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第一章 新たな問題はハーレムの増員?

第一話 女の子はたくましい(1)

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 結論から伝えよう……ダンジョンから始まる。そんな物語だ。


 2022年1月23日16時56分07秒。局部地震発生――
もちろん地球は滅亡……しない。地下でダンジョンが生まれる。


 21世紀到達もはるか昔。ノストラダムスの予言は与太話だ。
どこかで誰かが改ざんした黒歴史。もしくは妄想かもしれない。

 もちろん資源は枯渇していない。衰退しない人類がリアルだ。

 時折発生するのが国家の紛争。テロリストの暗躍も影響した。
現実には世界で蔓延するパンデミック恐慌。経済の停滞と同調。

 奇妙なタイミングで世界64か所だ。ダンジョンが誕生する。

 それが原因で発生した局部的な地震。公園調査に臨む二人だ。
起こる騒動……妙な状況。絡んで巡るとなぜか世界は安定した。


 だがしかし中心の……靱本町。何も状況は改善されていない。

 迫る大怪獣の着メロが流れ……確認する。新たな悩みの種だ。
返信のメールを待たされた状況は仕方がない。あきらめに近い。

『新三国同盟』締結。それが世界に与える影響は凄まじいもの。
突如として180度方針の転換。なぜか各方面から邪推された。

 世界をまとめて混沌に導く軍事国。二大強国と……同調した。
当初は個人主義と経済弊害だ。応じたのがレジスタンス活動だ。

 平等かつ公正社会の実現。それを理想にして活動する制度だ。
広義では社会を組織化すること。国民を支える制度が始まりだ。


 生産の共有と管理を一貫にする主張。マルクス主義の政権だ。
その崩壊で生まれたロシア。新社会主義は経済抑制を廃止した。

 社会保障と福祉国家。優先する流れもいつしか変化をとげた。

 それぞれ主張の異なる三国。共通する事情は長い国内不況だ。
資本主義あるいは自由経済が蝕んだ。崩壊に等しい三国なのだ。

 経済破綻も見える日本。バブルが弾けて中国経済は悪化した。
KGBによる影武者支配。統治で失敗したロシアの三国同盟だ。

 上下のない関係はデメリット破壊から進化共存も目的になる。
トライアングルの狭間にあるダンジョン。これを共同開発する。


 EU諸国と合衆国民主政権。新三国同盟は改めて脅威だった。
だがしかし反発と社会の改革。それが目的の指導者も台頭する。

 フランス社会党。大英帝国労働党。それらが連名で西側政権を
批判した。世界が同調する不思議な方向。なぜか準備は整った。

 社会民主主義。そんな古の概念が急速に現実味を帯びたのだ。

 ごっちゃ煮とかごちゃ混ぜとバカにする特定知識層。社会団体
組織の共同体による同時多発テロ。それらも瞬時に淘汰される。

 生まれたダンジョンは未知領域だ。リアルが妄想を破壊した。


 世界に国がいくつあるのか? 理解できる人間もごくわずか。
社会に認定される数。それだけでも実数196の国が存在する。

 世界を脅かせる半島国。首都ピョンヤンのダンジョン誕生だ。
それが統合を招いた。国際連合の所属すべてが賛成を採択した。

 加盟国家すべての一致。改定される名称が新暦の元年になる。
――同一時刻。世界中の都市で発生した――それが改革の礎だ。

 迎える新世界で『迷宮の日』呼ばれる名称。そう決定された。
ダンジョンの誕生がリアルも包括する。正しく世界が変容した。



 部隊長も護衛していない閣下。その来訪と謝罪から始まりだ。

「ほんまに悪いとおもうとる。ただなぁブーとシーに世界まで。
かねあいあるんだ。ちょっとお預けにさせてくれ。すまんがの」

「…………」ココは無言。「仕方ないよね」永依の表情は暗い。
「いつでも頭は仕事ばかり。真ん中になるケージの問題だぜ!」

 ほぼ無理くりの閣下だ。いきなり話題を変えて流れ被弾した。
「理解できませんね。なんで遊ぶのさ?」仕事中毒の種なんだ。

 入口でベル音が響いた。視線の先に美女二人が颯爽と登場だ。


「あら? ケージ君のそれ。冗談じゃなくてホンキだったんだ」
 右差し指で上唇を押さえる苦笑い。巨乳の白衣美女は鈴音だ。

「からかうよりも難物だから。佳二くんをなんとかしたいよね」
 毅然とした姿。皺もない三つ揃い。黒スーツの女性は美里だ。

「いやいや性格も関係ないよね。ダンジョン入れないだけでさ。
これから三国での意識統一とか。まぁ理解するしかないからね」

 何をどう伝えれば理解しやすいのかな。発する言葉にも悩む。

「組織勤めの経験ないからさ。時間を拘束されない好き勝手だ。
メシ食って酒を飲む。仕事と遊びの境界? ずっとあいまいで」

 いかように伝えるべきか。いつも遊びの感覚でただ流される。


「わぁったぜケージ。こっちに泊まりだから夜は新地かミナミ。
夕方から呑みいこう。それなりの格好だけしてりゃあいいから」
 頭を抱える閣下のお誘いだ。なんか理不尽な命令なんだけど。

 反論できないよね。女性陣も仕方ないかとあきらめの表情だ。
酒は好きだから不満じゃないけど。お水のお姉さんが苦手でさ。

 なにか落ちつかない。それでも新たな運命の幕開けになった。
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