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568.転売屋は子供の未来を考える
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「あ、シロウだ!」
「シロウだ!」
「おぅガキ共、今日も元気だな。」
ギルド協会に行こうと大通りを歩いていたらガキ共が元気よく走って来た。
そして俺を見つけるとわざわざ方向を変え集まって来る。
「元気だよ!これから宅配なんだ。」
「私は畑に行ってくるの。」
「僕はデリバリーのお手伝いだよ。」
「忙しそうだなぁ。」
「そうだよ、すっごい忙しいんだから!」
「シロウとは違うんだよ。」
「そうそう、サボってばかりじゃないんだもん。」
どうやら仕事に行くらしい。
孤児院のガキ共も前までは頼りなかったものだが、最近は最近大忙しだからなぁ。
あれやこれやと手を広げて色々な所で活躍している。
今じゃ街になくてはならない存在と言っていいだろう。
まぁ、俺より忙しいってことは無いけどな。
この後も掃除用品の追加受注に向けて打ち合わせだ。
結局この街ではあまり流行らなかったのだが、イザベラの言うように王都では貴族向けの上級サービスとして成功したようだ。
家がでかい分掃除する場所が多いので道具が大活躍するのだとか。
あとは王家御用達ってのもステータスになっている。
イザベラがリングさんを囲い込んで他の貴族を呼び込んだんだとか。
さすが元貴族だけあってその辺の根回しは得意なようだ。
ま、どういうやり方にせよ当たれば当たるだけ俺に金が入って来る。
俺はしっかりと素材を管理して製品を提供するだけだ。
「俺だって仕事だぞ?」
「「「え~ほんとに~?」」」
「ほんとだっての。ほら、早くいかないと遅刻するぞ。」
「そうだった!」
「じゃあまたね!」
「シロウも頑張って!」
まったく元気な奴らだ。
ガキ共に元気を貰い、俺も気合を入れて大通りを行く。
さ、俺も頑張ってきますかね。
「あ、シロウさん。」
「ん?モニカか、珍しいなこんな所で。」
「シープ様と炊き出しの打ち合わせに。」
「あぁなるほど。」
「シロウ様もですか?」
「まぁ、そんな所だ。」
「お忙しそうですね。あ、この間はぬいぐるみをありがとうございました。子供たち大喜びで、毎日ベッドに持って入っているんですよ。」
ギルド協会で珍しい人物と出くわした。
そういやこの間出来上がったぬいぐるみを持って行ったんだっけか。
狼や兎よりも魔物のぬいぐるみが人気だったのは土地柄なんだろうか。
あれを抱いてベッドに?
まぁ好みは人それぞれだしなぁ。
「気に入ってくれて何よりだ。」
「これはこれはお二人共。」
「シープ様、こんにちは。」
「出迎えが遅くないか?」
「出迎えてほしかったんですか?」
「冗談だっての。」
まったく冗談の通じないやつだ。
しかし変だな、アポは入れておいたはずなんだがなんでモニカも一緒なんだろう。
時間は間違えてないはずだ。
「とりあえずお二人共こちらへどうぞ。」
「ん?二人?打ち合わせじゃないのか?」
「それもあるんですけどお二人に是非お手伝いいただきたいことがありまして。」
「帰る。」
「悪いようにはしませんから。」
「お前が絡んで面倒じゃなかったことなんてなかったんだが?」
「あはは、記憶違いじゃないですかね。」
そんなわけあるか!と言った所で話は進まない。
モニカもいるしとりあえず話ぐらいは聞いてやるか。
案内されるがままお馴染みの会議室へと移動すると、そこには先客がいた。
「これはシロウ様、モニカ様。」
「レイブさん?どうしてここに?」
「私もシープ様に呼ばれた口でして。なるほど、そういうことですか。」
「ぜんぜんわからん。」
「とりあえずおかけください、すぐに香茶をお持ちします。」
「どういう事でしょうか。」
「さっぱりだ。」
レイブさんまで一緒?
この三人が一緒ってのはもしかして初めてなんじゃないだろうか。
俺とモニカ、俺とレイブさんはともかくレイブさんとモニカの接点が分からん。
ひとまず適当な場所に腰かけるとモニカが右隣りにやってきた。
すぐに香茶が運ばれてきて一緒に書類も配られる。
えーっと何々?
「孤児院の増設?」
「それと託児所の新設ですか。」
「そういう事です。モニカ様にお越しいただいたのは他でもない、ローランド様より教会を増築するようにという指示がありましたのでそのご報告に。レイブ様にお越しいただきましたのは新設される託児所に奴隷をお貸出しいただけないかというお願いの為にお呼びいたしました。」
「確かに子供達が増えて手狭にはなってきましたが、託児所とはどういう事でしょう。」
「最近どこかの誰かが婦人会にたくさん仕事を依頼してましてね、お子さんをお持ちの奥方様より託児所を作ってもらわないと仕事にならないという強い要望があったんですよ。街の未来を担う子供達ですから是非作りましょうという話になったわけです。」
「それはとても大切な事です。私の奴隷たちが力になれるのであれば喜んでお手伝いさせていただきます。」
あー、うん、そういう事ね。
俺が婦人会に仕事を依頼しまくった事で子持ちの奥様が大変になってしまったと。
加えて、ここ最近の好景気のおかげか街の出生率がかなり上がっている。
金を持った冒険者が奴隷を買い、女を買い、そして子供を作る。
それだけならいいが、その冒険者が戻ってこない事で未亡人が増加。
生きていくために働くも子供が重しになり孤児院に預けるケースが増えている。
この前新しく入ってきた子達はまさにそんな理由で預けられた子達だった。
そのどちらも俺が関係していると考えると、複雑な気持ちになるなぁ・・・。
「で、何でそれに俺が?」
「そりゃあシロウさんが原因だから・・・なんて冗談でって、帰らないでください!」
「お前なぁ。」
「まぁ半分は本当ですけどね。婦人会が忙しくなったのはシロウさんのおかげですし、冒険者関係以外で仕事が出来ると住民も喜んでいます。で、その功績に報いるべく一口噛んでもらう事にしたわけです。お金、稼げますよ?」
「どう考えても巻き込まれているとしか思えん。」
「気のせいです。」
いや気のせいじゃないし。
モニカだけならさっさと帰ってもいいんだがレイブさんがいる手前そう言うわけにもいかず。
ぐぬぬ。
「で、俺に何をさせたい。」
「改築用資材の仕入れをお任せしたいんです。水運を使えば早くそして安全に運べますよね。」
「なるほど。」
「もちろんダンジョン産の資材も使いますから全部ってわけにはいきませんけど、街の外からの分は全てお任せしたいと思っています。もちろん予算はありますからいくらでもってわけにはいきませんけどね。」
「他には?それだけじゃないよな?」
「折角子供達を集めるわけですし最低限の知識を持ってもらうために学校を開きたいと思っています。それにシロウさんの力を借りたいんです。」
「俺のじゃなくて俺の女達の、だろ?」
「はい。」
輸送業者やほかの商人ががいるにも関わらず俺に仕事を回すなんて裏があると思ってはいたが、これはちょっと想定外だった。
託児所だけじゃなく学校だって?
悪いがそっちの知識は一切ないぞ?
「悪いが全員忙しい、それに教師なんて言う柄でもない。」
「王都の学院のような小難しい物ではありません。生きていくために最低限必要な知識、算術や字の書き方、薬草や毒草の見極め、そして戦い方。もちろん他のギルドからも人は出してもらいますが、スペシャリストを囲っておられるのがシロウさんなんです。もちろん報酬は出します、出産後の働き口として考えてもらえませんか?」
「それこそレイブさんの奴隷の出番だろ。うちよりも豊富に人材がそろってる、それこそ教育できそうなやつもな、そうだろ?」
「確かにそう言う奴隷もご用意できます。」
「そうなりますよねぇ。」
「とはいえ、全く手伝わないというわけでもない。女達に聞いてからになるが、週に何度かなら参加できるだろう。レイブさんには託児用の奴隷を、俺やほかのギルドからは教育用の人材を集めて街全体で子供を育てたい・・・ってのがローランド様の考えか。はぁ、そろそろ引退とか言いながら全くその気がないじゃないか。」
正直めんどくさいが、街を上げてっていう考え方には賛同する。
朝会ったガキ共は自分の力で自分の働き口を見つけられたが、他の子供達はそうじゃない。
碌な知識もなしに騙されたり、いい仕事を見つけられなかったり、はてはダンジョンに潜って死んでしまったり。
色々な要因で満足に育たないことが多いんだろう。
だが、適切な教育を与えられると子供は間違いなく成長する。
そしてその成長した子供達が五年後十年後にこの街を支えてくれる。
その準備をしようって事だ。
俺にも深く関係する事だし、それなりに金も稼げる。
ローランド様の手の上で転がされるのはアレだが、今回は乗ってやるとしよう。
持ちつ持たれつ、また別の所で返してもらうとするさ。
「そうなんですよねぇ。国王陛下から海沿いの別荘を貰ったとかいう話も聞いたんですけど、何時引っ越すんでしょう。」
「なんだ、次は街長の席を狙ってるのか?」
「私が?冗談じゃありませんよ。」
「なんでだよ。」
「どう考えてもシロウさんに好き勝手される未来しか想像できません。それにこれ以上働くと過労死してしまいます、勘弁してください。」
「そんなに好き勝手やってるか?」
「ノーコメントです。」
自覚がないわけじゃないが・・・。
まぁ変える気もないし今後も今まで通りやらせてもらおう。
「まぁまぁシロウ様、いいじゃありませんか。この街の未来の為にお互い頑張りましょう。」
「子供達の選択肢が増えるのは喜ばしい事です、私も頑張らせていただきます。」
「いやー、そう言っていただけると助かります。それじゃあ詳しい話はまた次回という事で。今日はありがとうございました。」
子供の未来か。
俺も父親になるんだ、その子達の為にもこういう場所が出来るのは良い事なんだろうな。
程々に稼がせてもらいつつ、手伝うとしよう。
嬉しそうに笑うモニカの顔を見ながらそんな事を思うのだった。
「シロウだ!」
「おぅガキ共、今日も元気だな。」
ギルド協会に行こうと大通りを歩いていたらガキ共が元気よく走って来た。
そして俺を見つけるとわざわざ方向を変え集まって来る。
「元気だよ!これから宅配なんだ。」
「私は畑に行ってくるの。」
「僕はデリバリーのお手伝いだよ。」
「忙しそうだなぁ。」
「そうだよ、すっごい忙しいんだから!」
「シロウとは違うんだよ。」
「そうそう、サボってばかりじゃないんだもん。」
どうやら仕事に行くらしい。
孤児院のガキ共も前までは頼りなかったものだが、最近は最近大忙しだからなぁ。
あれやこれやと手を広げて色々な所で活躍している。
今じゃ街になくてはならない存在と言っていいだろう。
まぁ、俺より忙しいってことは無いけどな。
この後も掃除用品の追加受注に向けて打ち合わせだ。
結局この街ではあまり流行らなかったのだが、イザベラの言うように王都では貴族向けの上級サービスとして成功したようだ。
家がでかい分掃除する場所が多いので道具が大活躍するのだとか。
あとは王家御用達ってのもステータスになっている。
イザベラがリングさんを囲い込んで他の貴族を呼び込んだんだとか。
さすが元貴族だけあってその辺の根回しは得意なようだ。
ま、どういうやり方にせよ当たれば当たるだけ俺に金が入って来る。
俺はしっかりと素材を管理して製品を提供するだけだ。
「俺だって仕事だぞ?」
「「「え~ほんとに~?」」」
「ほんとだっての。ほら、早くいかないと遅刻するぞ。」
「そうだった!」
「じゃあまたね!」
「シロウも頑張って!」
まったく元気な奴らだ。
ガキ共に元気を貰い、俺も気合を入れて大通りを行く。
さ、俺も頑張ってきますかね。
「あ、シロウさん。」
「ん?モニカか、珍しいなこんな所で。」
「シープ様と炊き出しの打ち合わせに。」
「あぁなるほど。」
「シロウ様もですか?」
「まぁ、そんな所だ。」
「お忙しそうですね。あ、この間はぬいぐるみをありがとうございました。子供たち大喜びで、毎日ベッドに持って入っているんですよ。」
ギルド協会で珍しい人物と出くわした。
そういやこの間出来上がったぬいぐるみを持って行ったんだっけか。
狼や兎よりも魔物のぬいぐるみが人気だったのは土地柄なんだろうか。
あれを抱いてベッドに?
まぁ好みは人それぞれだしなぁ。
「気に入ってくれて何よりだ。」
「これはこれはお二人共。」
「シープ様、こんにちは。」
「出迎えが遅くないか?」
「出迎えてほしかったんですか?」
「冗談だっての。」
まったく冗談の通じないやつだ。
しかし変だな、アポは入れておいたはずなんだがなんでモニカも一緒なんだろう。
時間は間違えてないはずだ。
「とりあえずお二人共こちらへどうぞ。」
「ん?二人?打ち合わせじゃないのか?」
「それもあるんですけどお二人に是非お手伝いいただきたいことがありまして。」
「帰る。」
「悪いようにはしませんから。」
「お前が絡んで面倒じゃなかったことなんてなかったんだが?」
「あはは、記憶違いじゃないですかね。」
そんなわけあるか!と言った所で話は進まない。
モニカもいるしとりあえず話ぐらいは聞いてやるか。
案内されるがままお馴染みの会議室へと移動すると、そこには先客がいた。
「これはシロウ様、モニカ様。」
「レイブさん?どうしてここに?」
「私もシープ様に呼ばれた口でして。なるほど、そういうことですか。」
「ぜんぜんわからん。」
「とりあえずおかけください、すぐに香茶をお持ちします。」
「どういう事でしょうか。」
「さっぱりだ。」
レイブさんまで一緒?
この三人が一緒ってのはもしかして初めてなんじゃないだろうか。
俺とモニカ、俺とレイブさんはともかくレイブさんとモニカの接点が分からん。
ひとまず適当な場所に腰かけるとモニカが右隣りにやってきた。
すぐに香茶が運ばれてきて一緒に書類も配られる。
えーっと何々?
「孤児院の増設?」
「それと託児所の新設ですか。」
「そういう事です。モニカ様にお越しいただいたのは他でもない、ローランド様より教会を増築するようにという指示がありましたのでそのご報告に。レイブ様にお越しいただきましたのは新設される託児所に奴隷をお貸出しいただけないかというお願いの為にお呼びいたしました。」
「確かに子供達が増えて手狭にはなってきましたが、託児所とはどういう事でしょう。」
「最近どこかの誰かが婦人会にたくさん仕事を依頼してましてね、お子さんをお持ちの奥方様より託児所を作ってもらわないと仕事にならないという強い要望があったんですよ。街の未来を担う子供達ですから是非作りましょうという話になったわけです。」
「それはとても大切な事です。私の奴隷たちが力になれるのであれば喜んでお手伝いさせていただきます。」
あー、うん、そういう事ね。
俺が婦人会に仕事を依頼しまくった事で子持ちの奥様が大変になってしまったと。
加えて、ここ最近の好景気のおかげか街の出生率がかなり上がっている。
金を持った冒険者が奴隷を買い、女を買い、そして子供を作る。
それだけならいいが、その冒険者が戻ってこない事で未亡人が増加。
生きていくために働くも子供が重しになり孤児院に預けるケースが増えている。
この前新しく入ってきた子達はまさにそんな理由で預けられた子達だった。
そのどちらも俺が関係していると考えると、複雑な気持ちになるなぁ・・・。
「で、何でそれに俺が?」
「そりゃあシロウさんが原因だから・・・なんて冗談でって、帰らないでください!」
「お前なぁ。」
「まぁ半分は本当ですけどね。婦人会が忙しくなったのはシロウさんのおかげですし、冒険者関係以外で仕事が出来ると住民も喜んでいます。で、その功績に報いるべく一口噛んでもらう事にしたわけです。お金、稼げますよ?」
「どう考えても巻き込まれているとしか思えん。」
「気のせいです。」
いや気のせいじゃないし。
モニカだけならさっさと帰ってもいいんだがレイブさんがいる手前そう言うわけにもいかず。
ぐぬぬ。
「で、俺に何をさせたい。」
「改築用資材の仕入れをお任せしたいんです。水運を使えば早くそして安全に運べますよね。」
「なるほど。」
「もちろんダンジョン産の資材も使いますから全部ってわけにはいきませんけど、街の外からの分は全てお任せしたいと思っています。もちろん予算はありますからいくらでもってわけにはいきませんけどね。」
「他には?それだけじゃないよな?」
「折角子供達を集めるわけですし最低限の知識を持ってもらうために学校を開きたいと思っています。それにシロウさんの力を借りたいんです。」
「俺のじゃなくて俺の女達の、だろ?」
「はい。」
輸送業者やほかの商人ががいるにも関わらず俺に仕事を回すなんて裏があると思ってはいたが、これはちょっと想定外だった。
託児所だけじゃなく学校だって?
悪いがそっちの知識は一切ないぞ?
「悪いが全員忙しい、それに教師なんて言う柄でもない。」
「王都の学院のような小難しい物ではありません。生きていくために最低限必要な知識、算術や字の書き方、薬草や毒草の見極め、そして戦い方。もちろん他のギルドからも人は出してもらいますが、スペシャリストを囲っておられるのがシロウさんなんです。もちろん報酬は出します、出産後の働き口として考えてもらえませんか?」
「それこそレイブさんの奴隷の出番だろ。うちよりも豊富に人材がそろってる、それこそ教育できそうなやつもな、そうだろ?」
「確かにそう言う奴隷もご用意できます。」
「そうなりますよねぇ。」
「とはいえ、全く手伝わないというわけでもない。女達に聞いてからになるが、週に何度かなら参加できるだろう。レイブさんには託児用の奴隷を、俺やほかのギルドからは教育用の人材を集めて街全体で子供を育てたい・・・ってのがローランド様の考えか。はぁ、そろそろ引退とか言いながら全くその気がないじゃないか。」
正直めんどくさいが、街を上げてっていう考え方には賛同する。
朝会ったガキ共は自分の力で自分の働き口を見つけられたが、他の子供達はそうじゃない。
碌な知識もなしに騙されたり、いい仕事を見つけられなかったり、はてはダンジョンに潜って死んでしまったり。
色々な要因で満足に育たないことが多いんだろう。
だが、適切な教育を与えられると子供は間違いなく成長する。
そしてその成長した子供達が五年後十年後にこの街を支えてくれる。
その準備をしようって事だ。
俺にも深く関係する事だし、それなりに金も稼げる。
ローランド様の手の上で転がされるのはアレだが、今回は乗ってやるとしよう。
持ちつ持たれつ、また別の所で返してもらうとするさ。
「そうなんですよねぇ。国王陛下から海沿いの別荘を貰ったとかいう話も聞いたんですけど、何時引っ越すんでしょう。」
「なんだ、次は街長の席を狙ってるのか?」
「私が?冗談じゃありませんよ。」
「なんでだよ。」
「どう考えてもシロウさんに好き勝手される未来しか想像できません。それにこれ以上働くと過労死してしまいます、勘弁してください。」
「そんなに好き勝手やってるか?」
「ノーコメントです。」
自覚がないわけじゃないが・・・。
まぁ変える気もないし今後も今まで通りやらせてもらおう。
「まぁまぁシロウ様、いいじゃありませんか。この街の未来の為にお互い頑張りましょう。」
「子供達の選択肢が増えるのは喜ばしい事です、私も頑張らせていただきます。」
「いやー、そう言っていただけると助かります。それじゃあ詳しい話はまた次回という事で。今日はありがとうございました。」
子供の未来か。
俺も父親になるんだ、その子達の為にもこういう場所が出来るのは良い事なんだろうな。
程々に稼がせてもらいつつ、手伝うとしよう。
嬉しそうに笑うモニカの顔を見ながらそんな事を思うのだった。
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注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
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