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第三章 世界の果てと見えない未来図。

第四十九話(最終話) 世界の夜明けと共に(10)

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「ケーちゃんさぁ! なんで下向いてんよ。指ひらいてこめかみ
おさえるてるの変でしょ。なんつった? ロザンの考えるヒト」

 こっちがぼうっとして考える姿。気になる永依がツッコんだ。

 だがしかし瞬時に気がついたおかしさ。ロザンじゃねぇから。
のりツッコみかな。するべきじゃないのか。ロザンは彫刻家……

 そんなはずもない。オーギュスト・ロダンが近代彫刻の父だ。

「エーちゃんさ。ずっと考え事してたよ。それも悪いんだけど。
でもロザンちげぇから。お笑い芸人じゃん。ロダンの考える人」

 カウンター席。右の拳を上下に振りかざすと視線が集まった。


「えぇっ。クイズの神様うじ……そっかぁ。ロザン吉本じゃん」

「アッハッハ」おバカ笑いの永依だ。いつものことで仕方ない。
 そんなことよりなんだっけ? モニタに視線を戻すと閣下だ。

『いまはいえねぇな』質疑応答だけどマジメな表情なんだよね。
妙にニヒルな口調だ。どこかの国が派遣した白人記者に応じた。

 ダンジョンの創造者は神なのか。現時点で考える必要もない。
進化させられたウサギ獣人ココ。求められた役割なんか無視だ。

 ダンジョン創造者が使う力は超絶した科学か。または魔法かも
判断できない。エレベータ瞬間創造と脳内音声を送受信できた。


 そんな圧倒的で得体のしれない存在。まずは近くで調査する。

 それが世界で同時の攻略を進めることだ。検証も可能になる。

 停滞した世界だ。変化するきっかけが始まりのダンジョン……
明確な判断は善悪じゃない。世界に根づいた未来を迎えること。

 逆の意味なら人類が変化できない。そんな状況の問題だった。
これも相乗効果だろう……閣下の説明。新三国同盟を締結した。

 かつては敗戦になった三国同盟。イタリアとドイツに日本だ。
第二次世界大戦の枢軸になる原型。強大国に対する軍事同盟だ。


 ダンジョンの創造者も認めた。義兄弟の契りは交わした約束。

 ダンジョンから外部まで介入した。人類の命運を賭けた願い。
即応されたことが正しいかも関係ない。魂と願いの共鳴なんだ。

 そういえばと過去を振り返る。永依とココによる前の闘いだ。
同様の意味なんだろう。まっすぐな永依だから悪意もなかった。

 厳密に独自ルール解釈は順守した。間隙をついた勝利だけど。
きっとそうだ。願いの内容とその強さだ。それがすべてになる。

 ダンジョンが求める何か。なんとなくだけど理解できたかな。

 あながち完全に間違っているわけでもない。当面十分だよね。


 一人では何もできない……かなり前の総理大臣が過去に発言。
さほど褒められた考えでもない。苦笑しながら密かに決意する。

 言葉の引用元は著名な戦国大名。『三子教訓状』なんだよね。
兄弟や一族の内紛を退ける教えだ。下剋上的な思考を阻止した。

 新三国同盟から始まる新たな世界。それなりに争いも変わる。
昔から地球は限られた資源。それを奪いあうだけの人類だった。

 そこで新しく誕生するダンジョンだ。現時点で唯一無二になる
スキルも授かった。だがしかし有効に働くか検証もこれからだ。

 ダンジョンの攻略を進めると見えるものがある。また検証だ。


 しばらくは動静を見守る状況も仕方がない。自分勝手な判断は
問題が発生する。これから三本の矢でダンジョン攻略を進める。

 ゆっくり一歩ずつの前進だ。そこから新たな世界を構築する。

 もしかして三人だけでなく各所。ひとが集まる可能性もある。
もし可能ならハーレムと呼ばせないために……男性メンバーだ。

 加入してもらえれば……想像だけでも大問題。頭痛がひどい。


「ねぇねぇケーちゃん。ジーちゃんオッケーしたらダンジョン。
またいける?」永依のおねだり。いつもの状況にココが追随だ。

「ほんとに許されるならダンジョン。またいけるなら嬉しいな」

 改めてダンジョンが発生した揺れ。1月23日の日没だった。
何もしらないままの勢いだけだ。靭公園の入口に到着したんだ。

 ココと逢うまでは永依が勝手にライバル視。うらやんだよね。
雑魚のモンスターが出現する。それを倒しながら奥まで進んだ。

 ドン突きの部屋に誘われた。ココが眠るだけで階層主は不在。
階層主を改めて討伐する。そこで新たな階層に進めるといいな。


 始まりのダンジョン。それを攻略すれば新たな謎も生まれる。
その位置から見える何か。思考を巡らせ改めての検証が始まる。

 もちろん世界はひろい。そもそも時間が有限だ。危険もある。
そこから一歩ずつだ。前進しか方法もない。未来は拓かれない。

 ゴールドラッシュに挑む気分。西部の開拓時代なら侵略者だ。
ダンジョンは未知なる世界。モンスターの蔓延るフロンティア。

 守るべき対象に護られて進む。そんな未来予想図も悪くない。

 To be continued. Next story is Herlem member increase.
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