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54.転売屋は冒険者から情報を仕入れる
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無事に戻ってきた後はイライザさんの店で飲み会だった。
それはもう飲めや歌えやの大騒ぎ。
皿はガンガン投げられて、さぞ儲かった事だろう。
で、何でその支払いを俺がしているんだろうか。
いや、いいんだよ?
それなりに儲かったし。
予想よりは少なくなったとはいえ、無かったはずの金貨10枚を引きずり出したわけだしね。
でもさぁ・・・。
いや、何も言うまい。
祝いの席だ、今度エリザに払わせればいいだろう。
借金増額だな。
翌週エリザの頑張りもあり、祭りは厳かに行われた。
ギルド協会の準備した聖布は重要な場面で使用され人々の記憶に焼き付いたことだろう。
因みに功労者であるエリザは祭りの舞台で表彰されるという一幕もあった。
恥ずかしがりながらも堂々としていてぶっちゃけ俺にはまねできないな。
絶対に辞退するだろう。
派手な舞台なんて御免だね。
お盆とハロウィンのハイブリットみたいな祭りが終わり、街がいつもの日常に戻って来る。
俺はいつもと変わらず仕入れをしては露店に売り出し、また買取を行っていた。
倉庫の中は少しずつ溜まっていき、もうすぐ次の仕込みを開放する時期が来ている。
そう、冒険者から買い取った素材を取引板に出すのだ。
「それでこれをしこたま集めていたのね。」
「そういう事だ。」
「こんな物どうするのかと思ってたけど、こんな物にも需要があるのね。」
「むしろこういう物だからだろうな。俺が言わなきゃ好んで集めないだろ?」
「当り前よ。お金になるって知らなきゃ絶対に持って帰らないわ。」
「だから商売になるんだ。調べたらわかる事だが、お前らそういう事しないもんな。」
冒険者は生産者であり消費者だ。
決して商売人ではない。
彼らにとっての稼ぎは自分たちの手で生み出すものであって、俺のように物を転がして稼ぐってのは性に合わないだろう。
それでも彼らの稼ぎが増えれば消費は増え、結果として利益が増える。
俺だけじゃない。
イライザさんのような店や、モニカの教会も儲かるだろう。
え、飲み屋はともかく教会はわからない?
考えが甘いな。
冒険者が金を持って武器を買い求め深い所に潜る様になれば、それだけたくさんの品を持ち帰る事だろう。
その中には呪われた品々があるはずだ。
それを俺が格安で買い付けて、モニカの所に持って行き解呪を依頼する。
そうすれば教会は寄付を得られるし、俺には利益が残る。
最高の関係というわけだな。
だから冒険者には儲かってもらわないといけないんだよ。
「御主人様、掲載はいつから行いますか?」
「そうだな。需要が増える前々日って所か。」
「では今日ですね。」
「天気は?」
「当分は晴天が続くそうです。」
「絶好の洗濯日和というわけだな。」
「そうなります。」
よしよし、最高の流れだ。
がっつり儲けさせてもらおうじゃないか。
『トレントの樹液。キズを負ったトレントから摂れる樹液には漂白成分があり、主に洗剤として用いられる。最近の平均取引価格は銅貨3枚。最安値が銅貨1枚、最高値は銅貨5枚、最終取引日は本日と記録されています。』
そんなことを思いながら樹液の入った小瓶を手に取ると相場スキルが発動してしまった。
任意でオンオフできるとはいえ、切ってしまうとあれなのでついついそのままにしてしまうんだよね。
ま、困る物じゃないし別にいいんだけど・・・。
ってそうじゃない。
俺はこいつで大儲けするんだ。
俺はやるぜ。
洗濯王に俺はなる!
「シロウ、いるか~。」
「お、ダンじゃないか珍しいな。」
「なんだエリザも一緒かよ。」
「なによ、いちゃ悪い?」
「別に。」
とか何とか、アホな事を考えていると珍しい人物が店にやって来た。
俺の命の恩人?の登場だ。
冒険者同士仲がいいと思ったのだが、どうやらこの二人はそうでもないらしい。
あからさまな態度をとりながらダンがカウンターまでやってくる。
エリザはというと、気を使ったのかそのまま店の裏へと消えて行った。
「買い取りか?」
「それ以外に何の用があってくるんだよ。」
「違いない。」
「これを見てくれ。」
ぶっきらぼうな顔をしてダンがカウンターに乗せたのは一本の剣。
刀身は黒く光り、独特な波紋が浮かび上がっている。
これを見ただけで鑑定スキルが無くても何かわかるな。
何も言わずそれを手に取ると、ずっしりとした重さが伝わってきた。
『ダマスカスの長剣。ダマスカス鋼で作られたそれは鋼鉄よりも固く、また柔軟さを兼ね備える逸品である。土の属性が付与されている。最近の平均取引価格は金貨3枚、最安値は金貨2枚、最高値金貨5枚、最終取引日は71日前と記録されています。』
「なかなかの品じゃないか。自分で使わないのか?」
「俺には手に余る代物だよ。」
「使えばより上に行ける、そういうもんだと思っていたが違うんだな。」
「それは実力のあるやつの話だろ?俺みたいなやつはそこまでじゃない。」
「随分弱気だな。何かあったのか?」
「ちょっとな。」
何があったかを聞くのは俺の仕事じゃない。
そういうのは仲間か飲み屋の姉ちゃん、もしくは恋人に吐き出すものだ。
買取屋に言うような内容じゃないよな。
「で、いくらになる?」
「そうだな。状態もいいし、属性もついてる。何より仕上がりがいい、ダンジョンで見つけたのか?」
「あ、あぁ。そんな所だ。」
「ふーん。」
はっきりしないなぁ。
流石に相場スキルをもってしてもどこで手に入れたのかまでは表示されないからなぁ。
盗品である可能性も否定できない・・・か。
いや、ダンに限ってそれは無い。
とも言い切れないよな。
時と場合によっては人が変わるっていうし。
犯罪には手を貸したくないのでそれなりの対応を取っておくか。
「そうだな。これだけの品なら金貨1.5枚って所か。」
「おいおい、安すぎないか?」
「確かに物はいいがダマスカス鋼だからな。隕鉄には劣るし土属性は人気が無いんだ。その様子じゃベルナの店にも行ったんだろ?向こうは質入れ金貨2枚、買取金貨1枚って所だろ?」
「んだよ、全部お見通しかよ。」
本当なら金貨2枚で買い取ってもいいだけの品だが、どうも嫌な予感がする。
こういう感覚は大事にしないといけない。
「同業者だからな、なんとなくわかるさ。」
「金貨2枚にはならないか?」
「無理だな。他に何かあれば考えてもいいが・・・。」
「素材はどうだ?ほら、前にグリーンキャタピラの糸探してただろ?」
「あれはもう終わったよ。ギルドにもっていった方が高く買い取ってくれるぞ。」
「そうか・・・。」
他に何かないかカバンを探し出すダン。
だが、良いものが無かったようでその表情は暗いままだ。
「物は悪くない、需要があればもう少し値が付くんだがな。」
「最悪自分で使うさ、悪かったな。」
剣をカバンにしまうと残念そうに項垂れながら店を出るダン。
なんていうかその背中には哀愁が漂ってた。
「・・・エリザ、聞いてたよな。」
「もちろん。」
「何か知ってるか?」
「ぜーんぜん。」
「なんだか気になるんだよなぁ。探ってもらえるか?」
「え、仲間を売るのは嫌よ?」
「あれだけの品ならどこで見つかったか噂になるだろ?それを聞いてきてほしいんだよ。」
「自分で行きなさいよ。」
「冒険者が俺に噂話なんかすると思うか?」
冒険者と険悪な関係、というわけではないが俺みたいなのが話を聞いて回ったら嫌な顔をするだろう。
こういうのは同業者の方が話しやすいものだ。
「えー、めんどくさい。」
「そんなこと言うなって、後で昼飯作ってやるから。」
「もぅ、仕方ないなぁ。シロウがそこまで言うなら聞いてきてあげる。」
何やら上から目線だがエリザなら仕方がない。
返事代わりに思いっきり尻を揉んでやるとすごい顔で睨まれてしまった。
油断してるやつが悪い。
しかし良い揉み心地だった。
固すぎず柔らかすぎず、うーむ若いとすぐ反応するな。
困ったもんだ。
エリザが店を出ていくのを見送りどうしたもんかと思考を巡らせていると、突然横にミラが現れた。
「私の胸でよろしければお揉みになりますか?」
「夜になったらな。」
「それは残念です。」
「そうだ、取引所に行ったら掲載と一緒にさっきの品について調べて来てくれ。」
「ダマスカス鋼の剣ですね。」
「どんな内容でもいい、怪しいと思ったやつがあれば教えてくれ。」
エリザ任せってわけにもいかない。
取引所に行く用事はあるんだし、ついでに探してきてもらおう。
何もなければ街で見かけた時に声を掛ければいい。
もし何かあるのなら・・・。
「俺だって知り合いを売るのはごめんだよ。」
そんな独り言が漏れてしまった。
「シロウ様、やはり胸をお揉みになられてはいかがです?」
「・・・揉まれたいのか?」
「エリザ様だけというのに焼きもちを焼いているだけです。」
「正直者め。」
どうぞという感じで上半身を反るミラの両胸をしっかりと堪能させてもらったら元気が出てきた。
男とは単純なものだ。
「じゃあよろしく頼む。」
「お任せください。」
ミラも若干顔を上気させてはいるが問題はなさそうだ。
何はともあれ調べない事には何も始まらない。
そっちは二人に任せて俺は自分の仕事に専念するとしよう。
客の少ない買取屋とはいえやることはそれなりにあるんだよ。
ミラが店を出るのを見送り、俺は明日からの仕込みに向けて伝票と睨めっこするのだった。
それはもう飲めや歌えやの大騒ぎ。
皿はガンガン投げられて、さぞ儲かった事だろう。
で、何でその支払いを俺がしているんだろうか。
いや、いいんだよ?
それなりに儲かったし。
予想よりは少なくなったとはいえ、無かったはずの金貨10枚を引きずり出したわけだしね。
でもさぁ・・・。
いや、何も言うまい。
祝いの席だ、今度エリザに払わせればいいだろう。
借金増額だな。
翌週エリザの頑張りもあり、祭りは厳かに行われた。
ギルド協会の準備した聖布は重要な場面で使用され人々の記憶に焼き付いたことだろう。
因みに功労者であるエリザは祭りの舞台で表彰されるという一幕もあった。
恥ずかしがりながらも堂々としていてぶっちゃけ俺にはまねできないな。
絶対に辞退するだろう。
派手な舞台なんて御免だね。
お盆とハロウィンのハイブリットみたいな祭りが終わり、街がいつもの日常に戻って来る。
俺はいつもと変わらず仕入れをしては露店に売り出し、また買取を行っていた。
倉庫の中は少しずつ溜まっていき、もうすぐ次の仕込みを開放する時期が来ている。
そう、冒険者から買い取った素材を取引板に出すのだ。
「それでこれをしこたま集めていたのね。」
「そういう事だ。」
「こんな物どうするのかと思ってたけど、こんな物にも需要があるのね。」
「むしろこういう物だからだろうな。俺が言わなきゃ好んで集めないだろ?」
「当り前よ。お金になるって知らなきゃ絶対に持って帰らないわ。」
「だから商売になるんだ。調べたらわかる事だが、お前らそういう事しないもんな。」
冒険者は生産者であり消費者だ。
決して商売人ではない。
彼らにとっての稼ぎは自分たちの手で生み出すものであって、俺のように物を転がして稼ぐってのは性に合わないだろう。
それでも彼らの稼ぎが増えれば消費は増え、結果として利益が増える。
俺だけじゃない。
イライザさんのような店や、モニカの教会も儲かるだろう。
え、飲み屋はともかく教会はわからない?
考えが甘いな。
冒険者が金を持って武器を買い求め深い所に潜る様になれば、それだけたくさんの品を持ち帰る事だろう。
その中には呪われた品々があるはずだ。
それを俺が格安で買い付けて、モニカの所に持って行き解呪を依頼する。
そうすれば教会は寄付を得られるし、俺には利益が残る。
最高の関係というわけだな。
だから冒険者には儲かってもらわないといけないんだよ。
「御主人様、掲載はいつから行いますか?」
「そうだな。需要が増える前々日って所か。」
「では今日ですね。」
「天気は?」
「当分は晴天が続くそうです。」
「絶好の洗濯日和というわけだな。」
「そうなります。」
よしよし、最高の流れだ。
がっつり儲けさせてもらおうじゃないか。
『トレントの樹液。キズを負ったトレントから摂れる樹液には漂白成分があり、主に洗剤として用いられる。最近の平均取引価格は銅貨3枚。最安値が銅貨1枚、最高値は銅貨5枚、最終取引日は本日と記録されています。』
そんなことを思いながら樹液の入った小瓶を手に取ると相場スキルが発動してしまった。
任意でオンオフできるとはいえ、切ってしまうとあれなのでついついそのままにしてしまうんだよね。
ま、困る物じゃないし別にいいんだけど・・・。
ってそうじゃない。
俺はこいつで大儲けするんだ。
俺はやるぜ。
洗濯王に俺はなる!
「シロウ、いるか~。」
「お、ダンじゃないか珍しいな。」
「なんだエリザも一緒かよ。」
「なによ、いちゃ悪い?」
「別に。」
とか何とか、アホな事を考えていると珍しい人物が店にやって来た。
俺の命の恩人?の登場だ。
冒険者同士仲がいいと思ったのだが、どうやらこの二人はそうでもないらしい。
あからさまな態度をとりながらダンがカウンターまでやってくる。
エリザはというと、気を使ったのかそのまま店の裏へと消えて行った。
「買い取りか?」
「それ以外に何の用があってくるんだよ。」
「違いない。」
「これを見てくれ。」
ぶっきらぼうな顔をしてダンがカウンターに乗せたのは一本の剣。
刀身は黒く光り、独特な波紋が浮かび上がっている。
これを見ただけで鑑定スキルが無くても何かわかるな。
何も言わずそれを手に取ると、ずっしりとした重さが伝わってきた。
『ダマスカスの長剣。ダマスカス鋼で作られたそれは鋼鉄よりも固く、また柔軟さを兼ね備える逸品である。土の属性が付与されている。最近の平均取引価格は金貨3枚、最安値は金貨2枚、最高値金貨5枚、最終取引日は71日前と記録されています。』
「なかなかの品じゃないか。自分で使わないのか?」
「俺には手に余る代物だよ。」
「使えばより上に行ける、そういうもんだと思っていたが違うんだな。」
「それは実力のあるやつの話だろ?俺みたいなやつはそこまでじゃない。」
「随分弱気だな。何かあったのか?」
「ちょっとな。」
何があったかを聞くのは俺の仕事じゃない。
そういうのは仲間か飲み屋の姉ちゃん、もしくは恋人に吐き出すものだ。
買取屋に言うような内容じゃないよな。
「で、いくらになる?」
「そうだな。状態もいいし、属性もついてる。何より仕上がりがいい、ダンジョンで見つけたのか?」
「あ、あぁ。そんな所だ。」
「ふーん。」
はっきりしないなぁ。
流石に相場スキルをもってしてもどこで手に入れたのかまでは表示されないからなぁ。
盗品である可能性も否定できない・・・か。
いや、ダンに限ってそれは無い。
とも言い切れないよな。
時と場合によっては人が変わるっていうし。
犯罪には手を貸したくないのでそれなりの対応を取っておくか。
「そうだな。これだけの品なら金貨1.5枚って所か。」
「おいおい、安すぎないか?」
「確かに物はいいがダマスカス鋼だからな。隕鉄には劣るし土属性は人気が無いんだ。その様子じゃベルナの店にも行ったんだろ?向こうは質入れ金貨2枚、買取金貨1枚って所だろ?」
「んだよ、全部お見通しかよ。」
本当なら金貨2枚で買い取ってもいいだけの品だが、どうも嫌な予感がする。
こういう感覚は大事にしないといけない。
「同業者だからな、なんとなくわかるさ。」
「金貨2枚にはならないか?」
「無理だな。他に何かあれば考えてもいいが・・・。」
「素材はどうだ?ほら、前にグリーンキャタピラの糸探してただろ?」
「あれはもう終わったよ。ギルドにもっていった方が高く買い取ってくれるぞ。」
「そうか・・・。」
他に何かないかカバンを探し出すダン。
だが、良いものが無かったようでその表情は暗いままだ。
「物は悪くない、需要があればもう少し値が付くんだがな。」
「最悪自分で使うさ、悪かったな。」
剣をカバンにしまうと残念そうに項垂れながら店を出るダン。
なんていうかその背中には哀愁が漂ってた。
「・・・エリザ、聞いてたよな。」
「もちろん。」
「何か知ってるか?」
「ぜーんぜん。」
「なんだか気になるんだよなぁ。探ってもらえるか?」
「え、仲間を売るのは嫌よ?」
「あれだけの品ならどこで見つかったか噂になるだろ?それを聞いてきてほしいんだよ。」
「自分で行きなさいよ。」
「冒険者が俺に噂話なんかすると思うか?」
冒険者と険悪な関係、というわけではないが俺みたいなのが話を聞いて回ったら嫌な顔をするだろう。
こういうのは同業者の方が話しやすいものだ。
「えー、めんどくさい。」
「そんなこと言うなって、後で昼飯作ってやるから。」
「もぅ、仕方ないなぁ。シロウがそこまで言うなら聞いてきてあげる。」
何やら上から目線だがエリザなら仕方がない。
返事代わりに思いっきり尻を揉んでやるとすごい顔で睨まれてしまった。
油断してるやつが悪い。
しかし良い揉み心地だった。
固すぎず柔らかすぎず、うーむ若いとすぐ反応するな。
困ったもんだ。
エリザが店を出ていくのを見送りどうしたもんかと思考を巡らせていると、突然横にミラが現れた。
「私の胸でよろしければお揉みになりますか?」
「夜になったらな。」
「それは残念です。」
「そうだ、取引所に行ったら掲載と一緒にさっきの品について調べて来てくれ。」
「ダマスカス鋼の剣ですね。」
「どんな内容でもいい、怪しいと思ったやつがあれば教えてくれ。」
エリザ任せってわけにもいかない。
取引所に行く用事はあるんだし、ついでに探してきてもらおう。
何もなければ街で見かけた時に声を掛ければいい。
もし何かあるのなら・・・。
「俺だって知り合いを売るのはごめんだよ。」
そんな独り言が漏れてしまった。
「シロウ様、やはり胸をお揉みになられてはいかがです?」
「・・・揉まれたいのか?」
「エリザ様だけというのに焼きもちを焼いているだけです。」
「正直者め。」
どうぞという感じで上半身を反るミラの両胸をしっかりと堪能させてもらったら元気が出てきた。
男とは単純なものだ。
「じゃあよろしく頼む。」
「お任せください。」
ミラも若干顔を上気させてはいるが問題はなさそうだ。
何はともあれ調べない事には何も始まらない。
そっちは二人に任せて俺は自分の仕事に専念するとしよう。
客の少ない買取屋とはいえやることはそれなりにあるんだよ。
ミラが店を出るのを見送り、俺は明日からの仕込みに向けて伝票と睨めっこするのだった。
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