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477.転売屋はお歳暮を作る
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「今年もこの時期が来たか。」
「ギルドなどのお役所関係の分は手配済みです、でもアレでよかったんでしょうか。」
「人数多いからな。適当に分けてもらえる奴が喜ばれるんだよ。」
「なるほど。」
「でも飴ですよ?」
「飴の何がわるい。蟻砂糖をつかった上等な奴だぞ?」
年末の恒例行事といえば、そうお歳暮だ。
この前の冬から導入して好評だったので今年の冬もやることにした。
世話になっている冒険者ギルドとギルド協会にはお手製の飴を送ってある。
あとはルティエ達の所と教会にも同じものを送っておいた。
さて、次の準備に取り掛かりたいんだけども・・・。
「シロウさんいるかい?」
「お、待ってました!」
俺を呼ぶ声に慌てて食卓から店へと駆け抜ける。
入り口で待っていたのはモーリスさんだ。
「悪いね遅くなって。」
「悪いのはこっちだ、でもよく手に入ったな。」
「こっちじゃ中々売れないからねぇ。シロウさんがアレを作れると聞いてびっくりしたよ。」
「下手の横好きって奴でな、一時はまったんだよ。結局は手間と労力に見合わなかったんでやめたんだけどな。」
「それはもったいない。出来たらまた食べさせてください。」
「そのつもりだ、楽しみに待っていてくれ。これ代金な。」
用意しておいた袋を手渡すと中身を確認することもなくモーリスさんは店を出て行った。
残されたのは膝の高さぐらいの麻袋。
持ち上げるとザザザとまるで波のような音を立てた。
「なにそれ。」
「お歳暮第二段。さぁ、忙しくなるぞ。」
「え、また何か作るの?」
「ありきたりのものだと面白くないだろうが。」
「もう腕がくたくたなんですけど。」
「じゃあたまった乳酸を何とかしないとな。喜べもっと腕を使うぞ。」
にやりと笑ってやるとエリザが信じられないという顔をした。
なんだかんだ言いながらも手伝ってくれるんだよなぁ、この女は。
場所が狭いので店をメルディに任せて皆で屋敷へと向かう。
絶賛つわり中のハーシェさんは部屋に待機して貰うことにした。
「さて、頼んでいたものは用意できたか?」
「大き目のおなべと砂糖ですね、大丈夫です。」
「蟻砂糖をこんなに使うの?」
「せっかくだから美味いほうがいいだろ?」
「そりゃそうだけど、そんな硬い豆が本当に美味しくなるの?」
「なるんだよ。」
米があるんだコレもあるだろと手配して貰ったのがこいつだ。
麻袋に手を入れ、そいつをつかみ出す。
小指の先もないような小さなまめだが、鮮やかな赤紫色、いや小豆色をしている。
そう、今から作るのは餡子だ。
買うと簡単だが作るのは難しいと思われがちだが、慣れれば意外に簡単に作れてしまう。
最初作ったときはあまりの砂糖の量にひいたものだが、自分で甘さをコントロールできるので一度作るとやめられなくなってしまった。
もっとも、それも時間があればできるだけの事。
忙しくなると結局は市販の餡子で満足するんだよな。
だって美味しいし。
計量した小豆をこれまた大量のお湯でしっかりと茹で、一度水洗いした後再び茹で直す。
やわらかくなったらお湯を捨て、鍋を替えて砂糖を入れながら弱火で煮詰めていくとあっという間に餡子の完成だ。
といってもここに来るまでにかなりの時間がかかるんだけども。
女達は興味深々といった感じで俺の傍を離れることはなかった。
あとハワードも。
「はぁ~、こんな料理があるんですねぇ。」
「故郷の味だ。ここからかなり遠いし知らないのも無理はない。」
「主様はやっぱり料理人だったんですね。」
「いや、違うし。」
「この前の鍋もその前のハンバーグも知らないものでした。私も頑張らないと。」
「かなりの腕前だとハーシェさんが褒めていたぞ。」
「そんな、主様にくらべたらまだまだです。」
巨体ながら繊細な料理を作るとハーシェさんがべた褒めだった。
つわりで食べられるものに制限がある中でも工夫してくれると喜んでいたなぁ。
っと、餡子はコレでよし。
そんじゃま次だ。
「今度はお米?」
「いや、もち米だ。」
「何が違うのよ、一緒じゃない。」
「こっちの方が粘り気が強いんだ。」
「ふーん。」
餡子をつまみ食いして酒に合わないと悟ったようで、一気に興味を失ったエリザ。
それとは対照的にアネットとミラは何度もつまみ食いをしては目を輝かせている。
少し甘く作りすぎてしまったなぁ。
まぁ要研究という事で。
さて、残りもちゃちゃっとやってしまうか。
もち米は普通のお米のように炊いて、棒で荒くつぶしてやる。
粗熱を取って丸く成形し、その上にさっきの餡子を乗せてやればおはぎの完成だ。
「はぁ、結構時間かかったな。」
「これがおはぎですか。」
「全部食うなよ?配りに行くんだから。」
「確かに飴よりも手が込んでるけど、好き嫌い分かれない?」
「それを言われると困るが、まぁその時はその時だ。」
マスターなんかは甘い物よりも酒のアテになる物のほうが喜びそうなものだが、ほら元々甘党は酒のみを表す言葉だったっていうし。
甘いのならそれに合う酒を飲めばいいだけの話だ。
「これだけ手間暇かかってるんです必ず喜んでもらえますよ。」
「二つ一セットとして・・・どれだけあればいい?」
「10もあれば。」
「え~そんなに作ったらなくなっちゃうわよ。」
「いや、お前の為に作ったんじゃないし。」
さっきお酒に合わないからって興味なさげな感じだったじゃないか。
まったく。
「これだけありましたら十分に残りますよ、エリザ様。」
「ほんとに?」
「そんなに心配ならもう一回作ってやるから。ほら、作業に戻るぞ日暮れまでに終わらせるからな。」
生ものだからその日のうちに食べて貰わなければならない。
そろそろ夕方。
先方の迷惑にならないためにもさっさと終わらせてしまおう。
予定通り10セット作り、それを一緒に手配しておいたさらに乗せて最後に風蜥蜴の被膜をかぶせれば完成だ。
「そんじゃま挨拶行脚と行こうかね。」
まずはローランド様、それからアナスタシア様の所を経由してレイブさん、最後にマートンさんでひとまず終了。
残りはイザベラさんの店で纏めて渡せばお歳暮配りも終了だ。
あのローランド様の驚いた顔はなかなかだったな。
意外に甘党だったようなので、今後はそういったものが手に入れば持っていくとしよう。
別に賄賂じゃないぞ?
あくまでも知り合いへのおすそ分けだ。
「さてっと、これで終わりだな。」
「みんな喜んでくれたわね。」
「あぁ、なによりだ。」
「また作ってくださいねご主人様。」
「小豆があればいつでもできる、まだそこそこ残っていたし当分は楽しめるだろう。」
無くなればまた注文すればいいだけだ。
今回は満足いくまで食べられなかったから、今度は自分用に作るとするかな。
そんな感じでお歳暮配りを終えた翌日。
「シロウ様、お客様が参られました。」
「客?」
「屋敷へ誘導しましたがここで構わないそうで・・・。」
いつにもなく緊張した面持ちのミラが前をどいた先にいたのは、まさかの人物だった。
「シロウ、昨日は世話になったな。」
「これはこれはローランド様、今日は買取ですか?」
「生憎とそういうわけではない。昨日の菓子だがアレはどこで売っているか聞きそびれたんでな、聞きに来ただけだ。」
「それは残念。ですが生憎とアレは売り物ではなく私の手作りです。」
「ならば作り方を教えよ。」
「それは命令ですか?」
「もちろんタダとは言わん、それなりの報酬は出そう。」
ただの歳暮配りがまさかこんなことになるとは。
それにこの顔、あの時怒らせたのと近い顔をしている。
これを断るのは流石の俺でも無理だ。
「別に報酬は不要です、屋敷におります料理人のハワードに作り方は教えていますのでそちらの料理人に教えさせましょう。ただし、材料は手に入りにくいのでモーリス商店にご自身で注文なさってください。」
「ここにはないのか?」
「生憎と個人で楽しむ分しか。」
「うぅむ、あの味をすぐに楽しめると思ったのだが。残念だ。」
「ちなみにいくら積むつもりだったんです?」
「金貨5枚ぐらいで足りたか?」
「商売用のレシピであれば金貨500枚でも安いと思いますが、ローランド様に限ってそのような使い方はされないでしょうから今回は不要です。」
まさかタダ同然で手に入れたもので商売しようと思ってないよな?
な?
そんな俺の言葉に露骨に目を背けるローランド様。
俺達の税金で悠々自適の生活が出来ているというのに、まだ金が欲しいか。
って、俺が言えた言葉じゃないな。
「もちろん商用目的で使用しないことを約束しよう。」
「ちなみに王族にはもうレシピを送付済みです、感謝祭の目玉にはなりませんよ。」
「ぐぬぬそこまで。」
「はぁ、歳暮で商売しようとか良く思いつきますね。」
「それを使う事で私の地位が上がるのならば喜んで利用しよう。まぁ、今回に限っては流石にやりすぎたとは思っている。悪かったな。」
「いえ、そこまで気に入ってくださったのならば作った甲斐がありました。また個人的に作ったら差し入れいたします。」
「本当だな?」
「えぇ、お返し期待しております。」
本来歳暮にお返しを期待するのはおかしな話だが、この人に関しては別にいいだろう。
どんなお返しが来るのか年末までの楽しみが増えたな。
「ギルドなどのお役所関係の分は手配済みです、でもアレでよかったんでしょうか。」
「人数多いからな。適当に分けてもらえる奴が喜ばれるんだよ。」
「なるほど。」
「でも飴ですよ?」
「飴の何がわるい。蟻砂糖をつかった上等な奴だぞ?」
年末の恒例行事といえば、そうお歳暮だ。
この前の冬から導入して好評だったので今年の冬もやることにした。
世話になっている冒険者ギルドとギルド協会にはお手製の飴を送ってある。
あとはルティエ達の所と教会にも同じものを送っておいた。
さて、次の準備に取り掛かりたいんだけども・・・。
「シロウさんいるかい?」
「お、待ってました!」
俺を呼ぶ声に慌てて食卓から店へと駆け抜ける。
入り口で待っていたのはモーリスさんだ。
「悪いね遅くなって。」
「悪いのはこっちだ、でもよく手に入ったな。」
「こっちじゃ中々売れないからねぇ。シロウさんがアレを作れると聞いてびっくりしたよ。」
「下手の横好きって奴でな、一時はまったんだよ。結局は手間と労力に見合わなかったんでやめたんだけどな。」
「それはもったいない。出来たらまた食べさせてください。」
「そのつもりだ、楽しみに待っていてくれ。これ代金な。」
用意しておいた袋を手渡すと中身を確認することもなくモーリスさんは店を出て行った。
残されたのは膝の高さぐらいの麻袋。
持ち上げるとザザザとまるで波のような音を立てた。
「なにそれ。」
「お歳暮第二段。さぁ、忙しくなるぞ。」
「え、また何か作るの?」
「ありきたりのものだと面白くないだろうが。」
「もう腕がくたくたなんですけど。」
「じゃあたまった乳酸を何とかしないとな。喜べもっと腕を使うぞ。」
にやりと笑ってやるとエリザが信じられないという顔をした。
なんだかんだ言いながらも手伝ってくれるんだよなぁ、この女は。
場所が狭いので店をメルディに任せて皆で屋敷へと向かう。
絶賛つわり中のハーシェさんは部屋に待機して貰うことにした。
「さて、頼んでいたものは用意できたか?」
「大き目のおなべと砂糖ですね、大丈夫です。」
「蟻砂糖をこんなに使うの?」
「せっかくだから美味いほうがいいだろ?」
「そりゃそうだけど、そんな硬い豆が本当に美味しくなるの?」
「なるんだよ。」
米があるんだコレもあるだろと手配して貰ったのがこいつだ。
麻袋に手を入れ、そいつをつかみ出す。
小指の先もないような小さなまめだが、鮮やかな赤紫色、いや小豆色をしている。
そう、今から作るのは餡子だ。
買うと簡単だが作るのは難しいと思われがちだが、慣れれば意外に簡単に作れてしまう。
最初作ったときはあまりの砂糖の量にひいたものだが、自分で甘さをコントロールできるので一度作るとやめられなくなってしまった。
もっとも、それも時間があればできるだけの事。
忙しくなると結局は市販の餡子で満足するんだよな。
だって美味しいし。
計量した小豆をこれまた大量のお湯でしっかりと茹で、一度水洗いした後再び茹で直す。
やわらかくなったらお湯を捨て、鍋を替えて砂糖を入れながら弱火で煮詰めていくとあっという間に餡子の完成だ。
といってもここに来るまでにかなりの時間がかかるんだけども。
女達は興味深々といった感じで俺の傍を離れることはなかった。
あとハワードも。
「はぁ~、こんな料理があるんですねぇ。」
「故郷の味だ。ここからかなり遠いし知らないのも無理はない。」
「主様はやっぱり料理人だったんですね。」
「いや、違うし。」
「この前の鍋もその前のハンバーグも知らないものでした。私も頑張らないと。」
「かなりの腕前だとハーシェさんが褒めていたぞ。」
「そんな、主様にくらべたらまだまだです。」
巨体ながら繊細な料理を作るとハーシェさんがべた褒めだった。
つわりで食べられるものに制限がある中でも工夫してくれると喜んでいたなぁ。
っと、餡子はコレでよし。
そんじゃま次だ。
「今度はお米?」
「いや、もち米だ。」
「何が違うのよ、一緒じゃない。」
「こっちの方が粘り気が強いんだ。」
「ふーん。」
餡子をつまみ食いして酒に合わないと悟ったようで、一気に興味を失ったエリザ。
それとは対照的にアネットとミラは何度もつまみ食いをしては目を輝かせている。
少し甘く作りすぎてしまったなぁ。
まぁ要研究という事で。
さて、残りもちゃちゃっとやってしまうか。
もち米は普通のお米のように炊いて、棒で荒くつぶしてやる。
粗熱を取って丸く成形し、その上にさっきの餡子を乗せてやればおはぎの完成だ。
「はぁ、結構時間かかったな。」
「これがおはぎですか。」
「全部食うなよ?配りに行くんだから。」
「確かに飴よりも手が込んでるけど、好き嫌い分かれない?」
「それを言われると困るが、まぁその時はその時だ。」
マスターなんかは甘い物よりも酒のアテになる物のほうが喜びそうなものだが、ほら元々甘党は酒のみを表す言葉だったっていうし。
甘いのならそれに合う酒を飲めばいいだけの話だ。
「これだけ手間暇かかってるんです必ず喜んでもらえますよ。」
「二つ一セットとして・・・どれだけあればいい?」
「10もあれば。」
「え~そんなに作ったらなくなっちゃうわよ。」
「いや、お前の為に作ったんじゃないし。」
さっきお酒に合わないからって興味なさげな感じだったじゃないか。
まったく。
「これだけありましたら十分に残りますよ、エリザ様。」
「ほんとに?」
「そんなに心配ならもう一回作ってやるから。ほら、作業に戻るぞ日暮れまでに終わらせるからな。」
生ものだからその日のうちに食べて貰わなければならない。
そろそろ夕方。
先方の迷惑にならないためにもさっさと終わらせてしまおう。
予定通り10セット作り、それを一緒に手配しておいたさらに乗せて最後に風蜥蜴の被膜をかぶせれば完成だ。
「そんじゃま挨拶行脚と行こうかね。」
まずはローランド様、それからアナスタシア様の所を経由してレイブさん、最後にマートンさんでひとまず終了。
残りはイザベラさんの店で纏めて渡せばお歳暮配りも終了だ。
あのローランド様の驚いた顔はなかなかだったな。
意外に甘党だったようなので、今後はそういったものが手に入れば持っていくとしよう。
別に賄賂じゃないぞ?
あくまでも知り合いへのおすそ分けだ。
「さてっと、これで終わりだな。」
「みんな喜んでくれたわね。」
「あぁ、なによりだ。」
「また作ってくださいねご主人様。」
「小豆があればいつでもできる、まだそこそこ残っていたし当分は楽しめるだろう。」
無くなればまた注文すればいいだけだ。
今回は満足いくまで食べられなかったから、今度は自分用に作るとするかな。
そんな感じでお歳暮配りを終えた翌日。
「シロウ様、お客様が参られました。」
「客?」
「屋敷へ誘導しましたがここで構わないそうで・・・。」
いつにもなく緊張した面持ちのミラが前をどいた先にいたのは、まさかの人物だった。
「シロウ、昨日は世話になったな。」
「これはこれはローランド様、今日は買取ですか?」
「生憎とそういうわけではない。昨日の菓子だがアレはどこで売っているか聞きそびれたんでな、聞きに来ただけだ。」
「それは残念。ですが生憎とアレは売り物ではなく私の手作りです。」
「ならば作り方を教えよ。」
「それは命令ですか?」
「もちろんタダとは言わん、それなりの報酬は出そう。」
ただの歳暮配りがまさかこんなことになるとは。
それにこの顔、あの時怒らせたのと近い顔をしている。
これを断るのは流石の俺でも無理だ。
「別に報酬は不要です、屋敷におります料理人のハワードに作り方は教えていますのでそちらの料理人に教えさせましょう。ただし、材料は手に入りにくいのでモーリス商店にご自身で注文なさってください。」
「ここにはないのか?」
「生憎と個人で楽しむ分しか。」
「うぅむ、あの味をすぐに楽しめると思ったのだが。残念だ。」
「ちなみにいくら積むつもりだったんです?」
「金貨5枚ぐらいで足りたか?」
「商売用のレシピであれば金貨500枚でも安いと思いますが、ローランド様に限ってそのような使い方はされないでしょうから今回は不要です。」
まさかタダ同然で手に入れたもので商売しようと思ってないよな?
な?
そんな俺の言葉に露骨に目を背けるローランド様。
俺達の税金で悠々自適の生活が出来ているというのに、まだ金が欲しいか。
って、俺が言えた言葉じゃないな。
「もちろん商用目的で使用しないことを約束しよう。」
「ちなみに王族にはもうレシピを送付済みです、感謝祭の目玉にはなりませんよ。」
「ぐぬぬそこまで。」
「はぁ、歳暮で商売しようとか良く思いつきますね。」
「それを使う事で私の地位が上がるのならば喜んで利用しよう。まぁ、今回に限っては流石にやりすぎたとは思っている。悪かったな。」
「いえ、そこまで気に入ってくださったのならば作った甲斐がありました。また個人的に作ったら差し入れいたします。」
「本当だな?」
「えぇ、お返し期待しております。」
本来歳暮にお返しを期待するのはおかしな話だが、この人に関しては別にいいだろう。
どんなお返しが来るのか年末までの楽しみが増えたな。
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