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44.転売屋は次の取引を考える
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いやぁ、すごい体験をさせてもらった。
あれで処女とは信じられない。
エリザと比べるのは失礼だが、まるで違っていた。
あの時は常に俺が先手を取っていたが、今回は常に後手に回った感じだ。
もちろん見た目と違って中身の年季は違うので最後の最後で主導権を握り返したが、末恐ろしいと言えるだろう。
「申し訳ありません、シロウ様に朝食を作って頂くなど。」
「動けないのは仕方がない。原因は俺にあるしな。」
翌朝、腰砕けの状態のミラを何とか一階に連れて降り、動けない本人に代わり朝食を作る。
この世界に来てからはずっとマスターの食事だったが、昔は自分で作るのが当たり前だった。
一人暮らしを初めて20年以上、この身体で言えば生まれた時からになるのか?
ともかくそんなこんなで久方ぶりに料理をしてみたのだが・・・。
「これをシロウ様が?」
「久方ぶりだからな、不味かったら諦めてくれ。」
「とんでもありません!有難く頂戴します。」
用意したのはパンとスクランブルエッグにサラダ。
この世界ではパンはそのまま食べる。
だが俺は焼いた方が好きだ。
なのでフライパンで軽く焼き目を付け、バターを塗り、最後にはちみつを一回しすればただのパンが一つの料理へと昇格する。
うむ、やはり美味い。
「美味しいです!」
「それは何よりだ。」
「料理は母に仕込んでもらった貰ったつもりでいましたが、このような食べ方もあるのですね。」
「昨日のも十分に美味かったぞ。」
「これからはより精進したいと思います。」
ミラが対抗心のようなものに燃えているが、美味い物が食えればそれでいい。
しかしあれだな、久々に料理すると楽しいものだ。
朝食ぐらいは自分で作ってもいいかもしれない。
「おっはよ~シロウいるー?」
と、そんな優雅な朝食を邪魔する声が入り口から聞こえてきた。
こんな間の抜けた声で俺を呼ぶのは一人しかいない。
仕方なく出迎えるとエリザは嬉しそうな顔で俺を見てくる。
が、奥の様子が違う事に気づき俺を押しのけるようにして奥へと入って行った。
「あーーー!」
「なんだよ、でかい声出すな。」
「シロウが料理してる!」
「しちゃ悪いか?」
「私の分が無い!」
「来るとは一言も行ってなかっただろ。」
「しかも食べ終わってる!」
一体なんだんだ。
ひとしきり大騒ぎしたと思ったら今度はミラの方をジッと睨みだした。
ミラはというと涼しい顔でそれを受け止めている。
大人の余裕という奴だろうか。
ちょうど昨日登った所だしな。
「何か?」
「美味しかった?」
「大変美味しゅうございました。」
「ずるいずるいずるい!奴隷には作って私には!?ねぇ私には!?」
「何でお前の分まで作らなきゃならないんだよ。その様子じゃマスターの所で食べてきたんだろ?」
「シロウのやつは食べてない!」
子供か!と頭を叩こうとしたらサッと避けられてしまった。
これだから脳筋は。
「エリザ様がよろしければおつくりしましょうか?」
「やだ、シロウのがいい。」
「何しに来たんだよ、お前は。」
「マスターから奴隷を買ったって聞いたから見に来たの。ねぇ、その様子じゃもう抱かれたんでしょ?」
「えぇ、抱いていただきました。」
「すごかった?」
「それはもう。」
「下ネタ言いに来たんならさっさと帰れよ。」
朝飯をたかりに来たと思ったら今度は下ネタとか、これだから冒険者は。
「ふ~ん。でも、私の方が先だからね。」
「いや、マウント取りに行くなよ。」
「シロウは黙ってて!」
朝っぱらから勘弁してくれ。
野犬のようにちょっかいをかけるエリザと対照的に常に冷静に対応するミラ。
まるで真逆の二人がじっとにらみ合っている。
その時間がどれだけ続いただろうか。
突然エリザが右腕を伸ばすと、ミラも無言でその手を握り返した。
「終わったのか?」
「うん!ミラさんは敵じゃないのがわかった。」
「あ、そう。」
「シロウ様、申し訳ありませんがエリザさんにも朝食を作って差し上げてくださいませんか?」
何がどうなったのかわからないが、和解が成立したようだ。
「これから準備をするんだ、色々と手伝えよ。」
「うん!まっかせといて!」
「ミラもそれまでに動けるようになってくれ。」
「頑張ります。」
先まで俺が座っていた場所をエリザが陣取り、何やら楽しそうに話を始める。
相手をミラに任せて俺は再び台所に向かうのだった。
「これは?」
「奥の棚。」
「こっちは?」
「右奥の・・・そこです、その下にお願いします。」
重たい荷物はエリザに任せ細かな作業を二人でこなす。
カウンター周りにはあまりものを置きたくない。
だが質素すぎるのもあれなのでなかなかに難しい。
ディスプレイはホルト時代のままなのでそこに寝かせておいた在庫を並べて行った。
「うん、良い感じじゃない?」
「もう少し商品が欲しいな。」
「それは今後増やしていくんでしょ?ねぇ何を買い取るの?」
「今までと同じだよ。冒険者がダンジョンで手に入れた品、家に眠ったままの骨董品、金に困って手放すしかない物なんかだな。」
「それと取引所で頻繁に取引されている品を買いつける予定です。」
何度も言うが、ここは質屋じゃない。
あくまでも買取屋だ。
ここで品物を安く仕入れ、別の場所で高く売る。
もちろん今まで通り露店をめぐって掘り出し物を探すし、向こうに出品したりもする。
店は基本ミラに任せるので、出店なんかはエリザに頼む事もあるだろう。
前に何度かやらせたんだ、問題ないはずだ。
「でもさ、それだと買い取り品で溢れない?」
「最初は溢れるだろうな。短期で儲けるのが難しい商売だし。」
「大丈夫なの?」
「税金は前払いしてるし、資金は・・・潤沢とは言えないがそれなりにある。最悪ベルナの店も並行して利用するさ。」
「文句言われない?」
「言わせない品を持っていくつもりだよ。」
がらくたばかりを押し付けると怒られるだろうが、この前のようにそれなりの品を持っていけば文句は言わないだろう。
向こうも商売だ、利益が出るなら喜んで受けるさ。
もちろん俺だって無駄に利益を減らすつもりはない。
ホルトの時のように売りにくい品をこそっと買い取ってもらう。
相場スキルがあるからこそできる裏技だ。
「それとは別に、倉庫に仕舞ってある品も処分する必要がございます。そちらはいかがなさるおつもりですか?」
「ミラに調べてもらいつつ適切な場所に卸す感じになるだろう。その辺はマスターに聞きながらやるつもりだ。」
「冒険者関係の品は任せてよ、これでもギルドには顔が利くんだからね。」
「まぁ頼りにしている。」
「何よその反応!本当なんだから!」
子供のように怒り出すエリザに思わず笑みがこぼれてしまった。
大人しいミラさんも中々だが、やはりエリザも捨てがたい。
まったく贅沢な男だな俺は。
「私はシロウ様がご一緒ならば構いませんよ。」
「何の話だ?」
「独り言です。」
まるで心を読まれたようだ。
「え、何々何の話?」
「気にするな。それで、冒険者に売りつけるのは任せろだったか?」
「売りつけるなんて人聞きの悪い。長い事ギルドに出入りしているとだぶついてる素材とか足りない素材とかそういうのがなんとなくわかるのよ。」
「足りなければ高くなり余れば安くなる。それを適切に処理すればそれなりに儲けが出るか。」
商売の基本だな。
需要と供給を見誤ればハッサン氏のようになるが、要は間違えなければいい。
俺にはその為のスキルが備わっている。
「固定買取の品は難しいけどそうじゃないものも結構あるでしょ?ほら、この前調べてたやつ。」
「グリーンスライムの核か?」
「そうそう。他にも結構あるからその都度見つければ儲かると思うの。」
「じゃあなんでお前がやらないんだよ。」
「だって考えるの面倒だし。」
まぁエリザらしい答えだ。
知識はあってもそれを回す知恵が出てこない。
典型的な脳筋ってやつだ。
もちろん悪口じゃない、エリザはエリザで良い所がたくさんある。
それをうまくコントロールしてやればいいだけの話だ。
「取引所の方はお任せください。」
「あぁ、そっちは期待している。」
「必ずやシロウ様の期待に応えて見せます。」
「とりあえずは倉庫を何とかしないとな。レイブさんからも結構もらったし、今後を考えて半分は減らしておきたい。」
買取で増える事を考えると出来るだけ空けておきたい。
加えて在庫が売れれば資金が増える。
それなりにあるとはいえ、やはり増やしておきたい所だ。
「じゃあまずはそこからだね。」
「って事は今日もマスターの世話になるわけか。リンカの風邪は治ったのか?」
「一応出てきてたけど、しんどそう。」
「今日も手伝ったほうが良いかもな。今日は逃げるなよ?」
「に、逃げてないよ?」
「どうだか。」
そういえば昨日の肉代も返してもらってなかった。
借金に追加しておけば良いか。
「じゃあちょっと行ってくる。」
「こちらはお任せ下さい、どうぞお気をつけて。」
「戻ったら足りないものと寝具を買いに行くから用意しておいてくれ。」
「私はご一緒でも構いませんが?」
「そういうわけには行かないんだよ、主にコイツがな。」
俺の腕につかまり大きく頷くエリザ。
今晩の相手はこっちになるだろう。
問題があるとすればミラさんがそれを受け入れるかどうかだ。
ま、二人同時でも何とかなるだろう。
幸い今の俺は若い。
若さに任せて頑張るさ。
腕にぶら下がるエリザを引きずりながら俺は店の外へと向かった。
あれで処女とは信じられない。
エリザと比べるのは失礼だが、まるで違っていた。
あの時は常に俺が先手を取っていたが、今回は常に後手に回った感じだ。
もちろん見た目と違って中身の年季は違うので最後の最後で主導権を握り返したが、末恐ろしいと言えるだろう。
「申し訳ありません、シロウ様に朝食を作って頂くなど。」
「動けないのは仕方がない。原因は俺にあるしな。」
翌朝、腰砕けの状態のミラを何とか一階に連れて降り、動けない本人に代わり朝食を作る。
この世界に来てからはずっとマスターの食事だったが、昔は自分で作るのが当たり前だった。
一人暮らしを初めて20年以上、この身体で言えば生まれた時からになるのか?
ともかくそんなこんなで久方ぶりに料理をしてみたのだが・・・。
「これをシロウ様が?」
「久方ぶりだからな、不味かったら諦めてくれ。」
「とんでもありません!有難く頂戴します。」
用意したのはパンとスクランブルエッグにサラダ。
この世界ではパンはそのまま食べる。
だが俺は焼いた方が好きだ。
なのでフライパンで軽く焼き目を付け、バターを塗り、最後にはちみつを一回しすればただのパンが一つの料理へと昇格する。
うむ、やはり美味い。
「美味しいです!」
「それは何よりだ。」
「料理は母に仕込んでもらった貰ったつもりでいましたが、このような食べ方もあるのですね。」
「昨日のも十分に美味かったぞ。」
「これからはより精進したいと思います。」
ミラが対抗心のようなものに燃えているが、美味い物が食えればそれでいい。
しかしあれだな、久々に料理すると楽しいものだ。
朝食ぐらいは自分で作ってもいいかもしれない。
「おっはよ~シロウいるー?」
と、そんな優雅な朝食を邪魔する声が入り口から聞こえてきた。
こんな間の抜けた声で俺を呼ぶのは一人しかいない。
仕方なく出迎えるとエリザは嬉しそうな顔で俺を見てくる。
が、奥の様子が違う事に気づき俺を押しのけるようにして奥へと入って行った。
「あーーー!」
「なんだよ、でかい声出すな。」
「シロウが料理してる!」
「しちゃ悪いか?」
「私の分が無い!」
「来るとは一言も行ってなかっただろ。」
「しかも食べ終わってる!」
一体なんだんだ。
ひとしきり大騒ぎしたと思ったら今度はミラの方をジッと睨みだした。
ミラはというと涼しい顔でそれを受け止めている。
大人の余裕という奴だろうか。
ちょうど昨日登った所だしな。
「何か?」
「美味しかった?」
「大変美味しゅうございました。」
「ずるいずるいずるい!奴隷には作って私には!?ねぇ私には!?」
「何でお前の分まで作らなきゃならないんだよ。その様子じゃマスターの所で食べてきたんだろ?」
「シロウのやつは食べてない!」
子供か!と頭を叩こうとしたらサッと避けられてしまった。
これだから脳筋は。
「エリザ様がよろしければおつくりしましょうか?」
「やだ、シロウのがいい。」
「何しに来たんだよ、お前は。」
「マスターから奴隷を買ったって聞いたから見に来たの。ねぇ、その様子じゃもう抱かれたんでしょ?」
「えぇ、抱いていただきました。」
「すごかった?」
「それはもう。」
「下ネタ言いに来たんならさっさと帰れよ。」
朝飯をたかりに来たと思ったら今度は下ネタとか、これだから冒険者は。
「ふ~ん。でも、私の方が先だからね。」
「いや、マウント取りに行くなよ。」
「シロウは黙ってて!」
朝っぱらから勘弁してくれ。
野犬のようにちょっかいをかけるエリザと対照的に常に冷静に対応するミラ。
まるで真逆の二人がじっとにらみ合っている。
その時間がどれだけ続いただろうか。
突然エリザが右腕を伸ばすと、ミラも無言でその手を握り返した。
「終わったのか?」
「うん!ミラさんは敵じゃないのがわかった。」
「あ、そう。」
「シロウ様、申し訳ありませんがエリザさんにも朝食を作って差し上げてくださいませんか?」
何がどうなったのかわからないが、和解が成立したようだ。
「これから準備をするんだ、色々と手伝えよ。」
「うん!まっかせといて!」
「ミラもそれまでに動けるようになってくれ。」
「頑張ります。」
先まで俺が座っていた場所をエリザが陣取り、何やら楽しそうに話を始める。
相手をミラに任せて俺は再び台所に向かうのだった。
「これは?」
「奥の棚。」
「こっちは?」
「右奥の・・・そこです、その下にお願いします。」
重たい荷物はエリザに任せ細かな作業を二人でこなす。
カウンター周りにはあまりものを置きたくない。
だが質素すぎるのもあれなのでなかなかに難しい。
ディスプレイはホルト時代のままなのでそこに寝かせておいた在庫を並べて行った。
「うん、良い感じじゃない?」
「もう少し商品が欲しいな。」
「それは今後増やしていくんでしょ?ねぇ何を買い取るの?」
「今までと同じだよ。冒険者がダンジョンで手に入れた品、家に眠ったままの骨董品、金に困って手放すしかない物なんかだな。」
「それと取引所で頻繁に取引されている品を買いつける予定です。」
何度も言うが、ここは質屋じゃない。
あくまでも買取屋だ。
ここで品物を安く仕入れ、別の場所で高く売る。
もちろん今まで通り露店をめぐって掘り出し物を探すし、向こうに出品したりもする。
店は基本ミラに任せるので、出店なんかはエリザに頼む事もあるだろう。
前に何度かやらせたんだ、問題ないはずだ。
「でもさ、それだと買い取り品で溢れない?」
「最初は溢れるだろうな。短期で儲けるのが難しい商売だし。」
「大丈夫なの?」
「税金は前払いしてるし、資金は・・・潤沢とは言えないがそれなりにある。最悪ベルナの店も並行して利用するさ。」
「文句言われない?」
「言わせない品を持っていくつもりだよ。」
がらくたばかりを押し付けると怒られるだろうが、この前のようにそれなりの品を持っていけば文句は言わないだろう。
向こうも商売だ、利益が出るなら喜んで受けるさ。
もちろん俺だって無駄に利益を減らすつもりはない。
ホルトの時のように売りにくい品をこそっと買い取ってもらう。
相場スキルがあるからこそできる裏技だ。
「それとは別に、倉庫に仕舞ってある品も処分する必要がございます。そちらはいかがなさるおつもりですか?」
「ミラに調べてもらいつつ適切な場所に卸す感じになるだろう。その辺はマスターに聞きながらやるつもりだ。」
「冒険者関係の品は任せてよ、これでもギルドには顔が利くんだからね。」
「まぁ頼りにしている。」
「何よその反応!本当なんだから!」
子供のように怒り出すエリザに思わず笑みがこぼれてしまった。
大人しいミラさんも中々だが、やはりエリザも捨てがたい。
まったく贅沢な男だな俺は。
「私はシロウ様がご一緒ならば構いませんよ。」
「何の話だ?」
「独り言です。」
まるで心を読まれたようだ。
「え、何々何の話?」
「気にするな。それで、冒険者に売りつけるのは任せろだったか?」
「売りつけるなんて人聞きの悪い。長い事ギルドに出入りしているとだぶついてる素材とか足りない素材とかそういうのがなんとなくわかるのよ。」
「足りなければ高くなり余れば安くなる。それを適切に処理すればそれなりに儲けが出るか。」
商売の基本だな。
需要と供給を見誤ればハッサン氏のようになるが、要は間違えなければいい。
俺にはその為のスキルが備わっている。
「固定買取の品は難しいけどそうじゃないものも結構あるでしょ?ほら、この前調べてたやつ。」
「グリーンスライムの核か?」
「そうそう。他にも結構あるからその都度見つければ儲かると思うの。」
「じゃあなんでお前がやらないんだよ。」
「だって考えるの面倒だし。」
まぁエリザらしい答えだ。
知識はあってもそれを回す知恵が出てこない。
典型的な脳筋ってやつだ。
もちろん悪口じゃない、エリザはエリザで良い所がたくさんある。
それをうまくコントロールしてやればいいだけの話だ。
「取引所の方はお任せください。」
「あぁ、そっちは期待している。」
「必ずやシロウ様の期待に応えて見せます。」
「とりあえずは倉庫を何とかしないとな。レイブさんからも結構もらったし、今後を考えて半分は減らしておきたい。」
買取で増える事を考えると出来るだけ空けておきたい。
加えて在庫が売れれば資金が増える。
それなりにあるとはいえ、やはり増やしておきたい所だ。
「じゃあまずはそこからだね。」
「って事は今日もマスターの世話になるわけか。リンカの風邪は治ったのか?」
「一応出てきてたけど、しんどそう。」
「今日も手伝ったほうが良いかもな。今日は逃げるなよ?」
「に、逃げてないよ?」
「どうだか。」
そういえば昨日の肉代も返してもらってなかった。
借金に追加しておけば良いか。
「じゃあちょっと行ってくる。」
「こちらはお任せ下さい、どうぞお気をつけて。」
「戻ったら足りないものと寝具を買いに行くから用意しておいてくれ。」
「私はご一緒でも構いませんが?」
「そういうわけには行かないんだよ、主にコイツがな。」
俺の腕につかまり大きく頷くエリザ。
今晩の相手はこっちになるだろう。
問題があるとすればミラさんがそれを受け入れるかどうかだ。
ま、二人同時でも何とかなるだろう。
幸い今の俺は若い。
若さに任せて頑張るさ。
腕にぶら下がるエリザを引きずりながら俺は店の外へと向かった。
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