地味顔陰キャな俺。異世界で公爵サマに拾われ、でろでろに甘やかされる

冷凍湖

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俺。星野志得(ほしの しえる)。高卒。フリーター。18。もうすぐ19。けど19には、なれなかった。
だって、俺は死んだから。

あー、似合いもしない正義感?なんて出すんじゃなかった。
道路に飛び出した見ず知らずの子どもを庇って、車に跳ねられた。で。死んだ。おわり。享年18歳。

ま、いいけどべつに。
だって俺は、陰気で馬鹿でひねくれ者で、家族……ってか母親の再婚相手と、その間にできたクソガキからも疎まれてて、童貞だし、コミュ障だし、友達もいないし、顔もよくないし、ユメもキボウもアリマセン、て感じ。
どーせ生きててもいいことなさそうだし、ま、いいかって。
さようなら、俺のクソみたいな人生。
できるなら来世はイケメンか美少女に生まれ変わりますように。





と、願って意識を手放したのに。





「きみ、きみ。大丈夫かい?しっかりしなさい」
「ん、うぅ……」

低く柔らかな男の声で、目が覚めた。
正直起きたくなかった。一命は取り留めていたとしても絶対大怪我してる。きっと、死ぬより死ぬほど痛いだろう。俺の人生、ただでさえクソなのに、更なるハードモード、決定。

「見たところ、怪我はしていないようだが……。聞こえるかい?」
「ほ、へ」

そっと抱き起こされ、まばたきをする。ぼんやりとにじんでいた焦点が、少しずつはっきりしてくる。

「えあ、あ」

ばっちりと目があった。
そこにいたのは、すごい美形だった。
え?なに?誰?芸能人?

「話せるかい?痛むところはないかな」
「ひぇ、な、ないれしゅ」
「そうか、よかった」

男はほっとしたように笑った。
笑うと、目の端にあわくしわが浮かぶ。すごくかっこいいけど、けっこう年上かもしれない。
って言っても、大人の歳とかよく分かんなくね?
10代から見れば25歳以上はもれなく中年、おっさん、感がある。
でもたぶんアラサーくらい?な感じ。
バイト先の居酒屋の店長が同じくらいの歳だった気がする。
こっちのほうが、比べものにならないくらいイケメンだけど。
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