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第2話 異世界に来てみたら… 8
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「ええと…、鳥とか川魚がいいかな…」
「わかった。じゃあオレ、狩りに出かけるわ!」
「よろしくね、ムスタ」
ムスタはこぶしを突き上げて、
「まかしとけよ!」
と、意気揚々と部屋を出ていった。
「それではわたくしは、書物と…お茶などご用意してまります」
「うん、ありがとう」
「お部屋の中をご覧になっていただいて結構ですし、ベッドやソファなどでご随意におくつろぎください」
「そうする」
ヴィオラが出ていったのを見計らい、とりあえず永遠はベッドへと横になった。
身長173センチの永遠が横になって両手足を投げ出してもまったくはみ出さない、キングサイズ並みにおおきなベッド。
寝心地はとても良い。
「なんかとんでもない所に飛ばされてきちゃったなあ…。はぁ」
ため息をつき、大きく身体を伸ばす。
「そういえばこの世界ではステータス画面とか見えないのかな」
目の前に透明のスクリーンのようなものが現れたりしないものかと念じてはみたものの、何も出てきたりはしなかった。
「ダメかぁ」
指で丸や四角を作りその中をのぞいてみて何か起こらないかときょろきょろしてみたり、望遠鏡の様に片目に手を当ててのぞいてみたり、手をたたいてみたり、脚を鳴らしてみたり、今までアニメや小説で見たことを一通りやってみたりしてみる。
何も起こらなかった。
「くそ、なんも起こらない! ポーズとかとっちゃったじゃん、恥ずかしい!!」
永遠は理不尽に叫んで、うつ伏せに転がってバタバタと両手足を動かす。
「あっ、あの時の神様とやり取りとかできないのかな…」
頭の中で、「神様、神様」と呼び掛けてみる。
返事はなかった。
「ダメかぁ…」
今度は、部屋の中を歩き回る。
引き出しという引き出しを開け、扉という扉を開けて回った。
引き出しには紙とペンが入っていたし、扉の向こうはクローゼットと、シャワールームとトイレだった。
「さっき風呂案内されたんだけどな…、風呂行くの面倒な時はここ使えってことか…?」
クローゼットの中の服は、元居た世界の服とは少し違う。
しかし、触った感じの素材は綿のような感触だった。
今着ている服も、えりの無いシャツの丈を長くしてあるような感じで、ズボンもゆるっとした綿のズボンだ。
「ファンタジーっぽい、んだよな。うん」
ごろごろ転がっていると、扉がノックされた。
「はい」
「トワ様、ヴィオラでございます」
本とお茶をワゴンに乗せたヴィオラがやってきた。
「あと2時間ほどで夕食になります。お茶のお供は軽いものにしておきましたので」
「ありがとう、ヴィオラ」
「青い表紙の本が、わが国に関する歴史をまとめたものです。緑の表紙の本は、わが国に住んでいる住人の種族について書いてあります」
「なるほど。じゃあ、少しここで読んでるね」
「では、夕食前にもう一度、お声掛けに参りますので」
「ありがとう」
永遠はソファに座って、歴史書の方をひらいた。
「わかった。じゃあオレ、狩りに出かけるわ!」
「よろしくね、ムスタ」
ムスタはこぶしを突き上げて、
「まかしとけよ!」
と、意気揚々と部屋を出ていった。
「それではわたくしは、書物と…お茶などご用意してまります」
「うん、ありがとう」
「お部屋の中をご覧になっていただいて結構ですし、ベッドやソファなどでご随意におくつろぎください」
「そうする」
ヴィオラが出ていったのを見計らい、とりあえず永遠はベッドへと横になった。
身長173センチの永遠が横になって両手足を投げ出してもまったくはみ出さない、キングサイズ並みにおおきなベッド。
寝心地はとても良い。
「なんかとんでもない所に飛ばされてきちゃったなあ…。はぁ」
ため息をつき、大きく身体を伸ばす。
「そういえばこの世界ではステータス画面とか見えないのかな」
目の前に透明のスクリーンのようなものが現れたりしないものかと念じてはみたものの、何も出てきたりはしなかった。
「ダメかぁ」
指で丸や四角を作りその中をのぞいてみて何か起こらないかときょろきょろしてみたり、望遠鏡の様に片目に手を当ててのぞいてみたり、手をたたいてみたり、脚を鳴らしてみたり、今までアニメや小説で見たことを一通りやってみたりしてみる。
何も起こらなかった。
「くそ、なんも起こらない! ポーズとかとっちゃったじゃん、恥ずかしい!!」
永遠は理不尽に叫んで、うつ伏せに転がってバタバタと両手足を動かす。
「あっ、あの時の神様とやり取りとかできないのかな…」
頭の中で、「神様、神様」と呼び掛けてみる。
返事はなかった。
「ダメかぁ…」
今度は、部屋の中を歩き回る。
引き出しという引き出しを開け、扉という扉を開けて回った。
引き出しには紙とペンが入っていたし、扉の向こうはクローゼットと、シャワールームとトイレだった。
「さっき風呂案内されたんだけどな…、風呂行くの面倒な時はここ使えってことか…?」
クローゼットの中の服は、元居た世界の服とは少し違う。
しかし、触った感じの素材は綿のような感触だった。
今着ている服も、えりの無いシャツの丈を長くしてあるような感じで、ズボンもゆるっとした綿のズボンだ。
「ファンタジーっぽい、んだよな。うん」
ごろごろ転がっていると、扉がノックされた。
「はい」
「トワ様、ヴィオラでございます」
本とお茶をワゴンに乗せたヴィオラがやってきた。
「あと2時間ほどで夕食になります。お茶のお供は軽いものにしておきましたので」
「ありがとう、ヴィオラ」
「青い表紙の本が、わが国に関する歴史をまとめたものです。緑の表紙の本は、わが国に住んでいる住人の種族について書いてあります」
「なるほど。じゃあ、少しここで読んでるね」
「では、夕食前にもう一度、お声掛けに参りますので」
「ありがとう」
永遠はソファに座って、歴史書の方をひらいた。
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