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【中2編】第2章「努力」
二人で(陽真目線)
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キーンコーンカーンコーン。
チャイム鳴ったー、やっと帰…。あ、やべ。今から部活だったの完全に忘れてたわ。
「陽真、今日こそ部活行くよなー」
「こそってなんだよ。行くに決まってんじゃん」
部活用シューズと体操服を持った斎藤に声をかけられた。部活行けって何回言ってくるんだよ。てか、さっきチャイム鳴ったはずなのに。用意周到すぎる。まあ、俺だってちゃんと全部持ってきたし。あー、俺って偉。
「だって分かんないじゃん。すぐ「面倒くさいから行きたくない」って言うから。念押しに、と思って」
俺ってどんなやつなんだよ、とツッコミを入れたかったが、せっかく気遣ってくれたんだし、それを無駄にはしたくなかったから、言わないことにした。
俺らは、外にある更衣室で着替えた。着替え終わって体育館に移動しようとしているタイミングで、俺はふと思ったことを口にした。
「斎藤って好きな人いるん?」
「いるわけないよ。というか、いつまでも陽真の脳内って恋愛思考だよね。小学生の頃から変わってない」
いない。っていうことは、俺のこと好き説浮上してきたかも!?
「ねぇ、それって褒めてんの、けなしてんの?」
「陽真がそういう思考回路してるから、いつもの恋バナが楽しいんだろうなって。でも、どっちかといえば褒めてる、かな」
「俺にはけなしてるようにしか聞こえないんけど」
でも、斎藤が俺と話してる時が楽しいって思ってくれてるの、嬉しいな。今日の部活、すっごく頑張れそう。
「着替え終わったやつから集まれー」
部活顧問の先生の声だ。今日もいんのかよ、だる。
「まずは先生に挨拶に行けって」
斎藤に先生への挨拶を強要された。相変わらず真面目だな、こいつ。
「えー、いらないって。退部するわけじゃないんだからさ」
「いいから行って来い」
でもこれ以上斎藤に迷惑かけたくないし。俺はしぶしぶ先生のところへ行った。
「あの、森沢先生…」
「え、土谷!?お前が部活来るって地区大会ぶりだなー!」
そんな驚かなくてもいいのに…。と思いながら会話を続けた。
「先生、言うて1か月しかないじゃないですか。そんな変わんないですよ」
「1年生の時なんか、ほとんど長期連休中しか来てなかったぞ。でも、正直夏休みとかってお前の感じだとサボりそうなイメージだったんだが?」
先生にまで言われてしまうのって、なんか恥ずかしい。
「あー、強いていうとあれは現実逃避です」
「まあ、県大会には出ろよ、練習も忘れずに。斎藤だって努力してんだから」
「はい」
あれ、怒られなかった…?こんなにもサボってきたのに、「県大会出ろ」と「練習忘れずに」で終わるんだ。
…あと、先生って斎藤が努力してるって事、知ってたんだ。ま、あれだけ熱心だったら伝わらないほうがおかしいよなー。
今日はシュート練から始まった。
俺らはスリーポイントラインから練習している。
「ねえ、陽真ってスタメン入ってるよね?大会まであと2週間だけど、もう決まってると思う?」
「さあ、どうだろ。部活中でも仮試合しないといけないからなー」
それを聞いた斎藤はシュンとした表情になった。それはそう。いっつも頑張ってる斎藤を逆に入れない先生の思考がよく分からない。
「もし俺がスタメン入らんかったら、応援来ても良い?」
「それ俺に聞くこと…?いいよ、もはや来てくれたほうが嬉しい」
「そっか。それじゃあ、次の大会は二人で出たいなー。俺も頑張ろ」
え、今「二人で」って言った?それは不意打ちすぎだろっ…。
「あーそうだな。次は一緒に出よーな」
「うん!」
彼は俺の方を向き、ニコッと笑みを浮かべた。それと同時に、俺は彼の方を向いていたので不意に目があった。
あー、くっそ可愛い。早く俺のもんにならないかな。
家に帰っても「二人で」の意味に悩まされた。
チャイム鳴ったー、やっと帰…。あ、やべ。今から部活だったの完全に忘れてたわ。
「陽真、今日こそ部活行くよなー」
「こそってなんだよ。行くに決まってんじゃん」
部活用シューズと体操服を持った斎藤に声をかけられた。部活行けって何回言ってくるんだよ。てか、さっきチャイム鳴ったはずなのに。用意周到すぎる。まあ、俺だってちゃんと全部持ってきたし。あー、俺って偉。
「だって分かんないじゃん。すぐ「面倒くさいから行きたくない」って言うから。念押しに、と思って」
俺ってどんなやつなんだよ、とツッコミを入れたかったが、せっかく気遣ってくれたんだし、それを無駄にはしたくなかったから、言わないことにした。
俺らは、外にある更衣室で着替えた。着替え終わって体育館に移動しようとしているタイミングで、俺はふと思ったことを口にした。
「斎藤って好きな人いるん?」
「いるわけないよ。というか、いつまでも陽真の脳内って恋愛思考だよね。小学生の頃から変わってない」
いない。っていうことは、俺のこと好き説浮上してきたかも!?
「ねぇ、それって褒めてんの、けなしてんの?」
「陽真がそういう思考回路してるから、いつもの恋バナが楽しいんだろうなって。でも、どっちかといえば褒めてる、かな」
「俺にはけなしてるようにしか聞こえないんけど」
でも、斎藤が俺と話してる時が楽しいって思ってくれてるの、嬉しいな。今日の部活、すっごく頑張れそう。
「着替え終わったやつから集まれー」
部活顧問の先生の声だ。今日もいんのかよ、だる。
「まずは先生に挨拶に行けって」
斎藤に先生への挨拶を強要された。相変わらず真面目だな、こいつ。
「えー、いらないって。退部するわけじゃないんだからさ」
「いいから行って来い」
でもこれ以上斎藤に迷惑かけたくないし。俺はしぶしぶ先生のところへ行った。
「あの、森沢先生…」
「え、土谷!?お前が部活来るって地区大会ぶりだなー!」
そんな驚かなくてもいいのに…。と思いながら会話を続けた。
「先生、言うて1か月しかないじゃないですか。そんな変わんないですよ」
「1年生の時なんか、ほとんど長期連休中しか来てなかったぞ。でも、正直夏休みとかってお前の感じだとサボりそうなイメージだったんだが?」
先生にまで言われてしまうのって、なんか恥ずかしい。
「あー、強いていうとあれは現実逃避です」
「まあ、県大会には出ろよ、練習も忘れずに。斎藤だって努力してんだから」
「はい」
あれ、怒られなかった…?こんなにもサボってきたのに、「県大会出ろ」と「練習忘れずに」で終わるんだ。
…あと、先生って斎藤が努力してるって事、知ってたんだ。ま、あれだけ熱心だったら伝わらないほうがおかしいよなー。
今日はシュート練から始まった。
俺らはスリーポイントラインから練習している。
「ねえ、陽真ってスタメン入ってるよね?大会まであと2週間だけど、もう決まってると思う?」
「さあ、どうだろ。部活中でも仮試合しないといけないからなー」
それを聞いた斎藤はシュンとした表情になった。それはそう。いっつも頑張ってる斎藤を逆に入れない先生の思考がよく分からない。
「もし俺がスタメン入らんかったら、応援来ても良い?」
「それ俺に聞くこと…?いいよ、もはや来てくれたほうが嬉しい」
「そっか。それじゃあ、次の大会は二人で出たいなー。俺も頑張ろ」
え、今「二人で」って言った?それは不意打ちすぎだろっ…。
「あーそうだな。次は一緒に出よーな」
「うん!」
彼は俺の方を向き、ニコッと笑みを浮かべた。それと同時に、俺は彼の方を向いていたので不意に目があった。
あー、くっそ可愛い。早く俺のもんにならないかな。
家に帰っても「二人で」の意味に悩まされた。
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