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53.転売屋はより上の人間と交渉する
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非常事態だからって、これ以上金を出せないっていう理由にはならないよな。
うん、ならない。
「この金を出すのはどこだ?」
「うちよ。」
「冒険者ギルドが?」
「ダンジョン内の問題だもの。だからこれしか出せないの。」
「ちょっと待て、確かにダンジョンの中で起きているかもしれないが問題は街中に広がっているんだろ?それに街の上役がエリザを指名したって話じゃないか。金を上の連中に出してもらえばいいんじゃないか?」
「そんなの無理。」
「何故だ?収まらなきゃどっちにしろ祭りは中止だ。それが嫌なら金を出すしかない、そうじゃないか?」
「そうかもしれないけどうちから要請することは出来ないし・・・。」
うーむ、話にならない。
確かにギルドないじゃそれなりの地位にいるかもしれないが、街の中ではまだまだって感じだ。
つまりギルドと話し合うんじゃ意味が無いという事だ。
「ちょっと出てくる。」
「どこ行くのよ!」
「上役の所だよ。ギルドで無理なら俺が直接行けばいいだけの話だ。」
「そんなことしたら目を付けられちゃうって。」
「それが怖くて商売できるかよ。」
ここに至っていつまでも平行線だ。
それなら話の出来る奴がいる場所に行くしかない。
え、どこに行くかって?
出来れば会いたくない奴の所さ。
冒険者ギルドを出て中央通りを北上すればすぐに目的の建物が見えてきた。
「ちょっと待ってよ!」
「なんだついてこなくてもいいんだぞ。」
「アンタ一人で行かせて何かあったら嫌じゃない。」
「そりゃどうも。」
別にいなくても構わないんだが、エリザなりの気遣いなんだろう。
「で、ここなの?」
「あぁ。ギルドの上役って言ったらここしかないだろ。」
そう言いながら扉を開けて中に入る。
街中の情報が集まる場所だけに、中は一足早いお祭り騒ぎという感じだった。
いつもなら俺に気づく受付のお姉ちゃんですら、入ってきた俺に気づかないぐらいだからな。
「すまん、ちょっといいか。」
「ちょっと待ってください!今受付けは・・・。」
「シープさんに会いたいんだ。シロウが来たと言えばすぐわかる。」
「あ、シロウ様!ちょっと待ってくださいね。」
当初あたってくれた受付嬢にカットインする感じでなじみの受付嬢が出て来てくれた。
顔なじみだと話が早くて助かるよ。
邪魔にならないように隅のソファーに腰かけていると、奥から羊男が珍しく慌てた表情でやって来た。
「シロウさん!」
「忙しい所悪いな。」
「どうかされましたか?」
「話は分かってるだろ?聖糸の件だ。」
「・・・わかりました奥へどうぞ。」
ほら、やっぱりだ。
なんで冒険者ギルドが俺の仕込みを知っているのか不思議だったんだよ。
エリザがいるとはいえそれ以外の接点は全くない。
にもかかわらず俺が聖水と糸を仕入れて聖糸を作るのを知っていた理由はただ一つ。
入れ知恵した奴がいるんだってな。
それがここ。
ギルド協会っていうわけだ。
羊男の後ろを追いかけると過去に押し込められた例の部屋へと案内された。
例によって例の如く俺だけがソファーに座り、その後ろにエリザが立つ。
ボディーガードのつもりなんだろうなぁ。
「それで、聖糸の件だとか。」
「ここが冒険者ギルドに助言したことはわかっている。向こうでは買い取り価格が低いんでね、直接ここに話を持ってきたってわけだ。」
「単刀直入に有難うございます。ですがうちが教えたという証拠はどこにも・・・。」
「聖糸だけじゃない、ギルド協会が聖水を買い占めようとしていたのも知っているぞ。」
「どうしてそれを。」
「モニカとは知らない仲じゃないんでね。あぁ、決してそういう関係じゃない。向こうは聖職者だ、手は出してない。」
「ねぇ、何の話?」
「エリザはちょっと黙ってろ。」
むぅと膨れたような声が背中越しに聞こえたが今はこっちが重要だ。
いつものように優男がニコニコしているのかと思いきや、いつにもまして険しい顔で俺を睨んで来る。
おいおい、いつもの気楽な感じはどこに行ったよ。
「それで、うちを脅してどうするつもりですか?」
「脅す?とんでもない。俺はただ適正な価格で買い取ってほしいだけさ。その為に前もって仕込んできたんだ、それを半値で買い叩くなんて天秤の紋章が泣いてるぞ。」
「非常事態・・・では納得してくださらないんですね。」
「本当に非常事態ならな。」
「どういう意味です?」
「ここが買い付けた聖水と別の筋から買い付けたグリーンキャタピラー・・・じゃなかったホワイトキャタピラーの糸。それがあれば俺から買い付けなくても今回分ぐらいは聖布作れるはずだよな。」
俺の鋭いツッコミに羊男が視線を逸らす。
何でそんなことを知っているのかって?
俺とミラの調査力を舐めるんじゃねぇよ。
ほぼ毎日取引所に通っては、どんな品がやり取りされているのかを調べ続けているんだ。
さらに俺の相場スキルを使って、直近の取引日を把握している。
その時に見つけてしまったんだよ。
何故か割高のホワイトキャタピラーの糸が買い占められているのをね。
後は誰が買っているかを、取引板の履歴から確認して本人に聞いて回るだけ。
そうするとここの職員って事がわかって来たんだ。
聖水と糸。
これから作られるのは聖糸しかないからな。
量もかなりのものだ。
「祭り用に上質な物を作りたいという事なんだろうけど、この非常時に出さないってのは話が違う。ましてや俺から半値で買い叩こうなんてのもな。」
「さすがシロウさんですね。そこまで調査済みでしたか。」
「お陰様で調べるのは得意でね。三日月亭のマスターと知り合っておいて本当に良かったよ。」
「今度から口利きしないようにお願いしておきます。」
「その時はこの指輪を使うまでさ。王族相手に喧嘩売るほどギルド協会もバカじゃないだろ。」
右手の甲を羊男の方に向けてやる。
そうすれば見えるはずだ。
今や王族の一人として列しているリング氏の紋章がな。
「まったく、祭りの準備で忙しいこの時期に死霊騒ぎ。極めつけがシロウさんの乱入ですか。まったく頭が痛い。」
「それには同情するよ。だが、そっちがやり方を間違えなければ早々に片が付く話だ。なんせこっちには上の推薦するエリザがいる。それに加えて俺が持っている聖糸がある。祭り用の上物を使いたくないのなら、安物で手を打つべきだと思うがね。」
「ですがそれをすれば我々を敵に回すことになりますよ?」
「そんな脅しには屈しないさ。敵に回した所で何もできないのがおたくらだろ?」
「えぇ、そうですとも。この天秤がある限り不公平なことは許されない。」
「俺の知らない所、見えない所で好き放題やってもらうのは構わないさ。聖水の件も他言するつもりはない。俺だって買ってるしな。」
別に買い占めているわけではないけれど、需要が増える時期を見越して準備していたのは事実だ。
それも全ては金の為。
お互いに同じ目的で動いていたというわけだな。
これだけデカい組織だ、維持するにも金がかかるんだろう。
「初めてお会いした時から他と違う方だとは思っていましたが、まさかここまでとは思いませんでした。」
「お褒めに預かり光栄だね。だがそれも金の為だ、商人の宿命ってやつだな。」
「わかりました。シロウさんの言うようにしましょう。」
「話が早くて助かるよ。」
「ただし、金貨10枚だけです。冒険者ギルドと合わせて金貨30枚。それ以上は出せません。」
「それで十壺分だな?」
「いえ、仕込み途中の分も含みます。」
つまり金貨9枚は捨てろと言うわけか。
これ以上やると本気でつぶしに来られるかもしれないしなぁ・・・。
出来るならこの男は敵に回したくない。
となればだ。
「欲しいのは聖水だろ?仕込み分の糸は回収させてもらう、それでどうだ?」
「致し方ありませんそれで手を打ちましょう。」
「毎度あり。」
ヤレヤレと言った感じのシープ氏に手を出すとかなり強い力で握り返された。
怒ってはいるが、これで帳消しだ。
「では急ぎ搬入させますが構いませんか?」
「あぁ、店にはミラがいる。俺が指示したと言ってくれたら構わない。」
「わかりました。」
「それとな。」
「まだなにか?」
「返却予定の糸だが、わずかでも聖水に浸してたんだ多少の効果はあるだろう。あれでダンジョンの入り口を巻いてしまえば多少は効果あるんじゃないか?」
ようは入り口をふさいでしまえばいい話だ。
三壺分って事は糸900個分。
一本の糸にすればそれなりの長さになるだろう。
それで封をしてしまえば出てくるものも出てきにくくなる、というわけだ。
「お代は払いませんよ?」
「返してくれたら文句はないさ。」
戻ってくればギルドが一個銅貨10枚で買ってくれる。
900個あれば銀貨90枚分だ。
仕込みが間に合わなかったと考えれば決して損じゃない。
何より金貨20枚が予定通り金貨30枚になったんだ。
十分な成果だと言えるだろう。
「エリザ、急ぎギルドに戻って準備に入れ。出発は明日の朝一だろうから必要経費であれこれ要求しておけよ。」
「まっかせといて!」
「お手柔らかにお願いしますよ。妻も気苦労が多いんですから。」
「妻?」
「あれ?シロウは知らなかったの?ニアの旦那さんはこの人よ?」
まじかよ!
こんな所で話が繋がるのか!?
よかった、乳の話振らないで。
世の中変なことは出来ないようになっているんだなぁ。
あの時の俺、グッジョブ。
翌日、徹夜で織られた聖布を持ってダンジョンへと潜っていく。
その日の夕刻。
大勢の人が見守る中、ダンジョンの中から出てきたエリザはVサインをして作戦の成功を皆に知らせるのだった。
うん、ならない。
「この金を出すのはどこだ?」
「うちよ。」
「冒険者ギルドが?」
「ダンジョン内の問題だもの。だからこれしか出せないの。」
「ちょっと待て、確かにダンジョンの中で起きているかもしれないが問題は街中に広がっているんだろ?それに街の上役がエリザを指名したって話じゃないか。金を上の連中に出してもらえばいいんじゃないか?」
「そんなの無理。」
「何故だ?収まらなきゃどっちにしろ祭りは中止だ。それが嫌なら金を出すしかない、そうじゃないか?」
「そうかもしれないけどうちから要請することは出来ないし・・・。」
うーむ、話にならない。
確かにギルドないじゃそれなりの地位にいるかもしれないが、街の中ではまだまだって感じだ。
つまりギルドと話し合うんじゃ意味が無いという事だ。
「ちょっと出てくる。」
「どこ行くのよ!」
「上役の所だよ。ギルドで無理なら俺が直接行けばいいだけの話だ。」
「そんなことしたら目を付けられちゃうって。」
「それが怖くて商売できるかよ。」
ここに至っていつまでも平行線だ。
それなら話の出来る奴がいる場所に行くしかない。
え、どこに行くかって?
出来れば会いたくない奴の所さ。
冒険者ギルドを出て中央通りを北上すればすぐに目的の建物が見えてきた。
「ちょっと待ってよ!」
「なんだついてこなくてもいいんだぞ。」
「アンタ一人で行かせて何かあったら嫌じゃない。」
「そりゃどうも。」
別にいなくても構わないんだが、エリザなりの気遣いなんだろう。
「で、ここなの?」
「あぁ。ギルドの上役って言ったらここしかないだろ。」
そう言いながら扉を開けて中に入る。
街中の情報が集まる場所だけに、中は一足早いお祭り騒ぎという感じだった。
いつもなら俺に気づく受付のお姉ちゃんですら、入ってきた俺に気づかないぐらいだからな。
「すまん、ちょっといいか。」
「ちょっと待ってください!今受付けは・・・。」
「シープさんに会いたいんだ。シロウが来たと言えばすぐわかる。」
「あ、シロウ様!ちょっと待ってくださいね。」
当初あたってくれた受付嬢にカットインする感じでなじみの受付嬢が出て来てくれた。
顔なじみだと話が早くて助かるよ。
邪魔にならないように隅のソファーに腰かけていると、奥から羊男が珍しく慌てた表情でやって来た。
「シロウさん!」
「忙しい所悪いな。」
「どうかされましたか?」
「話は分かってるだろ?聖糸の件だ。」
「・・・わかりました奥へどうぞ。」
ほら、やっぱりだ。
なんで冒険者ギルドが俺の仕込みを知っているのか不思議だったんだよ。
エリザがいるとはいえそれ以外の接点は全くない。
にもかかわらず俺が聖水と糸を仕入れて聖糸を作るのを知っていた理由はただ一つ。
入れ知恵した奴がいるんだってな。
それがここ。
ギルド協会っていうわけだ。
羊男の後ろを追いかけると過去に押し込められた例の部屋へと案内された。
例によって例の如く俺だけがソファーに座り、その後ろにエリザが立つ。
ボディーガードのつもりなんだろうなぁ。
「それで、聖糸の件だとか。」
「ここが冒険者ギルドに助言したことはわかっている。向こうでは買い取り価格が低いんでね、直接ここに話を持ってきたってわけだ。」
「単刀直入に有難うございます。ですがうちが教えたという証拠はどこにも・・・。」
「聖糸だけじゃない、ギルド協会が聖水を買い占めようとしていたのも知っているぞ。」
「どうしてそれを。」
「モニカとは知らない仲じゃないんでね。あぁ、決してそういう関係じゃない。向こうは聖職者だ、手は出してない。」
「ねぇ、何の話?」
「エリザはちょっと黙ってろ。」
むぅと膨れたような声が背中越しに聞こえたが今はこっちが重要だ。
いつものように優男がニコニコしているのかと思いきや、いつにもまして険しい顔で俺を睨んで来る。
おいおい、いつもの気楽な感じはどこに行ったよ。
「それで、うちを脅してどうするつもりですか?」
「脅す?とんでもない。俺はただ適正な価格で買い取ってほしいだけさ。その為に前もって仕込んできたんだ、それを半値で買い叩くなんて天秤の紋章が泣いてるぞ。」
「非常事態・・・では納得してくださらないんですね。」
「本当に非常事態ならな。」
「どういう意味です?」
「ここが買い付けた聖水と別の筋から買い付けたグリーンキャタピラー・・・じゃなかったホワイトキャタピラーの糸。それがあれば俺から買い付けなくても今回分ぐらいは聖布作れるはずだよな。」
俺の鋭いツッコミに羊男が視線を逸らす。
何でそんなことを知っているのかって?
俺とミラの調査力を舐めるんじゃねぇよ。
ほぼ毎日取引所に通っては、どんな品がやり取りされているのかを調べ続けているんだ。
さらに俺の相場スキルを使って、直近の取引日を把握している。
その時に見つけてしまったんだよ。
何故か割高のホワイトキャタピラーの糸が買い占められているのをね。
後は誰が買っているかを、取引板の履歴から確認して本人に聞いて回るだけ。
そうするとここの職員って事がわかって来たんだ。
聖水と糸。
これから作られるのは聖糸しかないからな。
量もかなりのものだ。
「祭り用に上質な物を作りたいという事なんだろうけど、この非常時に出さないってのは話が違う。ましてや俺から半値で買い叩こうなんてのもな。」
「さすがシロウさんですね。そこまで調査済みでしたか。」
「お陰様で調べるのは得意でね。三日月亭のマスターと知り合っておいて本当に良かったよ。」
「今度から口利きしないようにお願いしておきます。」
「その時はこの指輪を使うまでさ。王族相手に喧嘩売るほどギルド協会もバカじゃないだろ。」
右手の甲を羊男の方に向けてやる。
そうすれば見えるはずだ。
今や王族の一人として列しているリング氏の紋章がな。
「まったく、祭りの準備で忙しいこの時期に死霊騒ぎ。極めつけがシロウさんの乱入ですか。まったく頭が痛い。」
「それには同情するよ。だが、そっちがやり方を間違えなければ早々に片が付く話だ。なんせこっちには上の推薦するエリザがいる。それに加えて俺が持っている聖糸がある。祭り用の上物を使いたくないのなら、安物で手を打つべきだと思うがね。」
「ですがそれをすれば我々を敵に回すことになりますよ?」
「そんな脅しには屈しないさ。敵に回した所で何もできないのがおたくらだろ?」
「えぇ、そうですとも。この天秤がある限り不公平なことは許されない。」
「俺の知らない所、見えない所で好き放題やってもらうのは構わないさ。聖水の件も他言するつもりはない。俺だって買ってるしな。」
別に買い占めているわけではないけれど、需要が増える時期を見越して準備していたのは事実だ。
それも全ては金の為。
お互いに同じ目的で動いていたというわけだな。
これだけデカい組織だ、維持するにも金がかかるんだろう。
「初めてお会いした時から他と違う方だとは思っていましたが、まさかここまでとは思いませんでした。」
「お褒めに預かり光栄だね。だがそれも金の為だ、商人の宿命ってやつだな。」
「わかりました。シロウさんの言うようにしましょう。」
「話が早くて助かるよ。」
「ただし、金貨10枚だけです。冒険者ギルドと合わせて金貨30枚。それ以上は出せません。」
「それで十壺分だな?」
「いえ、仕込み途中の分も含みます。」
つまり金貨9枚は捨てろと言うわけか。
これ以上やると本気でつぶしに来られるかもしれないしなぁ・・・。
出来るならこの男は敵に回したくない。
となればだ。
「欲しいのは聖水だろ?仕込み分の糸は回収させてもらう、それでどうだ?」
「致し方ありませんそれで手を打ちましょう。」
「毎度あり。」
ヤレヤレと言った感じのシープ氏に手を出すとかなり強い力で握り返された。
怒ってはいるが、これで帳消しだ。
「では急ぎ搬入させますが構いませんか?」
「あぁ、店にはミラがいる。俺が指示したと言ってくれたら構わない。」
「わかりました。」
「それとな。」
「まだなにか?」
「返却予定の糸だが、わずかでも聖水に浸してたんだ多少の効果はあるだろう。あれでダンジョンの入り口を巻いてしまえば多少は効果あるんじゃないか?」
ようは入り口をふさいでしまえばいい話だ。
三壺分って事は糸900個分。
一本の糸にすればそれなりの長さになるだろう。
それで封をしてしまえば出てくるものも出てきにくくなる、というわけだ。
「お代は払いませんよ?」
「返してくれたら文句はないさ。」
戻ってくればギルドが一個銅貨10枚で買ってくれる。
900個あれば銀貨90枚分だ。
仕込みが間に合わなかったと考えれば決して損じゃない。
何より金貨20枚が予定通り金貨30枚になったんだ。
十分な成果だと言えるだろう。
「エリザ、急ぎギルドに戻って準備に入れ。出発は明日の朝一だろうから必要経費であれこれ要求しておけよ。」
「まっかせといて!」
「お手柔らかにお願いしますよ。妻も気苦労が多いんですから。」
「妻?」
「あれ?シロウは知らなかったの?ニアの旦那さんはこの人よ?」
まじかよ!
こんな所で話が繋がるのか!?
よかった、乳の話振らないで。
世の中変なことは出来ないようになっているんだなぁ。
あの時の俺、グッジョブ。
翌日、徹夜で織られた聖布を持ってダンジョンへと潜っていく。
その日の夕刻。
大勢の人が見守る中、ダンジョンの中から出てきたエリザはVサインをして作戦の成功を皆に知らせるのだった。
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