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3章 共同作戦

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 今日私はお父様と共に王宮に向かっています。王太子殿下から直々に登城の命が下ったのです。まさか革命派の件で何かあったのでしょうか。先日派閥の話を聞かされたばかりなので何だか不安です。


「王太子殿下、リアム・エメリックが参上しました。」
「同じくレイ・エメリックが参上しました。」

 謁見の間にて、王太子殿下がお目見えになりました。パーティーの時とはまた違った風格がありますね。
 というか、この謁見の間には他の貴族どころか私たち3人以外に誰もいません。何故なのでしょうか。

「急な要請だったにも関わらず応じてくれて感謝する。今日はハルティア王国の今後を左右する可能性のある案件について、明晰なエメリック公爵の意見を聞きたい。」
「私たちで力になれるならなんなりと。」
「そうか、ありがとう。では……」

 いつになく重苦しい雰囲気の中、殿下は口を開きます。

「最近、テレネシア公爵家で不審な動きが発見された。」
「!?」

 私とお父様はいっせいに目を見開きました。お父様も先日話していましたが、殿下も気づいているのでしょうか。そして、何故それを私たちエメリック公爵家に言うのでしょうか。

「法官であるエメリック公爵なら気づいているのではないのか?テレネシア家を監視していたようだし。」
 お父様がテレネシア家の悪事を追っていたことまで知っているのですね。表情からはどこまでも底が読めません。さすが国のトップとなる方。簡単には意図が読めません。

「…………その通りです。テレネシア家を秘密裏に監視していました。その事を咎めていただいても結構です。」
「いや、処罰はしない。」



「私と協力してテレネシア家を追い詰めてほしい。」
「!?」
再び目を見開きます。王太子殿下直々に、しかも革命派であるエメリック家と手を組むのですか。中々に大胆です。

「殿下、ご自身がどれ程ハイリスクな事を言っているか理解していますか?」
「あぁ、分かっている。そして、ハイリスクだけどハイリターンでもある、そうだろう?」
「…………はい。」

 2人の言っているリスクは、国内の混乱でしょう。国内に2つしかない公爵家を追い詰めるのですから。派閥関係が大きく変化していくことが容易く予想できますね。
 対してリターンは、真っ当な王室ができることでしょう。愚かなディアナ様は王太子妃から降ろされ、傀儡王室を創ろうとしていた王室派は衰退する。めでたく正義が成されるのです。



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