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4章 無血革命

気まずい行き合わせ

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 私とお父様は王宮にやって来ました。理由は勿論、婚約に関するお話のため………及び計画実行のためです。
 今日の為に、いつも以上に魔力操作の練習を積んできました。それでもやっぱり緊張はするもので、心臓がバクバクとうるさいです。

「緊張しているのかい?」
「はい……でも、絶対に成功させてみせます。」

 お父様は私の頭に優しく手を置きました。
「そう気張らなくても大丈夫だよ。あんなに練習したじゃないか。」
「そう……ですね!」

 少し緊張が解けたところで、王宮に到着しました。謁見の間を目指し進んで行きます。

「公爵。」
 と、その時。ルーク殿下に会いました。
「王太子殿下。」
「…今日はどのような要件で?」
 殿下の視線がどこか疑うようなものに感じたのは、私の深読みなのでしょうか。

「陛下にお話がありましてね。謁見の間へ参ります。」
「そうか。」
「では、時間も迫っていますので。」
 足早に会話を切り上げ、お父様は歩きだしました。
「いくよ、レイ。」
「はっ、はい!」
そんなお父様に私もついて行きます。

「……レイ嬢。」
 殿下に呼び止められます。振り向くべきか迷いました。何故って、今から王家に攻撃するのですから。殿下に余計なことを勘づかれてはいけませんから。
 それでも、私は振り返りました。お父様も立ち止まってくれました。

「フレイズ男爵。」
「え?」
「もうすぐ、私は王族ではなくなる。次の名だよ。」
「………」
 言葉が出ませんでした。何と言っていいのか分からなかったのです。

「そうしたら、レイ嬢の方が上の立場になってしまうね。」
「そんな…殿下は……」
「お世話になった公爵にも伝えなければなりませんね。私はもうすぐフレイズ男爵になります。」
「殿下……」

 お父様と私が立ちすくんでいると、殿下は悲しそうに微笑みました。
「では、謁見があるのでしたね。呼び止めて申し訳ない。」
「いえ……」
そう言って、殿下は通路の向こうに消えて行きました。

「レイ、やっぱり今日は必ず成功させよう。」
 お父様を見上げると、確かな意思が宿っていました。
「勿論です。」
私も意志を固くしました。


 進んだ先にあるのは謁見の間。扉が開き、陛下が見えてきます。

 革命の始まりです。
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