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第一章 新たな問題はハーレムの増員?
第六話 女の子はたくましい(6)
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円陣中央に横たわる魔物は動きもしない。ゆっくり近よるのは
深紅の車いす。「デカっ」双眸を見ひらき無意識につぶやいた。
最初のダンジョン突入を回想すると分析。それに検証だった。
最奥で遭遇したのは眠り姫のココ。すべてがそれで吹きとんだ。
地球にできたダンジョン。モンスター討伐の報酬は見えない。
ゲームの要素もない。それでも偶然ミナミで邂逅したアイさん。
彼女が強く望んだダンジョン。道中はザコ敵が現れるだけだ。
ダンジョンで魔物の心臓を喰らうココ。強化された結果かな?
ウサギから全身が進化したココ。等しく人間も進化できるのか。
モンスターから得る素材。アイさんにその詳細を確認して……
「アイちゃんおかしくね? 見た目めっちゃ若返ってんじゃん」
隣のアイさんを見ながら永依が叫ぶ。いきなり周囲に轟いた。
視線が集中すると……同時に全員。声もだせずに硬直したんだ。
直前まで……艶っぽいバインバイン。そんなアイさんだった。
いつのまにやら永依やココと同年代に見える姿。全身が縮んだ。
驚きながらアイさんも身体を確認する。同時に違和感を認識。
「あれ? 久々のエネルギー吸収。初期化されちゃったんだね」
アイさん限定で発生した現象でもないらしいよ。永依とココも
強化されたのかな。突きや蹴りを放って互いに威力を確認する。
ニヤリと笑いながら拳をぶつける二人。どこか不気味に映る。
おそらくは強化された階層主。特攻したから討伐時の恩恵かな。
闘いを見守るだけだった。自分が変化できないのも当前だよ。
直接攻撃の三人は明確な変容を認識した。これは当然だろう。
「こっち変化ない。効果のあった攻撃できた人間だけの恩恵?」
「うーんそれぞれ貢献度……です。差があるのかもしれません。
わたしも久しぶりであまりわかりません。この星についた当時。
まだ子供で……」ついこぼした独り言。驚きの返答はアイさん。
「ケーちゃん。パワーにスピード。あーしとココちゃんアップ。
全然ちがうしょ」「間違いないな……前とは威力がちがうから」
かなり強化したらしい。確認した永依が叫ぶとココも追随だ。
「攻略が進むと出てくるモンスター。だんだん強くなるからさ。
二人とも前衛だからアタッカー。強くなれるとありがたいよね」
「二人とも前衛特化。そのフォローと中近接万能型の美里さん。
指示役はケージくん。中近接補佐役のあたし。後衛にアイさん」
攻略チームの要は自分だ。追随する鈴音がいつもフォロー役。
もちろん回復魔法など使えるはずもない。闘う看護職の鈴音。
異能を行使するアイさん。可能なら早急にスキルを確認したい。
自衛隊による攻略。チーム編成から判明した最大人数八名だ。
モンスターの討伐で得るエネルギー。もちろん貢献度による。
能力の強化主体で肉体と精神。ともに最適化されるらしいけど。
まずは初回の討伐による特典。知能と身体も強化されたココ。
迷宮を創造した圧倒的存在による偶発的。不幸な事故の結果だ。
異能行使による独断的な顛末。それで唯一無二の存在を生む。
「ダンジョンですが……上位存在による操作。その実現化です。
どこかから認めた結果。いまの……おかしな状況。推測ですが」
もちろん静かに伝える姿は少女。なぜか若返りしたアイさん。
誰かが質問したわけでもない。額を指先で押さえて悩みながら
自らの意志で説明する。はるか過去を想像しながら伝えた知識。
「わたしの出身星。その恒星系もはるかな昔に消滅しています。
ひとが居住する惑星。同じ次元の宇宙に存在していたはずです。
わたしの故郷は時間を超越しました。それでも滅びました……」
ひとつずつの要素で言葉を区切る姿。躊躇う様子も感じない。
「推測が交じりますが前の会話です。星にダンジョンの誕生した
状況です。試練を……乗り越えることが可能と判断されました。
わたしたちよりも高次元に存在している。上位の超越者ですね」
どれほどの相手だろうか。かなり不遜だろうけど認識したい。
線から面に変化して立体を生むと空間。時間の要素を追加して
宇宙に進出する。時間を超越した人類も次元には縛られるのか。
ひとを越えた何かの存在だろう。すでに肉体は必要としない。
物理の用語かな。余剰の次元は観測も不可能とされる何かだ。
結局は目的と行動だろうか。ひとが目指す方向もそれぞれだ。
どこかで誰かが新しい何かを見つける。それで世界は変化する。
寒い冬がおわると同時に春の訪れだ。世間をにぎわした疑惑。
冬季のオリンピックは終了した。国家の柵はそれぞれ残された。
旧支配種族の運営とアンチドーピング団体。組織の台頭まで。
致死性の高い肺炎をもたらすウイルス。経済の世界的停滞から
遅延された東京オリンピック。パラリンピックも無事おわった。
陰りの見える人類最後の希望が……ダンジョンかもしれない。
偶然の進化でココの誕生。巻きこまれたドタバタ劇も解決した。
新しい何がが起こり世界は変化するのか。まだ誰も知らない。
深紅の車いす。「デカっ」双眸を見ひらき無意識につぶやいた。
最初のダンジョン突入を回想すると分析。それに検証だった。
最奥で遭遇したのは眠り姫のココ。すべてがそれで吹きとんだ。
地球にできたダンジョン。モンスター討伐の報酬は見えない。
ゲームの要素もない。それでも偶然ミナミで邂逅したアイさん。
彼女が強く望んだダンジョン。道中はザコ敵が現れるだけだ。
ダンジョンで魔物の心臓を喰らうココ。強化された結果かな?
ウサギから全身が進化したココ。等しく人間も進化できるのか。
モンスターから得る素材。アイさんにその詳細を確認して……
「アイちゃんおかしくね? 見た目めっちゃ若返ってんじゃん」
隣のアイさんを見ながら永依が叫ぶ。いきなり周囲に轟いた。
視線が集中すると……同時に全員。声もだせずに硬直したんだ。
直前まで……艶っぽいバインバイン。そんなアイさんだった。
いつのまにやら永依やココと同年代に見える姿。全身が縮んだ。
驚きながらアイさんも身体を確認する。同時に違和感を認識。
「あれ? 久々のエネルギー吸収。初期化されちゃったんだね」
アイさん限定で発生した現象でもないらしいよ。永依とココも
強化されたのかな。突きや蹴りを放って互いに威力を確認する。
ニヤリと笑いながら拳をぶつける二人。どこか不気味に映る。
おそらくは強化された階層主。特攻したから討伐時の恩恵かな。
闘いを見守るだけだった。自分が変化できないのも当前だよ。
直接攻撃の三人は明確な変容を認識した。これは当然だろう。
「こっち変化ない。効果のあった攻撃できた人間だけの恩恵?」
「うーんそれぞれ貢献度……です。差があるのかもしれません。
わたしも久しぶりであまりわかりません。この星についた当時。
まだ子供で……」ついこぼした独り言。驚きの返答はアイさん。
「ケーちゃん。パワーにスピード。あーしとココちゃんアップ。
全然ちがうしょ」「間違いないな……前とは威力がちがうから」
かなり強化したらしい。確認した永依が叫ぶとココも追随だ。
「攻略が進むと出てくるモンスター。だんだん強くなるからさ。
二人とも前衛だからアタッカー。強くなれるとありがたいよね」
「二人とも前衛特化。そのフォローと中近接万能型の美里さん。
指示役はケージくん。中近接補佐役のあたし。後衛にアイさん」
攻略チームの要は自分だ。追随する鈴音がいつもフォロー役。
もちろん回復魔法など使えるはずもない。闘う看護職の鈴音。
異能を行使するアイさん。可能なら早急にスキルを確認したい。
自衛隊による攻略。チーム編成から判明した最大人数八名だ。
モンスターの討伐で得るエネルギー。もちろん貢献度による。
能力の強化主体で肉体と精神。ともに最適化されるらしいけど。
まずは初回の討伐による特典。知能と身体も強化されたココ。
迷宮を創造した圧倒的存在による偶発的。不幸な事故の結果だ。
異能行使による独断的な顛末。それで唯一無二の存在を生む。
「ダンジョンですが……上位存在による操作。その実現化です。
どこかから認めた結果。いまの……おかしな状況。推測ですが」
もちろん静かに伝える姿は少女。なぜか若返りしたアイさん。
誰かが質問したわけでもない。額を指先で押さえて悩みながら
自らの意志で説明する。はるか過去を想像しながら伝えた知識。
「わたしの出身星。その恒星系もはるかな昔に消滅しています。
ひとが居住する惑星。同じ次元の宇宙に存在していたはずです。
わたしの故郷は時間を超越しました。それでも滅びました……」
ひとつずつの要素で言葉を区切る姿。躊躇う様子も感じない。
「推測が交じりますが前の会話です。星にダンジョンの誕生した
状況です。試練を……乗り越えることが可能と判断されました。
わたしたちよりも高次元に存在している。上位の超越者ですね」
どれほどの相手だろうか。かなり不遜だろうけど認識したい。
線から面に変化して立体を生むと空間。時間の要素を追加して
宇宙に進出する。時間を超越した人類も次元には縛られるのか。
ひとを越えた何かの存在だろう。すでに肉体は必要としない。
物理の用語かな。余剰の次元は観測も不可能とされる何かだ。
結局は目的と行動だろうか。ひとが目指す方向もそれぞれだ。
どこかで誰かが新しい何かを見つける。それで世界は変化する。
寒い冬がおわると同時に春の訪れだ。世間をにぎわした疑惑。
冬季のオリンピックは終了した。国家の柵はそれぞれ残された。
旧支配種族の運営とアンチドーピング団体。組織の台頭まで。
致死性の高い肺炎をもたらすウイルス。経済の世界的停滞から
遅延された東京オリンピック。パラリンピックも無事おわった。
陰りの見える人類最後の希望が……ダンジョンかもしれない。
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