してローラー作戦を決行する。人海戦術だ。」
「ローラー作戦?」
「各自が見える間隔で横に広がり、同じペースで進むんだ。そうすれば擬態していようが何しようが襲ってくるだろ?後はそいつを根こそぎ倒してしまえば良い。そこで見つかった素材をいつもより高値で買うといえば人は集まるだろう。」
森で見つかる珍しい素材はココスヌスの実だけではない。
そういった素材も纏めて手に入るまたとないチャンスだ。
やるだけで儲けが出るのは確実。
俺も儲かるし冒険者も潤うしダンジョンは一掃される。
まさにwin-win-winの関係だ。
「相変わらずやることがえげつないわね。」
「そうか?」
「金貨15枚もの買取に加えて多額の依頼料に増額分の買取金額。でも、シロウ様の事ですから決して赤字にはならないのでしょう。千個の洗剤を銀貨3枚で売ればおおよそ金貨十枚の儲けになります。半分を配っても残りの儲けで増額分は相殺、こちらの持ち出しはありませんね。」
「さすがアナタ、そこまで考えていましたか。」
「ミラには俺の頭の中がわかるのか?」
「おおよそで計算いたしましたが間違いでなくて良かったです。」
おおよそで俺の考えをドンピシャで当ててくるあたり流石としかいえない。
もう俺無しで商売できるんじゃないだろうか。
「とりあえず一般向けのお返しはコレで終わり、あとはなににするか。」
「アナスタシア様やローランド様へのお返しですね。」
「ありきたりなものじゃダメよねぇ、やっぱり。」
「そりゃなぁ。」
ありきたりはダメだとわかっていても、ソレを何にするかが思いつかない。
うぅむ。
全員が腕を組みうつむいて知恵を搾り出す。
が、出てくるわけも無く時間だけが過ぎていった。
「皆様、こんなところで難しい顔をしてどうされました?」
「グレイスか。ちょうどいいところに来た、知恵を貸してくれ。」
「私などの知恵でよければいくらでも。」
「リーシャに来たお祝いへのお礼をどうするか悩んでいるんだが、アナスタシア様やローランド様なんかの貴族へは何を返すべきだと思う?」
「そうですね。形に残るものよりも消えるもの、とはいえ中々出回らないものがよろしいでしょう。御香などはいかがですか?服の香り付けだけでなく気分を落ち着かせるために使われることもあります、確か魔物からしか手に入らない特別な御香があったと記憶していますが。」
御香か。
ソレは良い考えかもしれない。
香水などは結構好みが分かれるが、御香はそこまで嫌われないはずだ。
珍しいものなら尚の事喜ばれる。
加えて魔物からしか手に入らないとなれば、これ以上のものは無いだろう。
もちろん簡単に手に入るとは思えない。
が、とっておきの品ならその苦労も惜しくは無い。
もっとも、苦労するのは俺ではなく冒険者だがな。
「龍舌香ですね。ドラゴンの体内でのみ精製される特殊な物質です。それを加工することで天上の香りを作り出すことが出来るといわれています。」
「流石に体内になるとディーネに頼るわけにもいかないな。」
「ならドラゴンを片っ端から仕留めていくまでよ。龍の巣以外にもドラゴンはいるしディーネに怒られることも無いはずよ。」
「それと龍の種類に応じて香りも変化するそうです。」
「となると複数種のドラゴンを狩る必要があるわけか。こりゃ大騒ぎになるな。」
「でも余ったら売るんでしょ?」
「当然だろ。」
「なら元は取れるわよね?」
その特別な物質がどのぐらいの値段で取引されているかにもよるが、この前のドラゴン騒動で下がった価格が随分と戻ってきているし、これをきに素材を仕入れなおしてもいいだろう。
親方が喜ぶはずだ。
「元は取れる。」
「なら決まり。キキ、早速ギルドに行って依頼を出すわよ。シロウいいわよね?」
「あぁ、だが余りふっかけるなよ?」
「ソレぐらい分かってるわよ。でもドラゴン退治は別だからね。」
「良い仕事には良い報酬をだしてやれ。」
「ふふ、了解。」
エリザだけならともかくキキもいるんだ、流石に無茶な値段はつけないだろう。
とりあえずコレで返礼品は決まった。
後はそれを加工する算段を手配するだけだ。
「では私は婦人会に声をかけてきます、お菓子作りが好きな人を集めておきますね。」
「じゃあ私は洗剤を加工する準備をしてきます、久々に圧縮機を引っ張り出さなくっちゃ。」
「よろしく頼む。」
流石俺の女達、何も言わなくても次の動きを勝手にしてくれる。
ありがたい話だ。
「ソレでは私達はお礼のお手紙を書きましょう。」
「え、俺も書くのか?」
「娘のためですよ、頑張りましょうね。」
「ういっす。」
「では私はお茶の準備をしておきます、奥様お館様頑張ってください。」
がんばるしかないだろうさ。
これも可愛い娘のためだ。
あれ、待てよ?
今後も同じ事を繰り返すのか?
しかもそのたびに中身を替えて?
マジか。
今回はコレだけで済んだが、産まれれば産まれるほど選択肢が少なくなっていく。
ま、まぁ何とかなるだろう。
たぶん。
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