【完結】虐待された少女が公爵家の養女になりました

鈴宮ソラ

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第二部1章 隣国へ

パーティーの準備

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 そこから馬車は進み、王都へ到着しました。

 グレシアナの王都はハルティアとは違い、随分白を基調とした造りの建物が多いです。ゴミもあまり落ちていませんし、清潔感のある素晴らしい場所ですね。一方ハルティアの王都は様々な業種のお店が所狭しと並んでいます。貴族のタウンハウスは少し離れたところにあり、グレシアナとは違った活気が溢れてます。

 今回の訪問は陛下との会談の他に、グレシアナ各地の訪問などを予定しています。この国に知り合いをつくるのも良いですしね。そして今日は、会談ではありません。陛下との会談は日程の中盤を予定しています。今日はあくまでも顔合わせを兼ねたパーティーです。簡単に言うとウェルカムパーティーですね。
 とは言えグレシアナの国王陛下と王妃様、宰相様、教皇様、王太子様とその婚約者様などなど。グレシアナの重鎮や高位貴族の方々がそろい踏みで参加するそうです。

 グレシアナのことを調べてみて驚いたのですが、王太子の婚約者様は平民出身の方で、ある家に養女に入ったのだそうです。この事情はグレシアナ独特のものであり、知った時は本当に驚きました。

「お嬢様、装いが完成しました。」
「とっても素敵ですよ!!これならにも負けません!」
着いてきてもらったポーラさんとエリカさんに身だしなみを整えてもらいました。水色の髪は下ろしてもらい、紺色の髪飾りを。今回はパーティーではありますがグレシアナの方々と初対面。なのでなるべくシンプルで、それでいて地味すぎず。ドレスを選ぶのは難しかったですが、結局髪飾りに揃えて紺色のAラインドレスにしました。散りばめられた金色の刺繍が夜空の星のようなドレスです。いつもよりコルセットがキツく締められているのは気のせいでしょうか。

「では、行こうか。」
「はい。」
ハルティア王族の正装に身を包んだルークにエスコートされ、私たちは進みます。
「ハルティア王国国王、ルーク・ハルティア様。その婚約者レイ・エメリック様がいらっしゃいました!」
重厚そうな扉が開き、私たちは中に足を踏み入れました。いよいよご対面です。
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