なにわ友あれダンジョン番外編「東大院卒医師のパチプロ」廃業に導かれる顛末……始まります。

プロローグ クズ人生の始まり

　平成バブル不況が始まりだ。少子高齢も抜本的な要因だろう。
結婚できない若者に激減する子供。高齢者は病院が死なせない。

　地元の小学校では天才児と呼ばれた……最高レベルの偏差値。
中学受験で苦もなく潜りぬけた。全寮制の六年間は長すぎたが。


　束縛されない――気ままな寮ぐらし。見事にオレは堕落した。

　初めての同室者。人生の先輩が『主』だった。もちろん裏だ。
公然とした状況のバクチ……ギャンブル。空室は賭場で戦地だ。

　たまの外出も新開地直行で連れまわされた。魅惑的な裏世界。
校内は序列が正義で対外的支配と生存性だ。力がすべてだった。

　高校時代は圧倒的なカリスマ性。周囲に誇示した生徒会長だ。
横暴な官僚の父に逆らいたかった。期せずして同じ進路になる。


　首都山手で赤門が有名な最難関大学。旧帝制大学に入学する。

　設立当時からの医学部研究科。大学院も四年制課程に進んだ。
機能生物学を専攻。博士課程論文が認められて無事に修了した。

　それでも断言できるさ。人間的にクズ極まりない存在なんだ。
人は外見じゃない。もちろん資格。年間収入がすべてでもない。

　なにを考えなにが為せたのか。その結果で人間を形作るんだ。
鉄門に所属しない。臨床未経験。紙切れになった医師の免状だ。


「東大院卒。医師免許もち。パチプロ」それがリアルさ。笑え。