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1章 新しい家族
薬草学の知識
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「サクラ……!」
サクラは、東洋にある島国の植物です。ピンク色の花が沢山の咲きます。地面に落ちた花はふわふわしたピンク色のカーペットのようで、とても美しいです。
「この木の下で男女が告白すると、必ず結ばれるという言い伝えがあるのですよね。」
「え、えぇ……」
サクラに伝わるロマンチックな言い伝えです。この見惚れる植物の下で告白なんて、されてみたいものです。虐待され公爵に助けられたなんて一風変わった経歴を持つ私と婚約したい人がいればの話ですがね。
「お、お嬢様。少し良いですか?こちらの植物の名前は何でしょう。」
「ウツボグサです。これも東洋の植物ですよね。」
「正解です。では、これは?」
「アロエです。消化不良などに効き目があるのですよね。花壇の一部分だけオレンジの花が咲いていますが、これは冬季に咲くアロエの花です。」
「よくお分かりで。ではこの実は?」
「カラスウリです。花が独特で、日没後に開花して、日が昇る頃には萎んでしまうんですよね。」
「………正解です。」
私が造作もなく答えると、先生はなんだか元気を無くしている気がします。
「お嬢様は、薬草に関してとても深い知識をお持ちなんですね。最後のカラスウリは教えていなかったのに……私より詳しいのではないですか?」
「褒めすぎですよ。」
「いいえ、先程から魔法植物の事も知っておられました。お嬢様は薬草学の天才ですね。」
「あ、ありがとうございます。」
どうやら公爵邸の図書室で植物に関する本を読み漁っていたのがバレてしまったようですね。それにしても才女の先生に褒められるのは嬉しいものがあります。
「薬草について、私から教えられる事はもうございません。魔法制御も上達していらっしゃいますし、何か知りたい事はありますか?」
「知りたい事……」
あまり思いつきませんね。王国史も一通り教えてもらいましたし、薬草学も終わりました。語学や数学、古典も同様です。
「無ければ、いよいよ令嬢としての勉強に入りましょう。」
「令嬢としての勉強?」
「はい。お嬢様は令嬢ですから、いずれやって来るデビューを迎えれば立派な社交界の一員です。その時に恥をかいたり、失礼の無いようにするため、マナーなどを勉強します。」
「なるほど。」
ここまで話を聞いておいてなんですが、1つだけありました。気になることが。
「あの…あれからオラルト伯爵家はどうなったんですか?」
「!」
勉強ではありませんが、ずっと前から気になっていました。お父様に逮捕されたあの家がどうなったのか。それを知らなければ、前に進めない気がします。公爵令嬢になる者として。
「お辛いお話になってしまうかもしれませんが、よろしいですか?」
「はい、もちろんです。」
サクラは、東洋にある島国の植物です。ピンク色の花が沢山の咲きます。地面に落ちた花はふわふわしたピンク色のカーペットのようで、とても美しいです。
「この木の下で男女が告白すると、必ず結ばれるという言い伝えがあるのですよね。」
「え、えぇ……」
サクラに伝わるロマンチックな言い伝えです。この見惚れる植物の下で告白なんて、されてみたいものです。虐待され公爵に助けられたなんて一風変わった経歴を持つ私と婚約したい人がいればの話ですがね。
「お、お嬢様。少し良いですか?こちらの植物の名前は何でしょう。」
「ウツボグサです。これも東洋の植物ですよね。」
「正解です。では、これは?」
「アロエです。消化不良などに効き目があるのですよね。花壇の一部分だけオレンジの花が咲いていますが、これは冬季に咲くアロエの花です。」
「よくお分かりで。ではこの実は?」
「カラスウリです。花が独特で、日没後に開花して、日が昇る頃には萎んでしまうんですよね。」
「………正解です。」
私が造作もなく答えると、先生はなんだか元気を無くしている気がします。
「お嬢様は、薬草に関してとても深い知識をお持ちなんですね。最後のカラスウリは教えていなかったのに……私より詳しいのではないですか?」
「褒めすぎですよ。」
「いいえ、先程から魔法植物の事も知っておられました。お嬢様は薬草学の天才ですね。」
「あ、ありがとうございます。」
どうやら公爵邸の図書室で植物に関する本を読み漁っていたのがバレてしまったようですね。それにしても才女の先生に褒められるのは嬉しいものがあります。
「薬草について、私から教えられる事はもうございません。魔法制御も上達していらっしゃいますし、何か知りたい事はありますか?」
「知りたい事……」
あまり思いつきませんね。王国史も一通り教えてもらいましたし、薬草学も終わりました。語学や数学、古典も同様です。
「無ければ、いよいよ令嬢としての勉強に入りましょう。」
「令嬢としての勉強?」
「はい。お嬢様は令嬢ですから、いずれやって来るデビューを迎えれば立派な社交界の一員です。その時に恥をかいたり、失礼の無いようにするため、マナーなどを勉強します。」
「なるほど。」
ここまで話を聞いておいてなんですが、1つだけありました。気になることが。
「あの…あれからオラルト伯爵家はどうなったんですか?」
「!」
勉強ではありませんが、ずっと前から気になっていました。お父様に逮捕されたあの家がどうなったのか。それを知らなければ、前に進めない気がします。公爵令嬢になる者として。
「お辛いお話になってしまうかもしれませんが、よろしいですか?」
「はい、もちろんです。」
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