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584.転売屋は材料を集める
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『フレイムカ。ウの革フレイムカウ、別名燃え盛る牛は火を身に纏う魔物だが、燃えているのは表面に流れる汗であり皮は非常に高い防火性を有している。耐火装備の他、消火・延焼防止用の防火布にも使用されており、その効果は国中で使用されていることが証明となっている。最近の平均取引価格は銀貨2枚。最安値銅貨89枚最高値銀貨4枚。最終取引日は59日前と記録されています。』
火事の時に使われていた防火布は布といいながら実は革だった。
内側に布を張り付けているので『防火布』と言われてはいるものの、その大半は高い防火性能を誇るフレイムカウという牛の皮で作られている。
血の汗を流す馬は聞いたことがあるが、まさか燃える汗を流す牛がいるとは。
流石異世界、想像もしないような生き物がいるもんだ。
で、そいつがどうしたかというと・・・。
「だから、防火布は一回使ったら終わりなの。」
「何でだよ、燃えないんだろ?」
「シロウ様、燃えないのではなく燃えにくいだけで火事などの大きな火に当たると傷みます。ワイルドカウが長時間燃え続けてもどうにもならないのは、自分の汗だからというのが今の学説です。」
「つまり再利用は出来ないのか。」
「不可能ではありませんが、効果は落ちるでしょうね。」
「でも形は保ってるよな?」
「そりゃね。」
なら使い道はある。
あの後延焼防止に使われた防火布が廃棄されると聞き、俺は耳を疑った。
せっかく燃えずに残っているのに何で再利用しないんだろうか。
だがその考えは所詮素人の物、それもそうだよな再利用できるならとっくにしているだろう。
防火布としてはだけど。
「シロウ様はアレをどうされたいんですか?」
「防火性能が高いってことは必然的に耐熱性能も高いよな?」
「まぁ、そうね。」
「なら日よけに使えないか?これから夏だし、タープの代わりとしてならまだ使えるはずだ。確か革のメンテナンス用クリームがあっただろ?」
「レインゴートの乳で作った奴ですね。なるほど、それで傷んだ部分を修復するんですか。」
「防火布を毎回新調するのには賛成だ、わざわざ悪くなった品を使って他が燃えたんじゃ意味がない。とはいえ、まだ使えるものを捨てるのはもったいないよなって話だよ。」
リサイクルは大切だ。
それに捨てるって事は元手はゼロ。
それを別の形で売り出せば大儲けできるはず・・・なんだけど。
「問題はどうやって手に入れるかですね。」
「あれもダンジョンに捨てるのか?」
「どうなのかしら、行先なんて興味ないから知らないわ。」
「私も知りません。」
「私もです。」
ハーシェさんは屋敷で留守番、いつもの三人が首を横に振っている。
ふむ、知らないのならば仕方がない。
然るべき場所に聞きに行けばいいだけの話だ。
それよりも今は肉だ肉、降って湧いた金なんだからパーっと使うのが一番ってね。
「あ、シロウさんここにいましたか。」
「げっ。」
「顔を見た瞬間にその反応は結構傷つくんですけど。」
「このタイミングで俺を探してるなんてろくなことじゃないだろ?」
「まぁまぁそう言わないで。あ、エールお願いします。」
第一発見者の報酬で肉を食っていたら羊男が現れた。
こいつが来て何事もなく終わった事なんて数えるほどしかない。
十中八九面倒ごとを持ってきたんだろう。
はぁ、いやだいやだ。
「自分で払えよ?」
「え~。」
「え~じゃねぇよ。」
「シープ様はどうしてこちらに?」
「それはもちろん儲け話を持ってきたんです。」
「面倒事の間違いじゃないのか?」
「いえいえとんでもない。」
どの口が言うか!と言ってやりたいところだが、話を聞かずに無視する程嫌いあっているわけではない。
この街では持ちつ持たれつが基本。
こっちは結構運を売ってるし、少しはリターンがあってもいいはずだ。
「お待たせしました!」
「どうも有難う。いやー、仕事終わりの一杯は美味しいなぁ!」
駆けつけ一杯。
中々の勢いでエールを飲み干し次を注文する。
「で、その儲け話ってのは?」
「この前モニカさんの所の増設について話し合ったじゃないですか。」
「あぁ、資材を調達しろって話だろ?一応言われた量は確保してるぞ。」
「追加をお願いしたいんです。出来れば大急ぎで。」
「まさか、さっき燃えたところだぞ。」
「いつまでも家を失ったままってわけにはいきませんからね。作り直す際に二階建てに改築する予定ですが、他の家と規格は一緒なので資材の量もわかります。問題は石材をくっつける為の接着剤が品薄ってことなんですよねぇ・・・。」
「それも一緒に調達して来いって事だろ?はっきりそう言えよ。」
「海藻を使った新しいやつが出ているはずなんです、少し値は張りますが耐久性が従来品の二倍なんだとか。お願いできますか?」
色を付けて売りつけても問題ない、そういう話なんだろう。
もちろんそのつもりだが、それだけじゃ足りないよなぁ。
「断る、と言ったら?」
「シロウさんが儲けを捨てるはずがありません、条件は何です?」
「話が早いじゃないか。」
「もう二年の付き合いですよ?さすがにわかりますって。」
「今日の火事で使った防火布と新調する防火布、それを俺に回してくれ。」
「それって調達させろってことですか?儲かりませんよ?」
「いいんだよそれで。」
「使用済みの防火布はびしょ濡れですし所々焼けてます。それを捨てずに使うのかぁ・・・、想像つかないなぁ。」
思いつかれても困るのだが、やはり使用済みの方はギルド協会が保管しているようだ。
でも何のために?
「ちなみに回収したやつはどうするんだ?」
「初心者用のマントに加工したり綺麗だったら職人に流すぐらいですね、正直面倒ですし儲かりません。」
「なるほどマントか。」
「もう一度言います、儲かりませんよ?後でやっぱりやめたはダメですからね?ダンジョンに捨てるのもタダじゃないんですから。」
「それでもいいさ。調達は完成品を回してもらうのでいいんだろ?流石にこれをブレラに回すと刺されそうだ。」
「ぶっちゃけると市販品を買い付けた方が簡単だったりします。」
「その辺は適当にするさ。防火布の買取金額だけ教えてくれ、それと今回の資材の予算もな。」
「わかりました。あ、こっちにもお肉お願いします!」
え、食うの?
話は終わったんだしさっさと帰れよと思ったりもしたが、よくよく考えると今ぐらいしか休むタイミングがないのか。
明日からまた補償だ再建計画だと忙しくなる。
だから当日ぐらいしか休めないんだな。
そう考えると追い返すのがなんだかかわいそうになってきた。
「良い薬があるが、飲むか?」
「サプリメントはもう飲んでます、それ以上に効きますか?」
「何錠飲んでる?」
「さぁ、忘れました。」
「アネット。」
「過剰摂取の反応が出てますね、ニアさんに飲ませないようお話しておきます。」
「えぇ!それがないと仕事になりませんよぉ。」
何を薬中みたいな事を言っとるかこの男は。
そんな奴を作るために開発したんじゃないっての。
「肉を食え肉を、そして寝ろ。食って寝る、これが一番効く薬だ。」
「じゃあシロウさんのおごりで。」
「仕方ねぇなぁ。一人増えたところで同じだろ、見ろよこいつなんてもう十人分は食ってるぞ?」
「失礼ねまだ八人分よ。」
誤差だし。
全員分おごってもお釣りは出ないが損もないぐらいには報酬をもらっている。
あぶく銭は残さずに使う方が儲かるっていうし、労いもかねている。
他に調達するアテがあるのにわざわざ俺に紹介してくれたわけだしな。
何事も公平を重んじるギルド協会。
それでも今までの貸しは全部返ってきていないけどな。
「ではまた港町ですね。」
「あぁ、予定より早いがまぁいいだろう。市にはガレイを行かせる手もある。」
「新しい接着剤についてはこちらで調べておきます。」
「じゃあ私は売れそうな素材を探しておきますね。春先の海ならキングクラーケンが産卵のために近づいてきますから、それ目当ての冒険者がいるはずです。」
「クラーケンって美味しくないのよね。」
「タコは?」
「タコ・・・あぁ、オクトパスですね。レッド種が近海にいるはずです。」
ならタコ焼きにしよう。
明石焼きでもいい。
ダンジョンにもいるが、やはり海のタコが美味いんだよなぁ。
デカいイカはあまりうまくないから、素材に使えるなら考えよう。
「うぅ、シロウさんの所みたいに一言えば五動いてくれる部下が欲しい。」
「ねだるな育てろ。」
「それが出来たら苦労しませんよぉ。」
「シープ様のような全方位にアンテナを伸ばして情報を収集し、またそれを管理できる方って中々いませんよね。」
「いるじゃない目の前に。」
「ん?」
「なんにでも顔をつっこんで、自分で考えて自分で行動して実績を上げる全方位にアンテナを伸ばしてる人物。シロウの事でしょ?」
全員の視線が俺に向く。
本日二度目だ。
「シロウさん。」
「断る。」
「そんなこと言わないで、今なら部長職でお迎えしますから。」
「なんだよ部長職って、どう考えても中間管理職だろうが。十分間に合ってるよ。」
「シロウ様は中間ではなくトップですけどね。」
「そうね。」
社長って柄でもないんだが、誰かの下で働くのはまっぴらごめんだ。
それが合わなくて元の世界では会社勤めをしなかったんだから。。
「うぅ、有能な部下が欲しい。せめて僕の半分、いえ三分の一でも仕事を引き受けてくれれば・・・。」
「自分の有能さを恨むんだな。楽したきゃそういうのは隠しておけよ。」
「それをせずに仕事ばかりになってる人のセリフはやっぱり違うわね。」
「あはは。」
「笑い事じゃないっての。」
ほんと笑い事じゃないんだよ。
儲ける為には新しいことにチャレンジしなければならない。
でも、チャレンジして成功すればどうなる?
羊男の様に仕事に追われることになる。
何もせずに金儲けをするってのはやっぱり難しいんだなぁ。
その日は羊男が酔いつぶれるまでひたすら愚痴を聞いてやった。
たまにはそういう日があってもいいだろう。
たまには、だけどな。
火事の時に使われていた防火布は布といいながら実は革だった。
内側に布を張り付けているので『防火布』と言われてはいるものの、その大半は高い防火性能を誇るフレイムカウという牛の皮で作られている。
血の汗を流す馬は聞いたことがあるが、まさか燃える汗を流す牛がいるとは。
流石異世界、想像もしないような生き物がいるもんだ。
で、そいつがどうしたかというと・・・。
「だから、防火布は一回使ったら終わりなの。」
「何でだよ、燃えないんだろ?」
「シロウ様、燃えないのではなく燃えにくいだけで火事などの大きな火に当たると傷みます。ワイルドカウが長時間燃え続けてもどうにもならないのは、自分の汗だからというのが今の学説です。」
「つまり再利用は出来ないのか。」
「不可能ではありませんが、効果は落ちるでしょうね。」
「でも形は保ってるよな?」
「そりゃね。」
なら使い道はある。
あの後延焼防止に使われた防火布が廃棄されると聞き、俺は耳を疑った。
せっかく燃えずに残っているのに何で再利用しないんだろうか。
だがその考えは所詮素人の物、それもそうだよな再利用できるならとっくにしているだろう。
防火布としてはだけど。
「シロウ様はアレをどうされたいんですか?」
「防火性能が高いってことは必然的に耐熱性能も高いよな?」
「まぁ、そうね。」
「なら日よけに使えないか?これから夏だし、タープの代わりとしてならまだ使えるはずだ。確か革のメンテナンス用クリームがあっただろ?」
「レインゴートの乳で作った奴ですね。なるほど、それで傷んだ部分を修復するんですか。」
「防火布を毎回新調するのには賛成だ、わざわざ悪くなった品を使って他が燃えたんじゃ意味がない。とはいえ、まだ使えるものを捨てるのはもったいないよなって話だよ。」
リサイクルは大切だ。
それに捨てるって事は元手はゼロ。
それを別の形で売り出せば大儲けできるはず・・・なんだけど。
「問題はどうやって手に入れるかですね。」
「あれもダンジョンに捨てるのか?」
「どうなのかしら、行先なんて興味ないから知らないわ。」
「私も知りません。」
「私もです。」
ハーシェさんは屋敷で留守番、いつもの三人が首を横に振っている。
ふむ、知らないのならば仕方がない。
然るべき場所に聞きに行けばいいだけの話だ。
それよりも今は肉だ肉、降って湧いた金なんだからパーっと使うのが一番ってね。
「あ、シロウさんここにいましたか。」
「げっ。」
「顔を見た瞬間にその反応は結構傷つくんですけど。」
「このタイミングで俺を探してるなんてろくなことじゃないだろ?」
「まぁまぁそう言わないで。あ、エールお願いします。」
第一発見者の報酬で肉を食っていたら羊男が現れた。
こいつが来て何事もなく終わった事なんて数えるほどしかない。
十中八九面倒ごとを持ってきたんだろう。
はぁ、いやだいやだ。
「自分で払えよ?」
「え~。」
「え~じゃねぇよ。」
「シープ様はどうしてこちらに?」
「それはもちろん儲け話を持ってきたんです。」
「面倒事の間違いじゃないのか?」
「いえいえとんでもない。」
どの口が言うか!と言ってやりたいところだが、話を聞かずに無視する程嫌いあっているわけではない。
この街では持ちつ持たれつが基本。
こっちは結構運を売ってるし、少しはリターンがあってもいいはずだ。
「お待たせしました!」
「どうも有難う。いやー、仕事終わりの一杯は美味しいなぁ!」
駆けつけ一杯。
中々の勢いでエールを飲み干し次を注文する。
「で、その儲け話ってのは?」
「この前モニカさんの所の増設について話し合ったじゃないですか。」
「あぁ、資材を調達しろって話だろ?一応言われた量は確保してるぞ。」
「追加をお願いしたいんです。出来れば大急ぎで。」
「まさか、さっき燃えたところだぞ。」
「いつまでも家を失ったままってわけにはいきませんからね。作り直す際に二階建てに改築する予定ですが、他の家と規格は一緒なので資材の量もわかります。問題は石材をくっつける為の接着剤が品薄ってことなんですよねぇ・・・。」
「それも一緒に調達して来いって事だろ?はっきりそう言えよ。」
「海藻を使った新しいやつが出ているはずなんです、少し値は張りますが耐久性が従来品の二倍なんだとか。お願いできますか?」
色を付けて売りつけても問題ない、そういう話なんだろう。
もちろんそのつもりだが、それだけじゃ足りないよなぁ。
「断る、と言ったら?」
「シロウさんが儲けを捨てるはずがありません、条件は何です?」
「話が早いじゃないか。」
「もう二年の付き合いですよ?さすがにわかりますって。」
「今日の火事で使った防火布と新調する防火布、それを俺に回してくれ。」
「それって調達させろってことですか?儲かりませんよ?」
「いいんだよそれで。」
「使用済みの防火布はびしょ濡れですし所々焼けてます。それを捨てずに使うのかぁ・・・、想像つかないなぁ。」
思いつかれても困るのだが、やはり使用済みの方はギルド協会が保管しているようだ。
でも何のために?
「ちなみに回収したやつはどうするんだ?」
「初心者用のマントに加工したり綺麗だったら職人に流すぐらいですね、正直面倒ですし儲かりません。」
「なるほどマントか。」
「もう一度言います、儲かりませんよ?後でやっぱりやめたはダメですからね?ダンジョンに捨てるのもタダじゃないんですから。」
「それでもいいさ。調達は完成品を回してもらうのでいいんだろ?流石にこれをブレラに回すと刺されそうだ。」
「ぶっちゃけると市販品を買い付けた方が簡単だったりします。」
「その辺は適当にするさ。防火布の買取金額だけ教えてくれ、それと今回の資材の予算もな。」
「わかりました。あ、こっちにもお肉お願いします!」
え、食うの?
話は終わったんだしさっさと帰れよと思ったりもしたが、よくよく考えると今ぐらいしか休むタイミングがないのか。
明日からまた補償だ再建計画だと忙しくなる。
だから当日ぐらいしか休めないんだな。
そう考えると追い返すのがなんだかかわいそうになってきた。
「良い薬があるが、飲むか?」
「サプリメントはもう飲んでます、それ以上に効きますか?」
「何錠飲んでる?」
「さぁ、忘れました。」
「アネット。」
「過剰摂取の反応が出てますね、ニアさんに飲ませないようお話しておきます。」
「えぇ!それがないと仕事になりませんよぉ。」
何を薬中みたいな事を言っとるかこの男は。
そんな奴を作るために開発したんじゃないっての。
「肉を食え肉を、そして寝ろ。食って寝る、これが一番効く薬だ。」
「じゃあシロウさんのおごりで。」
「仕方ねぇなぁ。一人増えたところで同じだろ、見ろよこいつなんてもう十人分は食ってるぞ?」
「失礼ねまだ八人分よ。」
誤差だし。
全員分おごってもお釣りは出ないが損もないぐらいには報酬をもらっている。
あぶく銭は残さずに使う方が儲かるっていうし、労いもかねている。
他に調達するアテがあるのにわざわざ俺に紹介してくれたわけだしな。
何事も公平を重んじるギルド協会。
それでも今までの貸しは全部返ってきていないけどな。
「ではまた港町ですね。」
「あぁ、予定より早いがまぁいいだろう。市にはガレイを行かせる手もある。」
「新しい接着剤についてはこちらで調べておきます。」
「じゃあ私は売れそうな素材を探しておきますね。春先の海ならキングクラーケンが産卵のために近づいてきますから、それ目当ての冒険者がいるはずです。」
「クラーケンって美味しくないのよね。」
「タコは?」
「タコ・・・あぁ、オクトパスですね。レッド種が近海にいるはずです。」
ならタコ焼きにしよう。
明石焼きでもいい。
ダンジョンにもいるが、やはり海のタコが美味いんだよなぁ。
デカいイカはあまりうまくないから、素材に使えるなら考えよう。
「うぅ、シロウさんの所みたいに一言えば五動いてくれる部下が欲しい。」
「ねだるな育てろ。」
「それが出来たら苦労しませんよぉ。」
「シープ様のような全方位にアンテナを伸ばして情報を収集し、またそれを管理できる方って中々いませんよね。」
「いるじゃない目の前に。」
「ん?」
「なんにでも顔をつっこんで、自分で考えて自分で行動して実績を上げる全方位にアンテナを伸ばしてる人物。シロウの事でしょ?」
全員の視線が俺に向く。
本日二度目だ。
「シロウさん。」
「断る。」
「そんなこと言わないで、今なら部長職でお迎えしますから。」
「なんだよ部長職って、どう考えても中間管理職だろうが。十分間に合ってるよ。」
「シロウ様は中間ではなくトップですけどね。」
「そうね。」
社長って柄でもないんだが、誰かの下で働くのはまっぴらごめんだ。
それが合わなくて元の世界では会社勤めをしなかったんだから。。
「うぅ、有能な部下が欲しい。せめて僕の半分、いえ三分の一でも仕事を引き受けてくれれば・・・。」
「自分の有能さを恨むんだな。楽したきゃそういうのは隠しておけよ。」
「それをせずに仕事ばかりになってる人のセリフはやっぱり違うわね。」
「あはは。」
「笑い事じゃないっての。」
ほんと笑い事じゃないんだよ。
儲ける為には新しいことにチャレンジしなければならない。
でも、チャレンジして成功すればどうなる?
羊男の様に仕事に追われることになる。
何もせずに金儲けをするってのはやっぱり難しいんだなぁ。
その日は羊男が酔いつぶれるまでひたすら愚痴を聞いてやった。
たまにはそういう日があってもいいだろう。
たまには、だけどな。
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