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第三章 世界の果てと見えない未来図。
第四十三話 世界の夜明けと共に(4)
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頭上に瞬く星。そのちいさな輝きが彩を示すのも新月の空だ。
周囲に視線を漂わせ全自動で進む車いす。背後二人も同様だ。
認識する違和感。ひとが忙しく往来する場所も遠くないらしい。
アスファルト舗装の橋梁は片側が二車線。海まで臨む歩道だ。
左に曲がるとココが囚われる船舶も見えるだろう。目視が可能。
おそらく市場の朝は早い。普通なら漁船が目だつはずもない。
どれだけ艤装してもホバークラフト船。注目の的になるはずだ。
もしかしなくても外国人。月曜日の早朝で慣習に詳しくない。
神戸の中央市場で魚介を納品する漁船ばかり。理解していない。
いい意味で隠れながら移動できる。純粋に幸運だと自覚する。
それでも海中の二人。行動できる時刻に早すぎるこの騒ぎだ。
イレギュラーなら確率的にココだろう。その可能性も高くなる。
市場の関係者はいないからfemaleも接触を気にしない。
自由に移動できる。速度を急上昇させたから追うのも大変だね。
いきなり目にした堤防で争う姿。ほとんどが市場の関係者だ。
銃を振りまわして早口。言葉も通じないから威嚇する軍人たち。
おかしな状況でもこちらにとっての僥倖。一般人が相手だから
威嚇するだけだ。銃弾を発射する状況に発展していないらしい。
車いすの周辺に他者を近づけない位置どりだ。堤防まで進む。
突如として目前の漁船から争う罵声。響いた瞬間に扉が弾けた。
船上いきなり姿を現したココ。女性を腕に抱えて逃げまわる。
襲いかかるのは背後の敵だ。反撃するサクラの艶姿なんだけど。
何もわからない状況だけど銃撃戦は回避したようで即応する。
こちらも車いすで状況を見守る。経緯観察で周囲から埋没した。
海上から突然だった。ココを庇うように出現したのが二人組。
海中からロープ伝い。カナメ先輩と美里の隙をつく侵入だった。
カナメ先輩がサクラを背後に庇いながらステゴロで格闘する。
美里もココから離れない位置どりだ。サポートする状況なんだ。
地上の軍人が痺れを切らした。銃を構えて威嚇射撃を試みる。
背後から音も立てず近づく。一刀両断……していない。小刀で
急所を打撃する鈴音だった。隣で一撃必殺。昏倒させる永依だ。
その瞬間に運命が反転する。地上から撃たれた数発の銃弾だ。
ココの周囲に散乱すると同時。薙刀ごと美里が吹きとばされる。
「ココちゃんっ! 空高くジャンプ!」おおきな叫び。永依だ。
「……?」瞬時に跳ぼうとしたジャンプ姿勢。ココが固まった。
その場で首を横に振ると同時だ。手首からスパーク噴出する。
「美里さん? ココっ!」ほとんど無意識だ。絶叫したらしい。
その場にいた全員だ。理解できず見つめながら時間停止する。
なにが起きたのかわからないココ。瞬時にその場で崩れおちた。
この期に及んでも無事な軍人と漁船乗組員が同時に驚愕した。
最重要になるココ。上官の命令で確保しなければならない相手。
火花を発しながら昏倒するココを死んだと判断したのだろう。
目標確保に失敗して任務遂行できない。ただ呆然としている姿。
その場で走る姿は永依だけだ。順序よく敵に容赦のない一撃。
軍人と漁船員を昏倒させた。すべての危機が去ると同時だ……
「ココちゃんおわりだよ。お芝居の必要もないから起きてねー」
「わかった。お疲れエー」笑顔で叫ぶ永依に美声で即応された。
もちろん呆然として見つめる周囲。ココが普通に立ちあがる。
当初は理解できなかった。以前の記憶が戻ると同時に大笑い。
壮大すぎるネタ振りに見えるオチだ。苦笑するしかなかったね。
偶然なのか必然かな。奴隷契約と電撃腕輪。その効果なんだ。
カナメ先輩が駆けよると同時だった。笑顔の美里も首を振る。
「演技じゃないの。たぶん風圧を感じた瞬間。跳ばされたから」
自動小銃からの銃弾は直撃していない。身体に傷一つもない。
奇妙なおわり方でも大団円。冗談みたいだねと誰かに伝えたい。
「詐欺じゃないかよって叫びたくなる。それも仕方がないんだ」
天下無敵の流離人。水戸ご老公の主題歌を迷いなく口ずさむ。
人生なんて謎だらけさ。おわりよければすべてよし……だね?
周囲に視線を漂わせ全自動で進む車いす。背後二人も同様だ。
認識する違和感。ひとが忙しく往来する場所も遠くないらしい。
アスファルト舗装の橋梁は片側が二車線。海まで臨む歩道だ。
左に曲がるとココが囚われる船舶も見えるだろう。目視が可能。
おそらく市場の朝は早い。普通なら漁船が目だつはずもない。
どれだけ艤装してもホバークラフト船。注目の的になるはずだ。
もしかしなくても外国人。月曜日の早朝で慣習に詳しくない。
神戸の中央市場で魚介を納品する漁船ばかり。理解していない。
いい意味で隠れながら移動できる。純粋に幸運だと自覚する。
それでも海中の二人。行動できる時刻に早すぎるこの騒ぎだ。
イレギュラーなら確率的にココだろう。その可能性も高くなる。
市場の関係者はいないからfemaleも接触を気にしない。
自由に移動できる。速度を急上昇させたから追うのも大変だね。
いきなり目にした堤防で争う姿。ほとんどが市場の関係者だ。
銃を振りまわして早口。言葉も通じないから威嚇する軍人たち。
おかしな状況でもこちらにとっての僥倖。一般人が相手だから
威嚇するだけだ。銃弾を発射する状況に発展していないらしい。
車いすの周辺に他者を近づけない位置どりだ。堤防まで進む。
突如として目前の漁船から争う罵声。響いた瞬間に扉が弾けた。
船上いきなり姿を現したココ。女性を腕に抱えて逃げまわる。
襲いかかるのは背後の敵だ。反撃するサクラの艶姿なんだけど。
何もわからない状況だけど銃撃戦は回避したようで即応する。
こちらも車いすで状況を見守る。経緯観察で周囲から埋没した。
海上から突然だった。ココを庇うように出現したのが二人組。
海中からロープ伝い。カナメ先輩と美里の隙をつく侵入だった。
カナメ先輩がサクラを背後に庇いながらステゴロで格闘する。
美里もココから離れない位置どりだ。サポートする状況なんだ。
地上の軍人が痺れを切らした。銃を構えて威嚇射撃を試みる。
背後から音も立てず近づく。一刀両断……していない。小刀で
急所を打撃する鈴音だった。隣で一撃必殺。昏倒させる永依だ。
その瞬間に運命が反転する。地上から撃たれた数発の銃弾だ。
ココの周囲に散乱すると同時。薙刀ごと美里が吹きとばされる。
「ココちゃんっ! 空高くジャンプ!」おおきな叫び。永依だ。
「……?」瞬時に跳ぼうとしたジャンプ姿勢。ココが固まった。
その場で首を横に振ると同時だ。手首からスパーク噴出する。
「美里さん? ココっ!」ほとんど無意識だ。絶叫したらしい。
その場にいた全員だ。理解できず見つめながら時間停止する。
なにが起きたのかわからないココ。瞬時にその場で崩れおちた。
この期に及んでも無事な軍人と漁船乗組員が同時に驚愕した。
最重要になるココ。上官の命令で確保しなければならない相手。
火花を発しながら昏倒するココを死んだと判断したのだろう。
目標確保に失敗して任務遂行できない。ただ呆然としている姿。
その場で走る姿は永依だけだ。順序よく敵に容赦のない一撃。
軍人と漁船員を昏倒させた。すべての危機が去ると同時だ……
「ココちゃんおわりだよ。お芝居の必要もないから起きてねー」
「わかった。お疲れエー」笑顔で叫ぶ永依に美声で即応された。
もちろん呆然として見つめる周囲。ココが普通に立ちあがる。
当初は理解できなかった。以前の記憶が戻ると同時に大笑い。
壮大すぎるネタ振りに見えるオチだ。苦笑するしかなかったね。
偶然なのか必然かな。奴隷契約と電撃腕輪。その効果なんだ。
カナメ先輩が駆けよると同時だった。笑顔の美里も首を振る。
「演技じゃないの。たぶん風圧を感じた瞬間。跳ばされたから」
自動小銃からの銃弾は直撃していない。身体に傷一つもない。
奇妙なおわり方でも大団円。冗談みたいだねと誰かに伝えたい。
「詐欺じゃないかよって叫びたくなる。それも仕方がないんだ」
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