もう「友達」なんかじゃいられない。

らぉん

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【中2編】第1章「友達以上恋人未満…?」

部活(亜紀目線)

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 帰りの会も終わり、部活の時間がやってきた。俺は外にある更衣室で着替えてから体育館へ向かった。
「今日の活動内容は、1年生は走り込み、2年生はシュート練、3年生はドリブル練から。準備出来たやつから各自
 始めろー」
今日はシュート練からかー。俺正直に言うと苦手なんだよな。
てか、今日2年で部活来てるの5人!?本来20人くらいいなかったっけ?皆なにが何でもサボりすぎでしょ…。
あれ、松川は来てるんだ、偉いなー。今日のメンバーで友達いないから一緒に練習しよっかな。
「松川ー、今日一緒にシュート練しよ」
「おー!いいよ、やろやろ」
松川って勉強に専念したいはずなのに、部活来れるんだ。「文武両道」っていうんだっけ、こういうの。
今日の朝にあった事を、同じクラスで陽真や俺の友達である松川にも話してみることにした。
「ねぇ、聞いてよ。朝、陽真が部活サボるって言い出して…」
「あー、本人からも聞いたわ、それ。ほんと、あいつ何やってるんだか」
「しかもよ?朝に「大会前だし面倒くさいから行かない、って部長と顧問に伝えといて」だってよ。俺のことパシリに使うんだから。松川も気をつけてね?」
「え、あー、うん。でもあいつ、あんなやつだったか?去年はもっと真面目だったくね」
「それは俺でも分かるけど。」
パサッ。相変わらずシュートも上手いな。あの陽真でさえも危機感を抱くほどだ。
自分なんか10回投げて3回くらいしか入らない。正直、よくこんなんで2回もスタメン入りできたな、という感じだ。陽真や松川のような170cmくらいの身長がほしい。バスケ部の2年生で俺だけ唯一160cm台なのだ。

「あーあ、身長伸ばしてぇー。全然上達しないし」
「今頃なんだよ~。斎藤は身長低いほうが可愛いよ」
「…は?」
なんだこいつ、陽真の化身…?チャラすぎだろ。こんなキャラだったっけ?
「可愛いって、それはどういう…」
「ん?好きって意味、かな?」
無意識にシュートを入れる手が止まった。まさかのBL展開!?あの夢って、このことだったのか?でもあれは陽真とで…。
「どういう関係の「好き」って意味なん」
「恋愛の方、って言ったら斎藤断ると思うから、親友からで良いよ」
良い、とかいう問題じゃないと思うんだけどな。というか、男に恋愛の方で好かれても、結局困るのはこっち側なんだよな。
「付き合う前提なら断るに決まってるじゃん。…あ、ごめん。無神経なこと言った。」
「あー、全然大丈夫よ。俺変なこと言ったよね。こっちこそごめん」
あれ、俺松川の事傷つけちゃったかな?どうしよ、もう友達じゃいなくなっちゃうの…?
「あの、松川…」
「そろそろ体育館の中にいるやつ、片付けと着替え始めろー」
顧問の声が体育館中に響いた。それを聞いた松川はボールを片付け、足早に体育館の中の更衣室に姿を消した。
明日、ちゃんと謝らなきゃ。というか、振った側が謝るのはおかしい…?

 通学路でも、家に帰っても、この「モヤモヤ」は消えなかった。


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