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外伝 【夢幻の道】
外伝11 【祈りと戦い】
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アルフレア達が裏の世界に行ってから、どれだけの時間が経っただろうか。
未だに戦い続ける俺達暗殺隊と奇兵隊。それと、白陽軍。
こうして戦っていると、あの時のことを思い出す。
アルフレア様に助けてもらったあの日。俺とロウラに戦術を教えてくれた日。俺にとって、黒月はもう故郷になっていた。
「どうした、ロウラ」
「......デルシア、死んでないかな」
「あの人は死なない。アルフレア様が信じた方だ」
「......お兄ちゃん。いっつもアルフレア様だね」
だって、俺にはあの人しかいないのだから。
「お2人共、集中してください」
こいつはカイリ。出番がほとんどなかった白陽の軍師だ。
「お前なんかに言われなくとも分かっている」
「お兄ちゃん......口が悪い」
「......」
「2人の仲は相変わらずですな」
「お前ら、暇なのか?」
白陽の軍師カイリと、サツキという女の従者クウガ。
2人とも、作者がすっかり忘れていたせいで名前すらほとんど出なかった存在だ。むしろ、第1話で出ていない俺達の方が影が濃い。
いや、俺は何を考えているんだろう。
「......気づいておられますか?お2人共。敵の数が異常に増えていることを」
「とっくに気づいている」
「流石は、暗殺隊の隊長ですね」
それは、バカにしているのか?
「敵がどこから増えているのか。私の調査では、黒月の城からこちらに向かっていることが分かっております」
「......城から?」
クウガの口から出た言葉は、耳を疑うような言葉だった。
「城から現れてきてるのは間違いないようです。そして、恐らくその敵を増やしている人物は......」
「我のことか?」
あれは......いつも遠目から見ていたギリスだ。
「あれが、黒幕......」
「正しくは、黒幕の表世界での駒でしょうな」
「お兄ちゃん。殺せばいい?」
「それ以外にない」
「ええ。ここは、私達で奴を仕留めましょう」
「策は私に任せてください」
「小虫共がよう喚くわい。全員、リエンドの前では無力だということを証明してやる」
殺しに長けた俺達の部隊を舐めるな。
あんたのような老害は、俺達の敵ではない。
「投げナイフなんぞ、そんな弱い攻撃が効くとでも思ったか?」
「オメガさんとロウラさんはそのまま投げナイフで敵の邪魔を、クウガさんは魔法でお願いします」
他人に指示される義理はないが、ここはカイリの作戦通りに行こう。
いくら老人といえど、あれはただならぬ力を持っている。それは分かる。
「ジャッジメント・ルミナス」
「ガイデンス・ライト」
「アビス・サンデライト」
クウガとカイリの魔法も、奴の魔法によって上書きされる。
「避けろロウラ」
正面からやってくる闇の波動を高く飛び上がって避ける。
「空中では機動力が足りなくなるだろう?」
ギリスは、こちらを狙って同じ魔法を放ってくる。
「調子に乗るな老害」
魔法に対して大量のナイフをぶつける。
「金属で弾き飛ばせるようなものではない」
そうだな。それ程の魔法相手にただの金属では分が悪い。
だが、俺が持ってる刃は、それだけじゃない。
「任せたぞ、ロウラ」
投げたナイフは、魔法に当たらずにロウラの元へと降り注ぐ。
「これが、殺し屋兄妹の合わせ技。ビリオン・ブレッド」
俺が投げた刃は、ロウラの魔法によって強化されギリスに向けて全てが放たれる。
奴は魔法を使った反動で、咄嗟に守ることが出来ない。
全てをもろに受ける形でギリスがその場に倒れた。
「......見事なり......人の子よ」
ギリスの姿が、霧に紛れるように消えていった。
「......」
「......お兄ちゃん!」
流石に、あの魔法を喰らえば体が悲鳴をあげるか......。
「死んでない......」
「大丈夫ですか、オメガ殿」
「お前は何もしてないだろ、カイリ」
「悔しいことに、本当に何も出来ませんでした」
カイリとクウガは、本当に何もしなかったな。何が白陽の精鋭なんだか。アルフレア様も、よくこんなのを残して向こうに行けれたものだ。
「敵はいなくなりました。やはり、あのギリスが敵を増やし続けていたようですね」
「じゃあ、これで一件落着?」
「ですね。少なくとも、表世界での戦いはこれで終わりでしょう。後は......」
裏世界で戦い続けるデルシア達の帰りを待つだけだ。
「デルシア......」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「デルシア......まだ抗うと言うのか」
「私は、私の夢は、自分で叶えてみせます!」
剣が光り輝いている。
夢の世界で得た力。
未来のネイさんに貰った力。
私は、私の夢のために戦う。それが、私が戦い続ける理由だ。
「デルシア、援護は任せて」
「ミューエ、貴様......」
親友のミューエも、私の隣に立って戦っている。
ボロボロの体になっているのに、やっぱりミューエはいつまで経っても私の親友だ!
「デルシア!貴様は親を裏切ると言うのか!」
「裏切るも何も、最初からあなたは私の家族じゃない!私の家族は、ここにいるみんなです!」
「折角夢を叶えてやろうとしたのに......」
「私の夢は、私が叶える。誰かに見せられる夢なんて嫌だ!」
「そうよリエンド。デルシアの夢は、みんなで現実にするんだから。あなたが関与する余地はないわ」
「貴様らー!」
「聖なる炎!」
「なっ......」
「敵はデルシアだけではないぞ!私達も付いている!」
アマテラスの浄化魔法により、リエンドの鱗の1つが焼け落ちた。
「デルシア!お前の家族が、お前を守ってやる!」
シンゲン兄さんとアルフレア兄さん。2人の力も、自然と大きくなっている。
「シャインスパーク!」
「ゼータ殿、合わせてください!」
「任せろ!」
「グァッ」
さっきまで全然効かなかった攻撃が、リエンドに確実にダメージを与えられるようになっている。
(デルシア、その想いが、己と仲間を強くする。やれるな?)
この剣が、みんなに未来を与えている。みんなでリエンドに勝つための未来を与えてくれている。
「老人の剣も舐めるなよ!」
「......終焉の炎を喰らえー!」
あの炎は、リエンドに全滅させられた時によく使われた技。だが、そんなものはこの剣で打ち砕いてやる。
「なっ......」
剣の輝きは、益々神々しくなり、私の体に力を与えてくれる。
「創世の未来・復活の光」
この場にいる全員が回復する未来。それを実現させた。
「なぜだ!なぜなんだ!」
「デルシア、今がチャンスよ」
「はい......」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
オメガ「デルシア......」
ロウラ「デルシア......」
カイリ「デルシア様」
クウガ「デルシア様」
こちらでの戦いは終わった。だが、もう戦える力は残っていない。でも、祈りを捧げるくらいのことは出来る。
オメガ「勝ってくれ......デルシア」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「デルシア様......」
「どうかしましたか?長老」
「いや、今、デルシア様が何か、大きな事を起こしてるような気がしてな。こうして、祈りを捧げておるのじゃ。デルシア様が、その夢を叶えてくださるように」
獣人の里は、あの異形の敵によって滅ぼされた。でも、想いがある限り、この里の者の心には、いつまでも獣人の里は存在する。
「デルシア様......必ず、勝ってくだされ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「デルシアって人を覚えていますか?」
「どうしたんだ霊鬼」
「いえ、今、羅刹さんがデルシアさんと一緒に大きな戦いをしてる気がして......」
「そりゃあ、戦争を止めるとか言ってたんだからな、それくらいのことはしていてくれねえと夜叉丸さんに申し分がつかないだろ」
「......デルシア様。必ず、羅刹さんと帰ってきてくださいね」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
みんなの想いが、この剣に力を与えてくれる。いや、私にも力を与えてくれてる。
「......」
シンゲン「デルシア、俺達の想い、全部お前にくれてやる!」
アルフレア「勝て!デルシア!」
ベルディア「勝って!デルシア!」
ガンマ「デルシア様、私共はあなたを信じております」
イグシロナ「デルシア様、勝ってください!」
ゼータ「デルシア様!」
羅刹「デルシア!そんな化け物、殺っちまえ!」
アイリス「デルシア......!」
ネイ「デルシアさん!」
△▼△▼△▼△▼
サツキ「姉さん......勝て」
レイ「デルシアさん、私達は、あなたを信じてます」
シータ「デルシア様......」
カイナ「デルシアー!勝てー!上からどしどし聞こえてうるさいぞー!早くしろー!」
カンナ「デルシア様!」
△▼△▼△▼△▼
「なんだ、この光は......!」
「みんなの祈りです。みんなが、私に力を貸してくれるんです。創世の未来・絆の繋がり」
「リエンド。あなたの野望はこの周で終わりよ。5万7458回と繰り返した時間は、ここで続きを描き始める」
「そんな事はさせん!」
「創世の未来・夢の続き」
「......なっ、時間を止めることが出来んだと?」
30分経った。でも、時間は元に戻ってない。
私達の想いが、未来を作り出した。
「これで終わりです!創世の未来・覚める夢」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!」
ミューエ「デルシア!私の力も受け取って!」
何万もの力が、私の中で1つの想いに変わる。
「みんなが笑顔でいられる世界を、私は創る。だから、あなたの世界はこれで終わりです」
「デルシア......!デルシアァァァァ!」
さようなら。お父さん。あなたが、表の世界に私を置いてくれたから、私は素晴らしい家族と出会えた。
それだけは感謝してる。だけど、私の道は私で決める。親不孝な子でごめんだけど、これが私の決めたことだから。
だから、お父さん。そんな悲しい顔をしないで。私は、私を見つけただけだから。
「デル......シア......」
「あなたに頼らなくても、私の未来は私で創れます。だから、おやすみなさい」
「....................................」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
夢はあくまで夢でしかない。
いずれは覚める、ほんの一時の幸せ。
でも、その夢を現実で見られたらどう思うだろうか?
まあ、妾はそんな事に興味はないがな。
じゃが、デルシアは夢の続きを見るために剣を取った。自らの親を敵にしてまでデルシアには見たかったものがあったということじゃな。
妾も、ここで彼奴について行けば良かったのかもしれない。まあ、今が幸せじゃから別にどうでもええじゃろう。
5万7458回と繰り返した時間は、今ここでそのループを終え、新たなる未来が始まる。そうじゃな、妾がヴァル達と出会う少し前あたりの時間じゃったかな?
さて、妾もいつまでもこの時代を見ているわけにはいかんな。
歴史の修復は終わった。
ここから、妾達の逆転劇の始まりじゃ......。
おっと、少し未来の事を話しすぎたな。
未だに戦い続ける俺達暗殺隊と奇兵隊。それと、白陽軍。
こうして戦っていると、あの時のことを思い出す。
アルフレア様に助けてもらったあの日。俺とロウラに戦術を教えてくれた日。俺にとって、黒月はもう故郷になっていた。
「どうした、ロウラ」
「......デルシア、死んでないかな」
「あの人は死なない。アルフレア様が信じた方だ」
「......お兄ちゃん。いっつもアルフレア様だね」
だって、俺にはあの人しかいないのだから。
「お2人共、集中してください」
こいつはカイリ。出番がほとんどなかった白陽の軍師だ。
「お前なんかに言われなくとも分かっている」
「お兄ちゃん......口が悪い」
「......」
「2人の仲は相変わらずですな」
「お前ら、暇なのか?」
白陽の軍師カイリと、サツキという女の従者クウガ。
2人とも、作者がすっかり忘れていたせいで名前すらほとんど出なかった存在だ。むしろ、第1話で出ていない俺達の方が影が濃い。
いや、俺は何を考えているんだろう。
「......気づいておられますか?お2人共。敵の数が異常に増えていることを」
「とっくに気づいている」
「流石は、暗殺隊の隊長ですね」
それは、バカにしているのか?
「敵がどこから増えているのか。私の調査では、黒月の城からこちらに向かっていることが分かっております」
「......城から?」
クウガの口から出た言葉は、耳を疑うような言葉だった。
「城から現れてきてるのは間違いないようです。そして、恐らくその敵を増やしている人物は......」
「我のことか?」
あれは......いつも遠目から見ていたギリスだ。
「あれが、黒幕......」
「正しくは、黒幕の表世界での駒でしょうな」
「お兄ちゃん。殺せばいい?」
「それ以外にない」
「ええ。ここは、私達で奴を仕留めましょう」
「策は私に任せてください」
「小虫共がよう喚くわい。全員、リエンドの前では無力だということを証明してやる」
殺しに長けた俺達の部隊を舐めるな。
あんたのような老害は、俺達の敵ではない。
「投げナイフなんぞ、そんな弱い攻撃が効くとでも思ったか?」
「オメガさんとロウラさんはそのまま投げナイフで敵の邪魔を、クウガさんは魔法でお願いします」
他人に指示される義理はないが、ここはカイリの作戦通りに行こう。
いくら老人といえど、あれはただならぬ力を持っている。それは分かる。
「ジャッジメント・ルミナス」
「ガイデンス・ライト」
「アビス・サンデライト」
クウガとカイリの魔法も、奴の魔法によって上書きされる。
「避けろロウラ」
正面からやってくる闇の波動を高く飛び上がって避ける。
「空中では機動力が足りなくなるだろう?」
ギリスは、こちらを狙って同じ魔法を放ってくる。
「調子に乗るな老害」
魔法に対して大量のナイフをぶつける。
「金属で弾き飛ばせるようなものではない」
そうだな。それ程の魔法相手にただの金属では分が悪い。
だが、俺が持ってる刃は、それだけじゃない。
「任せたぞ、ロウラ」
投げたナイフは、魔法に当たらずにロウラの元へと降り注ぐ。
「これが、殺し屋兄妹の合わせ技。ビリオン・ブレッド」
俺が投げた刃は、ロウラの魔法によって強化されギリスに向けて全てが放たれる。
奴は魔法を使った反動で、咄嗟に守ることが出来ない。
全てをもろに受ける形でギリスがその場に倒れた。
「......見事なり......人の子よ」
ギリスの姿が、霧に紛れるように消えていった。
「......」
「......お兄ちゃん!」
流石に、あの魔法を喰らえば体が悲鳴をあげるか......。
「死んでない......」
「大丈夫ですか、オメガ殿」
「お前は何もしてないだろ、カイリ」
「悔しいことに、本当に何も出来ませんでした」
カイリとクウガは、本当に何もしなかったな。何が白陽の精鋭なんだか。アルフレア様も、よくこんなのを残して向こうに行けれたものだ。
「敵はいなくなりました。やはり、あのギリスが敵を増やし続けていたようですね」
「じゃあ、これで一件落着?」
「ですね。少なくとも、表世界での戦いはこれで終わりでしょう。後は......」
裏世界で戦い続けるデルシア達の帰りを待つだけだ。
「デルシア......」
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「デルシア......まだ抗うと言うのか」
「私は、私の夢は、自分で叶えてみせます!」
剣が光り輝いている。
夢の世界で得た力。
未来のネイさんに貰った力。
私は、私の夢のために戦う。それが、私が戦い続ける理由だ。
「デルシア、援護は任せて」
「ミューエ、貴様......」
親友のミューエも、私の隣に立って戦っている。
ボロボロの体になっているのに、やっぱりミューエはいつまで経っても私の親友だ!
「デルシア!貴様は親を裏切ると言うのか!」
「裏切るも何も、最初からあなたは私の家族じゃない!私の家族は、ここにいるみんなです!」
「折角夢を叶えてやろうとしたのに......」
「私の夢は、私が叶える。誰かに見せられる夢なんて嫌だ!」
「そうよリエンド。デルシアの夢は、みんなで現実にするんだから。あなたが関与する余地はないわ」
「貴様らー!」
「聖なる炎!」
「なっ......」
「敵はデルシアだけではないぞ!私達も付いている!」
アマテラスの浄化魔法により、リエンドの鱗の1つが焼け落ちた。
「デルシア!お前の家族が、お前を守ってやる!」
シンゲン兄さんとアルフレア兄さん。2人の力も、自然と大きくなっている。
「シャインスパーク!」
「ゼータ殿、合わせてください!」
「任せろ!」
「グァッ」
さっきまで全然効かなかった攻撃が、リエンドに確実にダメージを与えられるようになっている。
(デルシア、その想いが、己と仲間を強くする。やれるな?)
この剣が、みんなに未来を与えている。みんなでリエンドに勝つための未来を与えてくれている。
「老人の剣も舐めるなよ!」
「......終焉の炎を喰らえー!」
あの炎は、リエンドに全滅させられた時によく使われた技。だが、そんなものはこの剣で打ち砕いてやる。
「なっ......」
剣の輝きは、益々神々しくなり、私の体に力を与えてくれる。
「創世の未来・復活の光」
この場にいる全員が回復する未来。それを実現させた。
「なぜだ!なぜなんだ!」
「デルシア、今がチャンスよ」
「はい......」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
オメガ「デルシア......」
ロウラ「デルシア......」
カイリ「デルシア様」
クウガ「デルシア様」
こちらでの戦いは終わった。だが、もう戦える力は残っていない。でも、祈りを捧げるくらいのことは出来る。
オメガ「勝ってくれ......デルシア」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「デルシア様......」
「どうかしましたか?長老」
「いや、今、デルシア様が何か、大きな事を起こしてるような気がしてな。こうして、祈りを捧げておるのじゃ。デルシア様が、その夢を叶えてくださるように」
獣人の里は、あの異形の敵によって滅ぼされた。でも、想いがある限り、この里の者の心には、いつまでも獣人の里は存在する。
「デルシア様......必ず、勝ってくだされ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「デルシアって人を覚えていますか?」
「どうしたんだ霊鬼」
「いえ、今、羅刹さんがデルシアさんと一緒に大きな戦いをしてる気がして......」
「そりゃあ、戦争を止めるとか言ってたんだからな、それくらいのことはしていてくれねえと夜叉丸さんに申し分がつかないだろ」
「......デルシア様。必ず、羅刹さんと帰ってきてくださいね」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
みんなの想いが、この剣に力を与えてくれる。いや、私にも力を与えてくれてる。
「......」
シンゲン「デルシア、俺達の想い、全部お前にくれてやる!」
アルフレア「勝て!デルシア!」
ベルディア「勝って!デルシア!」
ガンマ「デルシア様、私共はあなたを信じております」
イグシロナ「デルシア様、勝ってください!」
ゼータ「デルシア様!」
羅刹「デルシア!そんな化け物、殺っちまえ!」
アイリス「デルシア......!」
ネイ「デルシアさん!」
△▼△▼△▼△▼
サツキ「姉さん......勝て」
レイ「デルシアさん、私達は、あなたを信じてます」
シータ「デルシア様......」
カイナ「デルシアー!勝てー!上からどしどし聞こえてうるさいぞー!早くしろー!」
カンナ「デルシア様!」
△▼△▼△▼△▼
「なんだ、この光は......!」
「みんなの祈りです。みんなが、私に力を貸してくれるんです。創世の未来・絆の繋がり」
「リエンド。あなたの野望はこの周で終わりよ。5万7458回と繰り返した時間は、ここで続きを描き始める」
「そんな事はさせん!」
「創世の未来・夢の続き」
「......なっ、時間を止めることが出来んだと?」
30分経った。でも、時間は元に戻ってない。
私達の想いが、未来を作り出した。
「これで終わりです!創世の未来・覚める夢」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!」
ミューエ「デルシア!私の力も受け取って!」
何万もの力が、私の中で1つの想いに変わる。
「みんなが笑顔でいられる世界を、私は創る。だから、あなたの世界はこれで終わりです」
「デルシア......!デルシアァァァァ!」
さようなら。お父さん。あなたが、表の世界に私を置いてくれたから、私は素晴らしい家族と出会えた。
それだけは感謝してる。だけど、私の道は私で決める。親不孝な子でごめんだけど、これが私の決めたことだから。
だから、お父さん。そんな悲しい顔をしないで。私は、私を見つけただけだから。
「デル......シア......」
「あなたに頼らなくても、私の未来は私で創れます。だから、おやすみなさい」
「....................................」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
夢はあくまで夢でしかない。
いずれは覚める、ほんの一時の幸せ。
でも、その夢を現実で見られたらどう思うだろうか?
まあ、妾はそんな事に興味はないがな。
じゃが、デルシアは夢の続きを見るために剣を取った。自らの親を敵にしてまでデルシアには見たかったものがあったということじゃな。
妾も、ここで彼奴について行けば良かったのかもしれない。まあ、今が幸せじゃから別にどうでもええじゃろう。
5万7458回と繰り返した時間は、今ここでそのループを終え、新たなる未来が始まる。そうじゃな、妾がヴァル達と出会う少し前あたりの時間じゃったかな?
さて、妾もいつまでもこの時代を見ているわけにはいかんな。
歴史の修復は終わった。
ここから、妾達の逆転劇の始まりじゃ......。
おっと、少し未来の事を話しすぎたな。
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