30 / 1,033
30.転売屋は呼び出される
しおりを挟む
ホルトが街を出て一週間。
俺はいつもの仕事に手を付けることも出来ず、目の前に積み上げられる荷物をただ見ている事しかできなかった。
「シロウ様、次の便が参りました。」
「もうすぐ今のやつが出ていくから少し待ってもらってくれ。」
「かしこまりました。」
ここはオッサンもといハッサン氏の敷地内。
敷地内と言ってもかなり広く、50mプールぐらいの広さの土地に馬車が入っては荷を下ろして出ていくのを繰り返している。
そして荷下ろしが終わるたびに目の前に山が出来ていく。
これ、今日中に終わるのか?
「いやぁすごいですねぇ。」
「他人事みたいないい方だけど、アンタの敷地を占拠していってるんだぞ?」
「その敷地をお貸しするとの約束でしたから別に構いません。しかし、これだけの量となると壮観ですね。」
「壮観を通り越してるよ。あの人は加減ってもんを知らないのか?」
「リング様はかなりシロウ様を気に入っておられましたからね、この間のお礼も沢山混ざっているのではないでしょうか。」
そう、今到着している馬車は全てあのお子様貴族もといリング氏が送り付けて来た品々を積んではるばるやって来たのだ。
その数10台。
馬車10台分の荷物が広大な敷地をどんどんと埋めていく。
お礼も混ざっているって、不用品の押し付けの間違いじゃないか?
いや、不用品をくれって言ったのは俺だけどさ。
この量は想定外だったわ。
「倉庫一つで足りるのか?」
「奥まで詰めれば問題ないかと。ですがそれをしてしまうと奥の荷物の開封に時間がかかってしまいますので、生ものが混ざっていると取り返しのつかないことになります。」
「さすがにこれだけの距離を運んできたんだ、生ものは無いだろ。」
「わかりませんよ。冷気の魔法を駆使すればそれなりの期間は鮮度を保てますから。それに食べ物だけでは無く生き物が混ざっている可能性もあります。」
生き物!?
流石にそれは勘弁してもらいたい。
「つまり荷下ろしが終わったら今度は開封作業が待っているわけだな?」
「それと並行して仕分けをする必要もあるかと。」
「これ全部やるのか?」
「お一人では大変でしょうから鑑定スキルを持った者を何人か手配してあります。あと、荷物を仕分けする奴隷も必要でしょう、我が家の奴隷でよろしければどうぞ好きに指示を出してください。」
「なぁ、正直に言ってアンタがそこまでする理由はないんじゃないか?不用品を貰った時点で一応取引は終わっただろ?」
ハッサン氏とは不要になった肉と火酒、それと倉庫の不用品を引き取ることを条件にクリムゾンティアを譲るという取引をした。
肉の仕込みは無事に終了し、不用品の受け取りも終わっている。
確かにリング氏の荷を預かってもらう約束はしたが、それも預かるだけの話だ。
ここまでしてもらう理由が無いんだが・・・。
後で金を要求されても契約書を交わしていない以上払わないぞ?
「確かに取引は終わりました。ですが貴方がいなければこの家の全ての人間が路頭に迷っていたことでしょう。その恩はまだまだ返しきれておりません。」
「そんなこと言っていいのか?たかる必要が出たら容赦なくたかるぞ、俺は。」
「それで貴方が救われるのであれば喜んで手を貸しましょう。と言いましても、限度がありますのでそこはご容赦ください。」
「随分と甘い商人だな。」
「そんな事だから商売に失敗するんだと妻にも怒られましたよ、あははは。」
え、結婚してたの?
そら知らなかった。
「まぁ貸してくれるんなら遠慮なく貸してもらおう、助かる。」
「いえいえ、どうぞこき使ってやってください。」
気づけば屈強な男たちが寒空の下シャツ一枚で勢ぞろいしていた。
見た目が非常にむさくるしくて寒いのを忘れてしまいそうだ。
それとは別に細身で制服のようなものに身を包んでいる男女が5人。
恐らく鑑定のできる皆さんだろう。
「雇い主じゃなくて悪いがみんな手を貸してくれ。とりあえず奥の荷物から開封して種類別に分けてくれると助かる。」
「再度梱包されますか?」
「そうだな、出来るなら箱を再利用してしまっておきたい。」
「わかりました。野郎ども、恩返しの時だ!」
「「「おぉぉぉぉ!!」」」
野太い声が寒空を震わせる。
ココだけ常夏の熱気なんですけど、季節間違えてませんかね。
奴隷の皆さんが積みあがった荷物を崩していくのと同じ速度で馬車から荷が下ろされる。
それから一時間ぐらいたって、馬車10台分の荷物が全て敷地に積みあがった。
「すみません、ここに受け取りのサインお願いします。」
「はいよ。」
最後の馬車を操っていた従者が一枚の紙を差し出してきた。
なになに、『先日の取引に感謝を込めて、リング』っと。
目録ぐらいよこせよ!
と言いたくなったが、この人達が戻ってそれをチクられても困るのでぐっとこらえる。
一番下に名前を記入して従者に返した。
ちなみにサインはもちろん漢字だ。
「あと、これを別に渡すように言われてまして。」
これで終わりかと思ったら今度はカバンから小箱を取り出し押し付けてきた。
「これは?」
「さぁ・・・直接渡すように言われましたので。それでは失礼します!」
中身も知らないでよく身につけて居られるよな。
爆発したら・・・んなわけないか。
土煙を上げながら去っていく馬車を見送り大きく息を吐く。
これで追加は終わりだ。
後はこれを仕分けしていくだけなんだが・・・。
後ろを振り返るとうずたかく積まれた木箱が山になっている。
反対側ではその解体作業が行われているものの、終わりが見える気配はない。
まじで今日中に終わらないだろ。
「これで終わりのようですね。」
「みたいですね。」
「それは?」
「あぁ、何かこれだけ直接渡すように言われたようで・・・。」
「開けてみられてはどうですか?」
まぁそれもそうだな。
それこそ一粒いちごのように生ものが入っている可能性もある。
あー、男の体温で温められた生ものかぁ・・・。
ちょいと勘弁してほしいな。
なんて馬鹿な事を考えながら木箱を開けると、中にはシルバーのリングが入っていた。
指輪・・・じゃないな。
なんていうか指にはめることのできるハンコのような感じだ。
その証拠に指輪なら本来宝石か何かがついている部分に紋章のような物が掘られている。
これって確か、封蝋をするときに使う奴じゃなかったっけ?
というかリングが指輪(リング)を送ってくるとかネタ以外の何物でもないだろ。
「こ、これは!」
「どうかしました?」
「これはリング様の紋章じゃないですか!これを送られたという事は、リング様の客人として認められたという事ですよ!」
「それはすごい事なのか?」
「貴族ではありませんがそれに近しい人間であることをリング様が証明してくださるのです。これを授かるのはとても名誉な事なんですよ!」
貰った俺ではなく何故オッサンがハッスルしているんだろうか。
話を聞けばかなり凄い物みたいだけど・・・どこで使えばいいんだよこんなもの。
とりあえず箱を置き、中のリングを手に取る。
『ストライフ家の指輪。これを用いると貴族と同等の扱いを受けることが出来る。取引価格存在せず。』
むしろ価格が表示されたら怖いわ。
誰だよこんな大事な品売ったやつってなるよな。
ストライフ家。
ようはこれが苗字なんだろう。
ストライフ=リング。
それともリング=ストライフ?
まぁどっちでもいいや。
ともかくこれがあれば貴族と同じ扱いを受けられるらしいが・・・。
ぶっちゃけ要らないなぁ。
今の所平民?で困ったことないし、むしろ権力を振りかざしてあれこれするのは性に合わない。
よっぽど変な相手にいちゃもんつけられた時とかは効果ありそうだけど、要はお守りみたいなものだろ?
何かあったら使えって事だ。
とりあえず有難く頂戴しておくか。
指に付けるのもあれなのでポケットにしまっておこう。
なくすと大変だからね!
「まぁ機会が有れば使うか。」
「その指輪をそんな風に扱う人は初めて見ました・・・。」
「あ、まずかった?」
「いえ、貴方がそれでいいのであれば私は何も。」
何もと言いながら非常に何か言いたそうな顔をしているぞ。
大丈夫だって帰ったらちゃんと箱にしまっておくから。
そして奥に押し込んで気づけばどこに行ったか分からなくなる・・・と。
そんなもんですよねー。
「後はこの山をどうにかするだけ・・・。」
「このままいけば今日中には終わるでしょう。後は目録作りと査定が残っていますが、そちらに関してはお任せします。」
「必要なものが有ればいくつか持っていくか?」
「ではこの前と逆で不要なものがあれば引き取ります。もちろんお代はお支払いしましょう。」
「それは助かる。」
さっきちらっと中身を見たら、お酒とか普段扱っているのとは全く関係のない品物も結構あった。
いい感じのはマスターに売りつけてもいいが、流石に全部というわけにもいかないのでどうにもならないものは引き取ってもらうとしよう。
「失礼します、お客様がお呼びです。」
作業は進み夕刻。
目録を作成がてらどれを引き取ってもらうか打ち合わせをしていると、ハッサン氏の奴隷が血相を変えてやって来た。
来客なのに呼び出しとはこれいかに。
「お客様・・・?はて、今日は誰とも約束していないはずですが。」
「いえ、旦那様ではなくシロウ様にと。」
「え、俺?」
俺も誰かと会う約束はしてないんだけどなぁ。
思い当たる節も無く、二人で顔を合わせて首を傾げ合う。
「で、誰?」
「ギルド協会のシープ様だそうです。」
ここでまさかのイケメン羊登場だ。
水は流れ出すと止まらないというが、まさにそれと同じことが目の前で起きている。
はてさて次は何が起きるんだ?
俺はいつもの仕事に手を付けることも出来ず、目の前に積み上げられる荷物をただ見ている事しかできなかった。
「シロウ様、次の便が参りました。」
「もうすぐ今のやつが出ていくから少し待ってもらってくれ。」
「かしこまりました。」
ここはオッサンもといハッサン氏の敷地内。
敷地内と言ってもかなり広く、50mプールぐらいの広さの土地に馬車が入っては荷を下ろして出ていくのを繰り返している。
そして荷下ろしが終わるたびに目の前に山が出来ていく。
これ、今日中に終わるのか?
「いやぁすごいですねぇ。」
「他人事みたいないい方だけど、アンタの敷地を占拠していってるんだぞ?」
「その敷地をお貸しするとの約束でしたから別に構いません。しかし、これだけの量となると壮観ですね。」
「壮観を通り越してるよ。あの人は加減ってもんを知らないのか?」
「リング様はかなりシロウ様を気に入っておられましたからね、この間のお礼も沢山混ざっているのではないでしょうか。」
そう、今到着している馬車は全てあのお子様貴族もといリング氏が送り付けて来た品々を積んではるばるやって来たのだ。
その数10台。
馬車10台分の荷物が広大な敷地をどんどんと埋めていく。
お礼も混ざっているって、不用品の押し付けの間違いじゃないか?
いや、不用品をくれって言ったのは俺だけどさ。
この量は想定外だったわ。
「倉庫一つで足りるのか?」
「奥まで詰めれば問題ないかと。ですがそれをしてしまうと奥の荷物の開封に時間がかかってしまいますので、生ものが混ざっていると取り返しのつかないことになります。」
「さすがにこれだけの距離を運んできたんだ、生ものは無いだろ。」
「わかりませんよ。冷気の魔法を駆使すればそれなりの期間は鮮度を保てますから。それに食べ物だけでは無く生き物が混ざっている可能性もあります。」
生き物!?
流石にそれは勘弁してもらいたい。
「つまり荷下ろしが終わったら今度は開封作業が待っているわけだな?」
「それと並行して仕分けをする必要もあるかと。」
「これ全部やるのか?」
「お一人では大変でしょうから鑑定スキルを持った者を何人か手配してあります。あと、荷物を仕分けする奴隷も必要でしょう、我が家の奴隷でよろしければどうぞ好きに指示を出してください。」
「なぁ、正直に言ってアンタがそこまでする理由はないんじゃないか?不用品を貰った時点で一応取引は終わっただろ?」
ハッサン氏とは不要になった肉と火酒、それと倉庫の不用品を引き取ることを条件にクリムゾンティアを譲るという取引をした。
肉の仕込みは無事に終了し、不用品の受け取りも終わっている。
確かにリング氏の荷を預かってもらう約束はしたが、それも預かるだけの話だ。
ここまでしてもらう理由が無いんだが・・・。
後で金を要求されても契約書を交わしていない以上払わないぞ?
「確かに取引は終わりました。ですが貴方がいなければこの家の全ての人間が路頭に迷っていたことでしょう。その恩はまだまだ返しきれておりません。」
「そんなこと言っていいのか?たかる必要が出たら容赦なくたかるぞ、俺は。」
「それで貴方が救われるのであれば喜んで手を貸しましょう。と言いましても、限度がありますのでそこはご容赦ください。」
「随分と甘い商人だな。」
「そんな事だから商売に失敗するんだと妻にも怒られましたよ、あははは。」
え、結婚してたの?
そら知らなかった。
「まぁ貸してくれるんなら遠慮なく貸してもらおう、助かる。」
「いえいえ、どうぞこき使ってやってください。」
気づけば屈強な男たちが寒空の下シャツ一枚で勢ぞろいしていた。
見た目が非常にむさくるしくて寒いのを忘れてしまいそうだ。
それとは別に細身で制服のようなものに身を包んでいる男女が5人。
恐らく鑑定のできる皆さんだろう。
「雇い主じゃなくて悪いがみんな手を貸してくれ。とりあえず奥の荷物から開封して種類別に分けてくれると助かる。」
「再度梱包されますか?」
「そうだな、出来るなら箱を再利用してしまっておきたい。」
「わかりました。野郎ども、恩返しの時だ!」
「「「おぉぉぉぉ!!」」」
野太い声が寒空を震わせる。
ココだけ常夏の熱気なんですけど、季節間違えてませんかね。
奴隷の皆さんが積みあがった荷物を崩していくのと同じ速度で馬車から荷が下ろされる。
それから一時間ぐらいたって、馬車10台分の荷物が全て敷地に積みあがった。
「すみません、ここに受け取りのサインお願いします。」
「はいよ。」
最後の馬車を操っていた従者が一枚の紙を差し出してきた。
なになに、『先日の取引に感謝を込めて、リング』っと。
目録ぐらいよこせよ!
と言いたくなったが、この人達が戻ってそれをチクられても困るのでぐっとこらえる。
一番下に名前を記入して従者に返した。
ちなみにサインはもちろん漢字だ。
「あと、これを別に渡すように言われてまして。」
これで終わりかと思ったら今度はカバンから小箱を取り出し押し付けてきた。
「これは?」
「さぁ・・・直接渡すように言われましたので。それでは失礼します!」
中身も知らないでよく身につけて居られるよな。
爆発したら・・・んなわけないか。
土煙を上げながら去っていく馬車を見送り大きく息を吐く。
これで追加は終わりだ。
後はこれを仕分けしていくだけなんだが・・・。
後ろを振り返るとうずたかく積まれた木箱が山になっている。
反対側ではその解体作業が行われているものの、終わりが見える気配はない。
まじで今日中に終わらないだろ。
「これで終わりのようですね。」
「みたいですね。」
「それは?」
「あぁ、何かこれだけ直接渡すように言われたようで・・・。」
「開けてみられてはどうですか?」
まぁそれもそうだな。
それこそ一粒いちごのように生ものが入っている可能性もある。
あー、男の体温で温められた生ものかぁ・・・。
ちょいと勘弁してほしいな。
なんて馬鹿な事を考えながら木箱を開けると、中にはシルバーのリングが入っていた。
指輪・・・じゃないな。
なんていうか指にはめることのできるハンコのような感じだ。
その証拠に指輪なら本来宝石か何かがついている部分に紋章のような物が掘られている。
これって確か、封蝋をするときに使う奴じゃなかったっけ?
というかリングが指輪(リング)を送ってくるとかネタ以外の何物でもないだろ。
「こ、これは!」
「どうかしました?」
「これはリング様の紋章じゃないですか!これを送られたという事は、リング様の客人として認められたという事ですよ!」
「それはすごい事なのか?」
「貴族ではありませんがそれに近しい人間であることをリング様が証明してくださるのです。これを授かるのはとても名誉な事なんですよ!」
貰った俺ではなく何故オッサンがハッスルしているんだろうか。
話を聞けばかなり凄い物みたいだけど・・・どこで使えばいいんだよこんなもの。
とりあえず箱を置き、中のリングを手に取る。
『ストライフ家の指輪。これを用いると貴族と同等の扱いを受けることが出来る。取引価格存在せず。』
むしろ価格が表示されたら怖いわ。
誰だよこんな大事な品売ったやつってなるよな。
ストライフ家。
ようはこれが苗字なんだろう。
ストライフ=リング。
それともリング=ストライフ?
まぁどっちでもいいや。
ともかくこれがあれば貴族と同じ扱いを受けられるらしいが・・・。
ぶっちゃけ要らないなぁ。
今の所平民?で困ったことないし、むしろ権力を振りかざしてあれこれするのは性に合わない。
よっぽど変な相手にいちゃもんつけられた時とかは効果ありそうだけど、要はお守りみたいなものだろ?
何かあったら使えって事だ。
とりあえず有難く頂戴しておくか。
指に付けるのもあれなのでポケットにしまっておこう。
なくすと大変だからね!
「まぁ機会が有れば使うか。」
「その指輪をそんな風に扱う人は初めて見ました・・・。」
「あ、まずかった?」
「いえ、貴方がそれでいいのであれば私は何も。」
何もと言いながら非常に何か言いたそうな顔をしているぞ。
大丈夫だって帰ったらちゃんと箱にしまっておくから。
そして奥に押し込んで気づけばどこに行ったか分からなくなる・・・と。
そんなもんですよねー。
「後はこの山をどうにかするだけ・・・。」
「このままいけば今日中には終わるでしょう。後は目録作りと査定が残っていますが、そちらに関してはお任せします。」
「必要なものが有ればいくつか持っていくか?」
「ではこの前と逆で不要なものがあれば引き取ります。もちろんお代はお支払いしましょう。」
「それは助かる。」
さっきちらっと中身を見たら、お酒とか普段扱っているのとは全く関係のない品物も結構あった。
いい感じのはマスターに売りつけてもいいが、流石に全部というわけにもいかないのでどうにもならないものは引き取ってもらうとしよう。
「失礼します、お客様がお呼びです。」
作業は進み夕刻。
目録を作成がてらどれを引き取ってもらうか打ち合わせをしていると、ハッサン氏の奴隷が血相を変えてやって来た。
来客なのに呼び出しとはこれいかに。
「お客様・・・?はて、今日は誰とも約束していないはずですが。」
「いえ、旦那様ではなくシロウ様にと。」
「え、俺?」
俺も誰かと会う約束はしてないんだけどなぁ。
思い当たる節も無く、二人で顔を合わせて首を傾げ合う。
「で、誰?」
「ギルド協会のシープ様だそうです。」
ここでまさかのイケメン羊登場だ。
水は流れ出すと止まらないというが、まさにそれと同じことが目の前で起きている。
はてさて次は何が起きるんだ?
7
お気に入りに追加
330
あなたにおすすめの小説
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
25歳のオタク女子は、異世界でスローライフを送りたい
こばやん2号
ファンタジー
とある会社に勤める25歳のOL重御寺姫(じゅうおんじひめ)は、漫画やアニメが大好きなオタク女子である。
社員旅行の最中謎の光を発見した姫は、気付けば異世界に来てしまっていた。
頭の中で妄想していたことが現実に起こってしまったことに最初は戸惑う姫だったが、自身の知識と持ち前の性格でなんとか異世界を生きていこうと奮闘する。
オタク女子による異世界生活が今ここに始まる。
※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
異世界に行ったら才能に満ち溢れていました
みずうし
ファンタジー
銀行に勤めるそこそこ頭はイイところ以外に取り柄のない23歳青山 零 は突如、自称神からの死亡宣言を受けた。そして気がついたら異世界。
異世界ではまるで別人のような体になった零だが、その体には類い稀なる才能が隠されていて....
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる