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第三章 世界の果てと見えない未来図。
第四十一話 世界の夜明けと共に(2)
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ここから改めてのスタートかな? 膠着する状況も進展した。
指図していないmaleだ。丑三つ時に自発的調査を開始する。
解析データで無事に判明した。目的地が神戸港と断定される。
深夜も三時に近い。数時間後に朝日が昇る状況は驚きしかない。
殺傷力の高い武器。使用を禁止され所持も認められなかった。
おそらく必要ない。打ちあわせで判断されたことが理由の一つ。
JRの神戸駅に近い海上だ。ハーバーランドも徒歩圏になる。
人目につく場所。その危険性で殺傷力のある武器は回避された。
幸いな状況として銃器が必要ない。近接戦に特化の女性たち。
指揮官として鍛えられたカナメ先輩。闘えない運転手の自分だ。
遠距離の戦闘行為。それ自体発生しない可能性もあるらしい。
ココの居場所が判明して早々出発。準備が整うまでも早かった。
「まず皆さんに感謝を。無事ココを保護できたら作戦終了です」
全員黙して静かな行動。ジョーカーは元からコンパクトカー。
CIVICは4ドア・ハッチバック車体。乗降もかなりラクだ。
女性は三人それぞれ長い髪の毛を編みこんだ。行動に支障ない
夜間戦闘服。黒いギリースーツを着る。下にボディアーマーだ。
下半身も防御に優れた皮パンツ。黒いブーツは武骨に見えた。
男扱いのカナメ先輩。自分も女性たちと同じくお揃いギリ―。
元々二人とも髪は短い。視線を隠すためにサングラスの着用だ。
それぞれ持参した武器を携える。車に乗りこむ表情は真剣だ。
何事にも優先されるべき素早さ。無駄な装備も一切所持しない。
まばらに通過する車両灯が輝く。混みあうはずもない深夜帯。
夜間走行になる。かなり長い距離でも想定よりは短時間らしい。
全自動走行するジョーカー。阪神高速の京橋ランプ一直線だ。
目的地に距離がある。安全確保で近くまではガソリン走行だ。
残り一キロから非常用燃料になる。無音の電池走行に切りかえ。
通常のCIVICは低燃費の仕様でもガソリンで駆動する車。
原型は1500CCのターボエンジン。三段変速のCVTだ。
スムーズに走る。曲がって止まる。基本コンセプトの軽ボディ。
唯一無二で特殊なAIナビを搭載。ジョーカーは別物なんだ。
軽量の特殊鋼を使用した未来ボディ。エンジンがアコードから
流用された10速ATになる。2000CCのハイブリッド化。
失くした足代わりのJOKER2000。そう名のるために。
唯一無二の魔改造は『ヒーロー専用』改良。特別仕様車だから。
黙したまま語らない英雄さん。開発総額を「忘れた」らしい。
冷汗が止まらなかった想像なら九桁近い。そんな金額になる。
嫁になるコーキさんは資産家。現代の錬金術師でもありえない。
ガジェットにすぎない自動車。夢とロマンを乗せる英雄さん。
限りなくバカな行為だよ。スーパーヒーローを誕生させたい。
そのために利用できる技術すべて。壮大な実験から結晶させた。
少年マンガとかファンタジー小説じゃねぇ。叫びたくなった。
maleに指示しておいた目的地。JR神戸駅から南になる。
ハーバーランドでも工業地帯。川崎重工の敷地内で南浜突堤だ。
事前に政府を経由で連絡してあるから稼働中。正門はもちろん
閉ざされていない。カナメ先輩が助手席の窓から身分証を振る。
警備員は検閲もしない。門前で腕を振るとジョーカーを誘う。
「ここから事前に打ちあわせた別行動です。ジョーカーの本体は
maleが自動運転。事態の収束まで南浜の突堤で待機になる」
運転席に何もない。femaleの独断だ。車外を走行する。
後部扉がひらくとほぼ同時だった。永依と鈴音が飛びだした。
助手席のカナメ先輩。後席中央の美里はそのまま車で待機する。
三人静かに見送るジョーカーは無音モーターで海岸に向かう。
「念のためfemaleに確認。周囲のどこまでなら大丈夫?」
振りかざす右差し指。こめかみを指して悩みながら質問した。
『基本スペックは透明薄膜に包まれた範囲です。車いす本体から
半径一メートル。その程度です』femaleが素直に応じた。
「ふーん。ココがいる海上船。近づくまで離れすぎないように」
左右に首を振りながら伝える。ニヤリと笑った永依と鈴音だ。
「えぇっ!?」いきなり左右からの特攻だった。叫ぶしかない。
「ちょっと待って。ちょっと待ってくれ。それ絶対おかしい!」
無意識のうちに絶叫したよ。そんな自分だけど絶対悪くない。
からかい半分で本気混じりだ。両腕同時に抱きつかれたから。
指図していないmaleだ。丑三つ時に自発的調査を開始する。
解析データで無事に判明した。目的地が神戸港と断定される。
深夜も三時に近い。数時間後に朝日が昇る状況は驚きしかない。
殺傷力の高い武器。使用を禁止され所持も認められなかった。
おそらく必要ない。打ちあわせで判断されたことが理由の一つ。
JRの神戸駅に近い海上だ。ハーバーランドも徒歩圏になる。
人目につく場所。その危険性で殺傷力のある武器は回避された。
幸いな状況として銃器が必要ない。近接戦に特化の女性たち。
指揮官として鍛えられたカナメ先輩。闘えない運転手の自分だ。
遠距離の戦闘行為。それ自体発生しない可能性もあるらしい。
ココの居場所が判明して早々出発。準備が整うまでも早かった。
「まず皆さんに感謝を。無事ココを保護できたら作戦終了です」
全員黙して静かな行動。ジョーカーは元からコンパクトカー。
CIVICは4ドア・ハッチバック車体。乗降もかなりラクだ。
女性は三人それぞれ長い髪の毛を編みこんだ。行動に支障ない
夜間戦闘服。黒いギリースーツを着る。下にボディアーマーだ。
下半身も防御に優れた皮パンツ。黒いブーツは武骨に見えた。
男扱いのカナメ先輩。自分も女性たちと同じくお揃いギリ―。
元々二人とも髪は短い。視線を隠すためにサングラスの着用だ。
それぞれ持参した武器を携える。車に乗りこむ表情は真剣だ。
何事にも優先されるべき素早さ。無駄な装備も一切所持しない。
まばらに通過する車両灯が輝く。混みあうはずもない深夜帯。
夜間走行になる。かなり長い距離でも想定よりは短時間らしい。
全自動走行するジョーカー。阪神高速の京橋ランプ一直線だ。
目的地に距離がある。安全確保で近くまではガソリン走行だ。
残り一キロから非常用燃料になる。無音の電池走行に切りかえ。
通常のCIVICは低燃費の仕様でもガソリンで駆動する車。
原型は1500CCのターボエンジン。三段変速のCVTだ。
スムーズに走る。曲がって止まる。基本コンセプトの軽ボディ。
唯一無二で特殊なAIナビを搭載。ジョーカーは別物なんだ。
軽量の特殊鋼を使用した未来ボディ。エンジンがアコードから
流用された10速ATになる。2000CCのハイブリッド化。
失くした足代わりのJOKER2000。そう名のるために。
唯一無二の魔改造は『ヒーロー専用』改良。特別仕様車だから。
黙したまま語らない英雄さん。開発総額を「忘れた」らしい。
冷汗が止まらなかった想像なら九桁近い。そんな金額になる。
嫁になるコーキさんは資産家。現代の錬金術師でもありえない。
ガジェットにすぎない自動車。夢とロマンを乗せる英雄さん。
限りなくバカな行為だよ。スーパーヒーローを誕生させたい。
そのために利用できる技術すべて。壮大な実験から結晶させた。
少年マンガとかファンタジー小説じゃねぇ。叫びたくなった。
maleに指示しておいた目的地。JR神戸駅から南になる。
ハーバーランドでも工業地帯。川崎重工の敷地内で南浜突堤だ。
事前に政府を経由で連絡してあるから稼働中。正門はもちろん
閉ざされていない。カナメ先輩が助手席の窓から身分証を振る。
警備員は検閲もしない。門前で腕を振るとジョーカーを誘う。
「ここから事前に打ちあわせた別行動です。ジョーカーの本体は
maleが自動運転。事態の収束まで南浜の突堤で待機になる」
運転席に何もない。femaleの独断だ。車外を走行する。
後部扉がひらくとほぼ同時だった。永依と鈴音が飛びだした。
助手席のカナメ先輩。後席中央の美里はそのまま車で待機する。
三人静かに見送るジョーカーは無音モーターで海岸に向かう。
「念のためfemaleに確認。周囲のどこまでなら大丈夫?」
振りかざす右差し指。こめかみを指して悩みながら質問した。
『基本スペックは透明薄膜に包まれた範囲です。車いす本体から
半径一メートル。その程度です』femaleが素直に応じた。
「ふーん。ココがいる海上船。近づくまで離れすぎないように」
左右に首を振りながら伝える。ニヤリと笑った永依と鈴音だ。
「えぇっ!?」いきなり左右からの特攻だった。叫ぶしかない。
「ちょっと待って。ちょっと待ってくれ。それ絶対おかしい!」
無意識のうちに絶叫したよ。そんな自分だけど絶対悪くない。
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