502 / 1,063
500.転売屋は後始末をする
しおりを挟む
流行り病は完全になくなったわけではないが、少しずつ落ち着きを取り戻してきた。
一度かかると免疫がつくんだろう。
二度かかるという話はなかったし、薬の材料もちゃんと届くようになったので後はアネットが頑張ってくれた。
エリザもミラも全快していつもの日常が戻ってきている。
もっとも、隣町では流行が始まったそうで薬の注文が大量に入ってきていた。
冒険者達も二度かからないとわかれば怖がらずにもぐってくれる。
この分だと材料不足になることはないだろう。
「ただいま。」
「おかえりなさいませ、どうでしたか?」
「幸いにも死者は出なかったそうだ。アネットが病気を押して薬を作り続けてくれたおかげだとアナスタシア様も喜んでたぞ。」
「ご主人様がダンジョンにもぐってくださったおかげです。」
「その通りではあるのですが・・・。」
「わかってるからこれ以上言うな。もう無理やりダンジョンにはもぐらないって。」
エリザに怒られ、家に戻ってミラとアネットに怒られ、翌日にはハーシェさんにも怒られてしまった。
あとマリーさんな。
心配してくれるのはありがたいがアレは不可抗力だ。
何度も言われるのは流石に堪える。
「ご理解いただけたようでなによりです。」
「でも、それがあってからベッキーちゃんがダンジョンを移動するようになったそうですね。」
「あぁ、自分にも出来ると自信をつけたみたいだ。なんせ、死なないからな。」
「それで本当にいいんでしょうか。」
「本人が喜んでるんだ、俺達がどうこういう問題じゃない。それに普段行きにくい場所の依頼が達成出来ているそうじゃないか。むしろwin-winだろう。」
「ダンジョン内に少女と巨大猫の幽霊が出ると冒険者の噂になっていると、ニアさんが言っていましたが・・・。」
「ゴースト系の魔物もいるんだ、少女と巨大猫ぐらいいるだろう。ということで片付くんじゃないか?」
知らんけど。
ともかくあの二人が一緒に行動することで起きる問題よりも、得る利益の方が大きいのが現状だ。
毒が多かったり暑かったり寒かったり、ともかく生者が行きにくい場所に彼らはいける。
たいていそういう場所にある物は貴重品なので、結果として重宝されているというわけだ。
問題は長時間物を運べないということ。
やはり実体化をし続けることは出来ないのと、物を運んでいると壁を通り抜けることが出来ないのでいろいろと面倒なんだそうだ。
依頼料はお供えとしておかしやスイーツなんかで支払われているんだとか。
どう考えても大損だが本人達がいいならそれでいいだろう。
ちなみにミケには巨大な肉がお供えされている。
目を離した瞬間になくなっているあたり大喜びしているんじゃないか。
「さて、次いってくるか。」
「少し休まれてはどうですか?」
「そうしたいのは山々だが仕事は待ってくれないんだよなぁ。メルディが戻ってきたら今年の春に何を仕込むか話し合っておいてくれ。」
「わかりました。」
「そうだ、グリーンスライムの核は昨年同様で十分だから。じゃ、いってきます。」
「「いってらっしゃいませ。」」
用意された香茶を勢い良く飲み干してから再び店を出る。
ギルド関係の呼び出しは全て終わったので後は自分の仕事だけ。
とりあえずルティエ達の様子を見に行くか。
そのまま職人通りへと足を向けると人の数は少ないものの、開いている店の方が多くなっていた。
前はがらがらだったもんなぁ。
ルティエの店は・・・あれ、しまってる。
ノックをしても返事はない。
よく見ると外出中の札が窓の内側から外に向けられていた。
ということは病に臥せっているわけではないということだ。
仲間の看病か、それとも注文関係か。
「あ、シロウさん!」
そんなこと考えていると後ろから本人が声をかけてきた。
「元気そうだな。」
「もしかして心配してくれた?」
「そりゃあな。で、どんな感じだ?」
「まだ寝込んでいる子もいるけど、とりあえず仕事は始められそうかな。でも、ちょっとやばいんだよね。」
「納期がか?」
俺の質問に無言で頷くルティエ。
悲壮感こそないもののあまり宜しくない感じのようだ。
「具体的には?」
「ガーネットルージュは何とかなるんだけど、私の方で抱えている依頼が終わらないかも。隣町だし大急ぎでやれば何とかって思って受けちゃったのがまずかったみたい。」
「まったく、余裕を持てといつも言ってるだろ。」
「こんなことになるなんて思わないじゃないですかぁ。」
「それでもだ。」
「うぅ、シロウさんが厳しい。」
厳しいのも当然だろう。
リスクを考えずに行動するからこんなことになるんだ。
まったく困った奴め。
「で、どうするつもりだ?」
「とりあえずフェイとディアスの二人にガーネットルージュを任せて徹夜で頑張ります。」
「材料は?」
「手持ちで何とか。」
「足りないなら早くいえ、用意してやるから。」
「でも・・・。」
「でももへったくれもあるか、お前が雑な仕事をしたら他のやつらの評価も下がるんだ。責任があるんだよ、それがわかってるのか?」
「わかってますよぉ。」
「ならやれ、後で様子見に行くから足りないのはその時に言えよ。ほら、さっさとしろ!」
「はぃぃぃ。」
ルティエの尻をひっぱたき、家に追い返す。
まったく困った奴だ。
その後も職人たちの様子を確認して回り、最後に露店を見に市場へ。
流行り病が出たという事で外から来た商人は少ないが、見知った顔がいつもの場所で営業していた。
「あれ、おっちゃんは?」
「こんな時期に来るはずないじゃないか。もう少し収まるまでは来ないよ。」
「チーズが切れかけだから欲しかったんだけど、まぁ仕方ない。」
「アンタは随分と元気そうだね。」
「おかげさんで。おばちゃんはどうだ?マシになったか?」
「ミラが心配してすぐ薬を持ってきてくれたからね、ハドゥスに比べたらへでもないよ。でもあの子には悪いことしたねぇ。」
おばちゃんが流行り病にかかったとわかってすぐにミラは薬をおばちゃんに届けに行った。
本人はその時にうつしたと思っているようだが、恐らくはエリザからもらったんだろう。
潜伏期間僅か1日の今回の流行り病。
ミラの発症時間が微妙にずれているので間違いはない。
「気にするな、間違いなくエリザが持って帰ってきたやつだから。」
「でもねぇ。」
「とりあえずそうやって店が出来るぐらいに回復したんならいいじゃないか。」
「それもそうだね。」
「明日ミラが顔を出すって言ってたから話を聞いてやってくれ。」
「待ってるよ。」
よし、これで用事は全ておしまい。
後始末は大変だけど、これをするとしないとでは今後の仕事内容が変わってくるからな。
気配りも人付き合いの中では非常に大切だ。
あとは家に戻ってゆっくりするとするか・・・。
「あ、いたいた!シロウさんちょっといいですか?」
「よくねぇ。」
「まぁまぁ、そんなこと言わないで。」
さぁ家に帰ろうと市場の出口に向かっていると、正面から羊男が走ってきた。
ちょっといいかと聞かれてちょっとで済んだためしがない。
俺は家に戻ってゆっくりしたいんだ。
なんで一日に二回もこいつの顔を見ないといけないのか。
解せぬ。
「で、なんだよ。」
「隣町からの緊急要請です、追加で薬を発注したいとの事ですが可能ですか?」
「不可能だ。」
「そこを何とか。」
「今でもオーバーワークなんだぞ?うちの薬師を殺すつもりか?」
「もちろんそれはわかってるんですけど・・・。ビアンカさんにも頼んでもらえないかなと。」
「あっちは錬金術師だぞ?」
薬師と似て非なるもの。
作れないことはないと思うが、あまり期待しない方がいいだろう。
「欲しいのは特効薬ではなく体力の向上を目的とした薬なんです。」
「体力向上か。それならなくはない・・・か?」
「他の錬金術師にも声はかけています。こんな状況ですし、恩を売るにはまたとないチャンスなんですよ。」
「本音が駄々洩れだぞ、人の命がかかってるのにいいのか?」
「求めているのは船乗りなんです、彼らは強いので大丈夫かと。」
船乗りって事はディアスさん関係か。
エリザの件もあるし多少恩を売っておくべきだろうか。
でもなぁ、直接手を出すとエリザ怒るんだよなぁ。
関係ないとか言いながら明らかに機嫌が悪くなる。
流行り病にかかって少しは落ち着いたかと思ったら、治ったら治ったでまたダンジョンに潜り始めるしなぁ。
病み上がりだってのに困った奴だ。
「わかった、とりあえず声をかけてはみるが期待しないでくれ。それと、体力の向上なら薬じゃなくて食い物で代用できないのか?」
「食べ物ですか。」
「肉に卵に精のつく食い物なんてそれこそ手に入るだろ、あそこなら。」
「流行り病とは別に食中毒も発生したそうでして。」
「・・・残念過ぎる。」
「併発して大惨事になる前に何とかしたいんでしょう。まったく、迷惑な話です。」
「迷惑と言いながらそれで恩を売ろうとしている奴がよく言うぜ。」
まぁ、俺も同じだけどな。
緊急依頼ってことは儲けもそれなりに。
今回の特効薬も自前で素材を集めたのでかなりの利益が出ている。
流石に地元からはふんだくれないが、隣町であれば多少高くても文句は言われないしな。
さて、そうとなれば急ぎ手配しないと。
アネットにはこれ以上仕事は任せられないのでビアンカには直で連絡を入れる必要があるな。
素材を準備して直接行くとしよう。
今から出れば日暮れまでには着くはずだ。
流石に一人ではいけないので誰かを連れて行かないといけないが・・・。
「ん、こんな所で何してるんだ?」
「ダン、良い所に。」
「なんだよその顔、仕事はしないぞ?」
飛んで火にいるなんとやら。
いや、持つべきものは友?
それとも・・・。
ともかくこの機を逃すのはもったいないよな。
ガシッとダンの方をつかみ、逃がさないようにする。
元冒険者だし本気を出せば逃げ出せるのだが、それをしないという事は話を聞く気があるという事だ。
さぁ、手ごまはそろった。
急ぎ準備するとするか。
一度かかると免疫がつくんだろう。
二度かかるという話はなかったし、薬の材料もちゃんと届くようになったので後はアネットが頑張ってくれた。
エリザもミラも全快していつもの日常が戻ってきている。
もっとも、隣町では流行が始まったそうで薬の注文が大量に入ってきていた。
冒険者達も二度かからないとわかれば怖がらずにもぐってくれる。
この分だと材料不足になることはないだろう。
「ただいま。」
「おかえりなさいませ、どうでしたか?」
「幸いにも死者は出なかったそうだ。アネットが病気を押して薬を作り続けてくれたおかげだとアナスタシア様も喜んでたぞ。」
「ご主人様がダンジョンにもぐってくださったおかげです。」
「その通りではあるのですが・・・。」
「わかってるからこれ以上言うな。もう無理やりダンジョンにはもぐらないって。」
エリザに怒られ、家に戻ってミラとアネットに怒られ、翌日にはハーシェさんにも怒られてしまった。
あとマリーさんな。
心配してくれるのはありがたいがアレは不可抗力だ。
何度も言われるのは流石に堪える。
「ご理解いただけたようでなによりです。」
「でも、それがあってからベッキーちゃんがダンジョンを移動するようになったそうですね。」
「あぁ、自分にも出来ると自信をつけたみたいだ。なんせ、死なないからな。」
「それで本当にいいんでしょうか。」
「本人が喜んでるんだ、俺達がどうこういう問題じゃない。それに普段行きにくい場所の依頼が達成出来ているそうじゃないか。むしろwin-winだろう。」
「ダンジョン内に少女と巨大猫の幽霊が出ると冒険者の噂になっていると、ニアさんが言っていましたが・・・。」
「ゴースト系の魔物もいるんだ、少女と巨大猫ぐらいいるだろう。ということで片付くんじゃないか?」
知らんけど。
ともかくあの二人が一緒に行動することで起きる問題よりも、得る利益の方が大きいのが現状だ。
毒が多かったり暑かったり寒かったり、ともかく生者が行きにくい場所に彼らはいける。
たいていそういう場所にある物は貴重品なので、結果として重宝されているというわけだ。
問題は長時間物を運べないということ。
やはり実体化をし続けることは出来ないのと、物を運んでいると壁を通り抜けることが出来ないのでいろいろと面倒なんだそうだ。
依頼料はお供えとしておかしやスイーツなんかで支払われているんだとか。
どう考えても大損だが本人達がいいならそれでいいだろう。
ちなみにミケには巨大な肉がお供えされている。
目を離した瞬間になくなっているあたり大喜びしているんじゃないか。
「さて、次いってくるか。」
「少し休まれてはどうですか?」
「そうしたいのは山々だが仕事は待ってくれないんだよなぁ。メルディが戻ってきたら今年の春に何を仕込むか話し合っておいてくれ。」
「わかりました。」
「そうだ、グリーンスライムの核は昨年同様で十分だから。じゃ、いってきます。」
「「いってらっしゃいませ。」」
用意された香茶を勢い良く飲み干してから再び店を出る。
ギルド関係の呼び出しは全て終わったので後は自分の仕事だけ。
とりあえずルティエ達の様子を見に行くか。
そのまま職人通りへと足を向けると人の数は少ないものの、開いている店の方が多くなっていた。
前はがらがらだったもんなぁ。
ルティエの店は・・・あれ、しまってる。
ノックをしても返事はない。
よく見ると外出中の札が窓の内側から外に向けられていた。
ということは病に臥せっているわけではないということだ。
仲間の看病か、それとも注文関係か。
「あ、シロウさん!」
そんなこと考えていると後ろから本人が声をかけてきた。
「元気そうだな。」
「もしかして心配してくれた?」
「そりゃあな。で、どんな感じだ?」
「まだ寝込んでいる子もいるけど、とりあえず仕事は始められそうかな。でも、ちょっとやばいんだよね。」
「納期がか?」
俺の質問に無言で頷くルティエ。
悲壮感こそないもののあまり宜しくない感じのようだ。
「具体的には?」
「ガーネットルージュは何とかなるんだけど、私の方で抱えている依頼が終わらないかも。隣町だし大急ぎでやれば何とかって思って受けちゃったのがまずかったみたい。」
「まったく、余裕を持てといつも言ってるだろ。」
「こんなことになるなんて思わないじゃないですかぁ。」
「それでもだ。」
「うぅ、シロウさんが厳しい。」
厳しいのも当然だろう。
リスクを考えずに行動するからこんなことになるんだ。
まったく困った奴め。
「で、どうするつもりだ?」
「とりあえずフェイとディアスの二人にガーネットルージュを任せて徹夜で頑張ります。」
「材料は?」
「手持ちで何とか。」
「足りないなら早くいえ、用意してやるから。」
「でも・・・。」
「でももへったくれもあるか、お前が雑な仕事をしたら他のやつらの評価も下がるんだ。責任があるんだよ、それがわかってるのか?」
「わかってますよぉ。」
「ならやれ、後で様子見に行くから足りないのはその時に言えよ。ほら、さっさとしろ!」
「はぃぃぃ。」
ルティエの尻をひっぱたき、家に追い返す。
まったく困った奴だ。
その後も職人たちの様子を確認して回り、最後に露店を見に市場へ。
流行り病が出たという事で外から来た商人は少ないが、見知った顔がいつもの場所で営業していた。
「あれ、おっちゃんは?」
「こんな時期に来るはずないじゃないか。もう少し収まるまでは来ないよ。」
「チーズが切れかけだから欲しかったんだけど、まぁ仕方ない。」
「アンタは随分と元気そうだね。」
「おかげさんで。おばちゃんはどうだ?マシになったか?」
「ミラが心配してすぐ薬を持ってきてくれたからね、ハドゥスに比べたらへでもないよ。でもあの子には悪いことしたねぇ。」
おばちゃんが流行り病にかかったとわかってすぐにミラは薬をおばちゃんに届けに行った。
本人はその時にうつしたと思っているようだが、恐らくはエリザからもらったんだろう。
潜伏期間僅か1日の今回の流行り病。
ミラの発症時間が微妙にずれているので間違いはない。
「気にするな、間違いなくエリザが持って帰ってきたやつだから。」
「でもねぇ。」
「とりあえずそうやって店が出来るぐらいに回復したんならいいじゃないか。」
「それもそうだね。」
「明日ミラが顔を出すって言ってたから話を聞いてやってくれ。」
「待ってるよ。」
よし、これで用事は全ておしまい。
後始末は大変だけど、これをするとしないとでは今後の仕事内容が変わってくるからな。
気配りも人付き合いの中では非常に大切だ。
あとは家に戻ってゆっくりするとするか・・・。
「あ、いたいた!シロウさんちょっといいですか?」
「よくねぇ。」
「まぁまぁ、そんなこと言わないで。」
さぁ家に帰ろうと市場の出口に向かっていると、正面から羊男が走ってきた。
ちょっといいかと聞かれてちょっとで済んだためしがない。
俺は家に戻ってゆっくりしたいんだ。
なんで一日に二回もこいつの顔を見ないといけないのか。
解せぬ。
「で、なんだよ。」
「隣町からの緊急要請です、追加で薬を発注したいとの事ですが可能ですか?」
「不可能だ。」
「そこを何とか。」
「今でもオーバーワークなんだぞ?うちの薬師を殺すつもりか?」
「もちろんそれはわかってるんですけど・・・。ビアンカさんにも頼んでもらえないかなと。」
「あっちは錬金術師だぞ?」
薬師と似て非なるもの。
作れないことはないと思うが、あまり期待しない方がいいだろう。
「欲しいのは特効薬ではなく体力の向上を目的とした薬なんです。」
「体力向上か。それならなくはない・・・か?」
「他の錬金術師にも声はかけています。こんな状況ですし、恩を売るにはまたとないチャンスなんですよ。」
「本音が駄々洩れだぞ、人の命がかかってるのにいいのか?」
「求めているのは船乗りなんです、彼らは強いので大丈夫かと。」
船乗りって事はディアスさん関係か。
エリザの件もあるし多少恩を売っておくべきだろうか。
でもなぁ、直接手を出すとエリザ怒るんだよなぁ。
関係ないとか言いながら明らかに機嫌が悪くなる。
流行り病にかかって少しは落ち着いたかと思ったら、治ったら治ったでまたダンジョンに潜り始めるしなぁ。
病み上がりだってのに困った奴だ。
「わかった、とりあえず声をかけてはみるが期待しないでくれ。それと、体力の向上なら薬じゃなくて食い物で代用できないのか?」
「食べ物ですか。」
「肉に卵に精のつく食い物なんてそれこそ手に入るだろ、あそこなら。」
「流行り病とは別に食中毒も発生したそうでして。」
「・・・残念過ぎる。」
「併発して大惨事になる前に何とかしたいんでしょう。まったく、迷惑な話です。」
「迷惑と言いながらそれで恩を売ろうとしている奴がよく言うぜ。」
まぁ、俺も同じだけどな。
緊急依頼ってことは儲けもそれなりに。
今回の特効薬も自前で素材を集めたのでかなりの利益が出ている。
流石に地元からはふんだくれないが、隣町であれば多少高くても文句は言われないしな。
さて、そうとなれば急ぎ手配しないと。
アネットにはこれ以上仕事は任せられないのでビアンカには直で連絡を入れる必要があるな。
素材を準備して直接行くとしよう。
今から出れば日暮れまでには着くはずだ。
流石に一人ではいけないので誰かを連れて行かないといけないが・・・。
「ん、こんな所で何してるんだ?」
「ダン、良い所に。」
「なんだよその顔、仕事はしないぞ?」
飛んで火にいるなんとやら。
いや、持つべきものは友?
それとも・・・。
ともかくこの機を逃すのはもったいないよな。
ガシッとダンの方をつかみ、逃がさないようにする。
元冒険者だし本気を出せば逃げ出せるのだが、それをしないという事は話を聞く気があるという事だ。
さぁ、手ごまはそろった。
急ぎ準備するとするか。
18
お気に入りに追加
332
あなたにおすすめの小説
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる