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64.転売屋は予定通りの仕込みをする
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春が来た。
春が来たという事は、例の素材を回収する時期が来たという事だ。
そう、グリーンスライムの核である。
目をつけたのはだいぶ前。
だがあの時は出現時期じゃなかったし、まだ宿に部屋を借りていたので素材を集めることはできなかった。
だが今は違う。
俺は自分の店を持ったし、しっかりした倉庫もある。
あの時無理だったことも今なら出来る。
そう、店を持ったからね。
「何を仰っておられるのですか?シロウ様。」
「独り言だから気にしないで。」
「そうですか。」
店のカウンターに肘をつき外を眺めながら呟いていると、後ろを通ったミラに突っ込まれてしまった。
独り言は多い方だ。
なんせずっと一人で過ごしてきたからね。
仕事も仕事だし友人も少ない。
こんな事を言うとひどく残念な人間に聞こえるかもしれないが、それなりに社交的だし話はできるほうだ。
そうでないと初対面の人間と商売なんて出来るはずがない。
「何時頃から買い取りを始めますか?」
「そろそろかなと思っているだけど、エリザ次第だ。」
「取引板ではそれなりの数が取引されています、グリーンスライムが出現してから値段も一気に下がったのを確認済みです。」
「それでも予定よりまだ高いな。銅貨30枚を切ってからが勝負だ。」
「それはさすがに安すぎませんか?」
「それぐらい下がると踏んでる。実際去年の最安値は銅貨25枚だろ?」
過去数年の取引履歴は確認済みだ。
倒しやすく出現量の多い魔物だけあって値崩れするのは早い。
だが俺と同じことを考えている人は多く、彼らの買取が落ち着くまではそれなりの価格を維持する形となる。
出現し始めてから一週間。
そろそろ彼らの買取が一段落する頃だと踏んでいるんだがなぁ。
「アレン様の辞典によると出現するのは後二週間ほどかと思われます。」
「ねらい目は半分切ってからだな。」
「あと三日、でしょうか。」
「と、おもうんだが・・・。」
それを確認するためにエリザを行かせたんだが・・・。
遅すぎるな。
何処で寄り道してるんだろうか。
「ただいまー。」
と、噂をすればなんとやら。
満足げな顔をしたエリザのご帰還だ。
「おかえり。」
「おかりなさいませエリザ様。」
「もー、すっごい人!いったいどこにいたんだってぐらい人で溢れてるの。」
「溢れるってどこがだ?」
「ギルドよ!」
ふむ、稼ぎ時という事だろうか。
単価も下がるし決してうまい魔物ではないと思うんだがなぁ。
「恐らく依頼を出す人が多いのだと思われます。」
「なるほど買取依頼か。」
「取引所もすごい人だったわ。当分近づきたくはないわね。」
「それでも減った方なんだろ?」
「まぁね、出だしはすごかったから・・・。」
一年中需要があるにもかかわらず、出現時期が限られているってのもあれだよな。
これで討伐しにくい魔物とかだったらものすごい金額になったりするだろうけど・・・。
逆で助かった。
「今日の買取はいくらが多かった?」
「今日は銅貨30枚で買うって依頼が出てたよ。他の依頼の方が高かったからそっちから受注されてたけど、高いのはもう少ないし時間の問題じゃないかな。」
「ならそろそろ動くか。」
「ねぇ、本当に銅貨30枚以下で買うの?」
「買う。」
「みんな他の所行っちゃわない?」
「まぁ、行くだろうな。だからうちは数で勝負する。」
ギルドや取引板では太刀打ちできない。
だが、うちはそう言った場所でないにもかかわらず冒険者が多く出入りする店だ。
だからその強みをか生かす。
「どのぐらい買い取るの?」
「目標は1万だ。」
「いちま・・・正気?」
「もちろん正気だとも。」
「でもその量になるとすごい金額が要るわよ?」
「もちろん理解してるさ、予算は金貨30枚。それが今年中に倍以上になる。」
「はぁ・・・おかしいと思ってたけどここまでおかしいとは思わなかったわ。」
中々にひどい言われようだが、普通の冒険者からするとそうかもしれない。
金貨30枚なんて普通に稼げる金額じゃない。
税金やら家賃やらで金銭感覚が若干くるってきているのもあるが、この世界では金貨7枚もあれば十分遊んで暮らすことが出来る。
その4倍の金額を仕入れで使おうって言っているんだ。
おかしいと思われても仕方ないだろう。
だが、今のエリザもそれなりに稼いでいるし決しておかしな数字じゃないと思うんだけどなぁ。
「今の財政状況を考えると十分に余裕のある投資量かと思われます。」
「倉庫にも空きがあるしな。」
「直近では難しいですが6ヶ月置けば十分に利益が出るでしょう。また、12か月後には最低でも倍になるはずです。」
「そして18か月後には三倍になる。」
「そこまで寝かせるの!?」
「あぁ、肉も酒も熟成させる方が美味いっていうだろ?」
「確かにそうだけどさぁ・・・。」
熟成と腐敗は違うと昔テレビで見たことがある。
吊るした肉をそぎ落としながら一番いいところまで持って行くそうだ。
そう言えば魚を熟成させる達人ってのもいたな。
魚・・・。
最近食べてないなぁ。
「魚食べたい。」
「何よ唐突に。」
「いや、ふと思ったんだよ。食べてないなって。」
「なんでさっきの話から魚に行くかわからないけど、ダンジョン産の魚なら出回ってるわよ。」
「マジか?」
「季節ごとに種類が変わるから飽きないと思うけど・・・。なによ、知らなかったの?」
「知ってたらこんなこと言わねぇよ。」
魚が食べられる。
それを聞いただけで俺のテンションはうなぎのぼりだ。
魚なだけに。
「ミラ、今度魚買って来てくれ。」
「てっきりお嫌いなのかと思い夕食に出しておりませんでした。以後、気をつけます。」
「魚は好きか?」
「どちらかと言えば魚の方が好きです。」
「よし、今晩は魚だ、魚にしよう。」
「仰せのままに。」
あぁ、どんな魚なんだろうか。
市場では全然見かけなかったが、場所が違ったのか?
ダンジョン産の魚らしいし、そう言った専門店があるのかもしれない。
それよりも魚、魚だよ。
「って、そうじゃなくてグリーンスライムの話よ。」
「なんだ魚じゃないのか。」
「1万個も買うって、他所の方が高かったらみんなそっちに持って行くんじゃないの?」
「まぁ、今はそうだろう。」
「じゃあどうするのよ。」
「一つ聞くが、依頼って面倒か?」
「え?」
「だから、依頼を受注して必要数だけ渡しに行ったり取引所で相手を探すのは面倒かって聞いてるんだ。」
俺の問にエリザが一瞬だまった。
下を向き、何かを考え、そして顔を上げた。
「正直面倒ね。特に今みたいにギルドが混んでる時期は依頼を完了するのにも時間がかかるもの。」
「そうだろうな。向こうも仕事だ、必要数を受領して金を渡す、それだけでも書類を用意しなきゃならないから時間がかかる。」
「取引所もそうよ。取引相手の紙を探す所からが面倒なのよね。出来るだけ高いのを探したいからどうしても時間がかかるの。」
「それもわかる。出来るだけ高く売りたい、でも時間はかけたくない。なぁ、そいつを倒すのに時間はかかるのか?」
「かからないわ。何なら一撃で終わらせる自信がある。」
「つまりわざわざ銅貨1枚高い依頼を探すぐらいなら、その分数をこなした方が儲かる、そうじゃないか?」
それを聞いた途端にエリザの目からうろこが落ちたのを俺は見逃さなかった。
鱗どころか目が落ちるんじゃないかってぐらいに開いてたな。
「確かに!確かにそうよ!今の時期なら狩り放題だし、すぐに売れればすぐにダンジョンに潜れるわ!」
「そして潜れば潜る程稼げる。3匹で三日月亭に泊まれるんだ、いくらでも潜るだろ。」
まぁ、一撃で葬れるのはエリザぐらいの実力があってこそだが、それでも初心者でも倒せる魔物に変わりはない。
10匹も倒せばそれなりの収入になる。
「金を稼げば装備が揃う。装備が揃えばより戦える。より戦えるようになれば金を稼げる、そうだったよな。」
「そうよ。実力が伴うまでには時間がかかるけど、装備で何とかなる部分も確かにあるわ。」
「その手伝いをしてやるって言ってるんだ。それなら多少安くてもうちに持って来るだろ?」
「持って行くわ!絶対に持って行く。」
「だから一万個なんて正直すぐだぞ。お前も稼ぎたかったら急ぐんだな。」
一人10個持って来て千人。
100個持ってきたら百人で終わってしまう。
二日、いや三日で買取終了になるかもしれない。
もっとも、それだけ出現していたらの話だがな。
調べた感じでは総取引数が10万個ぐらいだったから、そんなほいほい出てくるものではないと思っている。
だがこれも、安すぎて実入りが無くなって他の魔物を狩っていた可能性もあるから絶対じゃない。
さぁ、どうなる事やら。
「ん~、私は良いかな。」
「なんでだ?」
「そう言うのは駆け出しの子にやらせてあげるべきだと思うの。私はほら、シロウの手伝いをするだけで稼げるし、装備も実力もあるから。」
「言うじゃないか。」
「だからまた珍しいの見つけたら高く買ってね?」
「任せとけ。それと、その考えが気に入った今日の夕食に同席を許そう。」
「え、あれって許可制だったの?」
さも当たり前のような顔で夕飯に参加するけどな、お前は。
「では三人分買ってまいります。」
「あぁ、よろしく頼む。エリザ、荷物持ちぐらいはしろよ。」
「わかったわよ、ミラさん行きましょ。」
「行ってまいります。」
さかなさかなさかな~さかな~を~たべ~ると~っと。
そんな歌があった気がする。
さぁ、仕込みの前の腹ごしらえだ。
楽しみだなぁ・・・。
春が来たという事は、例の素材を回収する時期が来たという事だ。
そう、グリーンスライムの核である。
目をつけたのはだいぶ前。
だがあの時は出現時期じゃなかったし、まだ宿に部屋を借りていたので素材を集めることはできなかった。
だが今は違う。
俺は自分の店を持ったし、しっかりした倉庫もある。
あの時無理だったことも今なら出来る。
そう、店を持ったからね。
「何を仰っておられるのですか?シロウ様。」
「独り言だから気にしないで。」
「そうですか。」
店のカウンターに肘をつき外を眺めながら呟いていると、後ろを通ったミラに突っ込まれてしまった。
独り言は多い方だ。
なんせずっと一人で過ごしてきたからね。
仕事も仕事だし友人も少ない。
こんな事を言うとひどく残念な人間に聞こえるかもしれないが、それなりに社交的だし話はできるほうだ。
そうでないと初対面の人間と商売なんて出来るはずがない。
「何時頃から買い取りを始めますか?」
「そろそろかなと思っているだけど、エリザ次第だ。」
「取引板ではそれなりの数が取引されています、グリーンスライムが出現してから値段も一気に下がったのを確認済みです。」
「それでも予定よりまだ高いな。銅貨30枚を切ってからが勝負だ。」
「それはさすがに安すぎませんか?」
「それぐらい下がると踏んでる。実際去年の最安値は銅貨25枚だろ?」
過去数年の取引履歴は確認済みだ。
倒しやすく出現量の多い魔物だけあって値崩れするのは早い。
だが俺と同じことを考えている人は多く、彼らの買取が落ち着くまではそれなりの価格を維持する形となる。
出現し始めてから一週間。
そろそろ彼らの買取が一段落する頃だと踏んでいるんだがなぁ。
「アレン様の辞典によると出現するのは後二週間ほどかと思われます。」
「ねらい目は半分切ってからだな。」
「あと三日、でしょうか。」
「と、おもうんだが・・・。」
それを確認するためにエリザを行かせたんだが・・・。
遅すぎるな。
何処で寄り道してるんだろうか。
「ただいまー。」
と、噂をすればなんとやら。
満足げな顔をしたエリザのご帰還だ。
「おかえり。」
「おかりなさいませエリザ様。」
「もー、すっごい人!いったいどこにいたんだってぐらい人で溢れてるの。」
「溢れるってどこがだ?」
「ギルドよ!」
ふむ、稼ぎ時という事だろうか。
単価も下がるし決してうまい魔物ではないと思うんだがなぁ。
「恐らく依頼を出す人が多いのだと思われます。」
「なるほど買取依頼か。」
「取引所もすごい人だったわ。当分近づきたくはないわね。」
「それでも減った方なんだろ?」
「まぁね、出だしはすごかったから・・・。」
一年中需要があるにもかかわらず、出現時期が限られているってのもあれだよな。
これで討伐しにくい魔物とかだったらものすごい金額になったりするだろうけど・・・。
逆で助かった。
「今日の買取はいくらが多かった?」
「今日は銅貨30枚で買うって依頼が出てたよ。他の依頼の方が高かったからそっちから受注されてたけど、高いのはもう少ないし時間の問題じゃないかな。」
「ならそろそろ動くか。」
「ねぇ、本当に銅貨30枚以下で買うの?」
「買う。」
「みんな他の所行っちゃわない?」
「まぁ、行くだろうな。だからうちは数で勝負する。」
ギルドや取引板では太刀打ちできない。
だが、うちはそう言った場所でないにもかかわらず冒険者が多く出入りする店だ。
だからその強みをか生かす。
「どのぐらい買い取るの?」
「目標は1万だ。」
「いちま・・・正気?」
「もちろん正気だとも。」
「でもその量になるとすごい金額が要るわよ?」
「もちろん理解してるさ、予算は金貨30枚。それが今年中に倍以上になる。」
「はぁ・・・おかしいと思ってたけどここまでおかしいとは思わなかったわ。」
中々にひどい言われようだが、普通の冒険者からするとそうかもしれない。
金貨30枚なんて普通に稼げる金額じゃない。
税金やら家賃やらで金銭感覚が若干くるってきているのもあるが、この世界では金貨7枚もあれば十分遊んで暮らすことが出来る。
その4倍の金額を仕入れで使おうって言っているんだ。
おかしいと思われても仕方ないだろう。
だが、今のエリザもそれなりに稼いでいるし決しておかしな数字じゃないと思うんだけどなぁ。
「今の財政状況を考えると十分に余裕のある投資量かと思われます。」
「倉庫にも空きがあるしな。」
「直近では難しいですが6ヶ月置けば十分に利益が出るでしょう。また、12か月後には最低でも倍になるはずです。」
「そして18か月後には三倍になる。」
「そこまで寝かせるの!?」
「あぁ、肉も酒も熟成させる方が美味いっていうだろ?」
「確かにそうだけどさぁ・・・。」
熟成と腐敗は違うと昔テレビで見たことがある。
吊るした肉をそぎ落としながら一番いいところまで持って行くそうだ。
そう言えば魚を熟成させる達人ってのもいたな。
魚・・・。
最近食べてないなぁ。
「魚食べたい。」
「何よ唐突に。」
「いや、ふと思ったんだよ。食べてないなって。」
「なんでさっきの話から魚に行くかわからないけど、ダンジョン産の魚なら出回ってるわよ。」
「マジか?」
「季節ごとに種類が変わるから飽きないと思うけど・・・。なによ、知らなかったの?」
「知ってたらこんなこと言わねぇよ。」
魚が食べられる。
それを聞いただけで俺のテンションはうなぎのぼりだ。
魚なだけに。
「ミラ、今度魚買って来てくれ。」
「てっきりお嫌いなのかと思い夕食に出しておりませんでした。以後、気をつけます。」
「魚は好きか?」
「どちらかと言えば魚の方が好きです。」
「よし、今晩は魚だ、魚にしよう。」
「仰せのままに。」
あぁ、どんな魚なんだろうか。
市場では全然見かけなかったが、場所が違ったのか?
ダンジョン産の魚らしいし、そう言った専門店があるのかもしれない。
それよりも魚、魚だよ。
「って、そうじゃなくてグリーンスライムの話よ。」
「なんだ魚じゃないのか。」
「1万個も買うって、他所の方が高かったらみんなそっちに持って行くんじゃないの?」
「まぁ、今はそうだろう。」
「じゃあどうするのよ。」
「一つ聞くが、依頼って面倒か?」
「え?」
「だから、依頼を受注して必要数だけ渡しに行ったり取引所で相手を探すのは面倒かって聞いてるんだ。」
俺の問にエリザが一瞬だまった。
下を向き、何かを考え、そして顔を上げた。
「正直面倒ね。特に今みたいにギルドが混んでる時期は依頼を完了するのにも時間がかかるもの。」
「そうだろうな。向こうも仕事だ、必要数を受領して金を渡す、それだけでも書類を用意しなきゃならないから時間がかかる。」
「取引所もそうよ。取引相手の紙を探す所からが面倒なのよね。出来るだけ高いのを探したいからどうしても時間がかかるの。」
「それもわかる。出来るだけ高く売りたい、でも時間はかけたくない。なぁ、そいつを倒すのに時間はかかるのか?」
「かからないわ。何なら一撃で終わらせる自信がある。」
「つまりわざわざ銅貨1枚高い依頼を探すぐらいなら、その分数をこなした方が儲かる、そうじゃないか?」
それを聞いた途端にエリザの目からうろこが落ちたのを俺は見逃さなかった。
鱗どころか目が落ちるんじゃないかってぐらいに開いてたな。
「確かに!確かにそうよ!今の時期なら狩り放題だし、すぐに売れればすぐにダンジョンに潜れるわ!」
「そして潜れば潜る程稼げる。3匹で三日月亭に泊まれるんだ、いくらでも潜るだろ。」
まぁ、一撃で葬れるのはエリザぐらいの実力があってこそだが、それでも初心者でも倒せる魔物に変わりはない。
10匹も倒せばそれなりの収入になる。
「金を稼げば装備が揃う。装備が揃えばより戦える。より戦えるようになれば金を稼げる、そうだったよな。」
「そうよ。実力が伴うまでには時間がかかるけど、装備で何とかなる部分も確かにあるわ。」
「その手伝いをしてやるって言ってるんだ。それなら多少安くてもうちに持って来るだろ?」
「持って行くわ!絶対に持って行く。」
「だから一万個なんて正直すぐだぞ。お前も稼ぎたかったら急ぐんだな。」
一人10個持って来て千人。
100個持ってきたら百人で終わってしまう。
二日、いや三日で買取終了になるかもしれない。
もっとも、それだけ出現していたらの話だがな。
調べた感じでは総取引数が10万個ぐらいだったから、そんなほいほい出てくるものではないと思っている。
だがこれも、安すぎて実入りが無くなって他の魔物を狩っていた可能性もあるから絶対じゃない。
さぁ、どうなる事やら。
「ん~、私は良いかな。」
「なんでだ?」
「そう言うのは駆け出しの子にやらせてあげるべきだと思うの。私はほら、シロウの手伝いをするだけで稼げるし、装備も実力もあるから。」
「言うじゃないか。」
「だからまた珍しいの見つけたら高く買ってね?」
「任せとけ。それと、その考えが気に入った今日の夕食に同席を許そう。」
「え、あれって許可制だったの?」
さも当たり前のような顔で夕飯に参加するけどな、お前は。
「では三人分買ってまいります。」
「あぁ、よろしく頼む。エリザ、荷物持ちぐらいはしろよ。」
「わかったわよ、ミラさん行きましょ。」
「行ってまいります。」
さかなさかなさかな~さかな~を~たべ~ると~っと。
そんな歌があった気がする。
さぁ、仕込みの前の腹ごしらえだ。
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