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第三章 世界の果てと見えない未来図。
第四十話 世界の夜明けと共に(1)
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「永依が気づいたら深夜なんだ。ベッドもぬけの殻だったって」
あえて冷静に。そう意識して説明すると正面で即応されたよ。
「やっぱそうなんだね。周囲のカメラ映像。すぐに解析したの。
跳躍で登場したココちゃん。待機のサクラとあみだ筋の合流よ」
顔をしかめながらカナメ先輩だ。当時の状況に言葉もでない。
ココが深夜に姿を消した。関係者が揃った時刻は正午すぎだ。
フィッシュオンの店内にそれぞれ腰を下ろした。総勢で十人だ。
永依をふくめた家族は全員。フィッシュの店員と美女が二人。
「あなたたちが填めるピアスね。超小型の発信機なの。それぞれ
時間差を設けながら特定時刻。数秒間だけど稼働するギミック」
説明は詳細がわかるカナメ先輩だ。絶対に確実じゃないけれど
数百キロ程度。ビーコンに扱われる程度に高性能らしいからね。
「じゃぁさココちゃん。居場所なんかもすぐわかっちゃうの?」
キラキラと瞳を輝かせる永依だ。瞬時に先輩まで詰めよった。
「そうね。あのピアスは深夜の2時に起動するの。ジョーカー?
AIに探索させれば判明するでしょ」斜め上を見つめ掌で口元を
抑えるカナメ先輩だ。間近にいる永依にわかりやすく説明した。
「サクラが関わる状況よ。わたしたち側の落ち度になる。段取り
次第になるけどね。公安と自衛隊。全面的な協力を惜しまない」
かなり深刻なんだろう。無表情のカナメ先輩が決意表明する。
「んとですね。おそらく救出時はジョーカーの移動になります。
永依と二人じゃ現実無理です。人的応援と……武具の追加を?」
どれほど考えても近接。特化の永依だ。自分は機動性がない。
敵が大陸。覇権国なら間違いない。海上ルートの逃走だろう。
それなら船の移動。確率的に最も高いはず。きっと日本海まで
陸上ルートの可能性はない。ここから大阪湾なら神戸か和歌山?
カナメ先輩の話ではサクラちゃん。母が神戸在住だ。連絡から
そのまま音信不通。おそらく確率的に神戸が舞台になるのかな。
とり急ぎだけどフィッシュオンに揃った政府関係の三人組だ。
だがしかしカナメ先輩と美里さんは同じ組織の上下関係になる。
公安の潜入捜査官だけどカフェ店長。兼任するカナメ先輩だ。
退院してから通学が難しかった。中退した男子校で先輩になる。
大阪でも二番目に高偏差値の私立校だ。南部では名門だろう。
二年も先輩。在学中は陸上部以外接することもない関係だった。
関わりできたのは数年前だ。通信制大学の卒業が近づいてから
物は試しと挑戦だ。公務員の一種試験を記念に受験したんだよ。
なぜかあれやこれやと最終の面接までたどりついた。いきなり
会場で気安く声をかけられた。その相手が大喜多要先輩になる。
もちろんあとから判明する事情もある。それでも交流は再開。
試験は合格したらしい。各種状況も重なって任官を辞退した。
こちらも運試しの公務員。就職できるより喜ばしい再会だった。
現状は公私ともの交流も再開した。相互支援している関係だ。
美里は英田副総裁の知人から縁故の相手らしい。詳しいことは
わからない。優れた身体能力。薙刀術に長ける女性警察官僚だ。
実態がカナメ先輩の部下。かなの事情通で内閣府直属になる。
陸自の施設部隊が靭公園の外壁設置工事を無事に完了させた。
現状は周辺の警戒を担当する自衛隊。東園に駐屯地を建設中だ。
西園に地下ダンジョン。地上は模擬弾の演習場に改装される。
レンジャー隊を中心にして地下迷宮の攻略を日々進めている。
関わる状況もしばらく先になるだろうと閣下に説明されたんだ。
もちろんココの救出作戦が最優先。喫緊の目標で課題になる。
精鋭かは別にして参加も少数に限定だ。当事者がベストだろう。
間違いないがジョーカーの乗車定員。五人参加になる作戦だ。
車いすが運転席に変わる自分と永依は確定。状況的にも参加を
許されるなら先輩と美里だ。それに鈴音なら最強の布陣に近い。
サクラが敵か巻きこまれただけの被害者かも判明していない。
可能なら交流ある永依のため一緒に帰れると理想的なんだろう。
殺傷力の低い手もち武器も必要だ。準備と正確な位置の把握。
それらが判明すれば可能な限り対策を打ちあわせてから出発だ。
深夜に位置情報を得る作業。これはジョーカーお任せになる。
これも流された結果なんだけどオレたちの闘いはこれからだ。
少年漫画なら打ち切りエンドの展開。なんか笑いしかないよね。
「ココを無傷で確保。可能ならサクラちゃん親子も救出しよう」
あえて冷静に。そう意識して説明すると正面で即応されたよ。
「やっぱそうなんだね。周囲のカメラ映像。すぐに解析したの。
跳躍で登場したココちゃん。待機のサクラとあみだ筋の合流よ」
顔をしかめながらカナメ先輩だ。当時の状況に言葉もでない。
ココが深夜に姿を消した。関係者が揃った時刻は正午すぎだ。
フィッシュオンの店内にそれぞれ腰を下ろした。総勢で十人だ。
永依をふくめた家族は全員。フィッシュの店員と美女が二人。
「あなたたちが填めるピアスね。超小型の発信機なの。それぞれ
時間差を設けながら特定時刻。数秒間だけど稼働するギミック」
説明は詳細がわかるカナメ先輩だ。絶対に確実じゃないけれど
数百キロ程度。ビーコンに扱われる程度に高性能らしいからね。
「じゃぁさココちゃん。居場所なんかもすぐわかっちゃうの?」
キラキラと瞳を輝かせる永依だ。瞬時に先輩まで詰めよった。
「そうね。あのピアスは深夜の2時に起動するの。ジョーカー?
AIに探索させれば判明するでしょ」斜め上を見つめ掌で口元を
抑えるカナメ先輩だ。間近にいる永依にわかりやすく説明した。
「サクラが関わる状況よ。わたしたち側の落ち度になる。段取り
次第になるけどね。公安と自衛隊。全面的な協力を惜しまない」
かなり深刻なんだろう。無表情のカナメ先輩が決意表明する。
「んとですね。おそらく救出時はジョーカーの移動になります。
永依と二人じゃ現実無理です。人的応援と……武具の追加を?」
どれほど考えても近接。特化の永依だ。自分は機動性がない。
敵が大陸。覇権国なら間違いない。海上ルートの逃走だろう。
それなら船の移動。確率的に最も高いはず。きっと日本海まで
陸上ルートの可能性はない。ここから大阪湾なら神戸か和歌山?
カナメ先輩の話ではサクラちゃん。母が神戸在住だ。連絡から
そのまま音信不通。おそらく確率的に神戸が舞台になるのかな。
とり急ぎだけどフィッシュオンに揃った政府関係の三人組だ。
だがしかしカナメ先輩と美里さんは同じ組織の上下関係になる。
公安の潜入捜査官だけどカフェ店長。兼任するカナメ先輩だ。
退院してから通学が難しかった。中退した男子校で先輩になる。
大阪でも二番目に高偏差値の私立校だ。南部では名門だろう。
二年も先輩。在学中は陸上部以外接することもない関係だった。
関わりできたのは数年前だ。通信制大学の卒業が近づいてから
物は試しと挑戦だ。公務員の一種試験を記念に受験したんだよ。
なぜかあれやこれやと最終の面接までたどりついた。いきなり
会場で気安く声をかけられた。その相手が大喜多要先輩になる。
もちろんあとから判明する事情もある。それでも交流は再開。
試験は合格したらしい。各種状況も重なって任官を辞退した。
こちらも運試しの公務員。就職できるより喜ばしい再会だった。
現状は公私ともの交流も再開した。相互支援している関係だ。
美里は英田副総裁の知人から縁故の相手らしい。詳しいことは
わからない。優れた身体能力。薙刀術に長ける女性警察官僚だ。
実態がカナメ先輩の部下。かなの事情通で内閣府直属になる。
陸自の施設部隊が靭公園の外壁設置工事を無事に完了させた。
現状は周辺の警戒を担当する自衛隊。東園に駐屯地を建設中だ。
西園に地下ダンジョン。地上は模擬弾の演習場に改装される。
レンジャー隊を中心にして地下迷宮の攻略を日々進めている。
関わる状況もしばらく先になるだろうと閣下に説明されたんだ。
もちろんココの救出作戦が最優先。喫緊の目標で課題になる。
精鋭かは別にして参加も少数に限定だ。当事者がベストだろう。
間違いないがジョーカーの乗車定員。五人参加になる作戦だ。
車いすが運転席に変わる自分と永依は確定。状況的にも参加を
許されるなら先輩と美里だ。それに鈴音なら最強の布陣に近い。
サクラが敵か巻きこまれただけの被害者かも判明していない。
可能なら交流ある永依のため一緒に帰れると理想的なんだろう。
殺傷力の低い手もち武器も必要だ。準備と正確な位置の把握。
それらが判明すれば可能な限り対策を打ちあわせてから出発だ。
深夜に位置情報を得る作業。これはジョーカーお任せになる。
これも流された結果なんだけどオレたちの闘いはこれからだ。
少年漫画なら打ち切りエンドの展開。なんか笑いしかないよね。
「ココを無傷で確保。可能ならサクラちゃん親子も救出しよう」
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