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第二章「子爵領任され先が見えない」モブなオレ。

プロローグ「すべてが成り行き任せだ」為せば成る。

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「アリー王女。ミーアちゃん。シンシア。こんな辺境にマジで居残りするの?」
 どこかが疑いのまなざしにもなるよね。それも当前で居座る理由がないんだ。

 結局のところ自分のことがわからない。目覚めるといきなり……異世界転生。
なにも理解できない状況で始まったんだ。スマホや電気がないし自動車もない。


 移動する際はもちろん貴族でも馬車だ。王都は街だけど辺境は森林の田舎道。

 お約束みたいな下水道とトイレはある。魔法の運用なんだろう。魔道具かな。
オタクがイメージするゲームの世界観だ。時代考証や歴史観。文化も関係ない。

 生活魔法に近い概念で確立されている。ランプがともる世界なら夜も明るい。
初めから終わりまでお約束になる世界線。もちろんありがたみしか感じないよ。

 おおきな浴槽のあるお風呂もうれしい。いい香りのする石鹸や化粧品もある。
知識チートを抑制するための技術力かな。もちろんおバカな妄想でありえない。


 なろうテンプレ的な流行じゃないんだ。貴族が断罪される場面は始まらない。
いきなり魔物に襲われる展開よりもいい。神さまチートはマジに欲しかったな。

 誰も屋敷にいない理由に驚かされたよ。親に言葉どおり見捨てられたらしい。
もちろんモブ長男に対する虐待じゃない。現実の理由は国王陛下による指示だ。

 バカ三人の所業は界隈でも有名だった。炭鉱の奴隷でしつけ直しされるかな。
すくなくとも数年間はシャバに戻れない。やはり実家の悪事が発覚したらしい。

 隣国の王妃も返還されたと聴いている。侯爵と公爵は家名権をはく奪された。
領地のない男爵。子爵相応に降格される。すくない私財で生涯飼い殺し生活だ。


「さぁ皆さん。お手を拝借! パパんがぱんダァレが殺した♪」そうじゃねぇ。
 この先まで進めたらヤバすぎる。そもそもこの異世界。Gアイツはいるのか?

 アイツは一匹見つけると五十倍に増殖。そこから終わらない闘いのハジマり。

 これがフラグになったらマジ笑えない。どこからでも出現するヤツは無敵だ。
「あの男に連絡だっ!」依頼したくなる。もちろんスナイパーは役に立たない。



「もちろんこの子爵領。差配の手伝いよ。ご両親は陛下の勅命で他国に視察ね」
 微笑みの美女は第三王女アリーさまだ。三人は王命を受けて子爵家に滞在中。

 もちろん現時点の同衾など許されない。正式な子爵継承と武勲が必要になる。
目立ちたくもないからそんなの関係ねぇ。フラグ立つから勘弁してくださいね。

 そもそも十代早々で結婚したくもない。武勲を立てる状況になるのもヤバい。


 エンデ老が世界を救うネタ振ったよね。平々凡々でなにもない毎日がいいよ。
ほんとにホントなんでこうなったのかな。親と周囲が迅速すぎて理解できない。

 見えない誰かの手のひらで踊るピエロ。そんなこと意識するだけでもヤバい。

 長男に全権委託が常識的にありえない。不在のオヤジは外務相に任命された。
エンデ老とレイラさんも暗躍したっぽい。ほくそ笑んだ国王陛下の勅任になる。

 世界中にあるダンジョン崩壊の調査だ。名高いA級の冒険者はダテじゃない。
魔法学校通いの弟妹は召使と王都の滞在。なぜか子爵家に家令と侍女が現れた。

 それにプラスが護衛を名目で軍事派遣。近衛兵一個大隊まで辺境に着任した。


 どんどんお気楽転生から遠ざかる日々。外堀から埋められて身動きできない。
もちろん貴族なら複数妻帯できる世界だ。先になるけど三人娘と結婚も見える。

 前世同様の価値観だから理解できない。そもそも嫌がらない彼女たちも変だ。
どんな背景を親や周囲に吹きこまれたか。モブ長男に見合わない美少女なんだ。


「世界の中心で愛を叫んだの誰だっけ?」気まぐれのおもらしに即応されたよ。
「おにーちゃん聴きたいなら愛を叫ぶよ」この異世界。どこが中心なんだろう。

 前世のエアーズロックは神聖なウルル。南半球にあり大地のへそと呼ばれた。
ここは辺境の子爵領で森林に魔物がいる。ダンジョンが存在する危険な領地だ。

 おかしなフラグを立てたらヤバすぎる。ハーレムじゃない一途な未来がいい。
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