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三章 決戦はクリスマスイブに
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病院に戻るとすでに母さんが来ていた。
眠っているシノブを抱いた父さんもいる。
二人はケントに気がつくと、名前を呼びながらこちらに向かってくる。
夜、勝手にこんな所まで来たことに対してしかられる覚悟をしてえいた。
だけど母さんは何も言わず、父さんは「よくやった」と言ってケントの頭をなでた。
二人から遅れて、父さんたちと話していたおじいさんがケントの所にやってくる。
ケントは二人に「ちょっと待って」と言っておじいさんの方に向かった。
おじいさんはケントに向かって笑いかけてくる。袋から飴玉を取り出すと、おじいさんに渡した。
「坊や、ハンカチは返せたのかい?」
おじいさんが相変わらずの優しい声で、ケントに問いただしてくる。
ケントは自分でもよくわからない顔で、おじいさんに首を横に振って見せた。
「そうかい。それは残念だったね」
なぜおじいさんが、ケントとハルミが会った事を知っているのか分からない。
でもなぜかケントは、このおじいさんならなんでも知っているのではと思えた。
「妻は今は安静に寝ていてね。起きたら君に会いたがるだろう」
「またお見舞いにきます」
ケントは反射的に返事して笑顔をむける。
おじいさんは「そうかい、そうかい」と何度もうなずいた。
「君は本当によい子だ。そんな君に、本当に大切なものをプレゼントしよう」
おじいさんは立派な髭を触りながら、優しい笑顔を向けてくる。
「お友達を大切にしなさい。友達こそが君の何よりの宝物だ。君のことを心配してくれるような優しい子は特にね」
おじいさんはそう言いながら、ケントに向かってウインクした。
友達が大切なのは当たり前だ。だけどこのおじいさんが低い声でそう言うと、なんだか本当に大切な言葉に聞こえる。
母さんに名前を呼ばれ、ケントはおじいさんいお辞儀をすると、後ろを向いて家族の方に向かった。
二人に促されケントは病院を後にした。
おじいさんはケントに向かってずっと手を振っていた。
病院を出てしばらくしてからだろうか、シノブが眼を覚ましたらしく父さんに抱かれながら眼をしょぼしょぼとこする。
そして病院の方を向くとポツリと「あ、サンタさんだ」とつぶやいた。
ケントはシノブの声に立ち止まると、妹の視線を追って病院の方を振り返る。
シノブが見ていたのは先ほどまでおじいさんが手を振っていたところだった。
おじいさんの姿は、もう無かった。
眠っているシノブを抱いた父さんもいる。
二人はケントに気がつくと、名前を呼びながらこちらに向かってくる。
夜、勝手にこんな所まで来たことに対してしかられる覚悟をしてえいた。
だけど母さんは何も言わず、父さんは「よくやった」と言ってケントの頭をなでた。
二人から遅れて、父さんたちと話していたおじいさんがケントの所にやってくる。
ケントは二人に「ちょっと待って」と言っておじいさんの方に向かった。
おじいさんはケントに向かって笑いかけてくる。袋から飴玉を取り出すと、おじいさんに渡した。
「坊や、ハンカチは返せたのかい?」
おじいさんが相変わらずの優しい声で、ケントに問いただしてくる。
ケントは自分でもよくわからない顔で、おじいさんに首を横に振って見せた。
「そうかい。それは残念だったね」
なぜおじいさんが、ケントとハルミが会った事を知っているのか分からない。
でもなぜかケントは、このおじいさんならなんでも知っているのではと思えた。
「妻は今は安静に寝ていてね。起きたら君に会いたがるだろう」
「またお見舞いにきます」
ケントは反射的に返事して笑顔をむける。
おじいさんは「そうかい、そうかい」と何度もうなずいた。
「君は本当によい子だ。そんな君に、本当に大切なものをプレゼントしよう」
おじいさんは立派な髭を触りながら、優しい笑顔を向けてくる。
「お友達を大切にしなさい。友達こそが君の何よりの宝物だ。君のことを心配してくれるような優しい子は特にね」
おじいさんはそう言いながら、ケントに向かってウインクした。
友達が大切なのは当たり前だ。だけどこのおじいさんが低い声でそう言うと、なんだか本当に大切な言葉に聞こえる。
母さんに名前を呼ばれ、ケントはおじいさんいお辞儀をすると、後ろを向いて家族の方に向かった。
二人に促されケントは病院を後にした。
おじいさんはケントに向かってずっと手を振っていた。
病院を出てしばらくしてからだろうか、シノブが眼を覚ましたらしく父さんに抱かれながら眼をしょぼしょぼとこする。
そして病院の方を向くとポツリと「あ、サンタさんだ」とつぶやいた。
ケントはシノブの声に立ち止まると、妹の視線を追って病院の方を振り返る。
シノブが見ていたのは先ほどまでおじいさんが手を振っていたところだった。
おじいさんの姿は、もう無かった。
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