もう「友達」なんかじゃいられない。

らぉん

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【中2編】第1章「友達以上恋人未満…?」

亜紀への思い(陽真目線)

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 俺と斎藤が出会ったのは小学校1年生の時だった。
初めて話しかけた時、とても話しやすくて気が合いそうだと思ったのと同時に、強い憧れを持った。なぜなら、斎藤が授業中での自己紹介の時に「習い事でバスケしてます」って言っていて、当時バスケってかっこいいなと思っていた時代だったからだ。俺はそれに影響されバスケを習い始めた。すると段々と上達していくのが楽しくて、「あいつのおかげで今の自分がいる」と思っている。だからあいつは、俺にとっては特別な存在だと感じている。

 それと、俺が斎藤に恋心を抱き始めたのはつい最近の6月だ。あれから3ヶ月経った今でもこの気持ちは変わらない。好きになったきっかけとしては「憧れ」と、実はもう一つあった。それは、「一途なところ」。6月に行われた地区大会で、斎藤は2回目のスタメン入りを果たし自主練に励んでいたが、急にシュートが入らなくなり始めた。もしかすると、今まで無理をしてまで結果を出したい一心で頑張って来たのかな、と思い声をかけた。
「無理するくらいなら一旦休んだら?」
「今休んだら実力不足で試合で活躍できなくなるから」
知らなかった。バスケが好きだと言っていたが、こんなにも熱心に取り組む人だったんだ、と。じゃあ、俺は今までどれほど軽率な気持ちでバスケと関わってきたのか。ただ友達が習っててそれに憧れて、少しやっただけなのに結果に満足して。なんか、斎藤が真面目過ぎて自分のほうが実力不足かもしれない。

昼休憩になった。
読書をしながらふと教室を見渡すと、珍しく斎藤と瀬野が話していた。気になったので、視線だけは本に戻し、聞き耳を立てることにした。
「最近陽真が部活サボってるから困ってて」
「そうなんだ。サボりたい気持ちは分かる」
うっ、朝話してたことが瀬野にチクられるとは。というか別に他の人に言うことじゃなくね?何の得にもなんねぇし。
「そういえばさ、斎藤に一つ聞きたいことがあって。陽真との関係性は?」
「関係性…?」
「〇〇以上〇〇未満、みたいな感じで」
「それなら、友達以上恋人未満、かな」
えっ、俺の話?しかも斎藤と俺の関係性!?なんだろ、親友?いや、それほど仲いいわけじゃないし。やっぱり友達以上恋人未満が妥当かな。ん、でも待てよ、「友達以上」ってことは親友説もありなんじゃ…。いやいや、言葉の綾かもしれないし?はあ、何で「友達」との関係性のことに、こんなにも悩むんだろ。

それより、何であんまり接点のない二人が話してたんだろ。恋愛相談か何か?っていうことは瀬野の好きな人って、斎藤だったりして…?俺が斎藤と絡むのが気に食わなかったのか?いやでもBLになっちゃうし、それはないか。
もしそうだったら、すっげー嫌だわ…。




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