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第2話 異世界に来てみたら… 2
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「あのっ」
うわずった声が上がる。永遠の様子を見て、魔王であると名乗ったイグニスは肩眉を上げた。
「なんだ?」
なんだかわけのわからないまま、恐怖にさらされる。
怖い、恐いと思っていても始まらないのも分かっている。
「おれは、どうしてここへ呼ばれたんですか」
理由くらい、聞かせてくれてもいいだろう。
永遠はそう思って、聞いてみる。
イグニスはヤギ頭の男に視線を向ける。
そして再び玉座へ戻っていった。
「イグニス様に代わって、わたくしがお答えいたしましょう。わたくしの名はヴィオラ・ヴァイオラ。イグニス王に仕える執事です。ヴィオラとお呼びください」
そういって、ヤギ頭のヴィオラは頭を下げた。
「あの、ヴィオラさん、おれはどうしてここへ呼ばれたんでしょう」
「簡潔に申し上げますと、我々の国へ侵略をしてくる者がおりまして…。戦況が傾いてきたので、援軍のために召喚ばせていただきました」
「侵略…」
「ええ。まあ…、わたくしどもも生きるため、必要なこととしていろいろとアレですが。領地を広げ、我々の角や牙を求めて、侵略をしてくるのです、人間が」
永遠は、人間が攻めてきていると聞いて、ぎゅっと眉を寄せた。
「あの…それで…、おれは、いったい何をしたら…」
ヴィオラはゴホンと咳ばらいを一つした。
「貴方様には、魔力の供給源となっていただきたい」
「え?」
「イグニス様を始め、我々『魔』の者は、魔力と言われる力を使い、ありとあらゆる事を行います。戦いもしかりです。ただ、戦況が傾き、我々の魔力は枯渇しかかっているのです」
「魔力がなくなると…どうなるんですか?」
「我々は息絶えるでしょう」
「えっ」
ヴィオラは、イグニス王の方を見る。
イグニスは頷いた。
「我々は、魔力のある魔物や魔石、魔力を持つ人間から魔力を吸うことが出来ます。ですが、魔力を自力で回復する術はありません」
「じゃあ…、大変じゃないですか」
「そうなのです。そこで、異世界から魔力の強い者を召喚し、力になっていただこうと思ったのです」
「それで、なんでおれなんですか」
「貴方様は、ここへ召喚ばれる前にカエルを見ませんでしたか?」
トラックに引かれるときに見ていた、あのカエル。
そういえば、どうなったのかと心配していたのを思い出す。
「覚えてます、カエル! あのカエルは…」
ヴィオラが指示した先、玉座の後から小型犬サイズのカエルが跳び出してくる。
「あっ、カエル! あれ? あの時は青白く光ってるように見えてたのに…」
永遠が思わずつぶやくと、イグニスが立ち上がり、
「光っていた、だと!?」
迫力のある声を荒らげるものだから、永遠はその場で飛び上がるように驚いた。
うわずった声が上がる。永遠の様子を見て、魔王であると名乗ったイグニスは肩眉を上げた。
「なんだ?」
なんだかわけのわからないまま、恐怖にさらされる。
怖い、恐いと思っていても始まらないのも分かっている。
「おれは、どうしてここへ呼ばれたんですか」
理由くらい、聞かせてくれてもいいだろう。
永遠はそう思って、聞いてみる。
イグニスはヤギ頭の男に視線を向ける。
そして再び玉座へ戻っていった。
「イグニス様に代わって、わたくしがお答えいたしましょう。わたくしの名はヴィオラ・ヴァイオラ。イグニス王に仕える執事です。ヴィオラとお呼びください」
そういって、ヤギ頭のヴィオラは頭を下げた。
「あの、ヴィオラさん、おれはどうしてここへ呼ばれたんでしょう」
「簡潔に申し上げますと、我々の国へ侵略をしてくる者がおりまして…。戦況が傾いてきたので、援軍のために召喚ばせていただきました」
「侵略…」
「ええ。まあ…、わたくしどもも生きるため、必要なこととしていろいろとアレですが。領地を広げ、我々の角や牙を求めて、侵略をしてくるのです、人間が」
永遠は、人間が攻めてきていると聞いて、ぎゅっと眉を寄せた。
「あの…それで…、おれは、いったい何をしたら…」
ヴィオラはゴホンと咳ばらいを一つした。
「貴方様には、魔力の供給源となっていただきたい」
「え?」
「イグニス様を始め、我々『魔』の者は、魔力と言われる力を使い、ありとあらゆる事を行います。戦いもしかりです。ただ、戦況が傾き、我々の魔力は枯渇しかかっているのです」
「魔力がなくなると…どうなるんですか?」
「我々は息絶えるでしょう」
「えっ」
ヴィオラは、イグニス王の方を見る。
イグニスは頷いた。
「我々は、魔力のある魔物や魔石、魔力を持つ人間から魔力を吸うことが出来ます。ですが、魔力を自力で回復する術はありません」
「じゃあ…、大変じゃないですか」
「そうなのです。そこで、異世界から魔力の強い者を召喚し、力になっていただこうと思ったのです」
「それで、なんでおれなんですか」
「貴方様は、ここへ召喚ばれる前にカエルを見ませんでしたか?」
トラックに引かれるときに見ていた、あのカエル。
そういえば、どうなったのかと心配していたのを思い出す。
「覚えてます、カエル! あのカエルは…」
ヴィオラが指示した先、玉座の後から小型犬サイズのカエルが跳び出してくる。
「あっ、カエル! あれ? あの時は青白く光ってるように見えてたのに…」
永遠が思わずつぶやくと、イグニスが立ち上がり、
「光っていた、だと!?」
迫力のある声を荒らげるものだから、永遠はその場で飛び上がるように驚いた。
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