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第二章 現実の社会はさほど甘くない。
第三十八話 バニーちゃんと一緒(17)
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かなり深い眠りの気がして目覚めたベッド。記憶はあいまい。
考えてもわからない。やたら窓の外が明るい。おかしくないか?
スマホはフル充電。画面をチラ見して驚きだ。二度見したよ。
「きのう午後が……ホンダの納車だ。二人誘拐された速報で……
救出した。阿波座の交番。駐車して……誰かと話してたっけ?」
なんか聴こえた声。永依の絶叫だったかなぁ。起きたら部屋?
たぶん意識を失くした。そのまま誰かが部屋に運んでくれた。
正確にはおもいだせない。自分が倒れたことも理解できないし。
「体に異常もない。疲れと心労。精神的な疲労で倒れたかもね」
そんなことがあるかもしんない。最近いろいろありすぎたし。
朝飯は食いそびれた。時刻も正午に近い。昼食のバイキング?
シャワーする時間もないよね。面倒だけど着衣すべて交換する。
寝すぎてあくび。全身だるい。なんとなくエレベータに乗る。
一階に到着するとフィッシュオン。なぜか店内暗闇なんだけど。
そういえば部屋。誰もいなかったね。まさかだけど登校した?
いきなり誘拐。そんな状況でも学校いくかなぁ。無謀だよねぇ。
暗闇の店内。違和感しかない状況だけど。いつもの自動ドア。
ビビったりしない。何かを意識もしない。あっさり通過したよ。
ひそひそ声が聴こえる。息づかい。ひとの気配はあるからさ。
『ハッピバースデーケージー! ハッピバースデーケージー!』
いきなり轟いたのは不協和音。世界一有名バースデーソング。
『ハッピバースデーディアケージー! ハピバースデーケージ!
うおおおおぉぉぉぉっっっっ。28歳お誕生日おめでとぉっ!』
合唱がおわり電子ピアノの伴奏も停まる。ともされる明かり。
自分のことは気にしなかった。顧みることもすくない人生だ。
姉には世捨て人扱いされた……ひきこもり。出不精体質なんだ。
特別な人間不信だとか他者の交流。それが嫌なわけでもない。
右足失くして自由は利かず誰かのフォロー。必要とする外出。
面倒くさいが先にくるんだ。障がい者の意識は振りかざせない。
かつては健常者だったプライド。そこからくる悪影響だよね。
罹患したから悪いわけじゃない。長らえた命も僥倖なんだから。
どこか素直にはなれない自分。辟易する気持ちはあるんだよ。
できることを探しながらなんとか生きてきた。努力もしたんだ。
五体満足で健康すぎる肉体。それなりには優れた容姿だった。
自尊心も高かった。最初は走れないのが嫌で逃げようと考えた。
立ち直るきっかけの出逢い。車いす少女と交わした遠い約束。
手術の前に天使のオマジナイ。初めてのチュウはエネルギー源。
いつか彼女と再会できる。その瞬間のため後悔したくはない。
天使か小悪魔。リアルに存在するから堕天使かもしれないけど。
彼女に恥じる生き方。歩むつもりがなく後悔したくないんだ。
再会した瞬間に婚約指輪。手渡しながら求婚できたら満足だよ。
コミュニケーションが煩わしい。それもあって忌避するだけで
さみしい瞬間もある。人恋しくなる季節。まれに訪れるからね。
真摯なつきあい。恋愛から遠ざかる状況。それも自信のなさ。
天使と交わした約束を守るため。それを理由にして逃げたんだ。
考えるだけで情けなくて泣きたい。囚われた自分も嫌になる。
それを考えるなら永依は素直だ。すべてに全力で魅力的な少女。
迷宮生まれのココ。わからないではおわらせずマジメに学ぶ。
人生からいつも逃げた。他者から距離をおいて達観していた。
なりゆきだったけど姪っ子をうけいれた。なぜか迷宮の発見だ。
ダンジョンはこの世界に変革をもたらす。そんな存在なんだ。
これから価値観も変容する。新しい世界の到来。常識が変わる。
後悔しない。約束を守る。助けあいの精神。それを遵守する。
守られるだけの状況は理解した。最後の一歩を踏みだせばいい。
「そっか。きょう2月5日だ。誕生日なんて意識もしなかった」
「ケーちゃん。ずっと独り暮らしだったよね。これからも三人。
一緒に暮らせるんだよ? なんもかもを一人でやる必要ないし」
ココと永依が主役じゃねぇ?。なぜか白いドレスのコスプレ?
こちらに視線をあわせる永依だ。両腕を掲げて静かに宣言する。
「これからはお料理と家事。ケーちゃんお任せにしないからね。
あーしココちゃんと手伝う。二人が下に住むから教えてもらう」
二人ってなんだ? 一瞬考えてからすぐ正解にたどりついた。
自衛隊所属の看護師でもある鈴音。警察官僚美里の二人だろう。
下の空き部屋を利用するんだな。にぎやかになると微笑んだ。
考えてもわからない。やたら窓の外が明るい。おかしくないか?
スマホはフル充電。画面をチラ見して驚きだ。二度見したよ。
「きのう午後が……ホンダの納車だ。二人誘拐された速報で……
救出した。阿波座の交番。駐車して……誰かと話してたっけ?」
なんか聴こえた声。永依の絶叫だったかなぁ。起きたら部屋?
たぶん意識を失くした。そのまま誰かが部屋に運んでくれた。
正確にはおもいだせない。自分が倒れたことも理解できないし。
「体に異常もない。疲れと心労。精神的な疲労で倒れたかもね」
そんなことがあるかもしんない。最近いろいろありすぎたし。
朝飯は食いそびれた。時刻も正午に近い。昼食のバイキング?
シャワーする時間もないよね。面倒だけど着衣すべて交換する。
寝すぎてあくび。全身だるい。なんとなくエレベータに乗る。
一階に到着するとフィッシュオン。なぜか店内暗闇なんだけど。
そういえば部屋。誰もいなかったね。まさかだけど登校した?
いきなり誘拐。そんな状況でも学校いくかなぁ。無謀だよねぇ。
暗闇の店内。違和感しかない状況だけど。いつもの自動ドア。
ビビったりしない。何かを意識もしない。あっさり通過したよ。
ひそひそ声が聴こえる。息づかい。ひとの気配はあるからさ。
『ハッピバースデーケージー! ハッピバースデーケージー!』
いきなり轟いたのは不協和音。世界一有名バースデーソング。
『ハッピバースデーディアケージー! ハピバースデーケージ!
うおおおおぉぉぉぉっっっっ。28歳お誕生日おめでとぉっ!』
合唱がおわり電子ピアノの伴奏も停まる。ともされる明かり。
自分のことは気にしなかった。顧みることもすくない人生だ。
姉には世捨て人扱いされた……ひきこもり。出不精体質なんだ。
特別な人間不信だとか他者の交流。それが嫌なわけでもない。
右足失くして自由は利かず誰かのフォロー。必要とする外出。
面倒くさいが先にくるんだ。障がい者の意識は振りかざせない。
かつては健常者だったプライド。そこからくる悪影響だよね。
罹患したから悪いわけじゃない。長らえた命も僥倖なんだから。
どこか素直にはなれない自分。辟易する気持ちはあるんだよ。
できることを探しながらなんとか生きてきた。努力もしたんだ。
五体満足で健康すぎる肉体。それなりには優れた容姿だった。
自尊心も高かった。最初は走れないのが嫌で逃げようと考えた。
立ち直るきっかけの出逢い。車いす少女と交わした遠い約束。
手術の前に天使のオマジナイ。初めてのチュウはエネルギー源。
いつか彼女と再会できる。その瞬間のため後悔したくはない。
天使か小悪魔。リアルに存在するから堕天使かもしれないけど。
彼女に恥じる生き方。歩むつもりがなく後悔したくないんだ。
再会した瞬間に婚約指輪。手渡しながら求婚できたら満足だよ。
コミュニケーションが煩わしい。それもあって忌避するだけで
さみしい瞬間もある。人恋しくなる季節。まれに訪れるからね。
真摯なつきあい。恋愛から遠ざかる状況。それも自信のなさ。
天使と交わした約束を守るため。それを理由にして逃げたんだ。
考えるだけで情けなくて泣きたい。囚われた自分も嫌になる。
それを考えるなら永依は素直だ。すべてに全力で魅力的な少女。
迷宮生まれのココ。わからないではおわらせずマジメに学ぶ。
人生からいつも逃げた。他者から距離をおいて達観していた。
なりゆきだったけど姪っ子をうけいれた。なぜか迷宮の発見だ。
ダンジョンはこの世界に変革をもたらす。そんな存在なんだ。
これから価値観も変容する。新しい世界の到来。常識が変わる。
後悔しない。約束を守る。助けあいの精神。それを遵守する。
守られるだけの状況は理解した。最後の一歩を踏みだせばいい。
「そっか。きょう2月5日だ。誕生日なんて意識もしなかった」
「ケーちゃん。ずっと独り暮らしだったよね。これからも三人。
一緒に暮らせるんだよ? なんもかもを一人でやる必要ないし」
ココと永依が主役じゃねぇ?。なぜか白いドレスのコスプレ?
こちらに視線をあわせる永依だ。両腕を掲げて静かに宣言する。
「これからはお料理と家事。ケーちゃんお任せにしないからね。
あーしココちゃんと手伝う。二人が下に住むから教えてもらう」
二人ってなんだ? 一瞬考えてからすぐ正解にたどりついた。
自衛隊所属の看護師でもある鈴音。警察官僚美里の二人だろう。
下の空き部屋を利用するんだな。にぎやかになると微笑んだ。
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