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2章 王太子と公爵令嬢
テレネシア公爵令嬢
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「王宮騎士団長○○の息子、○○と申します…」
「はい、以後お見知り置きを。」
これで、何人目でしょうか。もうさすがに聞き飽きてきましたね。
やっぱり、自分から話しかけ行った方がいいですね。私自身で少し選ばせていただきます。
「やめてください……私はまだ未成年なんです……」
「うるさいわよ!私が誘っているのだから、さっさと飲みなさいな!」
「で、ですが……」
善良そうな人を探して会場をうろついていた時でした。2人の令嬢が何やら揉めているようです。
「男爵家ごとき、我が家にかかればすぐに潰せるんですのよ!分かっているのでしょうね?」
「はひぃ……」
「こんな高級なワイン、男爵家では買えないでしょう?私はわざわざ飲ませてあげようとしているというのに……!」
「いえ、その……」
どうやら酔った方が絡んで、お酒を強要しているようですね。これは止めなくては。
「おやめ下さい。この方が嫌がっているではないですか。」
「あらぁ!私が誰だか分かっているんでしょうね?よっぽど度胸があるようで!」
「失礼ですが、どなたでしょうか。」
私は数秒後、この発言が失言だったと思い知らされました。
「キィィィィ!この私が分からないですの!?良いでしょう、教えて差し上げますわ!」
そう言うとその方は、反り返りそうな程胸を張り、自信満々に言いました。
「私はテレネシア公爵家の長女であり、王太子殿下の婚約者!高貴な血筋で王国唯一の公爵令嬢、ディアナ・テレネシアですわ!」
なるほど、そういう事ですね。
この方が先生が気をつけろと言っていたテレネシア公爵令嬢ですか。確かに正常な方ではありません。
「なっ、何ですの!?驚きませんの!?」
「1つ訂正してもよろしいですか?この国の公爵令嬢は1人ではありません。」
「何を言っているのです!?」
酔っているからなのか、本当に知らないのかは分かりません。ですが、公爵令嬢はもう1人いるのです。ここに。
「さっきから意味が分かりませんわ!名も名乗らず好き勝手言って!」
そういえば名乗っていませんでしたね。
「私はレイ・エメリックと申します。」
私が自己紹介をすると、ディアナ様は目を見開きました。
「ま、まさか…その不気味で頭のおかしい髪と瞳の色!エメリック公爵家の養女の!」
「初対面で侮辱とは失礼ですね。」
「私は貴方を公爵令嬢とは認めませんわ!この国の公爵令嬢は私1人で充分ですの!」
真っ赤な顔をしながら指をさされても、私が公爵令嬢という事は変わりません。
永遠とも思える長い時間、私たちはこうして言い合っていました。
「どうしたんだディアナ?騒がしいぞ。」
この人が現れるまでは。
「はい、以後お見知り置きを。」
これで、何人目でしょうか。もうさすがに聞き飽きてきましたね。
やっぱり、自分から話しかけ行った方がいいですね。私自身で少し選ばせていただきます。
「やめてください……私はまだ未成年なんです……」
「うるさいわよ!私が誘っているのだから、さっさと飲みなさいな!」
「で、ですが……」
善良そうな人を探して会場をうろついていた時でした。2人の令嬢が何やら揉めているようです。
「男爵家ごとき、我が家にかかればすぐに潰せるんですのよ!分かっているのでしょうね?」
「はひぃ……」
「こんな高級なワイン、男爵家では買えないでしょう?私はわざわざ飲ませてあげようとしているというのに……!」
「いえ、その……」
どうやら酔った方が絡んで、お酒を強要しているようですね。これは止めなくては。
「おやめ下さい。この方が嫌がっているではないですか。」
「あらぁ!私が誰だか分かっているんでしょうね?よっぽど度胸があるようで!」
「失礼ですが、どなたでしょうか。」
私は数秒後、この発言が失言だったと思い知らされました。
「キィィィィ!この私が分からないですの!?良いでしょう、教えて差し上げますわ!」
そう言うとその方は、反り返りそうな程胸を張り、自信満々に言いました。
「私はテレネシア公爵家の長女であり、王太子殿下の婚約者!高貴な血筋で王国唯一の公爵令嬢、ディアナ・テレネシアですわ!」
なるほど、そういう事ですね。
この方が先生が気をつけろと言っていたテレネシア公爵令嬢ですか。確かに正常な方ではありません。
「なっ、何ですの!?驚きませんの!?」
「1つ訂正してもよろしいですか?この国の公爵令嬢は1人ではありません。」
「何を言っているのです!?」
酔っているからなのか、本当に知らないのかは分かりません。ですが、公爵令嬢はもう1人いるのです。ここに。
「さっきから意味が分かりませんわ!名も名乗らず好き勝手言って!」
そういえば名乗っていませんでしたね。
「私はレイ・エメリックと申します。」
私が自己紹介をすると、ディアナ様は目を見開きました。
「ま、まさか…その不気味で頭のおかしい髪と瞳の色!エメリック公爵家の養女の!」
「初対面で侮辱とは失礼ですね。」
「私は貴方を公爵令嬢とは認めませんわ!この国の公爵令嬢は私1人で充分ですの!」
真っ赤な顔をしながら指をさされても、私が公爵令嬢という事は変わりません。
永遠とも思える長い時間、私たちはこうして言い合っていました。
「どうしたんだディアナ?騒がしいぞ。」
この人が現れるまでは。
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