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marble 12
しおりを挟む⭐︎side-he⭐︎
「大丈夫か?」
俺の胸に顔を埋め肩で息をしている彼女の姿に、さっきまでとは違う意味で不安を覚えた
かなり熱めの湯の中で、これ以上体温を上げるような行為を続ければのぼせてしまう
「そろそろ上がろう。続きは部屋で、な」
細い両腕をしっかりと掴んで立ち上がるよう促すと
「あっ、あんまり見ないで」
ぼんやりとした照明と湯気の中で真っ白な裸体が露わになりあらためてその美しさに目眩がしてくる
逆も然りで
今夜はまだ達していない俺自身も、彼女の視線に晒されてしまうことになり
「ね、ちょっと待って」
湯船から出たところでおもむろに跪いた彼女に、張り詰めた欲望を柔らかい手でそっと包まれ
「…くっ!」
温かく濡れた口内に先端を飲み込まれた瞬間、堪えきれずに声を漏らしてしまい慌てて唇を噛み締める
頭上で纏められていた長い黒髪を乱暴に解き指先で梳いてやりながら、伏せられたまつ毛の下で妖しく動く唇を見つめているだけで
「よせ、もういい」
喉の奥に欲情を迸らせてしまいそうになるのを必死に堪え、ゆっくり彼女の唇から張り詰めたものを引き抜いた
「やっぱり、気持ち良くない?」
再び泣き出しそうな顔で見上げられ、頭を抱えてため息をつく
「気持ちいいからやめろって言ってるんだ」
「どうして?」
「どうしてって…」
今まで一度も口の中に出したことなんてなかったし、これからもするつもりはなかった
そして
「一緒にイキたいからに決まってるだろ」
※次回に続きます
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