【完結】虐待された少女が公爵家の養女になりました

鈴宮ソラ

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2章 悲劇の王女

夫と子供と

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「ハルティアに移住し、魔道具で容姿を変え、平民の青年と結婚したようだった。しかし、その青年は貴族の落胤だったのだ。」
「落胤、ですか。」
 祖母にあたるシンシア王女が産んだ子供というのは伯爵か伯爵夫人のはずです。となると……

「青年…アーク君とシンシアはオラルト伯爵家に迎えられ、貴族となった。アーク君の方は伯爵家の跡継ぎの地位も手に入れた。」
やはり、伯爵の方だったのですね。
「しかしシンシアは、それからしばらくして亡くなった。」
「…え?」
 祖母、シンシア王女が亡くなったという情報は、あまりに突然でした。

「アーク君は貴族になった事で豹変したらしい。高価なものを買い漁り、自分は貴族でシンシアをは平民だと見下した。当主になった頃には散財のせいで伯爵家は傾いていた。」
「伯爵家の財政が厳しかったのはそのせいだったのですね。」
「心労がたたったのだろう、変わってしまっても愛していた夫と産まれたばかりの息子を置いて、シンシアは流行病で亡くなった。」
「………」

 今まであった疑問の微かな隙間が、線でつながりました。私の容姿は祖母のシンシア王女譲り、シャーロット様があれほど驚いていたのもそのため、伯爵が傾いていた原因は祖父の散財。
 それと同時に、シンシア王女の人生がたまらなく不憫でした。

「エメリック嬢、私が今日貴殿をここに呼んだのは、この話を聞かせる為ともう1つあるんだ。」
「何でしょうか。」
「貴殿は今、幸せか?」
「え………」



 唐突だったので驚きました。ですが幸せか、そう聞かれると私は幸せです。まだ傷跡が残っているところもありますが、愛してくれる家族と婚約者に恵まれています。そのおかげで、私はここに立てているのです。愛してもらったから、私も努力して、手を取り合って、国を守ろうと思えるのです。これを幸せと呼ばずに何と呼ぶのでしょうか。

「はい、もちろんです。」

だから、自信を持って言いました。

「そうか……良かった。」
陛下は安心したように、声を絞り出しました。

「私は、ずっと後悔していたんだ。」
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