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563.転売屋は新しいグラスを買い付ける
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「すごーい、はやーい!」
「これは・・・前回のが嘘のようです。」
「これでも最高速度ではありませんから、飛ばしますか?」
「いやこれぐらいで十分だ、安全運転で頼む。」
「お任せください。」
体感的にはディアスに乗せてもらった時の倍近い速度が出ている気がする。
流れるように景色が通り過ぎ、春の温かな風がヒュウヒュウと吹き抜けていく。
あぁ、気持ちがいいなぁ。
「シロウ、デッキで休めるみたいよ。」
「あんまりはしゃぐなよ、まだ明日もあるんだから。」
「いいじゃない別に。アネット行きましょ!」
「はい、エリザ様!」
エリザとアネットは大喜び。
ミラは興味深そうに船内を見回っていた。
「行かなくていいのか?」
「私は別に、船には乗り飽きているので。」
「ま、それもそうか。」
「正直あまり良い記憶はないんですが、あんなにはしゃぐお姉ちゃんを見れただけで十分です。」
「あれはちょっとはしゃぎすぎだけどな。」
妊娠してからというもの若干テンションの起伏が激しくなっているが、そう言うもんなんだろう。
港町に運ぶ荷物が出たので早速船を利用して移動する事にしたわけだが、快適過ぎてもう馬車移動には戻れないかもしれない。
揺れはないし気持ちがいいし、横になったり動き回ったりする事が出来る。
ガレイの言うようにいい買い物だったんだろう。
通常三日の行程が二日に短縮。
今回は風向きも良かったのでさらに短縮できたのか翌日の夜には港に到着する事が出来た。
とはいえこの時間じゃどこも閉店。
とりあえず停泊の手続きを取りその日は宿で休むことにした。
「じゃあ昼過ぎに集合な。」
「了解しました。」
「任せといて、キキ行くわよ。」
「ちょっと待ってよお姉ちゃん。」
エリザとキキは魔物の素材を持って武器屋に、アネットは薬を持ってギルド協会に、そして俺とミラはグラスの買い付けへと向かう。
「お、いたいた。」
「本当に来たんだ。」
「当然だろ、約束の品は用意できてるか?」
「もちろん。あ、アニキこの人がこの前大量に買い付けてくれたシロウさんだよ。」
キョウに紹介されて後ろに控えていた大男が立ち上がる。
ずんぐりむっくり、クマのような体格のその男は値踏みするように下から上に視線を動かしていく。
そして最後に俺と目が合った。
「お、おでのグラス、き、気に入ってくれたか?」
「あぁもちろんだ。他の客の反応もいいし何より自分で使うと気分が上がる。」
「そ、そではよかった。お、おではシュン、よろしく。」
「シロウだわざわざ国から出て来てくれたんだな。」
「アニキが自分から行くっていうなんて雨でも降るのかと思ったよ。でも、本当にうれしかったみたい。」
「あ、握手してもいいか?」
「もちろんだ。」
大きな手がヌッと差し出され、臆することなくその手をしっかりと握り返す。
こんなにごつい手であんなに繊細な細工を作るのか。
ドワーダもそうだが見た目じゃわからんもんだな。
「では早速今回の品を拝見してもいいですか?」
「ちょっと待ってね、並べるから。アニキ!奥の木箱もってきて!」
「わ、わがった。」
妹に顎で使われてもニコニコとしている。
兄妹仲はかなりいいんだろう。
少し話下手な感じがあるから、妹が代わりに商売をしているって感じか。
木箱がゆっくりと降ろされ、中身が並べられていく。
お猪口とグラスが五つ。
最後に大きな花瓶のようなやつが木箱から現れた。
「お猪口は予定通り40個、それと気に入ってくれたグラスとアニキがどうしても持って行きたいって聞かなかった奴。良かったら見るだけ見てもらえるかな。」
「お猪口は予定通りの金額で構いませんか?」
「うん、アニキもそれでいいって。」
「では一先ず金貨1枚と銀貨60枚、それと・・・。」
「グラスは前と同じ感じだな、じゃあ一つ銀貨40枚で金貨2枚。それとこいつは。」
「お、おでのとっておきだ、絶対に、ぎにいって、もらえる。」
「それは見たらわかる。良すぎて値段がつけられないんだよ。」
『切子細工の花瓶。ガラスに細かな細工を施してある。また、不倒の効果が付与されている。最近の平均取引価格は金貨29枚。最安値金貨3枚最高値金貨190枚。最終取引日は298日前と記録されています。』
不倒。
エリザの通り名と同じ効果が付与されている。
よほどの衝撃を与えないと倒れないんだろう。
ガラス製品が倒れないってのはそれだけ長く使えるという事。
っていうかこんな物にも効果って付与されるんだな。
値段の幅が広すぎて値付けできないんだが・・・。
「も、もってって、くれ。」
「ちょっとアニキ!?なにいってるんだよ。」
「お、おでの作品、気に入ってくれた。嬉しい、だからこれを、渡す。」
「ありがたい申し出だがお断りする。」
「な、なんでだ?」
「いい仕事にはいい報酬を出すのが当然だ。そっちの言い値で買うから好きな金額を言ってくれ、ただしタダでは買わん。自信作を持って来たんだろ?自信もって値付けしろよ。」
貰えるのはもちろんうれしいが、それとこれとは話が別だ。
俺を気に入ってくれたからこそ自信作を見てほしい、そう言う気持ちで持って来た品のはず。
さぁ、いくらをつける?
「き、金貨、じゅう、ごまい。」
「わかったそれじゃあさっきのと合わせて金貨20枚払おう。ミラ、支払ってくれ。」
「畏まりました。ではキョウ様お会計をお願いします。」
「あはは・・・半年分売れちゃった。」
「不服そうだな。」
積み上げられていく金貨に妹の方は戸惑っているようだが、兄貴の方は表情が暗い。
自分の品を認めてもらえたのに拗ねているようにも見える。
「お、おで、こんなに、気に入ってもらった、ことない。お礼がしたい。」
「お礼って言われてもなぁ。」
「ほ、欲しいもの、ないか?おで、作るぞ。」
「ふむ。」
欲しい物と言われてもなぁ。
この前かったグラスもなかなかの品だったし、あれがあれば正直困らない。
「あ~あ~、また好き勝手言っちゃって。でもシロウさん達ならいっかぁ。」
「なら屋敷に飾る花瓶を頼む。さっきのは応接室で使わせてもらうが、廊下に飾るやつがいくつか欲しかったんだ。」
「お、おで、やる!」
「デザインは任せる。だが、さっきのやつよりかは普通にしてくれよ。」
「あはは、アニキならやりかねないもんね。他に注文はある?」
「でしたらキキ様のグラスをお願いしてはどうでしょうか。今日の五つはグレイス達にさしあげるとしてキキ様の分がありません。もしくは来客用のグラスがあれば喜んでいただけると思います。これから暑くなりますから。」
「それはいいな。じゃあさっきのグラスが追加で一つ、それと人様に出す用のいい感じのを2セット頼めるか?」
「それは二か月先でもいい?」
「あぁ、何時でも構わない優先順位は任せる。」
そっちはおまけみたいなものだ。
キキ用のグラスは俺の予備を使わせているが、やはり自分用のやつがあった方がいいだろう。
もちろん他の皆にも。
グレイスの困ったような顔が目に浮かぶなぁ。
注文を済ませ予定通り宿に集合。
その後新しくできたという噂の店で昼食を済ませる。
「美味しかったですねぇ。」
「あぁ、随分流行っていたようだし出店してもらって正解だった。」
「シロウ様の目利きに間違いはありません。」
「山の場所もわかりましたし、馬車まで貸してもらえました。これも計算済みですか?」
「いや、これは想定外だ。でもまぁいいじゃないか。」
あの時追加で渡した金でちゃんと出店できたようで、俺達の来訪を心から喜んでくれた。
料理も大サービス。
おかげでちょっと食べ過ぎた感はある。
そして次に向かうは、その女将の娘がやっている果樹園。
そう、柚子を譲ってくれたあの二人の山だ。
元々そこに行くために港町まで来たようなものだし、飯屋はそのおまけでしかなかったんだが。
馬車を走らせること二時間ほど。
降り注ぐ日差しに照らされて、鮮やかな新緑に覆われた山が見えて来た。
「あそこですね。」
「あぁ、だが妙だな。」
「はい。」
ここに来るまでに何度も馬車とすれ違ったが、その全てに冒険者が乗っていた。
仕入れた情報ではこの辺りは魔物も少なく、非常に過ごしやすいはずなんだが・・・。
「あ、また来たわよ。」
「随分と汚れていますね。」
「返り血じゃないわね、山を駆けずり回ったって感じかしら。山追いでもした?」
「話を聞きますか?」
「いや、行けばわかるだろう。」
すれ違い様にものすごい顔で睨まれた。
かなり気が立っているようだし、女ばかり連れているとかイチャモンつけられるのもめんどくさい。
もちろんエリザがいるので返り討ちだろうが、よけいなことはしないにかぎる。
それから30分ほどさらに走らせ山のふもとに到着した。
「あー。ついたついた。」
「あそこに人がいますね、この前買い付けをした方で間違いないようです。」
「でも冒険者と話をしています。あ、馬車に乗り込んだ。」
「交渉決裂って感じね。キキ、どんな感じ?」
「わからないけど、魔物が溢れているような魔力は感じないかな。」
「溢れてるんじゃないならいいわ、とりあえず話を聞きましょ。」
猛スピードで横を駆け抜ける馬車を無視して途方に暮れたように俯く男の元へと急ぐ。
果物を買い付けてさっさと帰る。
どうやらそう言うわけにはいかないようだ。
「これは・・・前回のが嘘のようです。」
「これでも最高速度ではありませんから、飛ばしますか?」
「いやこれぐらいで十分だ、安全運転で頼む。」
「お任せください。」
体感的にはディアスに乗せてもらった時の倍近い速度が出ている気がする。
流れるように景色が通り過ぎ、春の温かな風がヒュウヒュウと吹き抜けていく。
あぁ、気持ちがいいなぁ。
「シロウ、デッキで休めるみたいよ。」
「あんまりはしゃぐなよ、まだ明日もあるんだから。」
「いいじゃない別に。アネット行きましょ!」
「はい、エリザ様!」
エリザとアネットは大喜び。
ミラは興味深そうに船内を見回っていた。
「行かなくていいのか?」
「私は別に、船には乗り飽きているので。」
「ま、それもそうか。」
「正直あまり良い記憶はないんですが、あんなにはしゃぐお姉ちゃんを見れただけで十分です。」
「あれはちょっとはしゃぎすぎだけどな。」
妊娠してからというもの若干テンションの起伏が激しくなっているが、そう言うもんなんだろう。
港町に運ぶ荷物が出たので早速船を利用して移動する事にしたわけだが、快適過ぎてもう馬車移動には戻れないかもしれない。
揺れはないし気持ちがいいし、横になったり動き回ったりする事が出来る。
ガレイの言うようにいい買い物だったんだろう。
通常三日の行程が二日に短縮。
今回は風向きも良かったのでさらに短縮できたのか翌日の夜には港に到着する事が出来た。
とはいえこの時間じゃどこも閉店。
とりあえず停泊の手続きを取りその日は宿で休むことにした。
「じゃあ昼過ぎに集合な。」
「了解しました。」
「任せといて、キキ行くわよ。」
「ちょっと待ってよお姉ちゃん。」
エリザとキキは魔物の素材を持って武器屋に、アネットは薬を持ってギルド協会に、そして俺とミラはグラスの買い付けへと向かう。
「お、いたいた。」
「本当に来たんだ。」
「当然だろ、約束の品は用意できてるか?」
「もちろん。あ、アニキこの人がこの前大量に買い付けてくれたシロウさんだよ。」
キョウに紹介されて後ろに控えていた大男が立ち上がる。
ずんぐりむっくり、クマのような体格のその男は値踏みするように下から上に視線を動かしていく。
そして最後に俺と目が合った。
「お、おでのグラス、き、気に入ってくれたか?」
「あぁもちろんだ。他の客の反応もいいし何より自分で使うと気分が上がる。」
「そ、そではよかった。お、おではシュン、よろしく。」
「シロウだわざわざ国から出て来てくれたんだな。」
「アニキが自分から行くっていうなんて雨でも降るのかと思ったよ。でも、本当にうれしかったみたい。」
「あ、握手してもいいか?」
「もちろんだ。」
大きな手がヌッと差し出され、臆することなくその手をしっかりと握り返す。
こんなにごつい手であんなに繊細な細工を作るのか。
ドワーダもそうだが見た目じゃわからんもんだな。
「では早速今回の品を拝見してもいいですか?」
「ちょっと待ってね、並べるから。アニキ!奥の木箱もってきて!」
「わ、わがった。」
妹に顎で使われてもニコニコとしている。
兄妹仲はかなりいいんだろう。
少し話下手な感じがあるから、妹が代わりに商売をしているって感じか。
木箱がゆっくりと降ろされ、中身が並べられていく。
お猪口とグラスが五つ。
最後に大きな花瓶のようなやつが木箱から現れた。
「お猪口は予定通り40個、それと気に入ってくれたグラスとアニキがどうしても持って行きたいって聞かなかった奴。良かったら見るだけ見てもらえるかな。」
「お猪口は予定通りの金額で構いませんか?」
「うん、アニキもそれでいいって。」
「では一先ず金貨1枚と銀貨60枚、それと・・・。」
「グラスは前と同じ感じだな、じゃあ一つ銀貨40枚で金貨2枚。それとこいつは。」
「お、おでのとっておきだ、絶対に、ぎにいって、もらえる。」
「それは見たらわかる。良すぎて値段がつけられないんだよ。」
『切子細工の花瓶。ガラスに細かな細工を施してある。また、不倒の効果が付与されている。最近の平均取引価格は金貨29枚。最安値金貨3枚最高値金貨190枚。最終取引日は298日前と記録されています。』
不倒。
エリザの通り名と同じ効果が付与されている。
よほどの衝撃を与えないと倒れないんだろう。
ガラス製品が倒れないってのはそれだけ長く使えるという事。
っていうかこんな物にも効果って付与されるんだな。
値段の幅が広すぎて値付けできないんだが・・・。
「も、もってって、くれ。」
「ちょっとアニキ!?なにいってるんだよ。」
「お、おでの作品、気に入ってくれた。嬉しい、だからこれを、渡す。」
「ありがたい申し出だがお断りする。」
「な、なんでだ?」
「いい仕事にはいい報酬を出すのが当然だ。そっちの言い値で買うから好きな金額を言ってくれ、ただしタダでは買わん。自信作を持って来たんだろ?自信もって値付けしろよ。」
貰えるのはもちろんうれしいが、それとこれとは話が別だ。
俺を気に入ってくれたからこそ自信作を見てほしい、そう言う気持ちで持って来た品のはず。
さぁ、いくらをつける?
「き、金貨、じゅう、ごまい。」
「わかったそれじゃあさっきのと合わせて金貨20枚払おう。ミラ、支払ってくれ。」
「畏まりました。ではキョウ様お会計をお願いします。」
「あはは・・・半年分売れちゃった。」
「不服そうだな。」
積み上げられていく金貨に妹の方は戸惑っているようだが、兄貴の方は表情が暗い。
自分の品を認めてもらえたのに拗ねているようにも見える。
「お、おで、こんなに、気に入ってもらった、ことない。お礼がしたい。」
「お礼って言われてもなぁ。」
「ほ、欲しいもの、ないか?おで、作るぞ。」
「ふむ。」
欲しい物と言われてもなぁ。
この前かったグラスもなかなかの品だったし、あれがあれば正直困らない。
「あ~あ~、また好き勝手言っちゃって。でもシロウさん達ならいっかぁ。」
「なら屋敷に飾る花瓶を頼む。さっきのは応接室で使わせてもらうが、廊下に飾るやつがいくつか欲しかったんだ。」
「お、おで、やる!」
「デザインは任せる。だが、さっきのやつよりかは普通にしてくれよ。」
「あはは、アニキならやりかねないもんね。他に注文はある?」
「でしたらキキ様のグラスをお願いしてはどうでしょうか。今日の五つはグレイス達にさしあげるとしてキキ様の分がありません。もしくは来客用のグラスがあれば喜んでいただけると思います。これから暑くなりますから。」
「それはいいな。じゃあさっきのグラスが追加で一つ、それと人様に出す用のいい感じのを2セット頼めるか?」
「それは二か月先でもいい?」
「あぁ、何時でも構わない優先順位は任せる。」
そっちはおまけみたいなものだ。
キキ用のグラスは俺の予備を使わせているが、やはり自分用のやつがあった方がいいだろう。
もちろん他の皆にも。
グレイスの困ったような顔が目に浮かぶなぁ。
注文を済ませ予定通り宿に集合。
その後新しくできたという噂の店で昼食を済ませる。
「美味しかったですねぇ。」
「あぁ、随分流行っていたようだし出店してもらって正解だった。」
「シロウ様の目利きに間違いはありません。」
「山の場所もわかりましたし、馬車まで貸してもらえました。これも計算済みですか?」
「いや、これは想定外だ。でもまぁいいじゃないか。」
あの時追加で渡した金でちゃんと出店できたようで、俺達の来訪を心から喜んでくれた。
料理も大サービス。
おかげでちょっと食べ過ぎた感はある。
そして次に向かうは、その女将の娘がやっている果樹園。
そう、柚子を譲ってくれたあの二人の山だ。
元々そこに行くために港町まで来たようなものだし、飯屋はそのおまけでしかなかったんだが。
馬車を走らせること二時間ほど。
降り注ぐ日差しに照らされて、鮮やかな新緑に覆われた山が見えて来た。
「あそこですね。」
「あぁ、だが妙だな。」
「はい。」
ここに来るまでに何度も馬車とすれ違ったが、その全てに冒険者が乗っていた。
仕入れた情報ではこの辺りは魔物も少なく、非常に過ごしやすいはずなんだが・・・。
「あ、また来たわよ。」
「随分と汚れていますね。」
「返り血じゃないわね、山を駆けずり回ったって感じかしら。山追いでもした?」
「話を聞きますか?」
「いや、行けばわかるだろう。」
すれ違い様にものすごい顔で睨まれた。
かなり気が立っているようだし、女ばかり連れているとかイチャモンつけられるのもめんどくさい。
もちろんエリザがいるので返り討ちだろうが、よけいなことはしないにかぎる。
それから30分ほどさらに走らせ山のふもとに到着した。
「あー。ついたついた。」
「あそこに人がいますね、この前買い付けをした方で間違いないようです。」
「でも冒険者と話をしています。あ、馬車に乗り込んだ。」
「交渉決裂って感じね。キキ、どんな感じ?」
「わからないけど、魔物が溢れているような魔力は感じないかな。」
「溢れてるんじゃないならいいわ、とりあえず話を聞きましょ。」
猛スピードで横を駆け抜ける馬車を無視して途方に暮れたように俯く男の元へと急ぐ。
果物を買い付けてさっさと帰る。
どうやらそう言うわけにはいかないようだ。
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