159 / 1,738
159.転売屋は獣に出会う
しおりを挟む
ある日の事だった。
畑の様子を見に街の外に行くと、一匹の犬がいた。
隅っこの方で横たわり、こちらを見るも起き上がる様子はない。
小型犬・・・いや中型犬ぐらいはありそうな微妙な感じ。
ん?犬?
犬だよな。?
そういえばこの世界に来て犬って見たことないんだが・・・。
犬いるよな?
「あら?ハグレじゃない。」
「ハグレ?」
「人里に迷い込んだ魔獣の事よ。」
「って事はこいつは魔物なのか?」
「魔物と魔獣はちょっと違うんだけど、まぁそんな感じ。」
護衛という名の暇つぶしをしに来ていたエリザが教えてくれたのはいいが、完璧な答えではなかった。
「簡単な違いは?」
「家畜化できるかどうかよ。」
「おぉ、わかりやすい。」
「ダンジョンに巣くっていたり人を襲ったりするのが魔物。魔物の中でも調教や躾けによっては飼いならすことが出来るのが魔獣ね。」
「つまりこいつは・・・。」
「恐らくグレイウルフの子供でしょうね。」
「危険はないのか?」
「それは躾け次第でしょ。今は・・・空腹で動けないって所じゃない?」
確かにこっちを認識しているものの動く気配はない。
病気なのか死にかけなのかはわからないが、腹のあたりに肋骨が浮いている所を見ると、かなりの期間餌を食べていないようだ。
「う~む、手を出していいのかわからん。」
「飼うつもりなら助けたら?そうじゃないなら殺すわ。まぁほっといても死にそうだけど。」
「だよなぁ。」
「恩を仇で返される可能性は十分にあるんだし、ほっとく方がいいと思うけど。」
野良に餌を与えるな。
それはどの世界でも同じことだ。
飼うのならともかくその気が無いのにエサを与えて中途半端に生かすぐらいなら、この場で殺した方がそいつの為になる場合もある。
でもなぁ・・・。
昔飼ってた犬に似てるんだよなぁ。
「エリザ、マスターの所に行って肉貰ってきてくれ。干し肉じゃないぞ、生肉だ。」
「え、助けるの?」
「躾け次第でどうにかなるんだろ?畑の番犬に出来れば好都合だ。」
「そんなにうまくいくかしら。」
「やってみなきゃわからない。もし駄目な場合は、俺の責任でこいつを殺してくれ。」
「そこまで考えてるなら何も言わないわ。ちょっと待ってて。」
「おれはガキ共に離れるように言っておく。」
畑はほぼ完成しており、冬野菜も植えられている。
マジックベリーにオニオニオン、薬草も中央の別囲いの中で成長中だ。
とはいえまだ作業は続いているので、今もガキ共が畑づくりに精を出していた。
「あ、シロウだ。」
「シロウ様こんにちは。」
「畑の奥に魔獣がいるから近づくなよ。」
「え、魔獣!?」
「死にかけで害は無いが、何かあるかわからん。大人の近くにいろ。」
「え~見たーい!」
「私も見たい!」
「馬鹿言うな、何かあったらモニカに何言われるかわからないだろ。大人しくしとけ。」
「え~ケチ~。」
「シロウだけずるいよ!」
雇い主に向かっていい度胸だな。
そんなこと言う奴はおやつ抜きにしてやる。
他の作業員にも声をかけ、人払いを済ませるとエリザが戻ってきた。
「はい、お肉とお皿。」
「皿まで持ってきてくれたのか。」
「飼うつもりならいるでしょ?」
「まぁな。」
「私は井戸で水汲んで来るからちょっと待ってて。一人で行ってかみ殺されても知らないからね。」
「大人しく待ってるよ。」
一人で行くつもりだったが釘を刺されてしまった。
魔獣とはいえまだ飼いならされていないって事は魔物って事だ。
冒険者ならともかく何もできない商人は大人しくしておこう。
肉の匂いがするのか、ヒクヒクと鼻を持ち上げて匂いを嗅いでいるが、体が起き上がることは無い。
かなり弱っているんだろう。
怪我をしている可能性もある。
最悪そのまま死ぬ可能性もあるが・・・。
ほんとこういうのって人間のっていうか俺のエゴだよなぁ。
しばらくするとエリザが入れ物に水を入れて戻ってきた。
「じゃあ行くわよ。」
「あぁ。」
「少しでも変な行動したら殺すからね、わかった?」
「仕方あるまい。」
「助けたいのか殺したいのかわからない返事ねぇ。」
「助けたいがそれが叶わないのなら仕方がない。俺だってガキじゃないんだ、その辺はわきまえてるさ。」
「ならいいけど。」
ヤレヤレといった感じで肩をすくめるエリザと共にゆっくりとそいつに近づく。
一歩、二歩、三歩。
もうすぐで手が届くという所で、そいつは突然起き上がりこちらを向いた。
エリザが武器に手を伸ばすよりも先にそれを制する。
「大丈夫だ。」
「子供でも指を食いちぎる力ぐらいはあるんだからね。」
「わかってるって。」
そのままそいつの目を見て動きを止める。
うぅと小さく唸る音がする。
弱っていても魔物は魔物。
人間は敵だという認識らしい。
まぁ当然だよな。
「まぁ落ち着け、俺はお前を助けたいだけだ。」
俺の言葉を理解しているかはわからない。
だが耳が動いたところから察するに聞こえてはいるようだ。
ゆっくりと手を伸ばして肉の載った皿をそいつに近づける。
うぅぅぅとさっきよりも強く唸るのが分かった。
ここが限度か。
「エリザ、水。」
「はいはい。」
肉の横に水の入れ物を置き、その場から少し後ずさる。
そいつは俺の目を見たまま動かない。
俺も、そいつの目を見たままだ。
どれだけそうしていたかわからないが、そいつはゆっくりと立ち上がりよろよろしながら肉の皿まで近づいた。
だがそれが限界だったようで、再びその場で倒れこむ。
肉は・・・口元にあるようだ。
「食べたわね。」
「あぁ、そうみたいだ。」
「この後どうするの?」
「様子を見ながら畑の確認だ、暇なら帰ってもいいぞ。」
「水を汲んできたのは私だもの、最後までいるわよ。」
こういう所は義理堅いやつだなぁ。
そこがいいんだけども。
食事を邪魔しないようにその場から離れ、畑の方に戻った。
時々そいつの方を見ながら生育や今後の方針について話し合う。
柵を作る前に膝の高さ位の段を作ったのが良かったのか、小動物などが入り込んでいる様子はないそうだ。
近くまで魔物が来た足跡はあったようだけど、その辺りは警備もいるし問題ないだろう。
まぁ、今は実もついてないし成長してからどうなるかはわからないな。
何事も挑戦だ、最初から万事うまくいくとは思っていない。
「動きませんね。」
「そうだな。」
「個人的には懐いてもらえると色々と助かるんですけど・・・。」
「魔獣を護衛にでも使うのか?」
「そうです。魔獣がいるのといないのとでは襲撃される可能性が格段に違いますからね。酪農をする家庭には必ずと言っていいほど魔獣がいますよ。」
なるほどなぁ。
まさに番犬ってやつか。
「懐くかどうかはあいつ次第だ、俺がどうこうできる話じゃない。」
「もちろんわかっています。」
俺だって慣れてくれればいいなと思っているが、世の中そううまくいくわけもなく・・・。
その日、最後までそいつは動くことはなかったが、翌日様子を見に行くとそこに姿はなかった。
「行っちゃったね。」
「まぁ仕方がない。」
「飼いたかったんじゃないの?」
「そうしたかった半分ホッとした半分ってとこか。あの様子じゃ外に行っても無事でいられるかはわからなけどな。」
「そうね、手負いが生きていける程外は甘く無いもの。」
「さて、今日も仕事仕事っと。そろそろ準備していかないとマジでやばいから・・・。」
諦め街に戻ろうとしたその時だった。
視界の端に何やら動くモノがある。
慌ててそちらを見ると、塀の下のくぼみに奴がいた。
俺に気が付いたのか頭を上げ臭いを嗅いでいる。
「いた。」
「あ、ほんとだ。」
「エリザ。」
「お肉とお水ね、わかったから一人で行かないでよ。」
「わかってるって。」
そいつはまっすぐに俺を見ている。
昨日とは違い明らかに覇気がある。
獣の佇まいというかなんというか、『生きている』それが伝わって来た。
「なんだよ、いるならいるって言えよな。」
「ウゥ・・・。」
俺の声に返事をするようにそいつは唸った。
そのまま見つめ合う事しばし。
昨日と同じくエリザが肉を持って戻って来た。
昨日の皿にのせ、ゆっくりと近づく。
元気になったってことは俺を襲えるという事だ。
昨日以上に慎重に近づき、そいつの前に皿を置く。
「食うか?」
返事はなかった。
一瞬肉の方に気を取られたがすぐに食いつくことはせず、再び俺の方を見る。
「二回目の施しを受けるってことは野生を捨てるって事だ。俺はお前に食事を提供する、お前はここで仕事をする。魔物を寄せ付けず、追い返し、畑を守れ。それでいいのなら肉を喰え。」
「そんなこと言ったって伝わるわけ・・・。」
「いいや、伝わってる。」
こいつは賢い生き物だ。
ゆっくりとそいつに向かって腕を伸ばす。
すぐに引き戻せるように緊張しながらゆっくりとゆっくりと。
どんどんと距離が縮まり、そして届いた。
頭を触られているのにそいつは嫌がる事無くジッと、俺を見つめている。
「そうか、了承するのか。」
「ウォウ!」
一つ吠える。
「なら肉を喰え、今日からここがお前の仕事場だ。」
返事の代わりにそいつは肉を食べ始める。
後ろを見ると信じられないという顔のエリザがいた。
「名前を考えてやらなきゃな。そして、ミラたちにも紹介してやらないと。」
「私はまだ信用してないからね。」
「それはお互いにだ。ここからゆっくりと信頼していけばいい。」
こうして俺達に新しい仲間?が増えたのだった。
畑の様子を見に街の外に行くと、一匹の犬がいた。
隅っこの方で横たわり、こちらを見るも起き上がる様子はない。
小型犬・・・いや中型犬ぐらいはありそうな微妙な感じ。
ん?犬?
犬だよな。?
そういえばこの世界に来て犬って見たことないんだが・・・。
犬いるよな?
「あら?ハグレじゃない。」
「ハグレ?」
「人里に迷い込んだ魔獣の事よ。」
「って事はこいつは魔物なのか?」
「魔物と魔獣はちょっと違うんだけど、まぁそんな感じ。」
護衛という名の暇つぶしをしに来ていたエリザが教えてくれたのはいいが、完璧な答えではなかった。
「簡単な違いは?」
「家畜化できるかどうかよ。」
「おぉ、わかりやすい。」
「ダンジョンに巣くっていたり人を襲ったりするのが魔物。魔物の中でも調教や躾けによっては飼いならすことが出来るのが魔獣ね。」
「つまりこいつは・・・。」
「恐らくグレイウルフの子供でしょうね。」
「危険はないのか?」
「それは躾け次第でしょ。今は・・・空腹で動けないって所じゃない?」
確かにこっちを認識しているものの動く気配はない。
病気なのか死にかけなのかはわからないが、腹のあたりに肋骨が浮いている所を見ると、かなりの期間餌を食べていないようだ。
「う~む、手を出していいのかわからん。」
「飼うつもりなら助けたら?そうじゃないなら殺すわ。まぁほっといても死にそうだけど。」
「だよなぁ。」
「恩を仇で返される可能性は十分にあるんだし、ほっとく方がいいと思うけど。」
野良に餌を与えるな。
それはどの世界でも同じことだ。
飼うのならともかくその気が無いのにエサを与えて中途半端に生かすぐらいなら、この場で殺した方がそいつの為になる場合もある。
でもなぁ・・・。
昔飼ってた犬に似てるんだよなぁ。
「エリザ、マスターの所に行って肉貰ってきてくれ。干し肉じゃないぞ、生肉だ。」
「え、助けるの?」
「躾け次第でどうにかなるんだろ?畑の番犬に出来れば好都合だ。」
「そんなにうまくいくかしら。」
「やってみなきゃわからない。もし駄目な場合は、俺の責任でこいつを殺してくれ。」
「そこまで考えてるなら何も言わないわ。ちょっと待ってて。」
「おれはガキ共に離れるように言っておく。」
畑はほぼ完成しており、冬野菜も植えられている。
マジックベリーにオニオニオン、薬草も中央の別囲いの中で成長中だ。
とはいえまだ作業は続いているので、今もガキ共が畑づくりに精を出していた。
「あ、シロウだ。」
「シロウ様こんにちは。」
「畑の奥に魔獣がいるから近づくなよ。」
「え、魔獣!?」
「死にかけで害は無いが、何かあるかわからん。大人の近くにいろ。」
「え~見たーい!」
「私も見たい!」
「馬鹿言うな、何かあったらモニカに何言われるかわからないだろ。大人しくしとけ。」
「え~ケチ~。」
「シロウだけずるいよ!」
雇い主に向かっていい度胸だな。
そんなこと言う奴はおやつ抜きにしてやる。
他の作業員にも声をかけ、人払いを済ませるとエリザが戻ってきた。
「はい、お肉とお皿。」
「皿まで持ってきてくれたのか。」
「飼うつもりならいるでしょ?」
「まぁな。」
「私は井戸で水汲んで来るからちょっと待ってて。一人で行ってかみ殺されても知らないからね。」
「大人しく待ってるよ。」
一人で行くつもりだったが釘を刺されてしまった。
魔獣とはいえまだ飼いならされていないって事は魔物って事だ。
冒険者ならともかく何もできない商人は大人しくしておこう。
肉の匂いがするのか、ヒクヒクと鼻を持ち上げて匂いを嗅いでいるが、体が起き上がることは無い。
かなり弱っているんだろう。
怪我をしている可能性もある。
最悪そのまま死ぬ可能性もあるが・・・。
ほんとこういうのって人間のっていうか俺のエゴだよなぁ。
しばらくするとエリザが入れ物に水を入れて戻ってきた。
「じゃあ行くわよ。」
「あぁ。」
「少しでも変な行動したら殺すからね、わかった?」
「仕方あるまい。」
「助けたいのか殺したいのかわからない返事ねぇ。」
「助けたいがそれが叶わないのなら仕方がない。俺だってガキじゃないんだ、その辺はわきまえてるさ。」
「ならいいけど。」
ヤレヤレといった感じで肩をすくめるエリザと共にゆっくりとそいつに近づく。
一歩、二歩、三歩。
もうすぐで手が届くという所で、そいつは突然起き上がりこちらを向いた。
エリザが武器に手を伸ばすよりも先にそれを制する。
「大丈夫だ。」
「子供でも指を食いちぎる力ぐらいはあるんだからね。」
「わかってるって。」
そのままそいつの目を見て動きを止める。
うぅと小さく唸る音がする。
弱っていても魔物は魔物。
人間は敵だという認識らしい。
まぁ当然だよな。
「まぁ落ち着け、俺はお前を助けたいだけだ。」
俺の言葉を理解しているかはわからない。
だが耳が動いたところから察するに聞こえてはいるようだ。
ゆっくりと手を伸ばして肉の載った皿をそいつに近づける。
うぅぅぅとさっきよりも強く唸るのが分かった。
ここが限度か。
「エリザ、水。」
「はいはい。」
肉の横に水の入れ物を置き、その場から少し後ずさる。
そいつは俺の目を見たまま動かない。
俺も、そいつの目を見たままだ。
どれだけそうしていたかわからないが、そいつはゆっくりと立ち上がりよろよろしながら肉の皿まで近づいた。
だがそれが限界だったようで、再びその場で倒れこむ。
肉は・・・口元にあるようだ。
「食べたわね。」
「あぁ、そうみたいだ。」
「この後どうするの?」
「様子を見ながら畑の確認だ、暇なら帰ってもいいぞ。」
「水を汲んできたのは私だもの、最後までいるわよ。」
こういう所は義理堅いやつだなぁ。
そこがいいんだけども。
食事を邪魔しないようにその場から離れ、畑の方に戻った。
時々そいつの方を見ながら生育や今後の方針について話し合う。
柵を作る前に膝の高さ位の段を作ったのが良かったのか、小動物などが入り込んでいる様子はないそうだ。
近くまで魔物が来た足跡はあったようだけど、その辺りは警備もいるし問題ないだろう。
まぁ、今は実もついてないし成長してからどうなるかはわからないな。
何事も挑戦だ、最初から万事うまくいくとは思っていない。
「動きませんね。」
「そうだな。」
「個人的には懐いてもらえると色々と助かるんですけど・・・。」
「魔獣を護衛にでも使うのか?」
「そうです。魔獣がいるのといないのとでは襲撃される可能性が格段に違いますからね。酪農をする家庭には必ずと言っていいほど魔獣がいますよ。」
なるほどなぁ。
まさに番犬ってやつか。
「懐くかどうかはあいつ次第だ、俺がどうこうできる話じゃない。」
「もちろんわかっています。」
俺だって慣れてくれればいいなと思っているが、世の中そううまくいくわけもなく・・・。
その日、最後までそいつは動くことはなかったが、翌日様子を見に行くとそこに姿はなかった。
「行っちゃったね。」
「まぁ仕方がない。」
「飼いたかったんじゃないの?」
「そうしたかった半分ホッとした半分ってとこか。あの様子じゃ外に行っても無事でいられるかはわからなけどな。」
「そうね、手負いが生きていける程外は甘く無いもの。」
「さて、今日も仕事仕事っと。そろそろ準備していかないとマジでやばいから・・・。」
諦め街に戻ろうとしたその時だった。
視界の端に何やら動くモノがある。
慌ててそちらを見ると、塀の下のくぼみに奴がいた。
俺に気が付いたのか頭を上げ臭いを嗅いでいる。
「いた。」
「あ、ほんとだ。」
「エリザ。」
「お肉とお水ね、わかったから一人で行かないでよ。」
「わかってるって。」
そいつはまっすぐに俺を見ている。
昨日とは違い明らかに覇気がある。
獣の佇まいというかなんというか、『生きている』それが伝わって来た。
「なんだよ、いるならいるって言えよな。」
「ウゥ・・・。」
俺の声に返事をするようにそいつは唸った。
そのまま見つめ合う事しばし。
昨日と同じくエリザが肉を持って戻って来た。
昨日の皿にのせ、ゆっくりと近づく。
元気になったってことは俺を襲えるという事だ。
昨日以上に慎重に近づき、そいつの前に皿を置く。
「食うか?」
返事はなかった。
一瞬肉の方に気を取られたがすぐに食いつくことはせず、再び俺の方を見る。
「二回目の施しを受けるってことは野生を捨てるって事だ。俺はお前に食事を提供する、お前はここで仕事をする。魔物を寄せ付けず、追い返し、畑を守れ。それでいいのなら肉を喰え。」
「そんなこと言ったって伝わるわけ・・・。」
「いいや、伝わってる。」
こいつは賢い生き物だ。
ゆっくりとそいつに向かって腕を伸ばす。
すぐに引き戻せるように緊張しながらゆっくりとゆっくりと。
どんどんと距離が縮まり、そして届いた。
頭を触られているのにそいつは嫌がる事無くジッと、俺を見つめている。
「そうか、了承するのか。」
「ウォウ!」
一つ吠える。
「なら肉を喰え、今日からここがお前の仕事場だ。」
返事の代わりにそいつは肉を食べ始める。
後ろを見ると信じられないという顔のエリザがいた。
「名前を考えてやらなきゃな。そして、ミラたちにも紹介してやらないと。」
「私はまだ信用してないからね。」
「それはお互いにだ。ここからゆっくりと信頼していけばいい。」
こうして俺達に新しい仲間?が増えたのだった。
29
あなたにおすすめの小説
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる