【完結】虐待された少女が公爵家の養女になりました

鈴宮ソラ

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4章 無血革命

サイン

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「陛下、王妃殿下。どうされますか?決断をどうぞ。」
元に戻ったお父様は問いました。陛下は怯えた目でお父様を見つめており、リリアーナ王妃はそんな陛下を頼りなそうに見つめています。

「………」
「ラウス?どうするの……?」
陛下は一向に口を開きません。

「…………」
「早く決めてください。」
それでも陛下は口を開きません。

「……………」
「ラウスは王様でしょう!さっさと決めてよ!」
どれだけ言われても陛下は口を開きません。


 それからどのくらい経ったのでしょう。俯き、黙ったままの陛下はいつになっても決断をしません。

「…………す」
シンと静まり返った謁見の間に、僅かな音が響きます。どうやら陛下の声のようです。ですがよく聞こえませんね。一体どちらなのでしょうか。

「………渡す、王権を渡す。」
どうやら王座を明け渡すようです。お父様はニコリと笑いました。

「では、こちらの書類にサインを。ペンもありますから。」
差し出されたのは、王権放棄の誓約書です。革命派の輪は広く、約半分の貴族が賛同しているおまけ付きです。これが無いと後々渡す渡してないの問題に発展しかねませんから。

 震える手で陛下はサインしました。この時点でハルティア王国に国王はいなくなりました。今、王位は誰のものでもありません。

「ありがとうございます。」
お父様は丁寧に書類を懐にしまいます。リリアーナ王妃は膝から崩れ落ちました。いえ、もうただの罪人ですね。

 元陛下夫妻が王位を放棄したことで、彼らを私達で裁けるようになりました。罪状はまぁ、色々です。ありすぎて挙げるとキリがありません。

「レイ、魔法を。」
「はい。」
私は魔法を解除し、謁見の間は解凍されました。放ち続けていた魔力が戻ってきます。

 本当に、終わったんですね。











ーーーーーー

 あまり気にしていませんでしたが、いつの間にかお気に入り登録が900以上も……!こんなに沢山の方々に私の作品が読んでもらえているなんて感無量です。本当にありがとうございます!

 さて、この物語「虐待されて少女が公爵家の養女になりました」4章は終了となります。革命が終了し、大きな節目を迎えました。ラスト感が漂っていますが、まだ物語は続きます。レイとルークの関係性に触れていこうと思いますので、お楽しみに。

                  作者より
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