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2章 王太子と公爵令嬢
問題のある次期王太子妃
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デビュタントパーティーを終え、私は帰路に着いていました。ドロシー様と出会い、ディアナ様に恨まれ、王太子殿下と踊った心の感覚が、今も残っています。
「お嬢様…!お帰りなさいませ~!」
「お帰りなさいませ、お嬢様。パーティー、お疲れ様です。」
「ありがとう。お父様は?」
「急を要する捜査が入ってしまったと仰っていました。夕方近くに帰ってくるそうです。」
「そうですか…」
パーティーで起こった事をすぐに話せないのは少し残念ですね。
「あぁレイ!お帰り!どうだった?」
「お嬢様!ご無事で良かったです。」
「お母様、先生、凄く楽しかったです。」
「良かった!」
それからお母様と先生には社交界であったことを1つ1つ話しました。ディアナ様との出来事を話すと、お母様と先生は顔を見合わせました。
「やはりテレネシア公爵令嬢ですか…」
「困ったものねぇ、ディアナ嬢も。」
「そんなによくないのですか?」
「うーん……私からより、奥様からお願いします。」
「ええ。何から話そうかしら…」
先生が躊躇うなんて、ディアナ様はそんなに問題のある人なのでしょうか。
「まず、ディアナ嬢は王太子殿下の婚約者なのは知ってるわよね?」
「はい。」
「2人の婚約は国王陛下が決めたんだけど…その理由が、最も地位が高い令嬢だからというだけだったの。」
「え?」
「その当時、この国には公爵令嬢が1人だったから…」
「い、いやその前に。国王陛下がそんな適当な理由で王太子妃を決めて良いのですか?もっと頭脳とか、人望とか…」
「………」
「………」
2人とも黙ってしまいました。
「現国王は無能だ。」
部屋の扉から声が聞こえてきました。そこにいたのは、お父様でした。
「公爵様!夕方のお帰りでは…?」
「早く終わった。」
「それよりあなた!国王陛下にそんな……」
「事実だろう?」
「そ、そうだけど…」
「コホン。レイ、さっきリアムが言ったように今の国王陛下の政治は…あまり褒められたものでは無いの。それは後継者にしても…」
「適当と言って差し支えないな。」
「え、ええ。国王陛下は身分のみでディアナ嬢を王太子妃に決めたの。そして…ディアナ嬢は権力を振りかざしてやりたい放題。デビュー前のお茶会では問題ばかり起こしていたわ。」
「テレネシア公爵夫妻も止めようとしない。」
「そうなの。王太子殿下が不憫だわ…」
知りませんでした。この王国、中々危機に瀕しているのでは?
「とにかく、テレネシア公爵令嬢はそういうお方なのです。」
先生が場を纏めようと一括。その話はここで終わりました。
「お嬢様…!お帰りなさいませ~!」
「お帰りなさいませ、お嬢様。パーティー、お疲れ様です。」
「ありがとう。お父様は?」
「急を要する捜査が入ってしまったと仰っていました。夕方近くに帰ってくるそうです。」
「そうですか…」
パーティーで起こった事をすぐに話せないのは少し残念ですね。
「あぁレイ!お帰り!どうだった?」
「お嬢様!ご無事で良かったです。」
「お母様、先生、凄く楽しかったです。」
「良かった!」
それからお母様と先生には社交界であったことを1つ1つ話しました。ディアナ様との出来事を話すと、お母様と先生は顔を見合わせました。
「やはりテレネシア公爵令嬢ですか…」
「困ったものねぇ、ディアナ嬢も。」
「そんなによくないのですか?」
「うーん……私からより、奥様からお願いします。」
「ええ。何から話そうかしら…」
先生が躊躇うなんて、ディアナ様はそんなに問題のある人なのでしょうか。
「まず、ディアナ嬢は王太子殿下の婚約者なのは知ってるわよね?」
「はい。」
「2人の婚約は国王陛下が決めたんだけど…その理由が、最も地位が高い令嬢だからというだけだったの。」
「え?」
「その当時、この国には公爵令嬢が1人だったから…」
「い、いやその前に。国王陛下がそんな適当な理由で王太子妃を決めて良いのですか?もっと頭脳とか、人望とか…」
「………」
「………」
2人とも黙ってしまいました。
「現国王は無能だ。」
部屋の扉から声が聞こえてきました。そこにいたのは、お父様でした。
「公爵様!夕方のお帰りでは…?」
「早く終わった。」
「それよりあなた!国王陛下にそんな……」
「事実だろう?」
「そ、そうだけど…」
「コホン。レイ、さっきリアムが言ったように今の国王陛下の政治は…あまり褒められたものでは無いの。それは後継者にしても…」
「適当と言って差し支えないな。」
「え、ええ。国王陛下は身分のみでディアナ嬢を王太子妃に決めたの。そして…ディアナ嬢は権力を振りかざしてやりたい放題。デビュー前のお茶会では問題ばかり起こしていたわ。」
「テレネシア公爵夫妻も止めようとしない。」
「そうなの。王太子殿下が不憫だわ…」
知りませんでした。この王国、中々危機に瀕しているのでは?
「とにかく、テレネシア公爵令嬢はそういうお方なのです。」
先生が場を纏めようと一括。その話はここで終わりました。
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