183 / 1,738
183.転売屋は仮面を手に入れる
しおりを挟む
ハーシェさんの手配した行商部隊は二週間後に出発した。
今回用意した荷物は三つ。
まずは女豹用のホワイトベリー。
次に収益性の高いグリーンスライムの核。
最後にアラクネの糸である。
三つともギルド協会への納品なので特に問題はないだろう。
税金対策用に各鉱石のインゴットと針金を買うように指示もしてある。
これは事前に頼んでおいたので、工房に行かずともその場で手配できることだろう。
宅配業と言いながらこういった交渉もしてくれるあたり優秀なだよな、アインさん。
彼女が居たらハーシェさんが要らないように思えるが、最後の素材を選んだのは彼女だ。
固定買取になったものの需要は高く、かつダンジョンで巣が見つかったとの情報をいち早く仕入れてくれた。
そのおかげで格安で仕入れを行うことが出来たんだよな。
アインさんと波長が合ったのか、毎日いろいろと打ち合わせをしているようで近々別の街にも部隊を送るらしい。
俺としては利益さえ出してくれればなんでもいいのでその辺は任せている。
「そろそろ戻ってくると思うんですけど・・・。」
「そんなに急いても仕方ないだろう、ほっとけば帰ってくるさ。」
「シロウは何も分かってないわね、ハーシェさんにとっては初仕事なのよ?不安にもなるでしょう。」
「信頼できる相手に託したんだろ?ならそれを信じて待てばいいじゃないか。」
「そりゃまぁ、そうだけどさぁ。」
「俺が何か取ってきてくれって言ったらお前は絶対に持って帰ってくるだろ?」
「そりゃ、シロウのお願いだもん。」
「それと同じだ。相手を信じるのも仕事の一つだよ。」
エリザが感心したような顔で俺を見てくる。
まったく、俺を何だと思ってるんだ。
「そうですよね、アインさんなら必ず成功させてくれます。」
「そういう事だ。ダンも一緒だし、仮に魔物に襲われてもどうってことないだろう。」
「それもそうね。」
不安そうに門の向こうを見つめるハーシェさんがやっと肩の力を抜いたように見えた。
「お前は魚を待ってるだけだろ?」
「そんなことないわよ。」
「嘘言え、エリザとアネットの料理を作ったら一人だけ不貞腐れていたじゃないか。」
「だって私が一番最初に言ったのに、一番最後なんだもん。」
「最初が良ければダンジョンに潜ればよかっただろ?」
「やだ。」
「なら我慢しろ、ルフだって我慢できるんだぞ。なぁルフ。」
他の女が一緒なので尻尾は振らなかったが、目が何で私に聞くの?と言っていた。
気にするなと頭を撫でてやる。
「俺は畑の見回りをしてくる。ハーシェさんはどうするんだ?」
「私も一度家に戻ります。」
「そうしろ。どっちにしろ報告はそっちの家で行われるんだし、終わったら教えてくれ。」
「かしこまりました。」
「なら途中まで一緒に行きましょ。」
二人と別れて、ルフと共に畑を歩く。
冬野菜は順調に育っており、十二月の終わりには収穫できそうだとアグリが言っていた。
二回目をどうするかが目下の課題だな。
春野菜に合わせて植え付けをするのか、二回目の冬野菜を植えるのか。
どちらも需要があるからそれなりの利益は見込めるが・・・。
やはり保存性の高い奴がいいだろう。
「ルフはオニオニオンダメだもんなぁ。」
ブンブン。
イヌ科は玉ねぎがダメ、それはこの世界でも同じようだ。
「まぁ、まだ時間はあるし収穫してから考えるか。」
ぐるりと回り特に異常がないかを確認する。
塀が壊されている感じも無いし害獣被害も聞いていない。
ルフ様々だ。
「また狩りに行こうな。」
「ワフ!」
ポンポンと頭を撫でてから街に戻る。
と、珍しい人が馬車に乗ってやって来た。
「レイブさん、馬車でお出かけとは珍しいですね。」
「オークションも近いので買い付けに行こうかと。」
「来月ですもんね。」
「シロウ様は出品されるんですか?」
「その予定です。」
「そのお顔は何か仕入れられたんですね。」
そんな顔していただろうか。
別に表情を変えたつもりはないんだけどなぁ。
「今回もなかなかの品が手に入りました、期待して下さい。」
「こちらも気に入ってくださる奴隷を探してきましょう。」
「さすがにもう一人は無理ですよ、アネットで随分とお金を使いましたから。」
「その分稼がれていると聞いていますが?」
「それでも微々たるものです。それに、これ以上奴隷が増えたら家を出なきゃなりません。」
今でもういっぱいいっぱいだ。
もう一人増えたら誰かが倉庫で寝る羽目になる。
いくら奴隷とはいえそれはまずいだろう。
「むしろシロウ様なら住居とお店を分けられるのがよろしいかと。」
「今の家も気に入ってるんですよねぇ。」
畑もあるしさ。
「旦那様、お時間が。」
「おっと、先方を待たせているので失礼します。」
「どうぞお気をつけて、行ってらっしゃい。」
奴隷の仕入れねぇ・・・。
レイブさんがいい人なのは知っているけれど、良い人だけではやっていけない商売だ。
裏の顔みたいなものもあるんだろうか。
わからんなぁ。
馬車を見送り、再び大通りを行く。
「よぉ、こんな所で会うなんて奇遇だな。」
そしてまた珍しい人物と出会った。
「マスター、外で会うのはむしろ初めてじゃないか?店はどうしたんだ?」
「聞いてくれよ、昨日客が大暴れしてな。その修理で半日休業中だ。」
「うへぇ、マスターの店潰すとか高くつきそうだな。」
「人聞きの悪いこと言うなよ、身ぐるみ剥いでダンジョンの中に放り込んだぐらいだって。」
「十分野蛮だよ。」
魔物の蔓延るダンジョンに丸裸って、死ねって言ってるのと同じだろ。
まぁ入り口付近に魔物が出ることは無いが、運悪く遭遇したら終わりだな。
「お前は何してるんだ?」
「畑の見回り。」
「相変わらず暇そうだな。」
「暇じゃないって、これでもちゃんと仕事はして来たんだぞ。」
「集金か?」
「いや、金貸しじゃないから。買取屋だから。」
なんていいつつ、今回初めて金を貸した気がする。
金貸しかぁ・・・。
癖にならないようにしないと。
「その買取屋に頼みたい仕事があるんだが、暇だろ店に来てくれ。」
「改装中じゃないのか?」
「用があるのは地下室だ。」
マスターが買い取り?
そんなこと言うのは初めてな気がする。
なんだろう、嬉しい様な不安なような。
一体何を見せられるんだろうか。
マスターについて三日月亭の表ではなく裏から中に入る。
思ったほど荒れていなかったが、テーブルが二つほど無くなっていた。
厨房へ回りそこから地下室へ。
ここに来たのは前に火酒で肉を仕込んだ時以来だろうか。
「相変わらず色々あるな。」
「ほとんど酒か仕込んでいる奴かだな。」
「そんな場所に一体何があるんだ?」
「俺もすっかり忘れてたんだが、大昔に買った逸品だよ。」
大きな甕を三つほど動かしたところでお目当ての品が顔を出した。
「これは・・・?」
「見ての通り仮面だ。」
「何でこんなもの買うんだよ。」
「店のディスプレイに良いかなと思ったんだが、予想以上にヤバそうな品でなぁ。」
マスターの言葉通り、松明の明かりに照らされたそれは何とも不気味な笑みを浮かべていた。
子供がお祭りで買ってもらうようなペラい奴じゃない。
能面とかそういう感じの木で出来た仮面は、口裂け女のように大きな笑みが描かれていた。
開いているのは目の部分だけ。
一体どういう意図で作られたんだろうか。
「何で触らないんだ?」
「触るとヤバそうだろ。」
「そんな品を俺に触らせる気かよ。」
「買った時は問題なかったんだし触るぐらいなら大丈夫だろ、よろしく頼む。」
「鑑定持ちだって理由だけで呼びやがったな。後で旨い酒奢ってくれよ。」
「店が再開したらな。」
マスターが場所を開けたので仕方なくヤバそうな仮面に手を伸ばす。
仮に呪われていても身に着けなければ大丈夫・・・のはずだ。
見るだけで鑑定出来たら楽なんだが、それだと生活に支障が出るか。
恐る恐る仮面に手を伸ばし、親指と人差し指でそれを掴む。
即座に鑑定スキルが発動し、仮面の正体が明かされた。
『微笑みの仮面。これを身に着けると途端に幸せな気分になり誰でも笑いだす替わりに体力を消耗していく。呪われている。最近の平均取引価格は銀貨5枚。最安値銀貨1枚、最高値銀貨8枚。最終取引日は299日前と記録されています。』
ですよね!
と、思わず言ってしまうような品だった。
なんだよ、笑う代わりに体力を消耗するって。
完全にアウトな品じゃないか。
しかも呪われてるって事は外せないって事だ。
身に着けたが最後、死ぬまで笑わされるとか。
そんな死に様最低過ぎる。
そして何より安すぎる。
取引も最近だし、いったい何に使うんだ?
「微笑みの仮面。ばっちり呪われてるってよ。」
「やっぱりな。」
「なんでこんなヤバいもの買うんだよ。」
「若い時は良さげに見えたんだよ。」
「そんなやつがこんな奥に眠ってる時点で、当時の自分もヤバい物だってわかってたんだろ?」
じゃないとこんな奥に閉まっとくことなんてありえない。
まったく、子供じゃないんだから変な言い訳しなくてもいいのに。
「まぁなぁ。魔物も笑うって言うから買ったんだが・・・。」
「魔物が笑う?」
この仮面をつけてか?
マジかよ。
「らしいんだが結局試さなかったんだよな。」
「笑うのか?」
「しらねぇよ。」
ふむ、魔物が笑うねぇ。
それよりも俺は別の部分で興味があるんだが。
「ちなみに買い取り金額は銀貨1枚だ。」
「安!」
「それ以上では買わないぞ。それと、鑑定料もよろしくな。」
「これが無くなると思えばそれでいいか・・・。」
渋々といったマスターから銀貨と酒を受け取り、禍々しい仮面と共に家に帰る。
さぁ、これをどう使うか。
「シロウ!アインさんが戻って来たわよ!」
っとその前に煮魚を作らなきゃならないようだ。
ついでにエリザに聞くとするか。
嬉しそうに手を振るエリザに同じく手を振り返し、家路を急いだ。
今回用意した荷物は三つ。
まずは女豹用のホワイトベリー。
次に収益性の高いグリーンスライムの核。
最後にアラクネの糸である。
三つともギルド協会への納品なので特に問題はないだろう。
税金対策用に各鉱石のインゴットと針金を買うように指示もしてある。
これは事前に頼んでおいたので、工房に行かずともその場で手配できることだろう。
宅配業と言いながらこういった交渉もしてくれるあたり優秀なだよな、アインさん。
彼女が居たらハーシェさんが要らないように思えるが、最後の素材を選んだのは彼女だ。
固定買取になったものの需要は高く、かつダンジョンで巣が見つかったとの情報をいち早く仕入れてくれた。
そのおかげで格安で仕入れを行うことが出来たんだよな。
アインさんと波長が合ったのか、毎日いろいろと打ち合わせをしているようで近々別の街にも部隊を送るらしい。
俺としては利益さえ出してくれればなんでもいいのでその辺は任せている。
「そろそろ戻ってくると思うんですけど・・・。」
「そんなに急いても仕方ないだろう、ほっとけば帰ってくるさ。」
「シロウは何も分かってないわね、ハーシェさんにとっては初仕事なのよ?不安にもなるでしょう。」
「信頼できる相手に託したんだろ?ならそれを信じて待てばいいじゃないか。」
「そりゃまぁ、そうだけどさぁ。」
「俺が何か取ってきてくれって言ったらお前は絶対に持って帰ってくるだろ?」
「そりゃ、シロウのお願いだもん。」
「それと同じだ。相手を信じるのも仕事の一つだよ。」
エリザが感心したような顔で俺を見てくる。
まったく、俺を何だと思ってるんだ。
「そうですよね、アインさんなら必ず成功させてくれます。」
「そういう事だ。ダンも一緒だし、仮に魔物に襲われてもどうってことないだろう。」
「それもそうね。」
不安そうに門の向こうを見つめるハーシェさんがやっと肩の力を抜いたように見えた。
「お前は魚を待ってるだけだろ?」
「そんなことないわよ。」
「嘘言え、エリザとアネットの料理を作ったら一人だけ不貞腐れていたじゃないか。」
「だって私が一番最初に言ったのに、一番最後なんだもん。」
「最初が良ければダンジョンに潜ればよかっただろ?」
「やだ。」
「なら我慢しろ、ルフだって我慢できるんだぞ。なぁルフ。」
他の女が一緒なので尻尾は振らなかったが、目が何で私に聞くの?と言っていた。
気にするなと頭を撫でてやる。
「俺は畑の見回りをしてくる。ハーシェさんはどうするんだ?」
「私も一度家に戻ります。」
「そうしろ。どっちにしろ報告はそっちの家で行われるんだし、終わったら教えてくれ。」
「かしこまりました。」
「なら途中まで一緒に行きましょ。」
二人と別れて、ルフと共に畑を歩く。
冬野菜は順調に育っており、十二月の終わりには収穫できそうだとアグリが言っていた。
二回目をどうするかが目下の課題だな。
春野菜に合わせて植え付けをするのか、二回目の冬野菜を植えるのか。
どちらも需要があるからそれなりの利益は見込めるが・・・。
やはり保存性の高い奴がいいだろう。
「ルフはオニオニオンダメだもんなぁ。」
ブンブン。
イヌ科は玉ねぎがダメ、それはこの世界でも同じようだ。
「まぁ、まだ時間はあるし収穫してから考えるか。」
ぐるりと回り特に異常がないかを確認する。
塀が壊されている感じも無いし害獣被害も聞いていない。
ルフ様々だ。
「また狩りに行こうな。」
「ワフ!」
ポンポンと頭を撫でてから街に戻る。
と、珍しい人が馬車に乗ってやって来た。
「レイブさん、馬車でお出かけとは珍しいですね。」
「オークションも近いので買い付けに行こうかと。」
「来月ですもんね。」
「シロウ様は出品されるんですか?」
「その予定です。」
「そのお顔は何か仕入れられたんですね。」
そんな顔していただろうか。
別に表情を変えたつもりはないんだけどなぁ。
「今回もなかなかの品が手に入りました、期待して下さい。」
「こちらも気に入ってくださる奴隷を探してきましょう。」
「さすがにもう一人は無理ですよ、アネットで随分とお金を使いましたから。」
「その分稼がれていると聞いていますが?」
「それでも微々たるものです。それに、これ以上奴隷が増えたら家を出なきゃなりません。」
今でもういっぱいいっぱいだ。
もう一人増えたら誰かが倉庫で寝る羽目になる。
いくら奴隷とはいえそれはまずいだろう。
「むしろシロウ様なら住居とお店を分けられるのがよろしいかと。」
「今の家も気に入ってるんですよねぇ。」
畑もあるしさ。
「旦那様、お時間が。」
「おっと、先方を待たせているので失礼します。」
「どうぞお気をつけて、行ってらっしゃい。」
奴隷の仕入れねぇ・・・。
レイブさんがいい人なのは知っているけれど、良い人だけではやっていけない商売だ。
裏の顔みたいなものもあるんだろうか。
わからんなぁ。
馬車を見送り、再び大通りを行く。
「よぉ、こんな所で会うなんて奇遇だな。」
そしてまた珍しい人物と出会った。
「マスター、外で会うのはむしろ初めてじゃないか?店はどうしたんだ?」
「聞いてくれよ、昨日客が大暴れしてな。その修理で半日休業中だ。」
「うへぇ、マスターの店潰すとか高くつきそうだな。」
「人聞きの悪いこと言うなよ、身ぐるみ剥いでダンジョンの中に放り込んだぐらいだって。」
「十分野蛮だよ。」
魔物の蔓延るダンジョンに丸裸って、死ねって言ってるのと同じだろ。
まぁ入り口付近に魔物が出ることは無いが、運悪く遭遇したら終わりだな。
「お前は何してるんだ?」
「畑の見回り。」
「相変わらず暇そうだな。」
「暇じゃないって、これでもちゃんと仕事はして来たんだぞ。」
「集金か?」
「いや、金貸しじゃないから。買取屋だから。」
なんていいつつ、今回初めて金を貸した気がする。
金貸しかぁ・・・。
癖にならないようにしないと。
「その買取屋に頼みたい仕事があるんだが、暇だろ店に来てくれ。」
「改装中じゃないのか?」
「用があるのは地下室だ。」
マスターが買い取り?
そんなこと言うのは初めてな気がする。
なんだろう、嬉しい様な不安なような。
一体何を見せられるんだろうか。
マスターについて三日月亭の表ではなく裏から中に入る。
思ったほど荒れていなかったが、テーブルが二つほど無くなっていた。
厨房へ回りそこから地下室へ。
ここに来たのは前に火酒で肉を仕込んだ時以来だろうか。
「相変わらず色々あるな。」
「ほとんど酒か仕込んでいる奴かだな。」
「そんな場所に一体何があるんだ?」
「俺もすっかり忘れてたんだが、大昔に買った逸品だよ。」
大きな甕を三つほど動かしたところでお目当ての品が顔を出した。
「これは・・・?」
「見ての通り仮面だ。」
「何でこんなもの買うんだよ。」
「店のディスプレイに良いかなと思ったんだが、予想以上にヤバそうな品でなぁ。」
マスターの言葉通り、松明の明かりに照らされたそれは何とも不気味な笑みを浮かべていた。
子供がお祭りで買ってもらうようなペラい奴じゃない。
能面とかそういう感じの木で出来た仮面は、口裂け女のように大きな笑みが描かれていた。
開いているのは目の部分だけ。
一体どういう意図で作られたんだろうか。
「何で触らないんだ?」
「触るとヤバそうだろ。」
「そんな品を俺に触らせる気かよ。」
「買った時は問題なかったんだし触るぐらいなら大丈夫だろ、よろしく頼む。」
「鑑定持ちだって理由だけで呼びやがったな。後で旨い酒奢ってくれよ。」
「店が再開したらな。」
マスターが場所を開けたので仕方なくヤバそうな仮面に手を伸ばす。
仮に呪われていても身に着けなければ大丈夫・・・のはずだ。
見るだけで鑑定出来たら楽なんだが、それだと生活に支障が出るか。
恐る恐る仮面に手を伸ばし、親指と人差し指でそれを掴む。
即座に鑑定スキルが発動し、仮面の正体が明かされた。
『微笑みの仮面。これを身に着けると途端に幸せな気分になり誰でも笑いだす替わりに体力を消耗していく。呪われている。最近の平均取引価格は銀貨5枚。最安値銀貨1枚、最高値銀貨8枚。最終取引日は299日前と記録されています。』
ですよね!
と、思わず言ってしまうような品だった。
なんだよ、笑う代わりに体力を消耗するって。
完全にアウトな品じゃないか。
しかも呪われてるって事は外せないって事だ。
身に着けたが最後、死ぬまで笑わされるとか。
そんな死に様最低過ぎる。
そして何より安すぎる。
取引も最近だし、いったい何に使うんだ?
「微笑みの仮面。ばっちり呪われてるってよ。」
「やっぱりな。」
「なんでこんなヤバいもの買うんだよ。」
「若い時は良さげに見えたんだよ。」
「そんなやつがこんな奥に眠ってる時点で、当時の自分もヤバい物だってわかってたんだろ?」
じゃないとこんな奥に閉まっとくことなんてありえない。
まったく、子供じゃないんだから変な言い訳しなくてもいいのに。
「まぁなぁ。魔物も笑うって言うから買ったんだが・・・。」
「魔物が笑う?」
この仮面をつけてか?
マジかよ。
「らしいんだが結局試さなかったんだよな。」
「笑うのか?」
「しらねぇよ。」
ふむ、魔物が笑うねぇ。
それよりも俺は別の部分で興味があるんだが。
「ちなみに買い取り金額は銀貨1枚だ。」
「安!」
「それ以上では買わないぞ。それと、鑑定料もよろしくな。」
「これが無くなると思えばそれでいいか・・・。」
渋々といったマスターから銀貨と酒を受け取り、禍々しい仮面と共に家に帰る。
さぁ、これをどう使うか。
「シロウ!アインさんが戻って来たわよ!」
っとその前に煮魚を作らなきゃならないようだ。
ついでにエリザに聞くとするか。
嬉しそうに手を振るエリザに同じく手を振り返し、家路を急いだ。
20
あなたにおすすめの小説
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる