恋人に捨てられた僕を拾ってくれたのは、憧れの騎士様でした

水瀬かずか

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番外編

罪科の足音1

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元恋人視点での番外編です。

*元恋人への、無理矢理・暴力行為があります。
 作品の雰囲気が少し変わりますので、苦手な方は、自衛をお願いします。






 
 テッドはいつものように新しいを探していた。
 今日は高級宿が決まっているから見つけやすいだろうとほくそ笑む。
 昨日の出来事は不愉快だった。しかし普段なら決して使うことのない高級宿のチケットが手に入ったのは、悪くなかった。

『悪かったな、今日はこれでおさめてくれ。明日宿泊できるように連絡をつけておく。恋人でも連れて楽しんでくれ』

 昔使っていたの恋人だという男は、意外に話のわかる男だった。クリスのことを思い出すとはらわたが煮えくり返るが、今は今夜使えるあなを捜すのが先だ。

 何が下手だ。ただの穴にどうして俺がそんな手間をかける必要がある。
 思い出すと腹立たしいが、所詮は使い捨ての穴の戯言だ。気にするのも馬鹿らしい。

 そうして捕まえたのが、男だったのは運が悪かったのか。だが、滅多に見ないほどの美貌の持ち主だ。その辺りの女よりよっぽど美人だ。そういう意味では運がいいとも言える。高級宿で部屋を取った後、声をかけられ意気投合し、そして件の高級宿になだれ込んだ。
 美しすぎるほどの男だった。自分より少し大柄なのが気に食わないが、この顔は悪くない。この美しい顔を歪ませ、自分よりでかい男が泣きながら懇願するのを想像すると、昨日の昼間の不快感が払拭される気がした。

 連れ込んでみれば、美貌の男は思った以上にノリがよく、テッドの身体に手を伸ばした。

「私みたいな男相手じゃ、その気になるのに時間が掛かるでしょう?」

 そう言って最初は手を取ってマッサージを始める。これが意外に気持ちがよくてそのまま身体をまかせると、身体をまさぐられ、フェラをされ、気がついたら押さえ込まれて尻の穴を解されていた。

「ひぁ……っ、あっ、てめ、なにしやが……あぁ……!!」

 なにかを、盛られたのだと思った。最初にあったのは異物感だ。ねっとりとしたなにかを入れられ、ぐちゅぐちゅと指を突き入れられ中をぐるりとかき回されて、気がついたら身体が跳ね上がっていた。
 異常なほど敏感になった身体は驚くほど力が入らず、少し押さえつけられるだけで抵抗ができなくなる。それどころか、押さえつけてくる手の触れるところが、擽るように触れる布の感触が、なにもかもがぞわぞわとした快感になって襲ってくる。

「ひっ、やっ、やめぇ……っ」

 跳ねる身体を押さえつけ、美貌の青年が「かーわいい」とクスクス笑う。耳元のささやきが、ぞわぞわとした快感となって突き抜け、身体がビクビクと跳ねる。

「あれぇ? 耳元で囁かれただけで、イっちゃったの?」
「……あっ、あっ、や、め………いやだっ、あっ」

 耳元で喋られるだけでぞくぞくする。吐息だけで身体が跳ねる。ツーと背中を指でなぞられて、悲鳴を上げながら仰け反った。

「ふふっ、きもちいいねぇ……? じゃあ、もっと気持ちよくなろうねぇ?」

 ぐちゅぐちゅと中をかき混ぜていた指が抜け、それだけで「あ゛っ」と声が漏れる。
 物足りなさに、尻の穴がひくひくと震えるのがわかったが、それどころではない。
 ぐりゅりと押し付けられた感触に、「ひぃっ」と身体が跳ねた。

 テッドは男を犯したことはあるが、犯されたことはない。入れられたいと思ったこともない。気持ち悪い。嫌だ。ちんぽを突っ込まれるだなんて、絶対に嫌だ。
 そう思うのに、きゅんと、散々慣らされた尻が疼いた。ちゅぷちゅぷと先端を押しつけられて、それを尻の穴がひくひくと咥え込んでは、ぞくぞくと身体が震える。身体が期待していた。指でぐちゅぐちゅとかき混ぜられたあの感覚が欲しい。あれを入れたら、どんな感じがするだろう。期待してしまった自分に絶望する。

「ほら、この雌穴に、ちんぽ欲しい?」
「い、いやだっ、いやだっ、いやだ……!!」
「ふふ、欲しくてたまんないのにだだこねるの、かわいーね? ごほうびだよ。入れてあげるね」

 ずぶずぶずぶと、自分のちんぽより大きいそれがテッドの尻の穴に埋まってゆく。

「あ゛あ゛あ゛……っ」

 中が、埋められてゆく。圧迫感と恍惚とするような満足感、そして目の奥がチカチカするほどの快感。信じられないほどに気持ちがよかった。

「あー、すっごい。君、名器だね。薬使ったにしても、感度よすぎ。ちんぽしゃぶるの上手すぎ。これなら、奥までいけるかなっ、と」

 ずんとつきあげられて、「お゛っ」と嘔吐くような声が漏れる。

「あっは、簡単に全部咥え込んじゃった! じょうず、じょうず!」

 ぐりぐりと奥を何度も抉られ、かき混ぜられる内臓に、吐きそうなほどの気持ち悪さが襲うのに、ちんぽを咥え込んだ尻の穴は、きゅんきゅんとしゃぶりつき、ぞわぞわとした快感を訴える。

「い、いや、だ……や、やめ……」

 怖くなってテッドは涙声で訴える。気持ち悪い。きもちいい。もうやめて欲しい、もっとして欲しい。

「だいじょーぶ。ちゃーんと、最後までやってあげるね。いやいやって言いながら気持ちよくなるの、興奮するよね? 奥ずんずん突き上げてあげる。きもちいいことされながら、いやいや言うの、サイコーにきもちいいもんね」

 ずるずると抜かれて、ずんと突き上げられる。

「んひぃ……っ」
「んひぃってなに? もっとかわいく啼いてよ。もっと、あんあん、やんやん言いながら腰振ってるの見たいなぁ?」
「ぃやだぁ……っ、や、やめ……っ」

 ずぼずぼと繰り返される動きに頭が働かなくなる。きもちいい、きもちいい、きもちいい。

「やっ、あっ、あっ、あっ、やだぁ……やだぁ……」

 ぼろぼろと涙を流しながら、揺さぶられ続ける。

「ふ、ふふ。そうそう、いい声。かわいー。もっとずぼずぼしようねぇ? きもちいいねぇ?」

 男の楽しそうな声を聞きながら、テッドは快感に啼き続けた。






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