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107.転売屋はダンジョンのお宝を見つける
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頭上を見上げるとまるで夜空のように星が瞬いていた。
比喩表現ではない。
本当にピカピカと点滅するのだ。
そう、まるで生きているかのように。
「すごいな。」
「でしょ、一年で七月しか見れないんだから。」
「これをみせたくてしつこく誘っていたのか?」
「ま、まぁ、うん。」
「その様子だと他にも理由があるんだな?」
「そ、そんなことないよ?」
明らかにおかしい。
この反応は何か隠しごとをしている時のやつだ。
ふむ、俺なりに考えてみるか。
頭上から視線をもどせば、洞窟の中にたくさんの住民が集まっている。
皆一様に上を見上げ、キャーだのワーだの歓声を上げている。
よく見ればかなりの比率、っていうかほとんどが男女のペアだ。
男同士女同士もいるにはいるがかなり少ない。
そういえば道中も男女のペアばかりだったなぁ。
もう一度上に視線を戻す。
ピカピカと瞬く光景はまるで夜空のよう。
そう、天の川だ。
洞窟の中央にたくさんの星が集まり川のようにつながっている。
他の場所にも光はあるが、中央に比べると少ない。
七月、男女のペア、天の川・・・。
偶然だろうがそう考えるのが自然だろう。
「ここに来ると永遠に結ばれるとかそんな感じか。」
「え、しってたの!」
「こら、静かにしろ。」
慌てて口を押えるエリザ。
隠れて見てるんだから気をつけろよな。
「知らなかった。」
「じゃあなんでわかるの?」
「見たらわかるだろ、全員イチャイチャしやがって暑苦しい。」
「暑苦しい・・・。」
「言い方が悪かった、幸せそうだな。」
「うん、みんなこの日を待ってたからね。でも本当にここに来たカップルはずっと仲良しなのよ。」
「へぇ、それはいい事だ。」
魔法のある世界だ、もしかしたらそういう効果があるのかもしれない。
俺としては魔物が出ると聞いて気が気じゃないので、さっさと帰りたいんだが・・・。
「なぁエリザ、あの光っているのって何なんだ?」
「あれはね、鉱蟲よ。」
「コウチュウ?」
「鉱石蟲っていってね、遥か昔に産み付けられた魔物の卵なの。」
「遥か昔って詳しくわからないのか?」
「うん、ダンジョンが出来た時からあるから誰にも分らないんだって。」
なんだそれは。
結構いい加減なんだな。
「卵ってことは孵化するのか?」
「するよ、でもそれは何時かわからないの。過去の記録から七月に孵化するのが多いから、みんな来てるけど他の月に孵化したことも有るから絶対じゃないみたい。」
「魔物の卵なんだろ?大丈夫なのかよ。」
大抵こういうのは孵化したらものすごい魔物でした的な奴じゃないのか?
他の生物を食い荒らすとか映画でよくある展開じゃないか。
「大丈夫よ。鉱蟲は孵化すると同時に死んじゃうから。」
「はぁ?」
「魔力が少なくて体を維持できないみたい。昔は魔力が濃かったから孵化しても動いたんじゃないかって偉い学者さんは言うけど、よくわからないのよね。」
「まぁ害がないのならそれでいい。」
どうやら映画のような展開は免れたようだ。
やれやれだ。
「鉱石蟲っていうのはなんでなんだ?」
「鉱蟲は体全てが高濃度の魔石で見た目も綺麗だから、死骸にすっごい価値があるの。それこそこの間のジェイドみたいに。」
「それなら掘り起こせばいいじゃないか。なんでしないんだ?」
「掘り出せないのよ。誰が何をやっても天井から剥がせなくて、手に入れる方法は孵化するのを待つだけ。」
なるほどな。
こんな低層階に一攫千金のネタが転がっているのに冒険者が群がらないのはその為か。
「孵化する年もあればそうじゃない年もあるから、拾えたらとっても幸運な事なのよ。」
「その幸運にあやかってパワースポット的な扱いになっているわけか。入場料も取ってウハウハだな。」
「七月だけだからね、冒険者も楽して稼げるからこの時期はダンジョンに潜らない人も多いんだ。」
「たまにはいいんじゃないか、お前達は働き過ぎだ。」
「シロウに言われたくないわよ。」
「そうか?」
「そうよ。毎日毎日働いて、休みの日も仕入れだなんだって。」
「だから連れ出したのか。」
デート的な事をしたいだけかと思ったらそうでもなかったらしい。
すまんエリザ、帰ったらその分しっかりと可愛がってやるからな。
「ちょっとは休みになった?」
「あぁ、満足だ。」
「えへへ、よかった。」
「お、そろそろ入れ替わりみたいだな。魔物が来る前にとっとと帰るぞ。」
「は~い。」
時間が来たらしく洞窟内の住民がぞろぞろと外に出始めた。
この流れに合わせて出たら大丈夫だろう。
「こっちから中に入れるから、一番後ろについていきましょ。」
「わかった。」
再びエリザの後ろについて細い通路を進む。
壁の割れ目から洞窟内に入り、最後の見納めと顔を上げたその時だった。
「ん?」
一際はまばゆい光を放つ星?がある。
中心ではなく端っこの方にあるやつだ。
その光に釣られるようにふらふらとその下に行ったつぎの瞬間。
まるでフラッシュをたいたかのように洞窟全体が光り輝いた。
「うわ!」
「きゃあ!」
残っていた住民が悲鳴を上げ洞窟中に響き渡る。
だがその光もすぐに消え、また元の暗闇が戻ってきた。
何だったんだ?
「シロウ大丈夫?」
「あぁ、ちょっと目がちかちかするだけだ。」
真下でその光を見たからか目の前に白い点が残っている。
まるで太陽を見た時のような感じだ。
と、その時。
「いてっ。」
頭の上に石か何かがが落ちてきた。
それは頭の上で跳ね、地面に転がる。
真っ暗で良く見えなかったが、最後にチカチカとそいつは光った。
まさか!
その光が消える前に慌てて拾い上げる。
「どうしたの?」
「なんでもない、とりあえず出るぞ。」
心臓がバクバクしている。
まるで悪い事をした時のようだ。
「何だったのかしら、今まであんなことなかったのに。」
「そうなのか?」
「うん。誰かがライティングの魔法でも使ったのかな。」
「そんなのがあるのか。」
「この中では魔法は禁止って言われなかったのかなぁ。」
「まぁ何もなかったしいいじゃないか。」
とりあえず外に出て確認がしたい。
俺はそれをポケットに入れて洞窟の外へと出た。
「今日はありがとう、すぐ地上に戻る?」
「いや、この辺に人の来ない安全場所はあるか?」
「え!?そ、そういうのは家に帰ってからにしようよ・・・。」
「馬鹿発情してんじゃねぇよ。」
「してないわよ!」
顔を真っ赤にして反論するエリザ。
昼間からでももちろん構わないが、今はそれどころじゃない。
俺の鑑定スキルは調べたいものを手に取った瞬間に自動で発動する。
それはさっき拾ったやつにもだ。
『鉱石蟲の死骸。またの名をジュエルビートル。ダンジョンの中にしか生息しておらず、孵化をすると死んでしまう謎多き魔物。生体が存在するのかどうかは不明で入手も困難な事から非常に高値で取引されている。最近の平均取引価格は金貨120枚。最安値金貨100枚最高値金貨150枚最終取引日は2年と1カ月前と記録されています。』
拾った。
拾っちゃったよ。
あの光は孵化する瞬間に見られる何かなんだろう。
最初で最後の自己主張。
孵化をしてすぐに死んでしまうのは本当だったんだな。
それが偶然にも俺の頭の上に落ちてきたのか。
偶然も過ぎるだろう。
年に一つ手に入るか入らないかっていう奴だぞ?
この世界で言う一年は720日だ。
それだけ待っても手に入らないことも有るのにそれが俺の上で光るとか・・・。
流石俺と褒めてやりたい。
真っ赤な顔でダンジョンの奥に進んでいくエリザ。
これを見せたらどんな顔をするだろうか。
驚きのあまり大声を出すとか?
それとも無言で魅入られてしまうんだろうか。
一体どんな形をしているのか。
ポケットの中でそれは静かにその時を待っている。
「この辺なら大丈夫かな、魔物もいないみたい。」
「よしよし。」
「ね、ねぇ本当にしないの?」
「何だしたいのか?」
「そうじゃないけど、なんていうか凄いドキドキしてて。」
「もっとドキドキさせてやるからちょっと待ってろ。」
「え、やだ!シロウもその気なんじゃない。」
「だから違うって。」
一体いつから色欲魔になったんだこいつは。
俺も好きだから構わないんだが、どこでもやりたいってわけじゃないんだが。
まったく困った女だよ。
「もぅ、じゃあなんなのよ。」
「これを見てみろ。」
違う意味で興奮中のエリザにポケットの中のお宝を見せてみる。
が、反応はない。
「何これ。」
「見てわからないか?鉱蟲の死骸だよ。」
「え!?」
「鑑定ではそのはずなんだが・・・、変だな全然きれいじゃないぞ。」
エリザの話では見た目も綺麗なはずなんだが、こいつは真っ黒なままだった。
見た目には黒い石。
黒曜石のように若干のカッティングのような奴は入っているが、蟲の死骸というよりも完全に石だ。
「本当にこれがそうなの?」
「そのはずなんだがなぁ。」
もう一度鑑定スキルを発動してみるも結果は同じだった。
「私を喜ばせようとしてくれたの?」
「ばか、そんなんじゃねぇよ。」
「ふ~ん・・・。」
「なんだよ。」
「そうだったら嬉しいなって。」
「だからこれは本物なんだって。」
「はいはい、そういう事にしてあげる。」
「ったくお前は・・・。」
「ほら、さっさと帰ろ。さっきのでドキドキもどこか行っちゃった。」
あーあ、なんて言いながらエリザが来た道を戻っていく。
こいつ、後でヒーヒー言わせてやるから覚えてろよ。
そんなことを思いながらお宝?をポケットに突っ込みエリザの後を追いかけるのだった。
比喩表現ではない。
本当にピカピカと点滅するのだ。
そう、まるで生きているかのように。
「すごいな。」
「でしょ、一年で七月しか見れないんだから。」
「これをみせたくてしつこく誘っていたのか?」
「ま、まぁ、うん。」
「その様子だと他にも理由があるんだな?」
「そ、そんなことないよ?」
明らかにおかしい。
この反応は何か隠しごとをしている時のやつだ。
ふむ、俺なりに考えてみるか。
頭上から視線をもどせば、洞窟の中にたくさんの住民が集まっている。
皆一様に上を見上げ、キャーだのワーだの歓声を上げている。
よく見ればかなりの比率、っていうかほとんどが男女のペアだ。
男同士女同士もいるにはいるがかなり少ない。
そういえば道中も男女のペアばかりだったなぁ。
もう一度上に視線を戻す。
ピカピカと瞬く光景はまるで夜空のよう。
そう、天の川だ。
洞窟の中央にたくさんの星が集まり川のようにつながっている。
他の場所にも光はあるが、中央に比べると少ない。
七月、男女のペア、天の川・・・。
偶然だろうがそう考えるのが自然だろう。
「ここに来ると永遠に結ばれるとかそんな感じか。」
「え、しってたの!」
「こら、静かにしろ。」
慌てて口を押えるエリザ。
隠れて見てるんだから気をつけろよな。
「知らなかった。」
「じゃあなんでわかるの?」
「見たらわかるだろ、全員イチャイチャしやがって暑苦しい。」
「暑苦しい・・・。」
「言い方が悪かった、幸せそうだな。」
「うん、みんなこの日を待ってたからね。でも本当にここに来たカップルはずっと仲良しなのよ。」
「へぇ、それはいい事だ。」
魔法のある世界だ、もしかしたらそういう効果があるのかもしれない。
俺としては魔物が出ると聞いて気が気じゃないので、さっさと帰りたいんだが・・・。
「なぁエリザ、あの光っているのって何なんだ?」
「あれはね、鉱蟲よ。」
「コウチュウ?」
「鉱石蟲っていってね、遥か昔に産み付けられた魔物の卵なの。」
「遥か昔って詳しくわからないのか?」
「うん、ダンジョンが出来た時からあるから誰にも分らないんだって。」
なんだそれは。
結構いい加減なんだな。
「卵ってことは孵化するのか?」
「するよ、でもそれは何時かわからないの。過去の記録から七月に孵化するのが多いから、みんな来てるけど他の月に孵化したことも有るから絶対じゃないみたい。」
「魔物の卵なんだろ?大丈夫なのかよ。」
大抵こういうのは孵化したらものすごい魔物でした的な奴じゃないのか?
他の生物を食い荒らすとか映画でよくある展開じゃないか。
「大丈夫よ。鉱蟲は孵化すると同時に死んじゃうから。」
「はぁ?」
「魔力が少なくて体を維持できないみたい。昔は魔力が濃かったから孵化しても動いたんじゃないかって偉い学者さんは言うけど、よくわからないのよね。」
「まぁ害がないのならそれでいい。」
どうやら映画のような展開は免れたようだ。
やれやれだ。
「鉱石蟲っていうのはなんでなんだ?」
「鉱蟲は体全てが高濃度の魔石で見た目も綺麗だから、死骸にすっごい価値があるの。それこそこの間のジェイドみたいに。」
「それなら掘り起こせばいいじゃないか。なんでしないんだ?」
「掘り出せないのよ。誰が何をやっても天井から剥がせなくて、手に入れる方法は孵化するのを待つだけ。」
なるほどな。
こんな低層階に一攫千金のネタが転がっているのに冒険者が群がらないのはその為か。
「孵化する年もあればそうじゃない年もあるから、拾えたらとっても幸運な事なのよ。」
「その幸運にあやかってパワースポット的な扱いになっているわけか。入場料も取ってウハウハだな。」
「七月だけだからね、冒険者も楽して稼げるからこの時期はダンジョンに潜らない人も多いんだ。」
「たまにはいいんじゃないか、お前達は働き過ぎだ。」
「シロウに言われたくないわよ。」
「そうか?」
「そうよ。毎日毎日働いて、休みの日も仕入れだなんだって。」
「だから連れ出したのか。」
デート的な事をしたいだけかと思ったらそうでもなかったらしい。
すまんエリザ、帰ったらその分しっかりと可愛がってやるからな。
「ちょっとは休みになった?」
「あぁ、満足だ。」
「えへへ、よかった。」
「お、そろそろ入れ替わりみたいだな。魔物が来る前にとっとと帰るぞ。」
「は~い。」
時間が来たらしく洞窟内の住民がぞろぞろと外に出始めた。
この流れに合わせて出たら大丈夫だろう。
「こっちから中に入れるから、一番後ろについていきましょ。」
「わかった。」
再びエリザの後ろについて細い通路を進む。
壁の割れ目から洞窟内に入り、最後の見納めと顔を上げたその時だった。
「ん?」
一際はまばゆい光を放つ星?がある。
中心ではなく端っこの方にあるやつだ。
その光に釣られるようにふらふらとその下に行ったつぎの瞬間。
まるでフラッシュをたいたかのように洞窟全体が光り輝いた。
「うわ!」
「きゃあ!」
残っていた住民が悲鳴を上げ洞窟中に響き渡る。
だがその光もすぐに消え、また元の暗闇が戻ってきた。
何だったんだ?
「シロウ大丈夫?」
「あぁ、ちょっと目がちかちかするだけだ。」
真下でその光を見たからか目の前に白い点が残っている。
まるで太陽を見た時のような感じだ。
と、その時。
「いてっ。」
頭の上に石か何かがが落ちてきた。
それは頭の上で跳ね、地面に転がる。
真っ暗で良く見えなかったが、最後にチカチカとそいつは光った。
まさか!
その光が消える前に慌てて拾い上げる。
「どうしたの?」
「なんでもない、とりあえず出るぞ。」
心臓がバクバクしている。
まるで悪い事をした時のようだ。
「何だったのかしら、今まであんなことなかったのに。」
「そうなのか?」
「うん。誰かがライティングの魔法でも使ったのかな。」
「そんなのがあるのか。」
「この中では魔法は禁止って言われなかったのかなぁ。」
「まぁ何もなかったしいいじゃないか。」
とりあえず外に出て確認がしたい。
俺はそれをポケットに入れて洞窟の外へと出た。
「今日はありがとう、すぐ地上に戻る?」
「いや、この辺に人の来ない安全場所はあるか?」
「え!?そ、そういうのは家に帰ってからにしようよ・・・。」
「馬鹿発情してんじゃねぇよ。」
「してないわよ!」
顔を真っ赤にして反論するエリザ。
昼間からでももちろん構わないが、今はそれどころじゃない。
俺の鑑定スキルは調べたいものを手に取った瞬間に自動で発動する。
それはさっき拾ったやつにもだ。
『鉱石蟲の死骸。またの名をジュエルビートル。ダンジョンの中にしか生息しておらず、孵化をすると死んでしまう謎多き魔物。生体が存在するのかどうかは不明で入手も困難な事から非常に高値で取引されている。最近の平均取引価格は金貨120枚。最安値金貨100枚最高値金貨150枚最終取引日は2年と1カ月前と記録されています。』
拾った。
拾っちゃったよ。
あの光は孵化する瞬間に見られる何かなんだろう。
最初で最後の自己主張。
孵化をしてすぐに死んでしまうのは本当だったんだな。
それが偶然にも俺の頭の上に落ちてきたのか。
偶然も過ぎるだろう。
年に一つ手に入るか入らないかっていう奴だぞ?
この世界で言う一年は720日だ。
それだけ待っても手に入らないことも有るのにそれが俺の上で光るとか・・・。
流石俺と褒めてやりたい。
真っ赤な顔でダンジョンの奥に進んでいくエリザ。
これを見せたらどんな顔をするだろうか。
驚きのあまり大声を出すとか?
それとも無言で魅入られてしまうんだろうか。
一体どんな形をしているのか。
ポケットの中でそれは静かにその時を待っている。
「この辺なら大丈夫かな、魔物もいないみたい。」
「よしよし。」
「ね、ねぇ本当にしないの?」
「何だしたいのか?」
「そうじゃないけど、なんていうか凄いドキドキしてて。」
「もっとドキドキさせてやるからちょっと待ってろ。」
「え、やだ!シロウもその気なんじゃない。」
「だから違うって。」
一体いつから色欲魔になったんだこいつは。
俺も好きだから構わないんだが、どこでもやりたいってわけじゃないんだが。
まったく困った女だよ。
「もぅ、じゃあなんなのよ。」
「これを見てみろ。」
違う意味で興奮中のエリザにポケットの中のお宝を見せてみる。
が、反応はない。
「何これ。」
「見てわからないか?鉱蟲の死骸だよ。」
「え!?」
「鑑定ではそのはずなんだが・・・、変だな全然きれいじゃないぞ。」
エリザの話では見た目も綺麗なはずなんだが、こいつは真っ黒なままだった。
見た目には黒い石。
黒曜石のように若干のカッティングのような奴は入っているが、蟲の死骸というよりも完全に石だ。
「本当にこれがそうなの?」
「そのはずなんだがなぁ。」
もう一度鑑定スキルを発動してみるも結果は同じだった。
「私を喜ばせようとしてくれたの?」
「ばか、そんなんじゃねぇよ。」
「ふ~ん・・・。」
「なんだよ。」
「そうだったら嬉しいなって。」
「だからこれは本物なんだって。」
「はいはい、そういう事にしてあげる。」
「ったくお前は・・・。」
「ほら、さっさと帰ろ。さっきのでドキドキもどこか行っちゃった。」
あーあ、なんて言いながらエリザが来た道を戻っていく。
こいつ、後でヒーヒー言わせてやるから覚えてろよ。
そんなことを思いながらお宝?をポケットに突っ込みエリザの後を追いかけるのだった。
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