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 指をくわえ込んだそこは、きゅうきゅうと気持ちよさそうに締め付けていた。

「これ以上は、ダメ、だ……っ ラーシュ、私の問題だけではなくなってしまう……っ」

 震えながら行為を受け入れているくせに、団長は口だけの抵抗で俺を煽ってくる。
 俺は団長に対して魔術を一切使っていない。そして俺は体術において団長に敵うことはない。
 ……つまり、そういうことだろ?

「騎士団への信頼の失墜、ですか? ……それもおもしろそうですねえ」

 ニヤニヤ笑いながら、覆い被さって耳元で笑い声を聞かせてやる。
 悲痛の表情が、ずいぶんと迫真に迫っている。

「でも俺としては別にどうでもいいことです。それよりも、ダメだダメだと言いながら気持ちよくてたまらない、あんたの方が気になります」
「ひぐっ……!!」

 内側をかき混ぜて、乳首をぎゅっと強くつまめば、目を閉じ震えながら快感をやり過ごそうとする団長の横顔が目に入る。歯を食いしばり快感に耐えるその顔はだらしなく口端から涎を垂らしているのに、情けないどころか、整った顔立ちににじむ苦痛に耐える男の色気が、むしろ欲情をそそる。

「乳首一緒にいじると、こっちの反応が、めちゃくちゃ良いですね」

 とがった乳首をくりくりといじりながら、びくびくと蠢きだした穴を揺する。指を根元までくわえさせたまま腰を揺らすように振動を与えれば、ぎゅうぎゅうと締め付けながら内壁が指をむさぼり出す。

「あぐぅっ、ダメ、だ、ラーシュ、頼む、制服を……っ」
「……どうしても、脱ぎたいんですか?」

 揺さぶられながら、がくがくと震えるように団長が頷く。

「……じゃあ、良いです。もう、やめましょう」

 溜息をついて、指を引き抜く。

「ひっ、ぃ……っっ」

 あまり濡れてない状態での急な動きに団長が身体を強ばらせた。

「あ、あ………………ラー……シュ」

 身体を離せば、団長は震えながら、頭と肩を壁にもたせかけ、尻を突き出したまま、衝撃と快感に耐えるように震えている。

「制服を脱ぐなら、やめます」

 肩で息をする団長がすがるように見つめてくる。それを見下ろしながらにっこりと笑うと、もう一度釘を刺すように言い放つ。
 顔の両脇についた団長の手は、わずかに震えていた。

「俺は別にやめても良いです。どうしますか? やめますか? それとも……これが欲しいですか?」

 カチャカチャとベルトを外し、前をくつろげるとまだ完全には勃起してない一物を取り出す。
 俺の動作を凝視していた団長の膝が、力が抜けたようにがくんと地についた。
 硬度のあまりないそれを団長の面前に突きつけ、形の良いあごを掴んだ。
 骨張った顎の線をなぞれば、わずかに伸びた髭の感触がざらりと指先をくすぐる。
 団長の喉が、ゴクリと一度上下した。
 後一押しか。

「ねぇ団長?」

 優しげに笑いかける俺を、強ばった顔の団長が見上げてくる。その髪を優しく撫でてから「どうしますか?」ともう一度優しく問いかけた。
 震える団長の口から、大きな舌が長く伸ばされた。

「これが欲しいなら、ちゃんと舐めてくださいよ」

 きれいな金髪を乱暴に掴む。

「あんたの好きな俺のチンポですよ。ケツにぶち込んで欲しいんですよね? しっかり舐めてその気にさせてください。一日仕事した後の、汗とションベンまみれの、汚ぇチンポでも欲しいのなら」

 嘲笑う俺の顔を見つめてくる団長の表情が、欲情をはらんだ。口を大きく開けて物欲しそうに舌をだらりと伸ばした間抜けな顔は、まるで俺からの許可を待つ犬のようだ。さらりとした髪を再びゆっくりと撫でれば、団長の目が軽く伏せられた。そして半立ちの俺の一物に目をやった後、大きな舌がつるりと先端を舐めあげる。
 ぞくりとした快感が、背中を震わせた。
 一度舐めると、そのままむさぼられるように半立ちのチンポは団長の口に飲まれていった。団長のごつい手が根元を抑え、もう片方の手がキンタマをわやわやと揉み始める。

 なんだこれ、すっげ、気持ちいい。

 勃起が完全ではない状態で全体が包み込まれなぶられる感触が、このごつい男の口の中で生まれている。
 熱い口内で、吸い付かれ、舌でぬるりとなぶられ、先端を喉の奥で押しつぶすように刺激してくる。
 くちょ、ぴちょ、ぴちょ
 チンポを食っている水音が路地に響く。

 ははっ、どんだけだよ……!!

 震えながらも舌を這わせる団長を嘲笑う。
 硬度を増してゆく竿に舌を絡め、大きな口が、ぐぽぐぽと吸い付きながら刺激を与えてくる。団長の口から俺のチンポが出入りしている。
 こんな街角で、団長が俺のチンポを咥えている。
 なかなか強烈な光景だった。あの団長が、この男臭い端正な顔でチンポくわえているだなんて、誰が思う。どこかうっとりとした表情で舌を這わしてくる姿は、ひどく浅ましく淫らだ。
 ぐぽっ、くちゅくちゅ、じゅぽ……。
 いやらしい水音が響く。ひどく気持ちよくて、動いてもないのに息が上がる。これだけ強烈な快感を与えられ、視覚的暴力とも言えるほどのいやらしい状況を目の前にして、理性も何も働かないぐらい頭の中は沸騰しているのに、なのに思考の片隅で、どこか他人事のように冷静にこの状況を見ている自分もいた。
 ぐぽ、ぐぽ……っ
 俺のチンポを咥えた団長が頭を揺すって奉仕してくる。ぞくぞくと背中に走る快感が止まらない。
 気持ちよくて、愉悦がこみ上げて、……ひどく胸が苦しい。
 ギリギリと歯を食いしばる。
 わけがわからない。複雑すぎる感情は、悲しいのか、腹立たしいのか、興奮しているのか、自分でも判断つかない。

「こんなくっせぇチンポでも舐めたくるぐらい、チンポが好きかよ……!!」

 腹立ち紛れに腰を突き上げて、喉の奥まで犯す。

「……ぅぐっ、グッ、ぐぅっ」

 口いっぱいの俺のチンポを喉の奥まで突っこまれ、えづきながらも涙目でそれを甘んじて受ける姿に、悔しさと興奮を覚える。

「ははっ、ねぇ、俺のくっせぇちんぽは、そんなにうまいですか?!」

 じゅほじゅぽと音を立てながら自分の赤黒いブツが団長の口から出入りしている。団長の端正な顔が苦しそうに歪んで涙で潤んだ目で、視線だけを向けてくる。自分よりがたいも大きく、実力も何もかもが上の男が、憐れな姿でこちらの動向を探る様子に、ぞくぞくと背筋が震えた。

「町ん中汚したらダメですからね、ちゃんと全部飲んでくださいよ」

 いっそう腰を早く動かすと、喉の奥を突き上げて、射精する。

「んぐっ……ぐうぅぅっ、……がほっ」

 喉の奥での射精は相当に苦しかったのか、むせる様子に慌てて腰を引いて口から取り出す。

「がほっ、ぐふっ……」

 ゲホゲホと咳き込む団長の顔に、口の中で出し切れなかった精液が、びちゃ、びちゃっとかかる。

「ハハッ、団長、良い格好ですね……お似合いですよ。精液のかかった顔で、乱れた団長服を着て……」

 咳き込んでいた団長が、はっとした様子で、むせる口元を抑えながら俺を見上げてきた。

「ラーシュ……頼むから、せめて制服を脱がせてく……」

 まだ、そんなことを言うんだ。余裕だな。まだ俺を煽り足りないって?
 まるで本気で焦っているように見えるのが笑える。
 そこまで嫌がってみせるなら、ちゃんと応えないといけないんだろうな。

「まだそんな事言ってるんですか。やったらいけないことをするから、興奮するんでしょう?」
「違う、そうじゃない……! 民への騎士団に対する信頼を損ねてしまう……!! 私だけの問題ではなくなる可能性が……っ」

 団長が言葉を重ねるほどに、笑いがこみ上げるのを、必死で抑える。
 どこまでも団長は虐げられるプレイが、どうにも好きらしい。

「……問題ないでしょう? 一目で分かる第三騎士団の色と、団長服。ほら、あんただけの問題だ。あんた一人評判落とせばいいだけです。ねぇ? 淫乱な団長さん?」
「……ラーシュ、私は……」

 男臭い端正な顔が、悲しみを纏って歪む。
 ねぇ、団長、俺はあんたにとって最高に都合の良い、相方でしょう?
 こんだけあんたの意志をくみ取ってやってんだから、まるで本気で傷ついたみたいな顔、すんじゃねぇよ。

「あんたが……! あんたが始めたことですよ」

 これ以上聞きたくなくて言葉を遮るように叫べば、彼は目をそらして口をつぐんだ。

「ほら、ちゃんと舐めてきれいにしてください」

 金髪を掴んで顔を上げさせると、萎えて力をなくしたチンポを突きつける。残りの精液が先端にとろりとたれているのを、団長が震えながらべろりとなめた。整った男臭い顔が、苦しげな顔で男の象徴を自ら舐める姿は、ひどく征服欲をくすぐった。
 一度舐めてしまうと、後は、与えられた好物でもしゃぶるかのように、夢中だと言わんばかりに再び愛撫を始める。

「……はっ」

 イった後の口淫の気持ちよさに、思わず吐息が漏れる。掴んでいた団長の前髪を放し、代わりにゆっくりとその前髪をかき上げるようになでつける。
 団長が、心地よさそうに目を細める。それで勢いが付いたのか、柔らかくなった鈴口をぺろぺろとなめ、優しくちゅぅっと吸い上げては、割れ目に舌先を入れ、くすぐるように動かす。
 気持ちよくて、身体がぶるりと震えた。
 それで更に勢いがついたのか、ちゅうちゅうと吸いながら唇ではむはむと緩急付けつつ竿まで口の中に呼び込み、柔らかな竿を舌で弄ぶように吸い付いたり舐めて弾力を楽しむかのように弄ぶ。
 ちらりと俺の様子をうかがう目つきに、獰猛な大型犬を服従させているかのような優越感がくすぐられ、……と同時に苛立ちを覚える。

 俺だけが気持ちよくされ、団長が余裕を取り戻しているかのような不快感。これは、俺からの仕返しだというのに、弄ばれているのではないか。
 俺は団長の体に手を伸ばす。
 耳をくすぐると、団長はチンポを口にくわえたまま、くふんと小さく鼻を鳴らす。そのまま首筋を撫で体の方へと指先を滑らせてゆけば、期待した目つきで俺を見上げ、いっそう力を込めてチンポをしゃぶりだす。
 俺は、壁に体重を預けると、腰を支点にして上体をががめ、団長の胸元に指を這わせた。
 びくりと大きな体が震えた。はだけたシャツの下に指を這わせて、小さな突起を探り出す。
 両手でチンポを持って口にくわえたまま、はぁ、と熱い吐息が団長から漏れた。期待する瞳に応えてにこりと笑ってやる。
 両方の胸の先端を探り当てると、軽く主張するその乳首をつまみ上げた。

「うぅ……っんっ、んっ」

 つままれて、くりくりといじられるだけで、団長の舌の動きが止まり、びくびくと体を震わせて、視線が宙をさまよう。

「……ほら、舌が止まっていますよ。ちゃんと舐めてください」

 腰を揺らして促すと、「うっ、ふっ、ぅっ」と、肯定の意志を示すうめき声を上げながら舐め始めるが、乳首をいじる度にそちらに意識が取られるのか、それまでのような愛撫への一途さがない。
 乳首をいじりながら、気もそぞろな団長の様子を見て、ようやく満足する。刺激を求めて巨体がゆるゆると腰を揺らしている。乳首に与えられる快感に流されそうになりながら、舌を動かそうとするもののうまくいかず、それでも必死に舐めようとする姿は、憐れで滑稽だ。
 そうだ、それでいい。
 吸い付くと言うより、口を開きっぱなしで、涎をだらだらとこぼしながら、犬のように口でハッハと息を漏らし、チンポにしゃぶりついている。出し入れするチンポがぴちょぴちょと音を立て、おざなりな舌の動きがもどかしい快感を引き立てる。

「あんた、ほんとに乳首いじられんの、好きですねぇ」

 くりくりといじる指先に力を入れると、身体がびくりとこわばり、団長はこらえきれなかったのか口からチンポを離して「ああああ……」と、声をあげながらへたり込む。
 団長は座り込んだまま、俺を見上げ、浅い息を繰り返していた。



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