牧師に飼われた悪魔様

リナ

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第四章「吸血鬼の棲む城」

★浮気

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「もう帰るのか?」

 バンが心配そうに俺を見送ってくれた。

「他のみんなには俺が言っておこう」
「ありがとう、バン」
「気分が悪いなら仕方ない、明日見舞いにいこうか?」
「平気だよ、ありがと、じゃ」
「おう!またな」

 そびえ立つように大きな城の門を抜け、外に出る。外にいても城の窓から音楽が聞こえてきた。どんだけ騒いでんだか。

「ザクの奴、土産になりそうな酒を持ってくるとかいってたけど戻ってこないな・・・」

 ぼけーっと満月を見上げてみる。丸い月が空に浮かんでた。

 ガササッ

 無心で俺が見上げてると、近くの草むらから何かが擦れるような物音がした。不思議に思い、草むらに近づく。

「ああん!ダメだって、んん...!」

 突然、息も絶え絶えの男の声が聞こえてきた。

(って、この特徴的な声はまさか...ししし)

「ししし、シータ?!!!」
「んんっあれ?ルトくんー、いいところに!」
「~~!?」

 何がいいところだ!俺はわなわなと肩を震わし唖然とする。

(お前らにとってはいいとこでも、目のやり場に困るし、よく見たら男同士だしもう意味がわからない!!)

 しかも、一番驚いたのがシータの中に男のあれが突き刺さってることだった。

(普通に痛いだろあれ!!!てゆうかお前そっちもできたの?!)

 お相手様はかなりがっしりとした方だった。まあ、あれじゃ逆はありえないだろう。うん、こんな思考してしまってる自分が既に怖い。

「ちょっと僕の、相手して、くれない?」
「え、お前のって、はあああ?」
「やっぱっ、んんう!...物足りなくてっ」

 立ち上がった自らのものを指差し、笑っている。いやいやそんな笑顔で言われても無理なものは無理です!と後ずさる俺。逃げようと走り出した。

 ずがしっ!!

 足首を捕まれ思いっきり引っ張られる。俺は受け身も取れず、思いっきり地面に叩きつけられた。

「ぶっ!!いったあ...!!」
「はい、これね、...んんっ」
「これねって..うわっ近づけるな!」

 首根っこを掴まれ手繰り寄せられてしまう。目の前にやつのものがあった。もうすでに先走りでグズグズになっている。

(いやいや、ホント無理!)

 俺が躊躇してると

「教えた、でしょ?んんっ」

 ぐいっ

「むむむ!!!」

 無理矢理押し込まれた。

(後ろから挿されてるのに器用なやつめ!)

 口の中に独特の匂いが広がる。

「早く、終わらしたいなら、頑張って?」
「んんーー!!!」

 俺の頭をもちリズミカルに動かし始めた。

「っぶ、ごほ!ごほっ!!」
「ほら、休まないでーんんっ、うあ・・・、イイね、これこれ」

 後ろから攻める男の勢いでシータのが喉にあたり噎せる。それでも無理やり入れてくるので、息を吸う暇もなく奴のを出し入れさせられた。先走りが口からはみ出て顎を伝い地面に落ちていく。こっちの都合などお構いなし、ただ自分が気持ちよくなるだけの動きだった。

(このままじゃ窒息死するって..!!)

 俺は目を閉じ、仕方なくそれを舐め始める。

(早く終わってくれ・・・!)

 手を離しても俺がちゃんと動くとわかったら、やっとシータの手が離れていった。

「んん、っふ、っくん、う」
「ああっ!!イイ...すごい、気持ちいい、もっと奥...」
「ん、う...あむ...!」

 何が悲しくて男のよがる声なんか聞かなきゃいけないんだ。しかも知り合いの。もう死にたくなってきた。むしゃくしゃしたので口の動きを早くしてやる。その動きに耐えれず、シータの口からあられもない声が出てきた。

「うああっ、最高っ」

 口に咥えてるそれからは、先走りなのかよくわからない液体がどろどろと溢れ出してきてる。奴も、もう限界が近いのだろう。

「はあっ・・・ああっもっと!んあああっ!そこ、いいっ!」

 このままだと人が集まってくるんじゃ、と嫌な予感がしてシータの震えるそれを強く吸い上げた。

「――やばっ、それ、い..!!イク!!」
「んく...うう、ふ!」

 遠慮なく腰を叩きつけられ、息苦しさに涙がにじむ。ブルブルと震えてるその先っぽを噛んだ。

「あああああーーっ!」
「っっんんん!?!」

 その嬌声と同時に奴のがはじけ、どぷどぷっと口の中に流れ込んできた。びくっびくっと体を震わし余韻を味わってるシータを見て安堵する。

(今なら・・・逃げられるか・・・?)

 口の中から奴に出されたモノを吐き出す。糸を引いて地面にぽとぽとっと落ちていった。

「うえっはあ...。し、死ぬかと思った...」
「っハア...ハア...さいこー」

 気持ちよさそうに目を瞑ってるシータ。その後ろにいた男がうっと呻き体を震わす。まだ余韻の中にいるシータの腰を深く突きガクガクと揺さった。

「う、あ...中に、あつっ..」
「...!!」

 まさかこいつら...野外で、しかも中だし?!俺はあまりのショックに、その二人から目が離せなくなる。全て出し切った男はおもむろに立ち上がり、何事もなかったかのように去っていってしまう。その後ろ姿をポカーンと見つめてると、クスッとシータが笑う。

「はあー気持ちよかった」
「...」
「なに、ルトくんどうしたのその顔。世界の終わりを見たみたいな顔だよ?」
「...お、お前なあ...」

 とりあえず言葉にならなかった。

「びっくりさせちゃってごめんね?僕って、どっちでもいいんだ。あ、でも。ルトくん相手なら絶対入れたいけどさ」
「...!!い、痛くないのか?!」
「慣れちゃえば気持ちいいよ」
「いやいや、そういう問題じゃうっわ」

 どさっ

 言い終わる前に押し倒された。え、何事?!

「だから僕としようよ」
「へ?わっお前いつの間にまたーっ」

(勃ってんだ!死ね!!)

 また元気になっているシータの下半身を信じられないものを見るかのように(実際信じられないけど)見下す俺。

「僕若いからさ★」
「死ね!!」

 俺の服をさっさと脱がしていくシータ。

「ちょ、やめろって!!」
「はいはい、静かにね」
「!!」

 口を塞がれ、体を草むらに押し込まれた。

「今回は邪魔に入られたくないし、念には念をいれなくちゃ」
「やめ、シータ!離せ!」

 草むらの奥に連れて行かれる。ここなら簡単には見つけられないだろう。声も葉音でかき消されて届かないし。ふと見回し、ザクを探す。もちろんいない。その間もシータは俺の体をくまなく舐め回してる。さっきまであんな情けなく喘いでた奴とは思えない。めっちゃ怖い。

「最近、僕のこと構ってくれないから、お仕置きしちゃお」
「!!待てシータ!」

 ずぶぶっ..

「っっあああっ?!」
「指一本でそんなに苦しいんじゃ、最初は慣らしても辛いかもね、クスクス」

 楽しそうにかき回す。気持ち悪い。

(なんでそんなとこに突っ込んで気持ちよくなれるんだ?!馬鹿じゃないのかお前!)

 自らの中に無理やり入り込んでくる指には、不快感しか感じられない。俺は息も絶え絶えになりながら必死に睨みつけた。

「ああ...可愛い...その顔、すごくいい、もーっとイジメてあげたくなる」
「し、ね...!んんあああ!いっ..つ!!...っく...ううっ!!」
「よしよし、このまま僕のを入れてあげようかな」
「?!...うあっ」

 不快感に顔を歪めてると、シータの指が一気に引き抜かれた。

(ま、まさ...まさかお前のって...指じゃ...)

 バクバクと心臓が破れそうなほど暴れる。俺の視線で気持ちが読めたのか、シータはにやっと笑い、さっきまで俺にさしていた指をおもむろに口に差し込んできた。

「そうだよ、これじゃない、僕のアレを」
「...っひ..!離せ」
「ルトの大事なここに」
「!!!!」
「その反応、もしかして初めてなの?ここ使うの」
「あっ当たり前だ!!」
「ふーん、とっくの昔に彼と済ましてるかと思ったけど...なんだ僕が一番手か~それは嬉しいなーえへへ~」
「!!!やめ、やめろ!!」

 脈立つそれを俺の下にあてがってくる。

「とびきりヨくしてあげないとねー?あはは」

 血の気が引き、何も考えられなくなった。

 ♪~

 そんな時、場違いな鼻歌が耳に入ってくる。どうやらそれは草むらの先にある城の裏庭から聞こえてくるようだ。シータが動きを止め俺と共に様子を見てる。

「~♪~~♪」

 草むらを横切る燃えるような赤髪。それには見覚えがあった。

(――ザク!!!!)

 草むらの隙間からザクの赤い髪が見える。5m程離れた先にあいつがいる、癪だけど、そう思うだけで安心した。

(たすけっ・・・!)

 声を出そうとしたその時


「あら、ザクじゃない」


 女性の声が聞こえてきた。

「??!」

 女性はとても親しげな様子で、ザクに近づいていく。

「おう、ナーシャ、元気してたか」
「おかげさまで。あなたこそ順調そうね」

 紫色の髪を毛先だけ巻き、胸元の開いたドレスをこれでもかと着こなしてる。大人っぽい女性で、男なら誰でも見蕩れてしまう美人だった。

(ザクの好みのタイプってこんな感じなのか…?)

 期待で膨らんだ胸がゆっくりと萎んでいく。

(すごく親しげだけど、まさか)

 焦りと、落胆。一気にモヤモヤとしてくる。俺の事など露知らず、ザクは楽しそうに女性に笑いかけた。

「っけけ、いいご主人が見つかってな」
「あら、じゃあ今日は相手してくれないの?」
「どうすっかな~」

 談笑を楽しむ二人は、背後の草むらに聞いてる奴がいると気付かず、体を絡ませ始めた。女性の腕がザクの腰にのびて、ザクはそのまま女性の肩を抱き寄せる。

「あらあら、浮気だねー?」

 シータが小さく笑う。どうやら奴はこの状況を楽しんでいるようで、放心している俺を優しく抱きかかえてきた。ゆっくりと俺の頭を撫でてくる。首元に舌を這わせ、吸い付いてくる。

「ねえ、あんな浮気男なんか捨てて僕にしなよ」
「...」

 いつものような威勢の良さはなく、ただ黙り込む俺。それがまた気にいったのか、笑いながら耳を噛んできた。

「んっ...やめろ!」
「なんでさ、あっちも楽しんでるんだし、おあいこだよ?」

 顎を上に向かされ、嫌でも視界に入れさせられた。ザクと女性は唇が触れ合うかどうかぐらいの距離で、ひそひそと何かを囁きあってる。

(・・・っ)

 別に、俺は奴と恋人になった覚えはない。だけどなんでか、すごく、ムカついた。なんであんな女の肩を触るんだ。顔を近づけて、笑い合って。悔しくて、拳をぎゅっと握り締める。

「...」
「さて、あれなら気づかれなさそうだし、そろそろ僕も入れようかな」
「!!!やめ、むぐ!!」
「流石に叫ばれたら困るから、ごめんね?ほんとはいっぱい、泣き声聞きたいんだけど」

 俺の下半身に、熱い何かがあたる。服越しでもわかる...脈立ってとっくに限界になってるシータのそれ。

「んむ~~!!!!!」

 後ろ手に縛られ、身動きも取れない。口も塞がれ助けも呼べない。目の前には、ザクと知らない女の絡む姿。

「ーっ、ううっ・・・っ」

 ぽろぽろと涙が溢れてくる。

「泣いてるの?っふふ。...これからもっと泣かしてあげるよ」

 ぐぐっ


 非情にもシータのが割り込んできた。

「――っっ!!!」

 あまりの圧迫感に、息ができない。瞼の裏がチカチカと瞬く。焦って振り返り下を見た。張り詰めたそれは、俺の中に入るわけがない大きさになっていた。その大きな先端が俺の中に入り込んできている。

(まだあれだけしか、入ってないのに・・・っこんな、苦しいのか?!)

 これで全部入れられたらと考えて、体中からどっと汗がでてきた。恐怖に、体が震える。

「――っく、きっつ...っふふ。」

 シータが一度体を止めた。そして、笑う。

「僕が一番乗りだ、しかも奴の前で!あははっこれほど嬉しいことはないねー!あはははっ」
「うっ、うう~~っっ」

 俺はシータを睨む余裕もなく、ただ痛みに耐えていた。引き裂くような痛みとひしひしと伝わってくる奴の熱さ。内臓がぐちゃぐちゃに掻き回されてような違和感。

「っ、くうっ・・・ううっ」

 あまりの不快感に、吐き気が込み上げてくる。

「さて、もう少し、奥、入れるよ」
「!!!」

 やめてくれ!俺は死ぬ気で腕を動かし暴れた。そこで運良く、シータの顎に腕があたる。

 ばしっ

「いったー!何すんのさー」

 のんきな声で怒るシータ。顎に手を添え撫でてる。その瞬間、一瞬だけ俺たちの体が離れ…口を塞ぐ手も離れた。

「!!!」

 俺は何も考えず叫んでいた。

「...っ、ザク―――――!!」

 草むらに見え隠れする赤髪が揺れる。
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