112 / 153
第11章 クラス対抗魔法球技戦編
ストライクボール1年決勝①
しおりを挟む
ルーシッド、ルビア、フェリカ、キリエの4人は食堂から出場選手の控室へと向かった。
3日目の午前までで全競技が準決勝まで終了し、午後からはいよいよ決勝戦がスタートする。3日目午後がストライクボール、4日目午前がエリアボール、午後がバトルボールの決勝である。それぞれ1年生から順に行われていく。
準決勝までは日程を早めるために、いくつかの会場に分けて同時進行で行っていたが、決勝戦はメイン会場である大闘技場で行われる。入学試験の実技試験でも使用された会場である。準決勝で敗れた選手たちも試合に出場しない生徒たちも観客席にぞくぞくと集まってきていた。
闘技場はストライクボールの試合のためにすでに準備が整えられおり、試合開始を前に生徒会長のフリージア・ウィステリアが挨拶をするために会場の中央に立っていた。
会場全体にフリージアの透き通るような声が響き渡る。
フリージアは『藤色』という薄紫色の魔力を持つ魔法使いのため、青の魔力によって行使できる『音の魔法』を魔法具なしで使用することができた。
「皆さん、今年度の学年別魔法球技戦も、いよいよ決勝を残すのみとなりました。ここまで善戦しながらも惜しくも敗れた人たちも、あとは試合を楽しみましょう。
それでは、学年別魔法球技戦、決勝戦の開幕です!」
会場は歓声と拍手に包まれた。
控室にはルーシッド達のクラスがすでに集まっていた。
「いよいよ決勝戦ね。3競技全てで決勝戦に進めたのはすごいことだわ。でも私たちにならその先。3競技優勝だって絶対できるわ」
クラス委員長のシアンがそう言って出場する選手を鼓舞する。
ストライクボールに出場する選手たちはみな自信を持って頷いた。
「いよいよ決勝ですね」
スピーチが終わって戻ってきたフリージアを迎えた、生徒会副会長のヴァンがそう言った。
「そうね、最後までトラブルなく終われるようにもうひと頑張りしましょう」
「会長は今日のストライクボール決勝に出場するんですよね?」
「ええ、私たちのクラスはそれで終わりだわ。ヴァンくんは明日のバトルボールだっけ?」
「はい。今日のストライクボール決勝は生徒会メンバーも多く出ますね。1年生はマリンさん、2年生はサラさん、3年生はシヴァさん、そして4年生は会長ですね」
「そうね~。1年生のマリンさん、意気込んでいたわね。空回りしなきゃいいけど…」
フリージアは心配そうにため息をついた。
「決勝でルビアさんとですからね。入試の時の雪辱を晴らすと燃えていましたね。
にしても1年5クラスはすごいですね。1年生で3競技全てで決勝に進出したのは初ですからね」
「そうねぇ。それに、あのクラスなら全競技優勝もありそうね」
「試合をやる度に観客が増えていますね。次は何をやってくるのかと生徒たちの間でも話題になっているみたいですね。この決勝の舞台でどんな試合をするのか私も楽しみではありますね」
「あらあら。まぁでも実は私もちょっと楽しみだったり。生徒会としてあんまり1つのクラスに肩入れするのもどうかと思うけど」
フリージアはいたずらっぽく笑った。
「普通なら1つの戦法が上手くいったら同じ戦法で行くはずなのに、5クラスはここまで全試合でメンバー構成も戦法も変えてきてるわ。何て言うか…期待を裏切らないというか…だからきっと決勝でもまた違う戦法で来るんじゃないかしら」
「今までに誰もやらなかった戦法や、やりたくてもできなかった戦法を次々と使ってきてますからね。本当にあのルーシッドさんの頭脳はどうなってるんでしょうか」
ヴァンはすでに今回の5クラスの活躍の背後にいる立役者がルーシッドであることに確信を持っていた。
「ほんとにね。さぁ、そろそろ行きましょう。1年生の試合が始まっちゃうわ」
そう言うと2人は観客席へと向かった。
3日目の午前までで全競技が準決勝まで終了し、午後からはいよいよ決勝戦がスタートする。3日目午後がストライクボール、4日目午前がエリアボール、午後がバトルボールの決勝である。それぞれ1年生から順に行われていく。
準決勝までは日程を早めるために、いくつかの会場に分けて同時進行で行っていたが、決勝戦はメイン会場である大闘技場で行われる。入学試験の実技試験でも使用された会場である。準決勝で敗れた選手たちも試合に出場しない生徒たちも観客席にぞくぞくと集まってきていた。
闘技場はストライクボールの試合のためにすでに準備が整えられおり、試合開始を前に生徒会長のフリージア・ウィステリアが挨拶をするために会場の中央に立っていた。
会場全体にフリージアの透き通るような声が響き渡る。
フリージアは『藤色』という薄紫色の魔力を持つ魔法使いのため、青の魔力によって行使できる『音の魔法』を魔法具なしで使用することができた。
「皆さん、今年度の学年別魔法球技戦も、いよいよ決勝を残すのみとなりました。ここまで善戦しながらも惜しくも敗れた人たちも、あとは試合を楽しみましょう。
それでは、学年別魔法球技戦、決勝戦の開幕です!」
会場は歓声と拍手に包まれた。
控室にはルーシッド達のクラスがすでに集まっていた。
「いよいよ決勝戦ね。3競技全てで決勝戦に進めたのはすごいことだわ。でも私たちにならその先。3競技優勝だって絶対できるわ」
クラス委員長のシアンがそう言って出場する選手を鼓舞する。
ストライクボールに出場する選手たちはみな自信を持って頷いた。
「いよいよ決勝ですね」
スピーチが終わって戻ってきたフリージアを迎えた、生徒会副会長のヴァンがそう言った。
「そうね、最後までトラブルなく終われるようにもうひと頑張りしましょう」
「会長は今日のストライクボール決勝に出場するんですよね?」
「ええ、私たちのクラスはそれで終わりだわ。ヴァンくんは明日のバトルボールだっけ?」
「はい。今日のストライクボール決勝は生徒会メンバーも多く出ますね。1年生はマリンさん、2年生はサラさん、3年生はシヴァさん、そして4年生は会長ですね」
「そうね~。1年生のマリンさん、意気込んでいたわね。空回りしなきゃいいけど…」
フリージアは心配そうにため息をついた。
「決勝でルビアさんとですからね。入試の時の雪辱を晴らすと燃えていましたね。
にしても1年5クラスはすごいですね。1年生で3競技全てで決勝に進出したのは初ですからね」
「そうねぇ。それに、あのクラスなら全競技優勝もありそうね」
「試合をやる度に観客が増えていますね。次は何をやってくるのかと生徒たちの間でも話題になっているみたいですね。この決勝の舞台でどんな試合をするのか私も楽しみではありますね」
「あらあら。まぁでも実は私もちょっと楽しみだったり。生徒会としてあんまり1つのクラスに肩入れするのもどうかと思うけど」
フリージアはいたずらっぽく笑った。
「普通なら1つの戦法が上手くいったら同じ戦法で行くはずなのに、5クラスはここまで全試合でメンバー構成も戦法も変えてきてるわ。何て言うか…期待を裏切らないというか…だからきっと決勝でもまた違う戦法で来るんじゃないかしら」
「今までに誰もやらなかった戦法や、やりたくてもできなかった戦法を次々と使ってきてますからね。本当にあのルーシッドさんの頭脳はどうなってるんでしょうか」
ヴァンはすでに今回の5クラスの活躍の背後にいる立役者がルーシッドであることに確信を持っていた。
「ほんとにね。さぁ、そろそろ行きましょう。1年生の試合が始まっちゃうわ」
そう言うと2人は観客席へと向かった。
0
お気に入りに追加
278
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
二度捨てられた白魔女王女は、もうのんびりワンコと暮らすことにしました ~え? ワンコが王子とか聞いてません~
吉高 花
恋愛
魔力があった、ただそれだけの理由で王女なのに捨て子として育ったマルガレーテは、隣国との政略結婚のためだけにある日突然王女として引っぱりだされ、そして追放同然に邪悪な国と恐れられるルトリアへと送られた。
そしてルトリアでの魔力判定により、初めて自分が白の魔力を持つ者と知る。しかし白の魔力を持つ者は、ルトリアではもれなく短命となる運命だった。
これでは妃なんぞには出来ぬとまたもや辺鄙な離宮に追放されてしまったマルガレーテ。
しかし彼女はその地で偶然に病床の王妃を救い、そして流れ着いたワンコにも慕われて、生まれて初めて自分が幸せでいられる居場所を得る。
もうこのまま幸せにここでのんびり余生を送りたい。そう思っていたマルガレーテは、しかし愛するワンコが実は自分の婚約者である王子だったと知ったとき、彼を救うために、命を賭けて自分の「レイテの魔女」としての希有な能力を使うことを決めたのだった。
不幸な生い立ちと境遇だった王女が追放先でひたすら周りに愛され、可愛がられ、大切な人たちを救ったり救われたりしながら幸せになるお話。
このお話は「独身主義の魔女ですが、ワンコな公爵様がなぜか離してくれません」のスピンオフとなりますが、この話だけでも読めるようになっています。

隠密スキルでコレクター道まっしぐら
たまき 藍
ファンタジー
没落寸前の貴族に生まれた少女は、世にも珍しい”見抜く眼”を持っていた。
その希少性から隠し、閉じ込められて5つまで育つが、いよいよ家計が苦しくなり、人買いに売られてしまう。
しかし道中、隊商は強力な魔物に襲われ壊滅。少女だけが生き残った。
奇しくも自由を手にした少女は、姿を隠すため、魔物はびこる森へと駆け出した。
これはそんな彼女が森に入って10年後、サバイバル生活の中で隠密スキルを極め、立派な素材コレクターに成長してからのお話。

冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。

転生ヒロインは乙女ゲームを始めなかった。
よもぎ
ファンタジー
転生ヒロインがマトモな感性してる世界と、シナリオの強制力がある世界を混ぜたらどうなるの?という疑問への自分なりのアンサーです。転生ヒロインに近い視点でお話が進みます。激しい山場はございません。

スキル【縫う】で無双します! 〜ハズレスキルと言われたけれど、努力で当たりにしてみます〜
藤花スイ
ファンタジー
コルドバ村のセネカは英雄に憧れるお転婆娘だ。
幼馴染と共に育ち、両親のように強くなることが夢だった。
けれど、十歳の時にセネカが授かったのは【縫う】という非戦闘系の地味なスキルだった。
一方、幼馴染のルキウスは破格のスキル【神聖魔法】を得て、王都の教会へと旅立つことに⋯⋯。
「お前、【縫う】なんていうハズレスキルなのに、まだ冒険者になるつもりなのか?」
失意の中で、心無い言葉が胸に突き刺さる。
だけど、セネカは挫けない。
自分を信じてひたすら努力を重ねる。
布や革はもちろん、いつしか何だって縫えるようになると信じて。
セネカは挫折を乗り越え、挑戦を続けながら仲間を増やしてゆく。
大切なものを守る強さを手に入れるために、ひたむきに走り続ける。
いつか幼馴染と冒険に出る日を心に描きながら⋯⋯。
「私のスキルは【縫う】。
ハズレだと言われたけれど、努力で当たりにしてきた」
これは、逆境を乗り越え、スキルを磨き続けた少女が英雄への道を切り拓く物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる