なにわ友あれダンジョン1「オタ社長が空手ギャルや巨乳バニーと同棲中(●秘)?」これは事案ですか。いいえ。人助けですからセーフ。

内村うっちー

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本編3 始まりのダンジョン入場します

第六話 始まりの迷宮で邂逅(6)

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 今更だけどさ。現実に生まれたダンジョンってなんだろうね。
ファンタジー小説。RPGゲーム。どこかにある異次元の迷宮。

 目的を秘めた誰かが地球に創造した次元を異にする空間かな。
もしくは実在する世界線に存在する場所と繋げられた可能性だ。

 確率論とモチーフだ。それが偶然一致した状況かもしれない。


【単独デ階層ノ攻略ヲ確認】――脳内で突然響いた音声の意味。
 理解できる事実だけ意識する。それを推測と想像で補うのだ。

 ダンジョン誕生直後の地震だった。それが原因で間違いない。
単独行動で正規の入場じゃない。誰かさんが異空間に侵入した。

 そのままダンジョンで初モンスターまで討伐していたはずだ。
しばらくして脳内に音声で伝えられた。階層主も討伐している。


【新人類ノ進化誕生ヲ認識】――その誰かは人間じゃないのか?

 もしかして偶然巻きこまれた動物。生まれ変わった存在かな?

 なんとなくの想像で直感だった。その推測までたどりついた。
その推察が正解か否かは別にして究極の二者択一になるだろう。


『進化した人間』それは新人類? 現実のニュータイプ誕生だ。

『動物から進化』身体は人間? おそらくは獣人種のカテゴリ。

 どちらが正解か? 両方とも間違いかな? 判断もできない。
ある程度の正解でも嬉しい誤算だ。ただ妄想するオタクだから。


 三倍速の宇宙ロボット戦闘。ケモ耳のもふもふ新種族誕生だ。

 どちらにしてもオタクには喜ばしい結論になる可能性がある。
脳内だけさまざまな空想する。隣の永依はお怒りモードだけど。

「初めての入場者。誰かが攻略してくれたからしばらく安全だ」
ここからは検証……喜びで表情を変える少女に言葉をつづける。

「無茶をしない。ちゃんと意味を理解してから行動できるの?」

「りょ。ぜってぇケーちゃんには逆らわないよ。ちゃんと聞く」
 満面の笑みをうかべた少女。両腕を振りまわす姿を凝視した。


 扉の左で輝くパネル。落ちついてからカードを触れあわせた。
その瞬間不思議な輝きが増すと同時に音もなく奥にひらいた扉。

 黙ったままで見つめあう。それと同時にまっすぐ進むだけだ。

 ゆっくりした動作で潜り抜ける。壁の厚さも意識していない。


 もちろん中央に階段だ。幅が5mぐらいの下り大階段だった。
装飾なども見えない石膏造り。無骨な印象を与える階段だろう。

 岩肌の周囲は黒い壁でブロック状の切りこみがやけに目立つ。
もちろん人工的な亜空間と即座に断定できる室内は誰もいない。

 当然なにもおかれていない。天井は見上げるほど高みにある。
「あーしらも冒険するんだ。ここから始まりだよケーちゃん!」


「そだね。まず絶対に死なないこと。おおきなケガも負わない。
そこから先は優先順位をつけようか。調査が主体になるよね?」

 どちらにしても調査だ。まず安全策と対処法。検証もあとだ。
周囲は壁だけど直に触れて材質確認だ。ただの岩肌にすぎない。

 しっかり踏みしめた床も強靭だ。それらすべてが普通の岩石。
「ほらほらーケーちゃん。めちゃくちゃでっけー階段だっしょ」


 すでに永依は階段前。おおきく飛び跳ねて喜びの表現だった。
素早く駆け下りたいとか先走る感情まで透けて見える状況だよ。

 それはないかもと考える。だがしかしその行動力は半端ない。

 永依の行動力に関しては無敵なんだ。追随を許すはずもない。
「うん。ゆっくりならいいのかな」一歩ずつ階段まで近づいた。


「ただ階層を下るだけになる。もちろん天国への階段じゃない。
魔物がいる地下目指すなら地獄に落ちる?」首を捻って考えた。

「天国地獄。全然ちげぇしょ。ダンジョン……ってなんだろう」
 掌を土壁にあてながら先行する少女。笑って足元も確認した。

「神は人の幻想だけど。迷宮を創造した誰かさんは確実にいる。
人類に脅威を与えることで進化させたい? 先行者は謎だけど」


 ここから本番だ。いよいよ冒険ならスタート地点なんだろう。

 スケールもないからおおまかな目測だ。階段の幅5mぐらい。
一段の踏面がおよそ30cm。けあげも低い段差で12cmだ。

 25段ごとに幅と同程度の踏面になる踊り場で3mの昇降だ。
百段ちょうどで階下らしい。それで階層の高さがおよそ12m。

 並んで地下に到着するとかなりの踊り場が出口になるらしい。


 視界が悪いために見渡せない。周囲をあわく照らすのも岩肌。

 それだけで周囲の数mまで目視できる明るさだ。並べる道幅で
曲がりくねりながら見えない奥まで誘う。整備された一本道だ。

「ケーちゃんモンスターいねーっしょ。ドンドン先進もうよ!」
 傍の少女が右上腕を叩きながら催促だ。苦笑しながら応じる。


 かんたんな説明なら骨のガンだ。太ももから完全に切断した。

 右脚を失くしてからは義足の使用で十年も経過すれば日常だ。

 走ったりの激しい行動は難しい。だがしかし生活動作や一般の
行動に支障はない。ダンジョンを探求したい好奇心も人一倍だ。
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