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【中2編】第6章「新たな関係」
【おまけ】お付き合い報告
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【亜紀】
「てか、お前全く俺の話聞いてねぇじゃん」
「…え?あ、ごめん」
我にかえってみると、目の前には飽きれたような表情を浮かべた瀬野がいた。あれ、どこかでもこんなことあったような。なんかデジャブ見てる気分。
それより、俺って今まで何してたっけ。なぜか、全然思い出せない。
「今日のお前、なんか変だけど。なんかあったん?」
「えっと…」
「俺の斎藤になんか用ー?」
いきなり後ろから腕が回された。その主は、顔を見なくても分かった。
瀬野は、驚きで一瞬目を丸くさせて俺らを見た。
「なになに、陽真。斎藤の彼氏面?急に仲良くなったんだな」
「面、じゃなくて本当に付き合ってんの」
「…は?」
瀬野は、俺と陽真を交互に見ながら、さらに目を丸くさせていた。
「待て待て。一昨日俺が告って、振られて、お前らが昨日付き合った...?何がなんでも早過ぎないか?情報量が多くて理解できない」
「別に理解しなくてもいいんじゃない?こいつらの問題だしさ」
誰だと思って後ろを振り向くと、委員会の仕事を終えた松川がいた。
そっか。昨日の部活の時に松川いたから知ってんのか。
松川の登場したことで、瀬野はより一層困惑し始めたようで。
「何?俺だけが知らなかった感じ?」
「まあそうなるよな」
陽真は当然だと言わんばかりの返事をした。
別に知っておいてほしいことでもないし、でもかといって隠したいわけじゃない。知られてしまったのならしょうがないって感じ。
「…あーもう、リア充爆発しろってまじで…」
今度は頭を抱え、唸るような声を上げていた。
「瀬野が通常運転でよかったわ」
松川のツッコミに激しく同意した。
対象が誰であれ、「リア充爆発しろ」は、瀬野の口癖といっても過言ではない。
というか、瀬野に彼女がいないことのほうが不思議だけど。モテるはずなのに。
「…てか次移動教室じゃね」
「あ、ほんとだ」
話し込んでいるうちに、既にチャイムが鳴っていたことも忘れていた。周りのクラスメイトは、大半の人はもう行ってしまったらしく、教室には俺らを含め数人しか残っていなかった。
俺は教科書の準備を終え、廊下に出た。
「斎藤」
「…何?」
一人で先を歩いていると、陽真に呼び止められた。
「手繋いで行こ~」
陽真は俺の隣まで来ると、教科書を持っていた手とは反対の手と陽真のそれとを絡ませた。
俺の手より暖かい感触が心地いい。
「はー、公衆の面前でまでイチャつくなっつーの…」
通常運転とはいえまだ慣れてないのか、瀬野はまたしても悔しそうな声を上げた。
―To be continued
「てか、お前全く俺の話聞いてねぇじゃん」
「…え?あ、ごめん」
我にかえってみると、目の前には飽きれたような表情を浮かべた瀬野がいた。あれ、どこかでもこんなことあったような。なんかデジャブ見てる気分。
それより、俺って今まで何してたっけ。なぜか、全然思い出せない。
「今日のお前、なんか変だけど。なんかあったん?」
「えっと…」
「俺の斎藤になんか用ー?」
いきなり後ろから腕が回された。その主は、顔を見なくても分かった。
瀬野は、驚きで一瞬目を丸くさせて俺らを見た。
「なになに、陽真。斎藤の彼氏面?急に仲良くなったんだな」
「面、じゃなくて本当に付き合ってんの」
「…は?」
瀬野は、俺と陽真を交互に見ながら、さらに目を丸くさせていた。
「待て待て。一昨日俺が告って、振られて、お前らが昨日付き合った...?何がなんでも早過ぎないか?情報量が多くて理解できない」
「別に理解しなくてもいいんじゃない?こいつらの問題だしさ」
誰だと思って後ろを振り向くと、委員会の仕事を終えた松川がいた。
そっか。昨日の部活の時に松川いたから知ってんのか。
松川の登場したことで、瀬野はより一層困惑し始めたようで。
「何?俺だけが知らなかった感じ?」
「まあそうなるよな」
陽真は当然だと言わんばかりの返事をした。
別に知っておいてほしいことでもないし、でもかといって隠したいわけじゃない。知られてしまったのならしょうがないって感じ。
「…あーもう、リア充爆発しろってまじで…」
今度は頭を抱え、唸るような声を上げていた。
「瀬野が通常運転でよかったわ」
松川のツッコミに激しく同意した。
対象が誰であれ、「リア充爆発しろ」は、瀬野の口癖といっても過言ではない。
というか、瀬野に彼女がいないことのほうが不思議だけど。モテるはずなのに。
「…てか次移動教室じゃね」
「あ、ほんとだ」
話し込んでいるうちに、既にチャイムが鳴っていたことも忘れていた。周りのクラスメイトは、大半の人はもう行ってしまったらしく、教室には俺らを含め数人しか残っていなかった。
俺は教科書の準備を終え、廊下に出た。
「斎藤」
「…何?」
一人で先を歩いていると、陽真に呼び止められた。
「手繋いで行こ~」
陽真は俺の隣まで来ると、教科書を持っていた手とは反対の手と陽真のそれとを絡ませた。
俺の手より暖かい感触が心地いい。
「はー、公衆の面前でまでイチャつくなっつーの…」
通常運転とはいえまだ慣れてないのか、瀬野はまたしても悔しそうな声を上げた。
―To be continued
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