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第2話 異世界に来てみたら… 3
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永遠が驚いたのと同じでその場にいたヴィオラと狼男と蛇女も驚いていた。
その様子に永遠が首をかしげると、イグニスが蛇女の方へ顔を向けた。
「ヴェリデ、説明を」
「はい、王様♡」
ヴェリデと呼ばれた蛇女はうっとりとイグニスへ返事をすると、くるりと永遠の方へ顔を向ける。
それは無といっていいほどの表情だった。
「これは魔力の保有率によって色が変わるカエルなのです」
「色の…見え方?」
「カエルの色の見え方は6通り。魔力を持たない者には黄色、魔力の貯蓄量が1ランクには緑、2ランクには青、3ランクには黒、4ランクには赤、5ランクには白、そして、ランク5以上の貯蔵量をお持ちの我が王の御前にあらわれるカエルは、金色だと我が王は仰せられる」
忌々しい、という表情を隠しもせず、ヴェリデは言う。
「あたくしは魔術師なのでランクは4。ヴィオラは3、そこのオオカミは2だ。さらにこの国で、最高ランクの魔力をお持ちたる我が王をもってして、金」
ヴェリデはまたイグニスの方を向く。
「我が王、この者の貯蔵量は底が知れません」
イグニスは「ふむ」と唸った。
「カエルが青白く光った、と言ったな、異世界の者よ?」
「は、はい」
「我らの国の伝承にあるのだ。『幸運を引き寄せるカエルは光り輝く』と」
「…なる、ほど?」
「我をもってして金だ。最低でも我と同等でなければ意味をなさぬから、相応の者を召喚しろと申し付けたが…、なんと…青白く輝いたか」
イグニスは立ち上がり、そして永遠の前まで歩み寄ってくる。
「異世界の人間よ。名はなんという」
「…湧谷、永遠…、です」
「耳慣れぬ音だ。トワで良いか?」
「は、はい」
手を差し出される。
違和感なくあまりにも堂々と差し伸べられたので、思わずその手を、取ってしまった。
「契約をしよう。我らの勝利のため、トワの力が、魔力が必要だ。我らの元へ召喚されてきてくれたことを、大変喜ばしく思う。よろしく頼むぞ」
それはつまり。
「…おれは、貴方たちに協力しないと、自分の世界に帰れないということ…ですか?」
イグニスは、笑った。
唇の端を釣り上げ、いかにも悪魔が浮かべそうだというイメージの通りの笑顔で。
「そうだ。お前が召喚されたときに感じた強烈な魔力で、我は戦況をひっくり返せると確信した」
ぎゅうっと握られた手に力が籠められる。
「そばにいてもあれだけの魔力を得られていたのに、手に触れたらそれ以上に流れ込んでくる…」
「おれ、なにもしてないです…っ」
「貯蔵量の少ない魔の者たちはひとたまりもなく気を失うほどの強力な魔力だ」
ヴィオラ、ヴェリデに続き、狼男も頷いていた。
「トワ、我々を勝利へ導いてくれ。そうしたら、元の世界へ帰れるはずだ」
握りしめた手をどうすることもできず、永遠には頷くよりほかに無かった。
「…異世界転生って、普通、勇者になるもんじゃないの…?」
永遠はうなだれてつぶやいた。
その様子に永遠が首をかしげると、イグニスが蛇女の方へ顔を向けた。
「ヴェリデ、説明を」
「はい、王様♡」
ヴェリデと呼ばれた蛇女はうっとりとイグニスへ返事をすると、くるりと永遠の方へ顔を向ける。
それは無といっていいほどの表情だった。
「これは魔力の保有率によって色が変わるカエルなのです」
「色の…見え方?」
「カエルの色の見え方は6通り。魔力を持たない者には黄色、魔力の貯蓄量が1ランクには緑、2ランクには青、3ランクには黒、4ランクには赤、5ランクには白、そして、ランク5以上の貯蔵量をお持ちの我が王の御前にあらわれるカエルは、金色だと我が王は仰せられる」
忌々しい、という表情を隠しもせず、ヴェリデは言う。
「あたくしは魔術師なのでランクは4。ヴィオラは3、そこのオオカミは2だ。さらにこの国で、最高ランクの魔力をお持ちたる我が王をもってして、金」
ヴェリデはまたイグニスの方を向く。
「我が王、この者の貯蔵量は底が知れません」
イグニスは「ふむ」と唸った。
「カエルが青白く光った、と言ったな、異世界の者よ?」
「は、はい」
「我らの国の伝承にあるのだ。『幸運を引き寄せるカエルは光り輝く』と」
「…なる、ほど?」
「我をもってして金だ。最低でも我と同等でなければ意味をなさぬから、相応の者を召喚しろと申し付けたが…、なんと…青白く輝いたか」
イグニスは立ち上がり、そして永遠の前まで歩み寄ってくる。
「異世界の人間よ。名はなんという」
「…湧谷、永遠…、です」
「耳慣れぬ音だ。トワで良いか?」
「は、はい」
手を差し出される。
違和感なくあまりにも堂々と差し伸べられたので、思わずその手を、取ってしまった。
「契約をしよう。我らの勝利のため、トワの力が、魔力が必要だ。我らの元へ召喚されてきてくれたことを、大変喜ばしく思う。よろしく頼むぞ」
それはつまり。
「…おれは、貴方たちに協力しないと、自分の世界に帰れないということ…ですか?」
イグニスは、笑った。
唇の端を釣り上げ、いかにも悪魔が浮かべそうだというイメージの通りの笑顔で。
「そうだ。お前が召喚されたときに感じた強烈な魔力で、我は戦況をひっくり返せると確信した」
ぎゅうっと握られた手に力が籠められる。
「そばにいてもあれだけの魔力を得られていたのに、手に触れたらそれ以上に流れ込んでくる…」
「おれ、なにもしてないです…っ」
「貯蔵量の少ない魔の者たちはひとたまりもなく気を失うほどの強力な魔力だ」
ヴィオラ、ヴェリデに続き、狼男も頷いていた。
「トワ、我々を勝利へ導いてくれ。そうしたら、元の世界へ帰れるはずだ」
握りしめた手をどうすることもできず、永遠には頷くよりほかに無かった。
「…異世界転生って、普通、勇者になるもんじゃないの…?」
永遠はうなだれてつぶやいた。
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