【完結】虐待された少女が公爵家の養女になりました

4章 無血革命

交渉

　魔力が貯め終わり、それを一気に解放します。
「凍れフリーズ！」
放たれた氷の魔力が謁見の間を覆い、窓や扉を凍結させます。ドシンという音と共に、瞬く間に謁見の間は周囲から断絶されたのです。私の魔力で閉ざされた魔力空間です。

「きゃああ！！」
「な、何の音だ？！」

　狼狽えるお2人。私たちを睨みつけた陛下はさぞ驚いた事でしょう。私、今とっても黒い笑顔をしていると思いますもの。とはいえ少しクラクラしますね。一気に魔力を解放しましたから。
「さぁ、お2人。お話をしましょうか。」



　王妃様は怯え、陛下は王妃様を守るように前に立ちはだかります。

「謀ったな！しかし反逆罪で……」
「残念、この場所はレイの魔法で周囲から孤立しています。」
「そんなもの、私の魔法で！！」
そう言って陛下は魔法を放ちました。どんな魔法が出るんだと思いきや、か細い炎の矢が1本だけ。流石にそんなもので崩れるほどやわな魔法ではありません。

「貴方の選択肢は2つです。」
放心している陛下にツカツカとお父様は近づきます。
「1つ、議会を設立する。各身分の代表者を集めて会議で国を動かします。」
平民の人でも政治に関われるという事です。

「もう1つは、王権の明け渡しです。無能な貴方に代わり、我々が国を治めます。」
どちらにせよ、ハルティアの絶対王政は終わるという事ですね。

「どちらにしますか？」

絶望したのか、膝をついている陛下。それを立っているお父様は現在陛下を見下すような構図になっています。

　数百年、王が統治を続けたハルティア王国。でも王家も貴族も腐りすぎたのです。建国時に王と2人の親友が独立…革命を邁進したように、新たな革命が今、進んでいます。

「ふざけるな……ふざけるなぁ！！！」
相変わらず殴り掛かろうとした陛下。しかし、お父様は……

「ふざけてんのはそっちだ。」
陛下のお腹を思い切り蹴り飛ばしました。










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